「サブカルの広告塔に」、「アルスマグナ」神生アキラ・榊原タツキ インタビュー(上)

神生アキラさん(左)と榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

2011年に結成された2.5次元のコスプレダンスユニット「アルスマグナ」。九瓏ノ主(クロノス)学園の高校生4人と化学教諭、ぬいぐるみのコンスタンティンの〝5人と1匹〟のキャラクターで構成された彼らは、現実の3次元の世界から、漫画連載やボーカロイドの開発など2次元の世界にも活動の幅を広げています。今回、来阪したアルスマグナのメンバーの神生アキラさんと榊原タツキさんに、グループ結成のきっかけや、オリコンウィークリーチャート1位に輝いたDVD「アルス・ブートキャンプ」、10月8日開幕の全国ツアーなどについて伺いました。(インタビュアー:米満ゆうこ・橋本正人、撮影:山本尚侍)

神生アキラさん(左)と榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

神生アキラさん(左)と榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

――はじめに、グループ結成について教えていただけますか。

榊原タツキ(以下タツキ):一番初めは、九瓏ノ主学園1年生の朴ウィト君が、「ダンス部を作りたいね」と中心になって、学園で一番パワフルで目立つアキラ君を誘い、3年生の僕と、2年生の泉奏君にも声をかけてくれました。次に、「顧問も必要だね」とアキラ君の担任である九瓏ケント先生に顧問をお願いしたんです。ウィト君が、色んな人に声をかけた結果、集まったのが今のアルスマグナです。

――皆さんは、学校でもともと知り合いだったのでしょうか。

神生アキラ(以下アキラ):いや、あまり接点はなかったですね。

タツキ:アキラ君と奏君は同じクラスで、アキラ君は2年生でも怖いんです。活動的でガツガツ来るから、3年生の僕でも怖い。けんかっ早いことでも有名でした。何しろいつも生傷が絶えないんですから。

――なるほど。それで、本日も含め、いつも顔にばんそうこうを貼っていらっしゃるんですね(笑)。

アキラ:ハッハッハ(笑)。そんなにいつも、ガツガツしているわけじゃないんですけど。

――学校のダンス部の活動から、どうやってアルスマグナとして、アルバムリリースやライブ活動につながっていったのですか。

タツキ:ダンス部の活動を通して、「どこかでそれをお披露目する機会があればいいね」とよく皆で話していたんです。でも、学生ですし、見た目もあったので、なかなか合うイベントがなくて。「それなら自分たちで作ろう」と始まったのが、アルス(マグナ)を中心に、ほかのゲストも呼んでダンスや音楽などを披露するイベント「コス☆メン フェスティバル 」なんです。コスチュームやコスメティックなどと引っ掛けて、「コス☆メン」と名付けました。

アキラ:「コス☆メン」は、今はちょっとお休みしています。タツキックが言ったように、ダンスを披露したいけど、披露する場所がない。自主的にイベントをやろうとしたところで、僕らだけだとお客さんが増えない。いつも少ない人数で、友達だけが来てくれて。それなら、ゲストを呼んで、そのゲストのお客さんも混ぜて、「コス☆メン」をやっちゃおうと。

タツキ:それでも、なかなか皆さんに認知してもらえなかったので、ケント先生が「ニコニコ動画の『踊ってみた』に投稿したら?」とアドバイスをくれて、投稿したら、ドンドンドンドン皆に認知してもらえるようになって。そのおかげで、色んなところで課外活動ができるようになりました。

――漫画が舞台になるのではなく、現実の活動が漫画になるという、通常とは逆のパターンで、前例がないことになりましたね。

アキラ:前例は、なかったですね。僕らは最初からダンスも歌も一緒にやろうとは言ってたものの、やっぱり宣伝力が僕らになかったんです。「踊ってみた」は大きかったんですが、ニコニコ動画って、素人さんが気兼ねなく踊って、その世界の中で楽しむもの。外部の人にどうこう言われるものではなく、サブカルチャーとして楽しむものですよね。そこで、僕らは「こんなサブカルチャーがあるんだよ」という広告塔になろうと、そういう気持ちで頑張ろうよと。

