「本当にメグは複雑」、『ラブ・ネバー・ダイ』夢咲ねね・咲妃みゆ対談(上)

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

2019年1月15日(火)から日生劇場で上演されるミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』で、メグ・ジリー役をダブルキャストで演じる夢咲ねねさんと咲妃みゆさんにインタビューしました。2018年11月下旬に行われた製作発表の日にお伺いしたお話です。ともに元宝塚トップ娘役で、先輩後輩であるおふたりに、作品について、お互いの印象などについて伺いました。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

――まず製作発表を終えての率直な感想はいかがですか?

夢咲:ふぬけて干からびてます(笑)。

咲妃:(笑)。

――宝塚時代から製作発表は慣れていらっしゃるのかなと思いますが。

夢咲:全然慣れないですね。話すのがとても苦手なので(笑)。今日もすごく頑張って考えてきましたが、(田代)万里生くんに「いい感じに不思議ちゃんだったよ」と言われました(笑)。“不思議ちゃん”から脱したいんですが、反省しています。

――咲妃さんはいかがですか?

咲妃:ひとまずほっとしています。同時に、いよいよこれから本腰を入れてお稽古がスタートするんだと。少し息をついて、すぐに始動しなければという感じです。

夢咲:本当に。家でもずっとキーボードが相棒のように叩いていますが、頭がパンクしちゃうんですね。パンクして休憩しても不安で、「お前は何休んでるの」って自分に言い聞かせてます(笑)。

咲妃:休むことも必要なのです(笑)。

夢咲:そうなんです。休まないと新しく頭に入ってこないですしね。でも、もうずっとパンクしています。

咲妃:メグ・ジリーの関わるナンバーが全部で9曲あるので、割と曲が盛り沢山ですね。1曲を一生懸命練習しても、「まだほかにもあるぞ」と。追い込まれやすい私は、常に追い込まれています。

――咲妃さんは『ゴースト』の取材で稽古場に伺ったときに、すごくストイックなんだろうと思いました。

咲妃:私事ですが、『ゴースト』とはまたガラッと世界観の違う作品に出演させて頂きますので、挑戦の連続ですね。

――お二人は宝塚の学年でいうと7年違いますが、夢咲さんは2015年、咲妃さんは2017年に退団されているので、7年も離れてたんだと改めて驚きました。

夢咲:私は本当に、すべてが遅いんですよ。

――夢咲さんは6年間トップ娘役をされていますから。

夢咲:ひとつのことをするにも、すごく時間がかかるんです。みゆちゃんは、そこをハイスピードでこなされるから(笑)。だから、もはや7つも学年あいてないです。むしろ、先輩くらいの(笑)。

咲妃:そんな!

夢咲:本当に、それくらい頼もしい。

咲妃:私は在団中から、組を超えてすばらしい娘役さんとして、たくさん拝見させて頂きました。直接お話する機会はなくとも、同じ組ではなくとも、勉強させて頂くことばかりでした。洋物、和物、褐色肌のお化粧を勉強するのに、ねねさんのスチールをたくさんもっています。やはりお背中を追いかけさせて頂いていた方なので、ご一緒させて頂けて光栄です。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、おふたりのファーストコンタクト時のエピソード、メグ・ジリー役のダブルキャストについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。1月11 日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、共演者の皆さんの印象や、宝塚娘役と女優の違いなどについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■咲妃「ねねさんにニックネームをつけて頂いたんです。覚えてますか?(笑)」

■夢咲「楽譜が本当に複雑で、音が飛ぶ。その音を確実に取るというのが難しくて」

■夢咲「宝塚で2番手の娘役が演じる役は、おもしろい役が多い。メグはその代表格」

■咲妃「感情が行き過ぎてしまう傾向がありますので(笑)、按配を追求して」

<ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』>
【東京公演】2019年1月15日(火)~2月26日(火) 日生劇場
公式サイト
http://hpot.jp/stage/loveneverdies2019

<関連リンク>
夢咲ねね オフィシャルサイト
https://yumesakinene.com
夢咲ねね / オスカープロモーション
https://www.oscarpro.co.jp/#/profile/entry/136401
夢咲ねね instergram
https://www.instagram.com/yumesaki__nene/
咲妃みゆ オフィシャルサイト
https://sakihimiyu.com
咲妃みゆ 公式ブログ
https://lineblog.me/sakihimiyu/
咲妃みゆ instergram
https://www.instagram.com/miyusakihi/
咲妃みゆ First Bloom Twitter
https://twitter.com/miyu_firstbloom

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夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■咲妃「ねねさんにニックネームをつけて頂いたんです。覚えてますか?(笑)」

――おふたりのファーストコンタクトはいつになるんですか?

夢咲:在団中だよね?

咲妃:絶対に覚えていらっしゃらないと思うんですが、私がトップ娘役に就任させて頂いてから最初のタカラヅカスペシャルで、ねねさんとご一緒させて頂いたときです。

夢咲:花乃まりあちゃんと? 一緒に出てた?

咲妃:そうです、そうです!

夢咲:私、多分、退団決まってた。

咲妃:覚えていらっしゃらないかもしれないですが、私ニックネームをつけて頂いたんです。ねねさんだけの。

夢咲:え?

咲妃:「クマリスちゃん」って覚えてますか?(笑)。

夢咲:言った気がする!

咲妃:そうなんです。

夢咲:運動会でも一緒だったよね。

咲妃:そうです!

夢咲:何か、クマリスちゃんっぽかったんだよね。

――クマリスって何ですか?

夢咲:クマとリスです。

咲妃:実在しないキャラクターなんです(笑)。

夢咲:私が作ったんです。何か森の中にいそうな感じがして。テディベア感もあるし、でもベア感だけじゃなくて、ちょっとリスっぽいなって。だから、合わせちゃったみたいな。ばかなこと言ってるね、私(笑)。

咲妃:いえ! そのときは、「認識して頂いた」という喜びが! うれしかったんです(笑)。ねねさんの、一挙手一投足がもうかわいくて。やっぱり男役さん、娘役さんに限らず、歓声があがる方なんですよ。組は違えど、熱い視線を送らせて頂いていた者のひとりです。

――咲妃さん、今日テンション高いですよね(笑)。

咲妃:やっと言えたと思って(笑)。失礼しました。

夢咲:その後、『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―/ファンシー・ガイ!』は観に行きました。

咲妃:私もねねさんの舞台を観に行かせて頂いています。

夢咲:でも、本当にすれ違いだったので。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

■夢咲「楽譜が本当に複雑で、音が飛ぶ。その音を確実に取るというのが難しくて」

――今回ダブルキャストをすることになって、おふたりで何かお話されましたか?

咲妃:濱田めぐみさんのラジオ収録のときに、お話が決まってから初めてお会いしたんです。

夢咲:みゆちゃんが退団してから初めて会いました。つい最近のことですね。

――記憶の紐解きをありがとうございます。では、それぞれの観点から、この作品に対する思いをお聞かせください。

夢咲:何度も言ってしまうんですが、楽譜が難しくて、本当に複雑なんですよ。会話のように早く進んでいくんですが、「音がこんなに飛ぶ?」というくらい上下がすごく多いんです。その音を確実に取るというのが難しくて、音楽監督の先生にビシバシ見て頂いています。それを自分の中に取り込んで、次のステップにいきたいと思うんですが、なかなか難しくて。

――まず、この作品だと音楽からのスタートという感じですか?

夢咲:そうですね。皆さんのイメージも曲ありきだと思います。

――咲妃さんは、いかがですか?

