「少々音が外れても気にならない気持ちさえあれば」、『エリザベート』合同取材(下)

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

2019年6月7日(金)から8月26日(月)まで、東京・帝国劇場で上演されるミュージカル『エリザベート』に出演する花總まりさん、愛希れいかさん、井上芳雄さん、古川雄大さん4人の合同取材インタビュー、後半です。

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

――長いロングラン公演になので、体調管理やのどの管理が大変になると思います。今まで続けてきたことや、これからコンディションを整えるためにチャレンジしようと思っていることがあれば教えてください。

愛希:器械体操をやりましょうか?

(一同笑)

愛希:やったことはないのですが…。

井上:嘘?!

愛希:今日はエイプリルフールということで(笑)。

井上:嘘なの?!

愛希:嘘ではないのですが(笑)、体力をつけて、喉のケアは大切にがんばっていきたいと思います。

古川:風邪を引かないように必死にやっています。一番特殊なところでいうと、鼻うがいを毎日1日2回やっています。風邪の8割って鼻からなんですって。

(会場から「へー!」の声)

井上:鼻うがいって痛くないの?

古川:ある薬を入れると、痛くないんですよ。

井上:でも、人様には見せられない状況でしょ?

古川:そうですね。なので、風呂でやります。鼻うがいをやっていると、風邪をひく回数が減りました。あとは、吸入をしたりして、のどを大事にして風邪を引かないように気をつけています。

井上:僕は基本的にトートをやっている間はすごく楽しくて、稽古場だと落ち着かなくて辛いんですが(笑)、舞台にいってしまえば、もうこっちのもんだみたいな感じで楽しくやれていたと思います。皆さんご存知のように、この作品はエリザベートが主役ですから、いかにこの2人が、気持ちよくエリザベートをやってもらうかを、すごく気にはしています。傍からみていて、すごく大変そうな役ですよね。トートはちょっと出てきて、ワッと歌えば「すごく印象深いよね」と言われて(笑)。一生トートをやっていたいなと思うくらい、いい役だなと思っています。花總さんを見ていても、エリザベートは全身を捧げてやっているという感じがするので。なにかできるわけではありませんが、気持ちの上では「元気かな? 大丈夫かな? こうしたらやりやすいかな?」と思うようにしています。あとは、エリザベートは貸切公演も多いので、貸切のあいさつをがんばります(笑)。

古川:あいさつはトートがやるんですか?

井上:二人でやる。最後はエリザベート役の方がするので、僕は温めるという感じ。

(一同笑)

花總:私は今までの傾向としてがんばりすぎてしまうところがあるので、お稽古中からがんばりすぎず、「考えるのは稽古場だけ!」というようにして、夜寝るときはすべて忘れると思って、今回の稽古に臨もうかと思っています。どうも引きずってしまうと、体調が悪くなってくるので、そこを今回はちゃんと切り分けて臨んでみようかと思います。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、今回初めてミュージカルを観に来る方に『エリザベート』でおすすめしたいところや、歌が上手くなるには?などの質問が出た合同取材インタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■花總:共感し、考えさせられ、希望をもてたり、すべてが『エリザベート』に詰め込まれている

■(歌が上手くなるには?)井上:ミュージカルは気持ち。自分が感じたものに合ったものを歌う

■古川:譜面を見たとき「トートはこういうフレーズを歌っていたんだ」と新しい発見があった

■愛希:花總さんとのWキャストは、本当に光栄。いっぱい学び、全力で取り組んでまいりたい

<ミュージカル『エリザベート』>
【東京公演】2019年6月7日(金)~8月26日(月) 帝国劇場
公式サイト
https://www.tohostage.com/elisabeth/

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『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

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■花總:共感し、考えさせられ、希望をもてたり、すべてが『エリザベート』に詰め込まれている