――そして、メジャーデビューして、武道館で2度もライブをした…。

アキラ:その世界から武道館に行けるアーティストが誕生したって、考えたら、すごいことですよね。強い気持ちが、色んな人に伝わったんだと思います。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、アルスマグナの結成からこれまで、ライブ会場の様子、舞台に上がる前の気持ちなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10月16日掲載予定のインタビュー「下」では、「アルス・ブートキャンプ」がオリコンウィークリーチャート1位に輝いたことについて、ライブツアー『龍煌祭 ~学園の7不思議を追え!~』について、アルスマグナやアキラさんとタツキさんが目指すものなどについて話してくださったインタビューの後半の全文を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■アキラ:「歌ってんの?」「踊ってんの?」「演じてんの?」という情報量の多いものを

■タツキ:ライブ会場には、コンちゃん(縫いぐるみのコンスタンティン)もいっぱいいる

■アキラ:緊張感が集中力に変わる。ステージに上がる人間として、恐怖心はあったほうがいい

<ARSMAGNA LIVE TOUR 2018 『龍煌祭 ~学園の7不思議を追え!~』>
【福岡公演】2018年10月8日(月・祝) DRUM LOGOS(この公演は終了しています)
【愛知公演】2018年10月20日(土) Zepp Nagoya
【広島公演】2018年10月21日(日) CLUB QUATTRO
【大阪公演】2018年10月27日(土)~10月28日(日) Zepp Osaka Bayside
【北海道公演】2018年11月11日(日)  Zepp Sapporo
【宮城公演】2018年11月17日(土)  仙台 PIT
【東京公演】2018年11月24日(土)~11月25日(日) Zepp DiverCity

<関連サイト>
ARSMAGNA LIVE TOUR 2018 『龍煌祭 ~学園の7不思議を追え!~』
http://ars-magna.jp/eventpage/2018/20181006_tour.html
『龍煌祭 ~学園の7不思議を追え!~』(キョードー大阪のページ)
http://www.kyodo-osaka.co.jp/schedule/E019533-1.html

<4thアルバム『アルスミュージアム』>
発売日:2018年10月3日
・初回限定盤A(CD+DVD)¥4,000+税
・初回限定盤B(CD+32Pコミックブックレット)¥4,000+税
・通常盤(CD)¥3,000+税
・各メンバーソロ盤5種(CD)¥2,000+税(各)
https://www.universal-music.co.jp/arsmagna/products/upch-7451/

<公式サイト>
アルスマグナ 公式サイト 九瓏ノ主学園
http://ars-magna.jp/top.html
アルスマグナ 公式ブログ
https://lineblog.me/_arsmagna_/
アルスマグナ 公式Twitter
https://twitter.com/_arsmagna_
アルスマグナ 公式LIVE
https://live.line.me/channels/431

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※神生アキラさんと榊原タツキさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月15日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

榊原タツキさん(左)と神生アキラさん=撮影・山本尚侍

榊原タツキさん(左)と神生アキラさん=撮影・山本尚侍

※ここから有料会員限定部分です。

■アキラ:「歌ってんの?」「踊ってんの?」「演じてんの?」という情報量の多いものを

――歌はお二人とも、もともと得意だったのですか。

タツキ:僕はそうでもないです(笑)。アキラ君が歌える人なので、彼を主軸にしてアルスマグナの楽曲を展開することになりました。

アキラ:ボイストレーニングは受けましたよ。ダンスから歌もやろうということになったけど、歌を歌うこと自体に抵抗はなかったよね?

タツキ:僕はあった。アレンジを効かせちゃうので。

――アレンジを効かせる?

