ミュージカル『マイ・フェア・レディ』にイライザ役で出演する朝夏まなとさんに、製作発表記者会見後にインタビューしました。宝塚退団後初ミュージカル出演となる朝夏さんに、『マイ・フェア・レディ』についてはもちろんのこと、宝塚のこと、退団後コンサートのことなど、いろいろと伺いました。（上）（下）に分けてお届けします。

——製作発表記者会見を終えていかがですか？

最初はとても緊張して、緊張と不安しかなかったですが、いざ終わってみたら、とても視界が開けました。今、ワクワクしています。ほっとしたんだと思います。

——緊張と不安があったというのは、アウェイでしたか？

完全にアウェイでした。でも、もう大丈夫です！　ここから体当たりできるぞと思えました。

——逆にそれまでは、どんな感じだろうかと思っていた？

そうですね。不安しかなかったです。やはりこれまではずっと同じカンパニーでやってきたので、はじめて新しい場に入ると、どんな感じなのか全くわからなかったんです。退団後にコンサートをさせて頂きましたが、それは身内感覚でしたし。『マイ・フェア・レディ』はベテランの有名な方々ばかりなので、かなりアウェイでしたね。

——客席で見ていた方々みたいな？

そうそう！　そこに自分が入っていいんだろうかと。

——みなさん優しく迎えてくださいましたか？

みなさんとっても温かい方ばかりで、「大丈夫、大丈夫！」と声をかけてくださって優しかったです。

——退団後一作目のミュージカルになりますが、『マイ・フェア・レディ』イライザ役で一歩を踏み出そうと思われた理由は何ですか？

これまで男役をやっていて、そこから女優になる第一歩が、このイライザとリンクして惹かれました。

——イライザを霧矢大夢さん、真飛聖さんが演じていたときの舞台はご覧になっていますか？

はい。真飛さんのイライザを拝見しました。残念ながら、霧矢さんは拝見出来ていないんです。確かちょうど公演中だったので、２度は拝見出来なくて。

——当時ご覧になっていかがでしたか？

ミュージカルですが、芝居色が強いなと思いました。ミュージカルといえば、『エリザベート』のような歌で掛け合う作品だと思っていましたが、お芝居がたっぷりあって、感情が高ぶって歌うタイプのミュージカルだったので、お芝居が印象に残っています。

——その印象を踏まえて、この作品に出演されるというのはいかがですか？

女性役であることももちろんですが、宝塚は宝塚の芝居だと思っているので、今まで私がやってきた芝居とは変わるのではないかな？と思っています。

※アイデアニュース有料会員（月額300円）限定部分には、『マイ・フェア・レディ』についてさらに詳しく伺ったほか、宝塚を退団してからこれまでについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。7月13日掲載予定のインタビュー「下」では、共演者のみなさんに何と呼んでいただくようにお願いしたのかや、宝塚での一番の思い出の風景、退団公演の『神々の土地』、コンサート『MANA-ism』などについても伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■イライザ役、歌を歌として聞かせるのではなく、やっぱり芝居として歌いたい

■超高速でリハビリを頑張っているんです。リハビリというか、リニューアル（笑）

■イライザもヒギンズも、お互いに欠点があって気持ちが通いあう、そこが面白い

■コンサートまで長いかなと思っていたんですが、ドラマをさせて頂いて、あっという間

＜ミュージカル『マイ・フェア・レディ』＞
【東京公演】2018年9月16日（日）～9月30日（日）　東急シアターオーブ
【福岡公演】2018年10月6日（土）～10月7日（日）　久留米シティプラザ　ザ・グランドホール
【広島公演】2018年10月10日（水）～10月11日（木）　上野学園ホール
【大阪公演】2018年10月19日（金）～10月21日（日）　梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2018年10月24日（水）～10月25日（木）　日本特殊陶業市民会館　ビレッジホール
【大分公演】2018年10月31日（水）～11月1日（木）　iichiko総合文化センター　iichikoグランシアタ

＜公式サイト＞
http://www.tohostage.com/myfairlady/

＜関連サイト＞
朝夏まなと プロフィール（東宝芸能）
https://www.toho-ent.co.jp/actress/profile.php?id=8923
朝夏まなと official site
https://asakamanato.com
朝夏まなと official Instagram
https://www.instagram.com/asaka_manato_official/
朝夏まなとマネージャー 公式Twitter
https://twitter.com/asakamanatomg

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■イライザ役、歌を歌として聞かせるのではなく、やっぱり芝居として歌いたい

——どんな風に変わるか感じていることはありますか？

やっぱり嘘の世界じゃないですか。男役ですし、だからこそ許されるというところがたくさんあって、それが宝塚の魅力ですよね。本当にリアルな男女でやる芝居というのは初めてのことなので、自分のなかで想像がつかないんですよね。演出のG2さん、共演者のみなさんと一緒に作っていくうえで、自分が知らない自分が出て来たらいいなと思います。全然違うと思うんですよね。