――今回初めてミュージカルを観に来る方に、『エリザベート』でおすすめしたいところは、どういったところでか教えてください。

井上:よく聞かれるんですが、魅力がたくさんありすぎて、「これです」とズバッいうのは難しいし、聞かれるたびに違うことを答えていると思います。今思うのは、ミュージカルブームということからいうと、僕たちが普段生きている日常とは別世界ですよね。国も、時代も全然違います。エリザベートは今の僕たちから見ても魅力的で、エネルギッシュな人ですし、そこにトートという実際に見えない「死」が加わって、ここにしかない世界が出来上がっていることがすごい魅力なんだと思います。(日常とは)ちょっと違うところに身を置きたい、それによってリフレッシュして、皆さんまた元の生活に戻っていきますが、その別世界を味わっていただけることがすごく素敵にできる作品なんじゃないかと思います。

花總:本当にこの作品は、よくできていて、曲も大変素晴らしいです。でも、決して幸せなお話ではなくて、実際にハプスブルク家はなんともいえない最後を迎えていくわけですが、エリザベートやフランツ、ルドルフ、ゾフィーなど、決して幸せな人ではない。でも、実際に生きられた方たちの人間模様を観た私たちがものすごくいろいろなことを共感し、考えさせられ、逆に希望をもてたり、そのすべてがこの『エリザベート』に詰め込まれていて、本当に現実を忘れられる。たった3時間ですが、その何百倍も何千倍も感じることができる素晴らしい作品だと思っています。

愛希:花總さんもおっしゃったように決して幸せなお話ではないので、初めて観る方はハッピーミュージカルの方が観やすいかなと思う方も多いかもしれませんが、観終わったあとに、生きる勇気や明日から生きようと思えるエネルギーをもらえるので、初めての方にも観に来ていただきたいです。

古川:美しさですかね。小池先生演出の美しい世界観、そしてさっき芳雄さんもおっしゃったように、トートというファンタジーの要素が入って、より美しくなります。曲もダークな中に美しい旋律があって、そういった美しい部分は他にないのかなと思うので、そこが魅力かなと思います。

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

■(歌が上手くなるには?)井上:ミュージカルは気持ち。自分が感じたものに合ったものを歌う

――皆さん、歌がお上手ですが、どうやったら歌が上手く歌えるようになりますか?

古川:僕が知りたいですけどね。「音大に行く」ですね。

(一同笑)

古川:努力。分からないです。僕もお三方に聞きたいです。

愛希:私が聞きたいです。本当に。

井上:別にそんな流れいりませんから!

(一同笑)

花總:いい流れだと思います(笑)。でも、一番は基礎。歌は「心」です!

井上:今3人の答えを聞いていただいても分かるように、すごく難しいことなんですよね。身も蓋もないですが、いい声帯をもっていれば、いい声がでるので。実際に、音大はそういう世界なんですよ。いい楽器をもっている人が「神」みたいな感じなんですが、普通に歌う分には、技術でうまくなると思います。三大テノールみたいにはなれなかったとしても、声帯も筋肉なので、腕や脚を鍛えたりするように、のどの声帯を鍛える方法があります。あとは癖や力が入っていくのを取っていったら、ある程度までは技術でいかようにも上手くなると思います。最後の最後は、もって生まれたものですね。努力というのは、実際そうだと思います。なんだかこれだと記事になる気が全然しないんですよ(笑)。僕も悔しいなと思って必死になっていますが(笑)、ミュージカルの特徴は気持ちを歌にしているところなので、怒りでも喜びでも、自分が感じたものに合ったものを歌う。『Singin’ in the Rain』という有名な作品で、うれしすぎて雨の中でもびしょびしょになって歌って踊っちゃうという、結構誰でもあることを具現化しただけなので。自分の気持ちに合ったものを歌うというのはどうでしょう!

