「地に足のついた生々しい女性を演じなければ」、夢咲ねね・咲妃みゆ対談(下)

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

2019年1月15日(火)から日生劇場で上演されるミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』で、メグ・ジリー役をダブルキャストで演じる、夢咲ねねさんと咲妃みゆさんのインタビュー後半です。有料部分では、共演者の印象や、宝塚トップ娘役として役を演じてきたことと、女優として役を演じることで、違うことや共通していることなどについて伺いました。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

――たとえば、夢咲さんが宝塚で演じた『眠らない男・ナポレオン―愛と栄光の涯(はて)に―』のジョセフィーヌ役は、同じヒロインでも全然違いますよね。

夢咲:そうですね。

咲妃:ダークだけれど共感を呼ぶというか。

夢咲:ジョセフィーヌ役は実在の方でしたし、裏事情みたいなものを掘ると、本当にすごくたくさん情報が出てくるんですね。「子どもができない」「年齢がいってしまっていた」「貴族だけれど、ちゃんとした貴族の出じゃない」など、今でも絶対にありそうな、ドラマにもなりそうな、女性にとって現代でも通じるくらいの感情の流れでした。私自身、そういう部分に寄り添える役だと思ったので、悪女じゃないんだとお客様に知ってもらいたかったという思いがすごくありました。

――そういう意味では、葛藤という部分も抱えた女性でしたね。

夢咲:ありましたね。メグ・ジリーも、やはり女性ならではのヤキモキ感はすごく秘めている女の子だと思うので。

――ある種、ものすごく女子っぽいというか。

夢咲:嫉妬の塊です。

――咲妃さんは、それこそ2番手の娘役の『一夢庵風流記 前田慶次』の捨丸役とか。

夢咲:私、絶対見てるな。

咲妃:男装の役でした。

夢咲:家にあのときの馬の人形があります(笑)。何だっけ?

咲妃:松風(笑)。

夢咲:犬の遊び相手になっています(笑)。

咲妃:(笑)。

夢咲:でも、私、みゆちゃんのダークな役って見たことない気がする。

――捨丸はダークというか、秘めている役でしたよね。

咲妃:そうですね。人生に何かしら抱えて生きている女性は、よく演じさせて頂いてます。だから、割と豪華なドレスで華やかなというよりは、人間の色んな面を追求する役を経験させて頂いてきたかなと思うので、今回も色々と活かしていけたらと思います。

――お二人のそういう役も、ご覧になってきた方も多いと思うので、そのお二人がメグ・ジリー役に挑むのが楽しみです。もちろん、元宝塚トップ娘役が演じるギャップという面で楽しみにされている方も多いかもしれませんね。

夢咲:でも、私は退団して3年経っているので、ヒールで踊れるかなって不安なんですけれど(笑)。

――この作品はショー的な、魅せる面白さの場面もありますね。

咲妃:初演で、彩吹真央さんと、笹本玲奈さんが演じていらっしゃったということで、やはりその力強さが必要不可欠だと。

夢咲:そうなんだよね。宝塚時代はふわふわしてたので。

咲妃:私も地に足のついた生々しい女性を演じなければと(笑)。

――2019年はそれを開拓していく?

夢咲&咲妃:はい!

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、共演者についての印象や、宝塚トップ娘役として役を演じてきたことと、女優として役を演じることで、違うことや共通していることなどについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■夢咲「同じ組のトップさんって、勝手に仲間意識が。こちらが勝手にですよ(笑)」

■咲妃「1年、頑張る方向性が浅いというか、甘いというか。おののく日々でした」

■夢咲「『どうでもいいや』って言ってみてって言われ、言えなくて涙が…」

■咲妃「『どうでもいいや』やってみよう」。夢咲「言えないと思う(笑)」

■咲妃「色々なことを手放しつつ、取り入れつつ、私なりのメグ・ジリーを」

■夢咲「いばらの道だと思いますが、クリアできるように集中してお稽古を」

<ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』>
【東京公演】2019年1月15日(火)~2月26日(火) 日生劇場
公式サイト
http://hpot.jp/stage/loveneverdies2019

<関連リンク>
夢咲ねね オフィシャルサイト
https://yumesakinene.com
夢咲ねね / オスカープロモーション
https://www.oscarpro.co.jp/#/profile/entry/136401
夢咲ねね instergram
https://www.instagram.com/yumesaki__nene/
咲妃みゆ オフィシャルサイト
https://sakihimiyu.com
咲妃みゆ 公式ブログ
https://lineblog.me/sakihimiyu/
咲妃みゆ instergram
https://www.instagram.com/miyusakihi/
咲妃みゆ First Bloom Twitter
https://twitter.com/miyu_firstbloom

『ラブ・ネバー・ダイ』 関連記事:

⇒すべて見る

夢咲ねね 関連記事:

⇒すべて見る

咲妃みゆ 関連記事:

⇒すべて見る

※夢咲ねねさんと咲妃みゆさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは2月10日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■夢咲「同じ組のトップさんって、勝手に仲間意識が。こちらが勝手にですよ(笑)」

――豪華な共演者の皆様が揃われていますが、皆さんへの印象や、特に楽しみにしている方はいますか?

