2019 年 3月 13日から中野、劇場MOMOで上演される、舞台『アイイジョウ』。3つの「アイイジョウ」、「愛異状」「愛囲繞」「愛委譲」をテーマに織りなされる現代劇。この作品に出演する元宝塚歌劇団の娘役、花瑛ちほ(はなえ・ちほ)さんと、この作品の脚本とプロデュースを担当する若林佑真(わかばやし・ゆうま)さんの対談インタビューをお届けします。
――この舞台について教えてください。
若林:現段階で、3つの「アイイジョウ」を出してまして。女性が女性を何年もの間好きという、異質の「異」に状態の「状」という“愛異状”。その次が、囲うというふうに書くもので、一人の人が一人の女の人を「囲う」、どんな手を使っても君は僕のモノだって言う“愛囲繞”。もう一つは、「譲与」するという意味で、あなたを愛しているからこそ僕の人生を君に譲ってしまったっていう“愛委譲”。その3つの“アイイジョウ”というのを掛けて創っている感じです。
“アイイジョウ”は色々あるんですけど、結果的にみんながどうやってその“アイイジョウ”を掴むんだろうかっていう話です。
――それぞれが掴む?
若林:皆ですね。
花瑛:それぞれが、絡みあってたりとか、繋がっていたりして。
若林:そう、登場している皆が、自分達の形、自分なりの“アイイジョウ”の形を見つけるという感じ。
花瑛:まぁ、不器用よね。
若林:うん。不器用です。
花瑛:登場人物が、全員不器用です。
若林:何を一番、観て欲しいかっていうと、不器用な部分を探っていただきたい。結構、その部分を深堀しているので、微妙~な気持ちの変化を観て頂いて楽しんで頂けたらなと思います。
――微妙な気持ちの変化をどのように表現して行くんでしょうか。
若林:めちゃくちゃ上手いんですよ。その微妙な気持ちの変化を表現するのが、本当にお上手で。今まで拝見した中で、一番好きな役でした。もちろん自分がお願いしているので一番好きな役なんですけど、観てて、めちゃめちゃ上手いなこの人、と。
花瑛:本人を横にして、よくこんなに褒められるなぁ(笑)。
若林:いや、本当に、本当に。
花瑛:私が、恥ずかしい(笑)。
若林:本当に、本当に、だって、思わず言いましたもん。
花瑛:そうそう。なんか、こそっと呼ばれたから、すごい駄目出しされるのかと思ってたら、「めちゃめちゃ上手いっすね、姉さん」って。
若林:めっちゃ上手いなって思って。あの~、生で観ているからこそなのか、やっぱり鳥肌立つんです。あんまりないですよ(笑)。
花瑛:ハードル上げんといて(笑)。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、男同士で手を繋ぐのと違って女同士で手を繋いでも見えにくい感情を、どのように舞台で表現していくかなどについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。3月14日(木)掲載予定のインタビュー「下」では、「男前」と言われることの多い花瑛さんが宝塚歌劇団時代に娘役をつとめていたことについて、若林さんが元女性として表現の世界に進むようになったきっかけ、花瑛さんの現在の活動や今後への思いなどを話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します
<有料会員限定部分の小見出し>
■花瑛:女の子同士のハグ。もし片方がレズビアンだったら
■若林:一見見えにくい女性同士の恋愛…それを演劇に
■若林:小劇場で生バンドに挑戦!花瑛ちほの歌
■花瑛:男前娘役。「かわいい」って言われると…(笑)
<舞台『アイイジョウ』>
【東京公演】2019年3月13日(水)~3月17日(日) 劇場MOMO
住所:中野区中野3-22-8
アクセス:JR中央・総武線/東京メトロ東西線 中野南口より徒歩5分
https://wakabayash1105.wixsite.com/aiijo/theater
チケット:前売 : ¥3,900 当日 : ¥4,200
https://wakabayash1105.wixsite.com/aiijo/ticket
<公式サイト>
舞台『アイイジョウ』公式サイト
https://wakabayash1105.wixsite.com/aiijo
舞台『アイイジョウ』公式 twitter
https://twitter.com/ypiecemaker
<関連リンク>
花瑛ちほ Twitter
https://twitter.com/eichang1117
花瑛ちほ instagram
https://www.instagram.com/eichan1117/
若林佑真 Twitter
https://twitter.com/Waka61Y
若林佑真 Instagram