アキラ:譜面に載っていない音を出すんです(笑)。

タツキ:そうそう(笑)。今でも時々、効かせちゃうことがあるんですけど、だいぶましになりました(笑)。

――高速のキレキレなダンスを踊りながら、歌も歌うなんて、体力的にも大変だと思います。

アキラ:マイケル・ジャクソンはやっていたじゃないですか。あれは、アメリカ人だからできたという概念が、ここ最近、日本では覆されていると思うんですよね。安室奈美恵さん、DA PUMPさんしかり。それを当たり前のようにできる人がいたら、もう言い訳はきかない(笑)。僕らもそこを意識していたわけではありませんが、1曲の中で、「歌ってんの?」「踊ってんの?」「しゃべってんの?」「演じてんの?」という情報量の多いものをやりたかったんです。一つのものが正解ではなく、見ている人の価値観で、一つの作品を色々な角度で見てほしい。何でも詰め込んじゃおうと。今までやっていて、めちゃめちゃつらいなと思ったことはないです。

――活動が進むにつれ、皆さんでハードルを上げていったのですね。

アキラ:そうですね。もし、物事を進める上で二択になったときに、この道は誰かがやっていたけど、あっちは誰もやってない。じゃあ、誰もやってない道を選んでみようかと。かぶらないよねというのは、チームの個性としてありましたね。

タツキ:前例がない、僕の引き出しにないことをアキラ君や先生が提案してくれるので、新鮮です。アルスマグナは誰かの二番煎じにはならないと思います。

――3次元から2.5次元の世界にも活動が広がっていくというのは、あまり聞いたことがないです。

アキラ:僕らみたいな人はたくさんいると思うんですけど、方法がなかった。今、コスプレイヤーはすごく人気じゃないですか。アニメのキャラクターになりたくて、自分で洋服を作って、コミケに行って、写真を撮ってもらったりして、評判になるんです。でも、僕らの2.5次元と、世間の2.5次元では世界が全然違うと思います。例えば、最初に原作とキャラクターありきだと、それを演じる役者さんに「どういうお気持ちで演じられましたか」ということにつきると思うんですよね。作者の気持ちをどれだけ汲むかとも言えますが、僕らの場合、これで生きちゃっているので、生きる喜びを説くしかない(笑)。コスプレ好きな人でも、普段、その格好で会社や学校に行くことはまだまだできない。でも、コスプレでアルスのライブに来ていいよと。僕らの世界ではそれがOKなんです。気兼ねなく好きな格好で来てもらいたい。ドレスコードは自由。その代わり〝素敵な〟ドレスコードしてきてなんです(笑)。

神生アキラさん=撮影・山本尚侍

神生アキラさん=撮影・山本尚侍

■タツキ:ライブ会場には、コンちゃん(縫いぐるみのコンスタンティン)もいっぱいいる

――メイトさん(アルスマグナのファン)は、コスプレをする人が多いのですか?

アキラ:多いですよ。会場にタツキが5、6人いたりする。本物を探してしまいます(笑)。女の子が一番タツキになりやすいみたいですね。

タツキ:コンちゃん(タツキに抱えられているウサギの縫いぐるみのコンスタンティン)もいっぱいいるんです。着ぐるみも、同じ大きさのものも。ライブ中に、「あ、コンちゃんだ」と(笑)。

――それは面白いですね。ライブの動画を拝見すると、メイトさんは、アルスマグナの振りを覚えていて、ペンライトを振って一緒に踊っているように見えます。初めてライブに行く人は、ちょっと入りにくいのかなと思うんですが、どうですか(笑)。

アキラ:僕らもそうなんですが、ディズニーランドやUSJでは、キャラクターたちが距離を縮めてこようとするグイグイ感がすごいじゃないですか。例えば、テレビで見ると、グイグイ来ているなと思うけど、現場に行けば、そのグイグイ感は楽しくないですか(笑)?