夢咲:私は、やはり星組出身の鳳蘭さんと香寿たつきさんが楽しみです。ごめんね。

咲妃:いえ、もちろんです。

夢咲:同じ組のトップさんって、なぜか勝手に仲間意識を抱くんです。こちらが勝手にですよ(笑)。運動会などもそうなんですが、組対抗では卒業された方たちも、その組のことを応援されるくらい、組への愛ってすごく強くて。だから、星組の大先輩の方と親子役というのが、私の中ではすごく心強いです。懐の深さがお二人ともすごいので、大丈夫じゃないのに大丈夫だと思ってしまうんです。

咲妃:すごく分かります。

――前提となる安心感が違うんですね。

夢咲:そうなんです。その中で泳がせて頂こうと思います。

――咲妃さんはいかがですか?

咲妃:今回は初演から出演なさっている方々と、初めてキャストに加わる方々が、見事に入り交ざっている公演です。製作発表で皆さんのお話を伺っている中で、市村(正親)さんや、濱田(めぐみ)さん、平原(綾香)さん、田代(万里生)さんは、初演を経験なさっているからといって、再びという感覚ではいらっしゃらないなと思いました。新たな楽曲も加わるということで、気持ちを新たに挑まれるんだなと。そういった点では、再演から関わらせて頂く身としては、おこがましいですが一種同じスタートラインで作品に挑むことができるのかなと思います。あまり物怖じせずに、自分の思い描くメグ・ジリーや、この世界観でのあり方を追求していっていいのかなと感じました。お稽古で勉強させて頂けることにわくわくしております。

夢咲ねねさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん=撮影・岩村美佳

■咲妃「1年、頑張る方向性が浅いというか、甘いというか。おののく日々でした」

――お二人とも宝塚トップ娘役をつとめられて、退団されて、今は女優として活動されています。宝塚トップ娘役として役を演じてきたことと、女優として役を演じることで、何か違うことや、共通していることなどはいかがですか?

夢咲:よく言われるのが、娘役っぽいところが邪魔になると。実際に多かったですね。どうしても三歩下がるじゃないですが、(相手役を)立てることが染み付いてしまっているので、喋り方や声も最初は結構苦労しました。今も苦労していますが、「普通って何?」と。普通にやっているのに、それが普通じゃないってどういうことなんだろうなと悩むことが多かったですね。宝塚では現実にいない男役さんに寄り添うために、その理想の男役さんの理想とする、横にいてお客様が素敵だと思う女性を追求していたんですが、3年経って皆さんの舞台を拝見すると、それって現実にはありえなくて。やはり女優の皆さんはすごく力強いですし、ちゃんと地に足がついているというのが分かります。そういうものを自分の中に取り入れたいなと、ずっと思っていました。

――咲妃さんは、そういうことは感じますか?

咲妃:まだ卒業後の人生を歩み始めて1年ほどですが、ご一緒させて頂く方々は自分の意思でこの芸能界を生きていこうと決めた方々なんだなというのを、すごく感じます。役への向き合い方だったり、お稽古の姿勢だったり、お話なさる普段の会話で飛び交う演劇界の単語だったり。そういうものを聞くと、生半可な気持ちでは到底ご一緒できないなと、すごく感じたんですね。もちろん、今まで自分が一生懸命頑張ってきていないとは思いたくないですが、卒業後に新たにご縁を頂いた方々の生き様を見ていると、まだまだ頑張る方向性が浅いというか、甘いというか。自分はどう演じたいのか、自分は何を届けたいのか、そういった思いをしっかりともった方々が作りあげる舞台の熱気を感じ、そしておののく日々でした。自分の中で変わらないものといえば、ひとつひとつのお仕事に真摯に向き合っていくという気持ちをもつということなんですが、その熱量を増していく必要があるなとすごく感じます。

咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

■夢咲「『どうでもいいや』って言ってみてって言われ、言えなくて涙が…」

――自分の意思で選択する力とか、意思を強く働かせるような感覚ですか?

夢咲:手放すことが大変だったかなと思います。今までは「こうしたら、こう見えるんじゃないか」とか、そういう邪念みたいなものがあって。

――見え方みたいなことですか?