https://www.instagram.com/wakabayashi.yuma/
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※花瑛ちほさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月13日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■花瑛:女の子同士のハグ。もし片方がレズビアンだったら
若林:やっぱり生の、近距離の小劇場ならではで、近いので、眼とかもしっかり見られる。大劇場で、みなさん双眼鏡とかで観られますけど、今回は生で、近くで、花瑛さんの眼を観て欲しいなって思います。
花瑛:有難うございます。そんな風に言われると、言うことなくなっちゃう(笑)。
一同:(笑)。
花瑛:それくらいやらないと、ちっちゃい劇場だから。一つ眼の動かし方だとか、手の握り方だとか、そういうのもお客さんにリアルに伝わっちゃって。「今の嘘だよね」ってばれちゃうんです。
――近いからこそ、空気感とか、呼吸とかも伝わるんでしょうね。
花瑛:そうですね。「今、一瞬、眼、泳いだよね」とか、もう、すぐにばれちゃう。良くも悪くも。それだけ繊細な描写なんですよ、一人ひとりの感情の流れが。だから、当日パンフレットにも書いたんですけど、同じ心情では毎日出来ないだろうなっていうのが正直なところよね。
若林:うん。
――それが、舞台で役を生きているっていうことですね。
若林:生もの。
花瑛:そうですね。涙が出る日もあれば、さらっとしてる日もあるのかなって。
若林:9回、まったく同じストーリーでやりますけど、一人ひとりの眼とかその時の感情とか全然違うから、違う意味で9回楽しんでもらえるんじゃないかって思います。
花瑛:そうね。
――花瑛さんは今回、どんな役なんですか。
花瑛:レズビアンの役をさせていただくんですけど。
若林:あらすじの一番上の“愛異状”ですね。
花瑛:“女性なのに、女性を好きになってしまった”っていうあらすじに関して、確かに繊細だけど、ほとんどはストレートの方と変わらないんだろうなって。同じように恋愛をして、同じようにご飯を食べて、寝てみたいな。特にこれを気にするっていうことは無くて。でも、お客様に伝えるという上では、そのキーワードに関して、意識しなくちゃいけないっていう…。なんて言ったらいいんでしょうね~。
――意識しすぎても変ですもんね。でも自然過ぎても、舞台としては成立しにくい。
花瑛:そうですね。そして、由佳という役自身が、思ったことを言える人間ではないと思うんですよ。誰にも言えない。下手したら、私は変なんじゃないかとか…もっともっと奥深いところがあると思うんですけど。女の子同士が友達としてハグをして、だけど、片方がセクシャルマイノリティーのレズビアンだったら、この人は何を思うのか。普通に行われていることは、この人にとって普通なのか。それとも、ものすごくドキドキするのかとか、そういう心情というのをお客様に伝えたいですね。
若林:(小声で…)めっちゃ上手いです。めっちゃ上手いです(笑)。
花瑛:やめて、鼻膨らむ(笑)。何で2回言ったの?! しかも小声(笑)。
■若林:一見見えにくい女性同士の恋愛…それを演劇に
――本当に繊細ですね。加えすぎてもやりすぎになり、すっと行きすぎたら分からないし。
若林:おっしゃる通りで、女性同士だから見た目で見えにくいんですね。例えば、男同士でいきなりハグをしてたり、男同士で手を繋いでいたら。“あれ??”って今の日本では思われることが多いと思うんです。友達同士、男同士で手を繋いで歩くとかあまり無いじゃないですか。でも、女性同士だったら、全然あり得る話というか。だからこそ形としても見えにくいし、本人同士でも見えにくいから、そこを。
花瑛:そこを、演劇にするって、さらに難しい。熱量が…。出し過ぎも駄目だし、本当に細かい表情だとか、好きな女性が言うどの台詞で感情が動くのかとか。それは感情だから、私でも分かるものではないですけど。日々変わっていくのは、本当にそう。
若林:うん。
花瑛:“見えにくい”ものを、やっぱりお客様に見えるようにやらなきゃいけないから、その塩加減が(笑)。
若林:見えすぎても良くないし、見えなかったら分からないしっていう、絶妙なところを、本当に細かくやってくださっているんで、すごいなって思いますね。
■若林:小劇場で生バンドに挑戦!花瑛ちほの歌
――大変ですね。
花瑛:(笑)。まわりの人達に助けてもらってます。友達に急遽ボイトレをお願いしたり、共演者と一緒にスタジオに入ったり。
若林:そうそう、今回は生歌ですからね! 花瑛さん歌うんですよ~。
花瑛:どうしましょう(笑)。
――1曲ですか?
