「魂を込めて」、『ウエスト・サイド・ストーリー』浦井健治&柿澤勇人対談(上)

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

【編集部追記】2020年5月4日(月)に政府より発表された緊急事態宣言の延長を受け、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season3公演は、全公演を中止とすることが5月13日に発表されました。
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3が、IHIステージアラウンド東京で上演されます。トニー役を演じる浦井健治さんと柿澤勇人さんの合同取材をお届けします。3月24日(火)掲載予定のインタビュー「下」有料部分には、アイデアニュース独自のインタビューを掲載します。

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

--トニー役への意気込みをお聞かせください。

浦井:『ウエスト・サイド・ストーリー』は本当に不朽の名作で、世界中で愛され上演されている作品です。日本でも山口祐一郎さんを筆頭に、諸先輩方が関わってこられた、歴史あるミュージカルだと思います。それを360度客席が回るIHIステージアラウンド東京で、令和の今、我々が熱を注ぎ込み、人としての葛藤や争いのむなしさなどをお客さまに伝えていけたらと思います。今上演することは、現在の日本の情勢においても、すごく意義のあることだと思います。

柿澤:残念ながら当時携わることはできませんでしたが、僕が在籍していた劇団四季でも上演していましたし、ミュージカルをやっている身としては、もちろん知っています。ミュージカルが好きな方、そうでない方にとっても、たとえば映画が始まったときは、僕の両親や、それ以上の年代の方にはセンセーショナルな映画だったでしょうし、本当に傑作、名作という作品に、僕が携わることになるとは。劇団四季を辞めたときはまだ20代でしたが、外では上演されていませんでしたから、まさか出演できるとは思っていなかったです。32歳になりましたが、若者の物語でもありますし、挑戦できるのもラストチャンスだと思って、楽しみたいと思います。

--トニーは、俳優としてどんな演じがいや魅力がある役でしょうか。

浦井:本当に真っ直ぐで、純粋に人を愛する気持ちを持っている。さらには、友情や、地域社会の中で生きる術、大人たちとの関係など、人としての生き方をたくさん学べる役だなと思いますし、一方では若さゆえの人間のアンバランスさもあると思うので、我々の年齢がやるからこそみせられるものもあって。『ウエスト・サイド・ストーリー』が作られた当時の若者は、きっと今の日本の若者よりも精神年齢が高いと思います。そういう意味でも、しっかり伏線やセリフの裏側の感情なども演じていけたらと思います。

柿澤:ひとりの女性と巡り合って、一目惚れ以上の、人生の最後まで添い遂げるであろうと確信する女性と出会って、その人を愛しぬく。その相手が対立するメンバー側だった場合ということで、悲劇がどんどん転がっていくわけですが、まずひとりの女性を愛する体験ができることは、役者としてはすごくうれしいことです。そして、ジェッツのみんなと、リフという親友と芝居ができることも、男としてはすごく楽しいですね。それは、もう少し若いときに、みんなが通ってきた道で、僕も憧れていた部分もあるので、再体験できるのはすごく楽しみです。マリア役のおふたり(桜井玲香、伊原六花)も、すごくフレッシュな方で楽しみです。先ほどリフ役のおふたり(加藤和樹、木村達成)とも話していたんですが、全然タイプの違うリフになりそうで、早く芝居がしたいと思います。

<取材協力>
・浦井さんヘアメイク 山下由花
・浦井さんスタイリング 壽村太一
・柿澤さんヘアメイク 松田蓉子
・柿澤さんスタイリング 椎名宣光
ブルゾン¥84,000、シャツ¥31,000/ともにCINOH(MOULD 03-6805-1449)
パンツ¥18,000/NUMBER (N)INE(NUMBER (N)INE 03-6416-3503)
ブーツ¥65,000/FACTOTUM×EARLE(FACTOTUM LAB STORE 03-5428-3434)

※アイデアニュース有料会員限定部分には、マリア役の桜井玲香さんと伊原六花さん(Wキャスト)の印象や、浦井さんと柿澤さんが歌う曲について、同じ役をやるあたってお互いの存在をどう見ているかなど、合同取材で伺った内容と写真を掲載しています。3月24日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、合同取材の最後の部分と、アイデアニュースの独自インタビューで、浦井さんと柿澤さんがカンパニーを作るときにどういうところを意識しているか、などについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■浦井:(トニーにとってリフは)人生を通して信頼関係を一番感じられる人

■柿澤:どの曲もすごく難しい。曲とも誠実に向き合いたい

■浦井:カッキーはお芝居のうえで、役者としてイチではなくゼロになれる

■柿澤:健ちゃんは、行くところまで行っちゃう。行き切っちゃう。

<ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3>
【東京公演】2020年4月1日(水)~2020年5月31日(日) IHIステージアラウンド東京 (中止)
公式サイト
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