(一同笑)

花總:歌は心で。何よりも気持ちが大切だと思って、ここまで乗り切ってきました。少々音が外れても気にならない気持ちさえあれば! 声帯も筋肉だから日々の努力も必要ですが、なによりも形通りの歌では物足りない。そこで何だろうと考えると、心だなと思います。

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

■古川:譜面を見たとき「トートはこういうフレーズを歌っていたんだ」と新しい発見があった

――井上さんと古川さんにお伺いします。お二人ともルドルフを経てトートを演じられるということですが、同じ作品の中で違う役を演じることの面白さと難しさについて教えてください。

古川:まだ演じていないので、何とも言えませんが、譜面を見たときに、いろいろな発見はありました。「トートはこういうフレーズを歌っていたんだ」とか、新しい発見があったのは面白いと思いましたし、それを踏まえて台本を読むと、より面白いかなと思います。トートの存在としてルドルフを生み出しているのであれば、そのルドルフにかかっているわけですから、そういった部分でまた深めていくものはあるのかなと思います。

井上:僕はルドルフを卒業してから間があいてトートをやらせていただいたので、演出も変わっていましたし、同じ作品というよりは本当に新しいところに入るという気持ちでした。よく知っていて、自分も「いいな」と思っていた分、緊張しましたね。いろいろな思いがありすぎて、逆に手を出しにくいという感じはありますが、稽古をやっていくうちに、自分なりに発見していくでしょうし、単純に見える景色が全然違うところが面白いところです。難しいところは、トートとルドルフの「闇が広がる」というデュエットです。どっちを歌えばいいのか分からなくなるときがあります。ルドルフのところを歌いそうになったことがあって、実際に何回か出そうになったことはあります。「あ、違う! 俺はトートだ」と思って。上下のハモリもバージョンによって、変わることがあるので、わけが分からなくなるつらさはあるので、気をつけたいと思います。

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

■愛希:花總さんとのWキャストは、本当に光栄。いっぱい学び、全力で取り組んでまいりたい

――最後に一言ずつメッセージをお願いいします。

古川:本日はありがとうございました。今回トート役をやらせていただきます。限られた時間ですが、できる限りのことをして今までにない新しいものを目指してがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

井上:またやれることは、とてもうれしいです。こんなにフランクに話させていただいていますが、実は花總さんは日本で初めてエリザベート役をやった方で、また今年もやるということは、すごいことだと思うんですよね。なので、一緒にやらせていただけることを、ありがたいと思います。「レジェンド、レジェンド」と前回言いすぎて、今回は違う呼び名を考えようと思っていますが。一緒にやれるということを無駄にしないようにします。また、愛希さんという新しいエリザベートを迎えますので、トートとして最後に命を奪いますが(笑)、2人をしっかり支えていきたいと思います。大きなカンパニーでの長い公演になりますが、それとは裏腹に最後までできるだけ元気にやっていきたいと思います。

愛希:本日は本当にありがとうございました。私も本当にこの作品が大好きで、出演できることを本当に幸せに思います。素晴らしいキャストの皆さまと、そして花總さんとWキャストでさせていただけることは、自分自身、本当に光栄に思いますので、いっぱい学び、全力で取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

花總:皆さま、本日は本当にありがとうございました。こんなに最後に立てていただき、ありがとうございます(笑)。また、こうして2019年もエリザベート役で出演させていただけることは、本当にありがたいことなんだなと実感いたしました。1回1回を大切に、心残りのないように、最後まで素晴らしいキャストの方々とともに、また2019年版の『エリザベート』をみんなで一生懸命つくってまいりたいと思います。どうぞ皆さま、最後までよろしくお願いいたします。

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

『エリザベート 』合同取材会より=撮影・岩村美佳

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“「少々音が外れても気にならない気持ちさえあれば」、『エリザベート』合同取材(下)” への 3 件のフィードバック

  1. メロンパン より:

    こちらの記事が掲載されてから、3回程読みました。お稽古が始まったという出演者の方々のSNSをみてから、いま、また読ませて頂くと、期待が高まり、楽しみで仕方ないです。特に古川さんのトート、初日が楽しみです。

  2. るい より:

    待望のお二人という感じです。絶対見に行きます。
    愛希さんを同郷で活躍期待しています。
    雄大君のトート待ってました。
    地方にも来てくださるのをまってます

  3. rinon より:

    雄大くんのエリザベートおすすめポイント「美しさ」の中に柔らかく優しくそして清んだ雄大くんのトート歌声がさらなる美しさを増してくれるのでは…と想像しただけで本当に楽しみです(o^・^o)単独インタビューも楽しみにしています。

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