若林:えっと…2曲になりました。
花瑛:(笑)。せっかくの生バンドだからね。
若林:ね!
花瑛:“MOMO”っていう、中野にある小劇場で、生バンドをやった時に、どういう感じで伝わるのか。最前列と最後列の人では、感じ方も違うでしょうし。
――鳥肌でしょうね。
花瑛:だといいんですけどね(笑)。
若林:生であることに意味があって、花瑛さんと一緒に出ている土屋シオン君にも言ってもらったことなんですけど、小劇場が好きで、あえて小劇場に出たいと思っていると。小劇場ならではの魅力を、凄く分かってくださっている方が他にも出てくださっているので、そこで、生で近距離で伝わるものが、絶対あると思う。生バンドで、花瑛ちほの歌。
花瑛:ありがとうございます(笑)。
若林:チケット代、2万円です!
花瑛:はい、2万円です(笑)。絶対書かないでください(笑)!
若林:2万円です。そのくらいの価値はあると思います(笑)。
■花瑛:男前娘役。「かわいい」って言われると…(笑)
――今回の、キャスティングがどんぴしゃな感じがしましたが。
若林:いや、本当にそうなんです! それはそうなんです!
花瑛:(笑)。そもそも(若林)佑真と仕事をするきっかけは、彼の『イッショウガイ』という作品を…、2年前?
若林:2年前ですね。
花瑛:それが本当に素敵な作品で、私も佑真とやりたいって言ったんですよ。それが、たぶん最初。
若林:そうですね。
花瑛:そして「僕やりたいのがあるんです」って。
若林:そうそう。
花瑛:「だからいつか実現できたら、その時は主演でやってほしいです」って言ってくれて。ご飯食べながら。
若林:そうそう、焼肉屋で焼き肉食べながら(笑)。
花瑛:こんな早く実現するとは思ってなくて。
若林:お互いびっくりです。
花瑛:本当に嬉しかったです。
若林:「イッショウガイ」っていうのをやったのが2年前で、そのさらに2年位前に、こういう事をやりたいなって、あらすじとかプロットだけを描いたやつがあって。すごく花瑛さんにはまっていたので、これやるなら花瑛さんと絶対やりたいなっていう思いがあって。
花瑛:そこから、一気に、進んでいったんです。
――花瑛さんは良く男前って言われているようですが。
花瑛:そうなんです、男前娘役(笑)でした(笑)。だからたまに「かわいい」とか言われると照れちゃいますね(笑)。
若林:僕も「娘役だったんですか? 男役じゃないんですか?」って。
花瑛:ね~、自分が一番びっくりです。こんなはずでは、って(笑)。
※花瑛ちほさんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは4月13日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
まさか中野小劇場群の公演までインタビュー載せていただけるなんて思いませんでした…ありがとうございます!嬉しいです。
伊藤さんの写真も素敵。
(下)も楽しみにしてます。