咲妃:別の取材のときに、ねねさんがお話なさっていて、ハッと思ったのは、曲の複雑な構造が役の複雑さを見事に現していると。掴みどころのない難しい女性という点は、どこまでも追求し続けなければいけないと思いますし、やはりそれだけエネルギーを注いで役に向き合わなければ、この世界観を生み出す一員にはなれないなと、すごく感じます。まだ片足を突っ込んだかなという感じで、これから苦労するのは目に見えているので頑張ります。

夢咲:本当に、メグは複雑でしかないです。

夢咲ねねさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん=撮影・岩村美佳

■夢咲「宝塚で2番手の娘役が演じる役は、おもしろい役が多い。メグはその代表格」

――宝塚トップ娘役のときもそうですし、退団されてから演じる役も、いわゆるヒロインが多いじゃないですか。そうなると、作品のなかで描かれていることも多いですし、観客が観ていてもある程度感情移入できたり、理解できたり、作品のなかでの終着点を描く役が多いと思うんです。メグは違うポジショニングの役だから、おふたりにとって、そういう役は珍しいかなと思うんですが。

夢咲:宝塚時代の話をしてもいいですか?

――ぜひ。

咲妃:私も伺いたいです。

夢咲:宝塚にいたときに、すごくありがたくもヒロインをさせて頂くことがすごく多かったですが、やはりダークな色はあまりないですよね。白かったり、パステルだったり、王道なヒロイン。主人公と結ばれても、結ばれなくても、綺麗な悲劇だったり。

――宝塚は特にそうですよね。

夢咲:私たちがいた世界は特にそうでした。そのなかで、2番手の娘役が演じる女役は、観ているとおもしろいなと思う、スパイスになる役がすごく多いんです。自分のことでいっぱいながらも稽古などで見ていて、「この役おもしろそうだなぁ」と思っていました。メグはその代表格で、見ているときっとやりがいのある、すごくおいしい、おもしろい役だと思うんですが、それが今間近に迫っていると、プレッシャーでしかなくて。私は、それをどうおいしく出来るんだろうと、圧し掛かっています。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

■咲妃「感情が行き過ぎてしまう傾向がありますので(笑)、按配を追求して」

――なるほど。咲妃さんはいかがですか?

咲妃:複雑な環境の中生きている女性ですし、彼女の心境も複雑ですね。すごく危うい面を秘めた女性だなと感じるので、もちろん感情をフルに使って、この作品に息づきたいという気持ちはあるんですが、やはりお話全体の流れをきちんと分かっておかないと、無鉄砲に感情のままに演じると、収集がつかなくなるような気もしています。先ほどねねさんがおっしゃられたように、歌に関することとも結びつくんですが、彼女の心情の変化をきちんと自分の中で落とし込んで、物語の中に息づいていくことが何より大事だと思います。感情が行き過ぎてしまう傾向がありますので(笑)。そういったことでも、いい意味でスパイスになれる役どころの按配を追求していかないといけないと思っています。

咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

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“「本当にメグは複雑」、『ラブ・ネバー・ダイ』夢咲ねね・咲妃みゆ対談(上)” への 2 件のフィードバック

  1. kii より:

    夢咲ねねさん、咲妃みゆさんともに、宝塚在団中から大ファンです。
    そのお2人がダブルキャストで、ラブネバーダイが上演されると知った時は幸せで幸せで…♡
    観劇がとても楽しみです!
    お2人とも、持ち味が異なる素敵な役者さんなので、それぞれが作り上げられるメグがとても楽しみです。
    宝塚歌劇で上演中のファントムも観劇したところなので、この冬は、ファントムの世界に浸って過ごしたいと思います♩
    お2人の対談が拝見できてとっても良かったです。

  2. くろえ より:

    夢咲ねねさん、咲妃みゆ(ゆうみちゃん)さんのメグ・ジリーという役にどう向き合っていくのかという思いが分かってますます、観劇が楽しみになりました!!
    宝塚時代からお二人を知る者としましては、ねねちゃん、ゆうみちゃん、それぞれの違うアプローチで作り上げるメグは、素敵であることは間違いないと確信しています。お二人が、ストイックで努力家であることは宝塚時代から知っていますので….。
    「ダブルキャストは、互いの甲乙を評価するものではなく、違いを楽しむもの。」という言葉を目にしたことがあり、まさにその通りだと思います。違うからこそ楽しいし、わくわくするのですよね。それが生の舞台なので、観劇日が今から楽しみです。

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