<関連リンク>
浦井健治オフィシャルファンクラブ”Kopi-Luwak”
https://www.fanclub.co.jp/k_urai/?id=8
ARTIST PROFILE|浦井健治-CANDID
http://www.candid-net.jp/artist_infomation/talentDetail.php?id=6
浦井健治&STAFFTwitter
https://twitter.com/Kenji_Staff
柿澤勇人ホリプロオフィシャルサイト
https://www.horipro.co.jp/kakizawahayato/
柿澤勇人オフィシャルファンクラブ8810&co.
http://fc.horipro.jp/hayatokakizawa/
柿澤勇人&STAFF
https://twitter.com/kakizawa_hayato

<ナビ番組情報>
『ウエスト・サイド・ストーリーSeason3 開幕直前SP』(仮)
2020年3月28日(土)午後4:00~4:30
TBS系にて放送 ※一部地域を除く

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浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■浦井:(トニーにとってリフは)人生を通して信頼関係を一番感じられる人

--浦井さんは、マリア役のふたりへの期待やどんな印象がありますか?

浦井:どちらのマリアも、所属していた場所のリーダーなんですよね。芯が強く、ある意味男気があるというか、さっぱりしているところもあるので、女優さんとしても、すごく信頼できるんだろうなと思います。あまり先入観を抱きすぎないように、フレッシュなまま対面できたらという気持ちですね。それと、リフは、本当にカッキー(柿澤)が言ったように、それぞれのリフを作ってくるんじゃないかと思います。リフはダンスが本当に大変で、冒頭はリフが先陣を切って踊るので、体のケアなど常に気にかけてあげたいと思います。

--トニーとリフの関係自体はどう思いますか?

浦井:「一生兄弟」という台詞があるんですが。

柿澤:要は死ぬまで仲間という意味で。

浦井:男同士の友情に限らず、人生を通して信頼関係を一番感じられる人が、生きていればきっといると思うんです。それは男性でも、女性でも。やはり、人はひとりでは生きていけないと思うので、お互いにどんなときも信頼できる関係だと思います。

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

■柿澤:どの曲もすごく難しい。曲とも誠実に向き合いたい

--名曲揃いで、本当にたくさんの曲がありますが、期待や歌う喜びはいかがですか?

浦井:本当に大変ですよね。キーも低いところから、高いところまであります。ニュアンスも、うちに秘めたるものというか、張り上げるだけではなくて、ちゃんと感情を音に含める繊細な作業、技術だと思うので、お芝居としてちゃんと落とし込まなければいけない難役だと思っています。ただ、(レナード・)バーンスタインさんのメロディがあまりにも素晴らしいので、音楽に乗っていければいいなと思います。本当にこのロングランは、シングルキャストでは乗り越えられないと思うので、カッキーと助け合って、1回ずつ魂を込めてやっていけたらと思います。

柿澤:オーディションで歌った「Maria(マリア)」はもちろん、どの曲もすごく難しいです。たとえば、最初に歌う「 Something’s Coming (何か起こりそう)」は、何かを恋とはわかっていないですが、おそらく恋。4分の3拍子が4分の2拍子になり、今度は変拍子と、それが多分バーンスタインさんが作った、ノッキングしながらも前に進んでいって、前に進んだ先に何かがあるということを表していると思います。僕が以前見た映像で、バーンスタインさんが指揮を振って、三大テノールのホセ・カレーラスさんが、何回も「Maria(マリア)」を朗々と歌っていたんです。見ているとものすごく上手いと思うんですが、バーンスタインが何回も「だめだ、だめだ」となっていて、訳分からなくなって楽譜を閉じて、「もう分からない」と帰ってしまう。

浦井:テレビ番組?

柿澤:僕が観たのは、Youtubeだった。それくらいひとつの音や拍子、強弱に思い入れがあるからこそ、今も残っている名曲だと思います。芝居のなかでふたりのマリアとも、そういう名曲を歌えるのは光栄だなと思います。曲とも誠実に向き合いたいですし、マリアとも、リフとも、起こることに誠実にやりたいなと思います。

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

■浦井:カッキーはお芝居のうえで、役者としてイチではなくゼロになれる

--おふたりの関係性について伺いたいのですが、同じ役をやるにあたり、お互いの存在をどういう風に見ていらっしゃいますか。

浦井:カッキーは、役者としてイチではなくゼロになれるんですよね。舞台上でゼロからお芝居ができる役者さんはなかなかいない。潔いというか、その場に存在して生きている、役に全身を憑依、まっとうすることができる、かなり稀有な存在だと思っています。柿澤勇人くんという役者を初めて観たのが、劇団四季の『春のめざめ』でしたが、「なんだ、この子は」と思ったんですよね。でも、その後食事に行ったら、案外普通のサッカー少年で(笑)。本当に役者然としていないというか、「役者じゃなくて、ひとりの人間なんだよ俺は」と言い切れる生き方をしているのは、すごく不器用かもしれないですが、めちゃくちゃかっこ良くて。同時に、実は人情深いというか、絶対に人を見捨てないところは漢だなと。「漢」と書く方のオトコだなと思います(笑)。

柿澤:なんで、「漢」にこだわるの(笑)。

浦井:「漢!」って感じがする(笑)。ビールとサウナが似合う!みたいな。

(会場一同笑)

浦井:吉田鋼太郎さんに気に入られるわけだ。

柿澤:吉田鋼太郎さんには、「お前、俺の若い頃にそっくりだ」と言われましたね(笑)。

--柿澤さんは、いかがですか?

柿澤:僕も今思い出していたんですが、『春のめざめ』は多分、ちょうど10年前とかですね。

浦井:デビュー作?

柿澤:デビュー作ではなく、それまでに何本かやってた。公演のあとに、浜松町でご飯を食べて、もちろんそのときは「浦井さん」と呼ばせていただいていて。

浦井:そのときはね。

柿澤:もう、うれしかったんです。もちろんいろいろな舞台を観ていたので、「浦井さんって、どういう方なんだろう」と緊張していたんですが、本当にフランクで。いろいろなことを聞いてくれたし、僕が話しやすいように場の雰囲気を見てくれていて。でも、最初は「こういう人なのかな?」と。

浦井:うっとうしいなと思ってたの?

柿澤:うっとうしいじゃなくて、疑ってたの。でも、あれから十何年間、ずっとこういう感じで。縁あって、福田雄一さんの舞台で一緒になったり、『デスノート THE MUSICAL』で同じ役をやったり。もちろん『春のめざめ』でご飯を食べているときに、同じ役をやる、ましてや『ウエスト・サイド・ストーリー』でトニー役をやるなんてことは、まったく考えてなかったから。

浦井:本当だね。

柿澤:今は「健ちゃん、健ちゃん」と呼ばせてもらってますが、それはなぜかというと、健ちゃんの人柄があって。もしかしたら内心、家に帰ったら、すごく怒っているのかもしれませんが。

(会場一同笑)

浦井:どんな人よ!(笑)

柿澤:(笑)。

浦井:懐かしいね。

柿澤:でも、全然タイプは違いますが、だからこそ、いろいろとざっくばらんに話せますし、連絡を取り合ったり。最近はないですが、いきなりスタンプだけ送ってきて、最初はそれに返事をしていたんですが、今はそういうスタンプを送ってきても僕はもう無視するんです。

浦井:既読スルー。

(会場一同笑)

浦井:そういう扱い(笑)。

柿澤:それでも現場で会ったときに何事もなく話せる、そんな関係にならせていただけたのは、浦井健治さんの人間性だと思います。

浦井:ありがとうございます。

--浦井さんは、既読スルーでもめげずにスタンプを送り続けるんですか?

浦井:めげませんね。そういう愛情かなって(笑)。

(会場一同笑)

柿澤:すごい。

浦井:「あ、既読にはなった」「ブロックされてないぞ」と(笑)。

--ふたりの一番仲良しの思い出はありますか。

浦井:『デスノート THE MUSICAL』は大きいのかもしれないですね。

柿澤:そうだよね。

浦井:フランク・ワイルドホーンさんも「(オリジナルキャストを)誇りに思ってやってくれ」とおしゃっていましたが、初演、再演とオリジナルキャストとして一緒にやれました。

柿澤:日本発信の作品で、日本を飛び出して台湾、台中のすごく立派な劇場でやらせてもらえたのも、健ちゃんと一緒にやれたからかなと思いますね。

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

■柿澤:健ちゃんは、行くところまで行っちゃう。行き切っちゃう。

--浦井さんは柿澤さんを「役者としてイチではなくゼロになれる」とおっしゃいましたが、柿澤さんは浦井さんの役者としての魅力をどう思いますか?

柿澤:健ちゃんは、行くところまで行っちゃうんですよね。たとえば、『デスノート THE MUSICAL』だとしたら、(夜神)月が最後に「お前は40秒で死ぬよ」とリュークに言われて、ヨーイドンで、40秒間でそこで芝居をしなくちゃいけないんですね。僕はそういう狂わなくてはいけなかったり、叫ばなくちゃいけなくなったときは、すごく至って冷静なんです。盆が回っている間に、「指が挟まってしまったら、指が切れちゃうから」とか思いながら叫んで、「今ここは何番」などチラチラと見ながら、割と俯瞰して見ているんですが、健ちゃんは多分そうじゃない。だから、楽屋で「健ちゃん、大丈夫?」と声をかけたら、もうアザだらけで。