——真飛さんと何かお話されましたか？

この作品をやりますというお話はさせて頂いたんですが、「全然大丈夫だよ！」と応援してくださっています。今度お会いするので、そのときにお話をまた伺えるかなと思います。

——ヒギンズ教授役の寺脇（康文）さんともご一緒されていますね。

今日寺脇さんに伺ったら、「まぁ（朝夏）をよろしくお願いします」と言われたよと。優しい……。真飛さんも優しいですし、それを伝えてくださる寺脇さんも優しいです。

——楽曲について、霧矢さんと真飛さんが上演されたときに、とても耳馴染みのいい曲だけれど、歌うとすごく難しいとおっしゃっていたんです。実際に今取り組んでいていかがですか？

難しいです。歌も難しいですが、発声など、歌以前にクリアしなくてはいけないところに、まだ私は立ち向かっているところです。歌を歌として聞かせるのではなく、やっぱり芝居として歌いたいですし、その気持ちが作れてはじめて歌になると思っているので、そうなるまでには大変だろうなと思いますね。

■超高速でリハビリを頑張っているんです。リハビリというか、リニューアル（笑）

——製作発表の歌唱披露でも、先日のコンサート『MANA-ism』でも思いましたが、高音が美しくて、驚いたんです。コンサートは退団から４カ月程でしたが、もう高音をあんなに気持ちよく出されるんだなと。

超高速でリハビリを頑張っているんです（笑）。リハビリというか、リニューアル（笑）！？

——（笑）。

元々持っている声帯が、割と高音に順応するタイプみたいですね。あとは、現役のときも、ウォーミングアップなどで自分で訓練していたんです。下の音域が出ないのは、上の音域が出ないからなので、まず下を出すために、上の練習もしていたら、声がつぶれなかったんです。基本的には男役の声を出していたので、音域は狭まりましたが、そこを今広げているところです。声帯がちょっと覚えてくれていた感覚がありますね。

■イライザもヒギンズも、お互いに欠点があって気持ちが通いあう、そこが面白い

——今の時点で、作品に対してどんな印象を持っていますか？

人間ドラマであるとG2さんもおっしゃっていましたが、イライザとして見たら、偶然ヒギンズと出会ったことで未知の世界に入り、レディになっていくという、シンデレラストーリーのようになってはいるんですが、そこで終わらないところがすごくいいなと思っています。男女の考え方の違いや、お互いの欠点に知らず知らずのうちに気づかされて、そこで気持ちが通いあうという、ヒギンズにも気づきがあるというところがあって、そこが面白いところだなと思います。大地（真央）さんのイライザは拝見していないので、昔のセリフや歌詞が恥ずかしながらあまりわからないんですが、リボーン版の歌詞だけを先に頂いたときに、とっても自分の気持ちを歌っている印象がありました。オブラートに包んでいないですし、情景説明的なこともなく、気持ちを歌っている。そこがお芝居っぽいと感じた理由なのかなと思います。

——抽象的すぎないですよね。

そうですね！　ちょっとリアルですよね。

——曲のタイトルがひらがなって珍しいですよね。わかりやすいというか。

「だったらいいな」「じっとしていられない」ですもんね！

——しっくりくる感じがするというか（笑）。高尚じゃない感じがします。

身近ですよね。ほんとにじっとしていられないんだねって思いますよね。

■コンサートまで長いかなと思っていたんですが、ドラマをさせて頂いて、あっという間

——宝塚を退団されて、７カ月が過ぎましたが、インスタを拝見していてもとても楽しそうだなと。

はい！

——７カ月間は、はやかったですか？

はやいですね。はやいけれど、とても充実しているので、退団したことが過去のことのように感じてしまいます。コンサートもありましたし、目まぐるしいので。最初コンサートまで長いのかなと思っていたんですが、それまでにドラマをさせて頂いたので、あっという間にコンサートもやってきました。私は、趣味が観劇なんです。

——だからあんなにたくさんご覧になっているんですね。

本当に大好きなんです。現役時代は、見たくても残念なことに諦めた作品がたくさんあったので、今時間が許すかぎり観れることが幸せです。

——充実した時間を過ごされているんですね。

たくさん蓄えて、観る観点も変わり、女優さんを見ています。

——今は女優さんに目が行くんですね。

もちろんです！

——宝塚にいたときは、男性に目が行っていた？

もちろん！

——「男性に目が行っていた」と話されるときは、顔つきまで変わりますね！

（笑）。何でもそうですね。映画でも、ドラマでも。

——その見方は、どのタイミングで変わったんですか？

退団した瞬間！

——瞬間！

リハビリ済みではなかったときは、知らず知らずのうちに俳優さんを見てしまって、「あ！　違う！　違う！」っていうこともありましたけれど（笑）。

——（笑）。

やっぱり自然に目が行ってしまうんですよね。長年の（笑）。それは格好いいからという理由ではなくて、なるほどねという目線で見てしまっていたので、もうそれはいらないんだと。

——きっとそれは男役あるあるでしょうね。

そうだと思います。

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