シェイクスピアの悲劇『ハムレット』が、荻田浩一さんの脚本・演出によるミュージカル『ハムレット』として、2019年11月8日(金)から11月18日(月)まで、東京・博品館劇場で上演されます。この作品でタイトルロールのハムレットを演じる、矢田悠祐さんにお話をうかがいました。
――今回はタイトルロールの『ハムレット』ということで、まずお話が来た時のお気持ちからお聞かせ願えますでしょうか。
荻田浩一さんの作・演出でミュージカルをやるのは決まっていたんですけど、題材が決まっていなくて。後から『ハムレット』やるからと伺いました。僕はシェイクスピア作品に出たことがなくて。それに古典だから、今まで何百回も何千回も上演されている作品じゃないですか。なので、どう自分色にするかなって…。本当にいろんな人が演じていて、特に今年はいっぱい上演されているし。でも、荻田さんやプロデューサーの栫(かこい)ヒロさんが、僕に合うと思って選んでくださったとおっしゃっていたので、光栄なことだなと思いました。
――荻田さん演出の作品に出演するのは、今回が3回目でしょうか?
3作品目ですかね。ご一緒するのは4回目です。
――『王家の紋章』が、初演(2016年)と再演(2017年)の2回分あって。
3作品目ですね。
――荻田さんの演出で矢田さんお願いしますというお話は、以前からあったんですか?
言っていいのか分からないですけど…ありました。
――演目が決まったのが後、と…。
何にするか、ちょっと悩んでいらっしゃったようで…。最終的に『ハムレット』になりました。
――『ハムレット』は、役者にとっては1回はやってみたいという演目だと聞いていますが、矢田さんもいずれシェイクスピア作品というか、ハムレットをというのは、おぼろげにはあったのでしょうか?
ミュージカルでも、『ロミオとジュリエット』だったり、シェイクスピア作品っていっぱいありますよね。ただ僕はそんなに触れたことがなかったので。
――共演の方々は、ほとんどの方が初共演でしょうか?
オフィーリア役の皆本麻帆さんとローゼンクランツ役の木内健人くん以外は、皆さん初めてです。
――皆本さんは、荻田さんの『アルジャーノンに花束を』(2017年)で、妹役でしたっけ?
妹だけじゃなくて、いろんな役やってもらってたんですけど、メインは妹役でした。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、荻田さんの演出について『アルジャーノンに花束』の時の様子などを交えながら語っていただいた内容と、ハムレットの楽曲などにてついて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10月29日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、今回の作品でハムレットの心の友として存在が強調されるというフォーティンブラスについてや、オフィーリア役の皆本麻帆さんについて、またハムレットの父親について伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■荻田さんは、僕にとって、今の自分の芝居の軸を作ってくれた人です
■『アルジャーノンに花束を』では、荻田さんから1日にダメ出しが100個ぐらい
■軸は『ハムレット』ですけど、あくまでも元にして作ったものなので、ゼロからまっさらに
■『ハムレット』は独白が7つあるんですけど、7つ全部、僕のソロ曲なんです
<ミュージカル『ハムレット』>
【東京公演】2019年11月8日(金)~11月18日(月) 博品館劇場
公式サイト
http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2019_11_00.html
<関連リンク>
矢田悠祐 Twitter
https://twitter.com/yusukeyata
矢田悠祐 オフィシャルサイト
https://www.sui-inc.net/yata-yusuke
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※ここから有料会員限定部分です。
■荻田さんは、僕にとって、今の自分の芝居の軸を作ってくれた人です
――『アルジャーノンに花束を』は拝見させていたきましたが、感動してラスト付近は半泣き状態でした。
ありがとうございます。
――矢田さんにとって、演出の荻田さんは、どのような存在ですか?
僕にとっては、お芝居の軸を作ってくれた人です。本当に。4回って多いのか少ないのか分からないですけど…、僕にとって『アルジャーノンに花束を』という1本は、役者人生の中で大きな1本だったので、荻田さんの作品は1年に1回は絶対出たいなって思っていたんです。去年は出られなかったんですけど。今年はちゃんと出演できて、すごく嬉しいです。僕は、他の作品に出る時、一番最初に、稽古始まる前台本もらった時に、「これ荻田さんだったら、僕にどういう風に言ってくるかな」って思いながら読むというぐらい、荻田式の演出の仕方がしっくりくると言うか、好きなんです。『アルジャーノンに花束を』の時は、演技指導で、僕に足りない部分をどんどんどんどん、埋められる限り埋めてくださいました。
■『アルジャーノンに花束を』では、荻田さんから1日にダメ出しが100個ぐらい
――『アルジャーノンに花束を』は、初主演でしたね。
そうです。あの時が初主演でした。
――アルジャーノンの時の荻田さんは、いかがでしたか?
あの作品自体が、荻田さんが作りたくて作った作品で、元々浦井健治さんがやられていて、すごく思い入れもあったと思います。でも、僕に合うように、本当にいろいろしてくださって。1日にダメ出しが100個ぐらいあったりして。本読みが10日くらいあって、見開き2ページ進むのに30分かかったりとか。そのぐらいつき詰める方で、いろいろ構築のお手伝いをしてくださって、とても頼りにしていて、そして僕は荻田さんの演出がすごく好きです。ガイドラインというか、僕にとっては先生でありお母さんみたいな人だと思っています。
■軸は『ハムレット』ですけど、あくまでも元にして作ったものなので、ゼロからまっさらに
――今、お稽古はどのあたりまで?
歌稽古と1回歌入りで本読みしたぐらいです。まだ立ち稽古とかは全然。
――荻田さんの『ハムレット』は、どうでしょうか?
僕は、他の『ハムレット』、観なかったんです。いろいろあるけど、結局小説しか読まなくて。荻田さんがおっしゃっていたんですけど、軸は『ハムレット』なんですけど、あくまでも元にして作ったもの、なのでゼロからまっさらに作ったほうがいいのかな、と僕は思ったんです。
――題材は『ハムレット』だけど、新作という。
僕がどれだけ勉強したところで、荻田さんにはかなわないので、頼ろうと思って。分からないことがあったら、全部聞く。聞く前に言ってくださることもいっぱいあるんですけど。
――荻田さんの色に染まります、という感じで?
そうですね。僕はそれが一番いいかなあと思うので。
■■『ハムレット』は独白が7つあるんですけど、7つ全部、僕のソロ曲なんです
――荻田さんのSNSによれば、音楽はかなり難曲なのだそうですね。
単純な人生でなく、複雑なことを考えている分、音楽もやっぱり複雑になっちゃうと…。
――複雑に…。
すごく耳に残る曲も何曲もあるんですけど。『ハムレット』って独白が7つあるんですけど、7つ全部、僕のソロ曲なんですよ。
――7つの独白が、それぞれソロですか!
普通の人がお芝居で苦労する部分を、歌で表現していかないといけないので。
――歌とは別に、台詞もあるんですよね。
あります。とてもいっぱいあります。
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インタビューを読んだのが「ハムレット」を観劇した後になってしまったのですが、読み応えがあり読むことができて良かったと感じています。
矢田さん、荻田さんの二人の関係性が素敵だと思いました。「アルジャーノンに花束を」についても触れていたので、その時の大変さも伝わったのと観劇したのが懐かしくもなり、また再演をして欲しいという気持ちになりました。今回も大変な作品に挑戦していたんだなとも伝わってきました。ソロは確かに沢山で難曲ばかりでしたが、どれも素敵に歌われていて、魅力的でした。
デビュー時から目をひく役者さんでしたが、ある舞台で一気に花が咲いて、6年経った今でも惹かれる役者さんです。今回も楽しみにしてます。インタビューありがとうございました。後半も楽しみにしてます。
ハムレットについてのインタビュー待ってました!
稽古の進め方や、どのような指導を受けているか、どのような経緯でオファーがあったか等、気になっているところを取り上げてくださりとても読みごたえがありました!
2017年のアルジャーノンが今まで観てきた舞台の中で一番好きな舞台なのでそこも併せてお話してくれてとても嬉しかったです。(私もとても感動して、半泣きどころか大号泣でした笑)
ファンとしてもまた荻田さんの舞台の出て頂きたいなとずっと思ってたのでとても楽しみにしております!
インタビュー(下)も楽しみです!
矢田さんのインタビューを掲載してくださってありがとうございます!
ヤンチャな風貌なのに(笑)、役には本当に真摯に向き合って全身全霊・・・そんな矢田さんの考えていることが知れてとても嬉しいです。
荻田さんがお母さんみたいだというくだりはとても微笑ましかったです。
(下)も楽しみにしています(^^)
矢田さんが役に真摯に向き合われている事が伝わる記事でした。
インタビューして頂いてありがとうございます。
(下)も楽しみにしています。