――楽しいですね。

アキラ:「嫌だ、来ないで」という人は、見たことないですよね。ディズニーランドやUSJと同じような空気づくりを僕らもしています。僕やほかのアルスのメンバーと全く同じコスチュームで来るメイトさんもいますし、自分で作ったTシャツでアルスのコスプレをする人、コンちゃんの着ぐるみの人もいます。

――コスプレをすると、気持ちが変わるんでしょうか。

子どものころ、女性も男性も、変身ものに憧れませんでした? 杖を持って、「これで魔女になれるのよ」と鏡の前でやってみたり、男の子は、戦闘もので刀や銃を持つふりして戦ってみたり。コスプレする前は恥ずかしさがありますが、実際やってみると、あのときの気持ちを思い出すんですよ。でも、色んな人に見られたくない、恥ずかしいと思うんだったら、アルスのライブ会場に来て、クロークがあるから、そこで着替えてコスプレしてくれればいいんです。

榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

■アキラ:緊張感が集中力に変わる。ステージに上がる人間として、恐怖心はあったほうがいい

――ライブ会場にクロークがあるんですね。逆に皆さんは、いつもそのままですから、ライブの前はどこでスイッチを入れているのですか。

アキラ:スイッチの入れ方はそれぞれ違いますね。舞台の袖で、朴と二人で本番ギリギリまでしゃべっている、緊張感のないタツキという人もいます(笑)。

タツキ:言い方をもっと考えようね(笑)。

アキラ:緊張をほぐしてる?(笑)。僕みたいに、全く人としゃべりたくないメンバーもいます。言葉が悪いですけど、「皆、どっかいけ」みたいな(笑)。

タツキ:アキラっちょは、そうなんです。人間性がもうヤバいよね(笑)。

アキラ:人間性にしないで(笑)。最近は、ライブ中はイヤモニ(イヤーモニター)をつけていて、マイクを使わない限りメンバーの声は聞こえない。これはいいなと(笑)。

タツキ:「本番、よろしくね」と言っても、シカトするんです(一同笑)。そのぐらい自分の世界に入り込んでいるんですよ。

アキラ:例えば、今のテンションのまま、本番を迎えたらどうだろうとやってみたことがあるんですが、まぁ、ダメでしたね。

――ダメ?

アキラ:集中してないから、次のことを考えられない。舞台に上がるための緊張感が集中力に変わるので、どっか怯えてないと。その怯えが面白くなるときもあるから、アルスとしてもOKなんです。また、ステージに上がる人間として、恐怖心はあったほうがいい。そこを考えないで、一度無くしてみたら、全然ダメで(笑)。

(一同笑)。

アキラ:告知も忘れるし、次の曲も忘れるし、歌詞もすっ飛びました。

――舞台に上がる前には、変身しないといけないってことですか?

アキラ:そうです。僕が舞台上で心がけているのは、誰も知らないかもしれないけれど「誰もが知っているスーパースターの気持ち」で行くことです。だから、アウェー大好きなんですよね。

神生アキラさん=撮影・山本尚侍

神生アキラさん=撮影・山本尚侍

榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

榊原タツキさん=撮影・山本尚侍

※神生アキラさんと榊原タツキさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月15日(木)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「サブカルの広告塔に」、「アルスマグナ」神生アキラ・榊原タツキ インタビュー(上)” への 3 件のフィードバック

  1. もち子 より:

    アルスマグナの2人の濃いインタビュー記事をありがとうございます。彼らが活動している上で思っていることや心がけていることを通じてより一層2人の人間的な面を垣間見ることができて嬉しく思います。また素敵な写真がたくさん掲載されていて、特に満面の笑みのアキラさんの写真が最高です!

  2. M より:

    普段聞けないような舞台裏の話もされていてとても読み応えのある記事でした。写真も、2人の自然な表情がとっても素敵でした。続編の記事も楽しみにしています♪

  3. まや より:

    アルスマグナの記事を楽しく拝見させて頂きました。特殊な背景を背負うが故の逆風にも彼等は挫けず、私達メイトを笑顔にする為に頑張り続けてくれています。本当に素敵なグループなので、沢山の人にアルスマグナを知って頂きたいです。サイン色紙と写真当たりますように。

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