浦井:(爆笑)。

柿澤:僕はそれができなくて、セーフティなんです。見ていると、本当に柱にぶつけて、死んじゃうんじゃないとか不安になるくらい。実際に「40秒で死ぬよ」と言われたら、そういう風になるかもしれないですし、そこは想像力になってしまいますが、そこまで行き切っちゃうというのは、すごいなと思いますね。今回、トニーは感情を出すのはラストだけなので、それがどうなるのか。客観的に見られるので楽しみですし、健ちゃんから盗めるものがあれば盗みたいなと思いますね。

--お互いよく知る者同士だからわかる、お互いのトニーっぽいなと感じる部分はありますか。

浦井:一途なところは、すごくトニーっぽいですね。人への思いやりも含めて、カッキーはそういうところがあるなと思いますね。

柿澤:僕は、ちょっとふにゃふにゃしているところ。

浦井:どういうこと?

柿澤:ちょっと優柔不断じゃないですが。トニーも一途ではあるけれども、たとえばケンカをするというときに、本当は止めなくてはいけないのに、武器はピストル、ナイフ、レンガだったら殺し合いになっちゃうから、それはダメだと言って、素手でとなるわけですよね。素手ならば「いいよ」となる。そういうところ、健ちゃんぽいなって(笑)。

(会場一同笑)

浦井:「いいんじゃね?」みたいな?(笑)

柿澤:なにかが起きるというときに、「このまま生きていれば、いいこと起こるんじゃね?」みたいな。

浦井:(笑)。

柿澤:ふにゃふにゃという言い方は変ですが(笑)。

浦井:Season1を観に行ったとき、笹本玲奈ちゃんにも、「ぴったりじゃん!」って(笑)。「え!?」ってなったけど(笑)。褒められてるのかな? でも、ありがとうございます。

--実際、そんなケンカはしてそうですか?

浦井:この年齢になったので、「とりあえず冷静になりましょうよ」と、ドクの目線ですね。

柿澤:(笑)。

--IHIステージアラウンド東京で上演することについて、浦井さんは経験者なので、そのおもしろさと難しさがわかっていると思うのでお聞かせください。柿澤さんは、観客席が回るということに、どんな魅力を感じているか、難しさをどう予想しているのかをお聞かせください。

浦井:日本とオランダの世界でふたつしかないんですよね。それが今、日本で観られるのは、本当にすごく貴重な体験をしていただけるんじゃないかと思います。劇団☆新感線で『髑髏城の七人』花鳥風月極、『メタルマクベス』disc1、2、3と、いろいろと観て体験させていただきながら、本当に極上の劇場空間だなと。とにかく、広いんですよ。演技スペースとしては、役者には空間をしっかりと埋めないといけないという恐ろしさはあるんですが、一度それを味方につけることができると、お客さまが前のめりになって楽しんでくださる劇場だと思うので、体感型というかアトラクションのように大いに楽しんでいただきたいです。同時に怖さというと、最初は迷子になるので、上手下手ではなく、東西南北になって大変ですが、慣れると大丈夫です。

柿澤:演じる側としては、まだ想像がつかないというか、役者としてはやるしかないですね。ただ、来日版を拝見したときに、プロジェクションマッピングもありますし、客席が回ることによる大きな展開シーンがあるので、今世界でふたつしかない最先端の技術を体感できるというのは、非常にいい時間になると思いました。普通の劇場だと、上手下手があって、袖があって、定点じゃないですか。舞台は主役を観てもいいですし、裏で踊っている誰かだったり、人の表情や芝居の変化を観ることもできますし、自分でカット割ができるところが舞台の醍醐味のひとつだと思いますが、IHIステージアラウンド東京ではその情報量がすごく多いので、そこはお客さまも楽しみどころ。360度のなかに、情報量がたくさんあるので、何回観てもおもしろくなるんじゃないかなと。こっち側でバイクが走っていたり、よりニューヨークのなかにいる感覚が楽しめるんじゃないかなと思いました。

--浦井さんがアドバイスするとしたら、どんなことに気をつけろとかありますか?

浦井:踊るリフ、ベルナルドが大変だと思います。特に、ドーナツのところが案外固いんですよね。コンクリートに近い。そこで踊ったり、バック転したりすると、結構膝にくるので、裏では氷水で足を冷やしているキャストもいて。そういうケアに皆で向き合っていくのは大切かなと思います。トニーはそこまで踊らないけど、全力でできるために、お互いが1回ずつ受け渡し合って、ダブルキャストだからこそ安心して取り組めるように、しっかりとウイルス対策もしながら、健康管理に気をつけてやっていけたらと思います。

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

浦井健治さん(左)と柿澤勇人さん(右)=撮影・岩村美佳

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