夢咲:そうですね。歌舞伎でいう「見得」みたいなもので、「こう寄り添うべき」みたいな、そういうものを全部取り払うというのが大変でした。一度、お芝居の稽古のときに、すごく力が入りすぎていることがあって、その力を抜くというのがあったんです。その時に、ご指導してくださった方が、全身の力を抜かせてくださって。ちょっとした、本当にリラックスした状態のときに、胸に手をおいて「『どうでもいいや』って、言ってみて」って言われたんですが、言えないんですよ。

――「どうでもいい」という言葉がいえない!?

夢咲:そうです。今だったら全然言えるんですが、気を張りすぎちゃっていて。今までどうでもよくなかったから(笑)。「どうでもいいや」という言葉が言えないくらいに、ガチガチに常に緊張してたみたいで。緊張のツボがあるらしいんですが、そこを押すとものすごく痛くて、それは慢性の緊張の状態なんですって。辞めた直後だったので、毎日気を張って過ごしていたんだなって思いました。その緊張は、いるときと、いらないときがあるので、それをニュートラルにするというのが、あのときからの課題ですね。

――すごい経験ですね。

夢咲:本当に言えなくて、涙だけが出てくるんですよ。

咲妃:えー!

夢咲:「言いたいのに、言えない。何でだろう」みたいな。

――そのときは言えなくて終わっちゃったんですか?

夢咲:はい、言えなくて終わっちゃいました。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

■咲妃「『どうでもいいや』やってみよう」。夢咲「言えないと思う(笑)」

――今は言えるようになりましたか?

夢咲:どうなんだろう。それから言ってみたわけではないんですが。当時は、それくらい多分ガチガチに固めてたんです。今やったら、どうなるんだろう(笑)。

咲妃:「どうでもいいや」やってみよう。

夢咲:言えないと思う(笑)。

――そうすると、色んな物事の考え方も変わってくるでしょうし、舞台だけじゃなくて、プライベートや人との接し方も変化しますよね。そういう意味では、メグ・ジリーはすごくいい役ですよね。

夢咲:振り幅がすごいですからね。

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

夢咲ねねさん(右)と咲妃みゆさん=撮影・岩村美佳

■咲妃「色々なことを手放しつつ、取り入れつつ、私なりのメグ・ジリーを」

――最後に、楽しみにしていらっしゃる方へメッセージをお願いします。

咲妃:私にとっては新たな挑戦の連続となります。今回の公演に全身全霊で挑んでいきたいと思います。そして、こんなにねねさんのお言葉を直にお聞きできるのも初めてのことで、今も“ねねさん熱”が増しているんですが(笑)。ご一緒できることを本当に幸せに思って、背中を追いかけて、私なりのメグ・ジリーを作りあげていきたいと思います。色々なことを手放しつつ、取り入れつつ頑張ります。

夢咲:大丈夫よ、みゆちゃんは。

咲妃:どうぞ宜しくお願いします。

■夢咲「いばらの道だと思いますが、クリアできるように集中してお稽古を」

夢咲:私も今回から参加なので、一度出来上がっているものに入っていくのは、すごくプレッシャーがあります。大前提にある曲の美しさをまず自分に取り入れて、お客様に感動して頂けるようにするまでには、本当にいばらの道だなと思いますが、1日1日少しずつでもクリアできるように集中してお稽古していきたいと思います。そして、出演者の方々が本当に素晴らしい方々なので、そこは頼っていきたいなと(笑)。素晴らしい初日を迎えられるように皆で頑張っていきたいと思いますので、どうぞぜひ観に来ていらしてください。

――おふたりを観るには、2回観ないといけないですね。

夢咲&咲妃:組み合わせがたくさんありますから(笑)。

――まずは最低2回ですね(笑)。ありがとうございました!

※夢咲ねねさんと咲妃みゆさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月10日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!

“「地に足のついた生々しい女性を演じなければ」、夢咲ねね・咲妃みゆ対談(下)” への 2 件のフィードバック

  1. yso より:

    元・トップ娘役お二人の対談、とても興味深く、また楽しんで読みました。
    退団してからのご苦労色々有ると思いますが、その苦労や悩んだことはきっとお二人の血となり肉となり、私たちを楽しませてくれているのだな、と思いました。

  2. てぃー より:

    ねねさんとみゆさんが作り上げる”メグ・ジリー”はきっと全く違うものになるんだろうなぁ、とこのインタビューを通して強く感じました。実際に幕が開いてお二人のメグ・ジリーを拝見し、見事に独自の色を出されていました。あ、この場面あの時に言ってたことかな?等、インタビューのお話が蘇ってきましたし、幕が開いてからも、時々この記事を読み返しメグの心情を探ってます。公演前も始まってからも、アイデアニュースは私の参考書です!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA