【編集部追記】2020年5月4日（月）に政府より発表された緊急事態宣言の延長を受け、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season3公演は、全公演を中止とすることが5月13日に発表されました。
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3が、IHIステージアラウンド東京で上演されます。リフ役を演じる加藤和樹さんと木村達成さんの合同取材をお届けします。2020年3月29日（日）掲載のインタビュー「下」有料部分には、アイデアニュース独自のインタビューを掲載します。

――名作『ウエスト・サイド・ストーリー』に挑まれる意気込みをお聞かせください。

加藤：とにかく頑張るしかないです。と言うのは、僕自身、『ウエスト・サイド・ストーリー』という作品に携われるとは夢にも思ってもいなかったですし、ましてやダンスは個人的にはすごく苦手意識があって、今まであまり通ってこなかったんですね。ダンスありきの作品に自分が出るということで、これはひとつの、人生最大の挑戦だなと思っています。

木村：ダンスの振付の意味以上の、自分の中での考え方なども表現できる作品であり、自分の役にしたいと思っています。とても広い劇場ですし、限られた人数であの空間を埋めなければいけないとも思っていますので、それ以上のものを自分の中で噛み砕きながら、提示していけたらと思っています。

――ダンスに挑戦とおっしゃっていましたが、すでに準備されていることなどは？

加藤：年末あたりから個人的に早めに振付助手の方に振付をしていただきました。先日も達成と一緒に教えていただいたんですが、人よりできない分、早め早めにやっていかないと、皆さんと同じペースでは、きっと間に合わないと思いました。バレエのレッスンに通ったり、ないものをとにかく自分の中に入れていくという作業を、できることは進めています。

――ダンスのレッスン受けてみての感想は？

木村：感想…もう本当に使ったことのない筋肉というか。「さす」という表現をよく言われるんですけど、「さす」って何？ と。バレエ用語がまた難しいです。

――「さす」は、どういう字ですか？

木村：どういう字なんですかね。地面を突き刺すみたいな足の運び方でしょうか。軸であったり。でも加藤さんが「ダンスは踊れない」と言っていますけど、この間一緒に受けた感じだと、「何が踊れないんだ」と（笑）。

加藤：いやいやいや（笑）。僕は前にやってるから。あなたの飲み込みの速さは異常だよ。

木村：すごく踊れるから。プレッシャーですよね。

加藤：でもね、こうやってお互いに助け合っていくしかないんですよ。本当にこれが大事なんです。

――木村さんは飲み込みがすごく早かったですか？

加藤：早いですよ、やっぱり。

木村：いやいやいやいや。

加藤：ただ、お互いに課題なのは、飲み込むだけではなくて、さっき達成が言ったように噛み砕いて自分のものにして、身体表現として、ただ踊っているだけじゃないものにしなければならないところです。Season3では、アンサンブルの皆さんが、ほとんどSeason1に出ていた方々なので、やはり経験値の差は出てしまいます。皆さんにサポートしてもらいながら、一体感も大切なので、そこにズレが生じないように、ジェッツを率いているのはリフだという説得力まで持っていかなければいけないプレッシャーはあります。

木村：一番最初は、仲よくなるところからちゃんとやっていかないと。その構築は絶対に必要だと思います。

加藤：この話は俺たちから始まるからね。

木村：どうしよう、紙たばこでむせるっていうのも…。

（一同笑）

木村：面白いですよね（笑）。そういうリフも、僕はなしじゃないと思います。リアルですもん。

加藤：本当は吸えないのに、無理してるんだなって？

木村：強がってんだな、若気の至りなんだなって。舞台上に転がっているもの、すべてなしじゃないですから。

＜取材協力＞
・加藤さんヘアメイク　江夏智也（raftel）
・加藤さんスタイリング　立山功
ジャケット、パンツ／The Viridi-anne（The Viridi-anne　tel 03-5447-2100）
カットソー、靴／CHORD NUMBER EIGHT（GARDEN TOKYO & THE OPEN ATELIER tel 03-3405-5075 ）
・木村さんヘアメイク　馬場麻子
・木村さんスタイリング　スタイリスト：部坂尚吾（江東衣裳）
ニット￥20,000（BATONER / BATONER 03-6434-7007）
パンツ￥36,000（T-MICHAEL / UNIT&GUEST 03-5725-1160）
※価格はすべて税抜き表示

※アイデアニュース有料会員限定部分には、リフ役を演じる上で大事にしたいこと、オーディションを受けられた理由、共演者やWキャストで楽しみにしていることなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。3月29日（日）掲載予定のインタビュー「下」では、カンパニーの特色やこの作品へのメッセージ、お互いの歌声についてなどインタビューの後半の全文を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■木村：「Cool」上がりすぎず落ち着きすぎずパッションは常に

■加藤：「冷静と情熱の間」そこをリフが表現できたら

■木村：この劇場で戦ってみたかった　

■加藤：ティボルトとは違うところに挑戦したい

■加藤：浦井さんとカッキー、面白い芝居が作れるんじゃないか

■木村：「この劇場でやってよかった」と言われる作品にしたい

＜ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3＞
【東京公演】2020年4月1日(水)～5月31日(日)　IHIステージアラウンド東京　（中止）
公式サイト
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

＜関連リンク＞
ASSIST|加藤和樹Official Web Site
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹Twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007
TATSUNARI KIMURA official site
https://www.tatsunari-kimura.com/
ALPHA AGENCY|ARTIST FILE|木村達成
http://www.alpha-agency.com/artist/kimuratatsunari.html
木村達成officialsite Twitter
https://twitter.com/TK_officialsite

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※加藤和樹さんと木村達成さんのサイン入りチェキを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月28日（火）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■木村：「Cool」上がりすぎず落ち着きすぎずパッションは常に

――稽古したのはどの曲ですか？

木村：「prologue」と「Cool」です。

――歌はいかがですか？

加藤：竜真知子さんの新しい訳詞で歌うことは僕らもまだ経験がないので、歌ってみてどう感じるかは、これからの作業ですね。

木村：「Cool」の曲自体は本当にクールな曲だと思っていて、上がりすぎず落ち着きすぎず、でもパッションは常にある、みたいな。その中でずっと血液が流れ続けていないと、途中で止まってしまったりすると思います。多分その血液のひとつとなるのが、ダンスの表現であったり、後ろに控えているメンバー。散々踊った後に歌ったりしますが、その中でも自分の中でどこまで落ち着けるかだとも思います。リーダー感と言いますか、率いている感じも、この曲で見せるポイントはすごくたくさんあり、でもその高みはすごく高いところにあって、本当に練習が必要だなと思いました。

加藤：今のところ見えないもんね。

木村：雲がかかっていて、目視できないんですよ。

加藤：高いなあ、っていう感じですね。

■加藤：「冷静と情熱の間」そこをリフが表現できたら

――リフをやる上で大事にしたいこと、これをポイントにしたいと思っていることはありますか？

加藤：さっき達成が言ったことでもあるんですが、やっぱり仲間とのチームワークは絶対的に舞台上でも出るので、そこですね。どの作品でも僕はそれが大事だなと思っているんです。特にこれだけチーム力のある作品で、それがぶつかり合うところでは、相手を知る必要があります。稽古以外の時間の過ごし方がとても大事なってくると思います。

木村：左に同様です。

（一同笑）

――リフ役について、どういう男性として捉えて、どういうところを大事に演じていけたらと思っていますか？

木村：僕は、このお話の中ではすごく重要になってくると思うんですが、敵対心を持っているライバルがいるというのは、多分同じ意気投合したメンバーがいるからですし、僕たちがシャークスと争えば争うほど、トニーとマリアの禁断の愛がすごく明確に表現できると思います。リフは多分仲間思いで、重要な時は先頭に立ってしっかり自分で物事をやっていくという存在感であり、判断力であり、すべて総括した中のリーダーだと思っているので、リーダー感ってたくさんあると思いますが、ジェッツのメンバーと一緒に、何かひとつ見つけていけたらいいなと思っています。

加藤：これは多分稽古に入ってから見えてくる部分もたくさんあると思いますが、今、達成が言ったように、時代的に争いの中、若気の至りじゃないですが、その中で生まれるパッション、情熱が、この『ウエスト・サイド・ストーリー』の見どころでもありますよね。でもその中で、いち早く「ここから抜け出さなければいけない、自立してお互いを認め合わなきゃいけない」というのがトニーで、ある意味リフも諭される。でも、リフもどこかで分かってるような気がして。

木村：俺もっス。

（一同笑）

加藤：本当は大人にならなければいけないけれど、もう引くに引けない。大人にもなり切れず、子供とも言えないもどかしさというか、歯がゆさというか。本当に誰もが多分そこで葛藤しているんだと思うんですね。それはジェッツもシャークスも一緒ですが、お互いに人種も違えば、争うことでしか自分を見つけられない中で生きてる。だから、その情熱だけじゃなく、悲しさだったり、そうすることでしか自分たちの存在意義を見つけられない…。そういうメッセージも観た時に感じたんです。リフは本当にその間に立っている人間だと思うので、だからこそ誰よりも「クールになれよ」という言葉がかけられるんじゃないかなと思います。でも、その中で一番情熱的に燃え上がったのは彼だと思うんです。「冷静と情熱の間」じゃないですが、そこをリフが表現できたらいいのかなと思います。

■木村：この劇場で戦ってみたかった

――お二人がオーディションを受けられた理由は？

木村：僕はこの劇場で戦ってみたかったんです。この広い劇場の中で、声を聞き取らせたい。もちろんダンスの表現もあると思いますが、声を自分の中で完成させてみたい、というのが、やってみたいと思ったひとつの理由でした。

――何故リフだったんですか？

木村：単純にまず挑戦したい劇場のひとつだったというのは、自分のなかのトライとしてのひとつですが、それが『ウエスト・サイド・ストーリー』で、新たな表現、自分が今までやってこなかった表現の中で戦うということもプラスされました。この作品のタイトルは知っていましたが、その中に出てくる登場人物の名前までは理解していませんでした。だから、自分でリフ役を選んだわけではないんですが、オーディションで見ていただいて、リフが合うんじゃないかって思っていただいたんだと思います。蓋が開いて、リフですごくよかったなと思いますし、その役を勝ち取れたのが嬉しいです。挑戦権が与えられたんですから。

■加藤：ティボルトとは違うところに挑戦したい

加藤：僕は「Cool」という曲が非常に魅力的だなと思ったことと、役としてはベルナルドのほうが合うんじゃない？と思う人もいると思うんですね。でも僕は『ロミオ＆ジュリエット』のティボルトをやっていて、そことは違うところに挑戦したいと思ったんです。リフは激しいダンスナンバーがあるということも、もちろん重々承知していました。でも、できないことをできないままにはしたくはないという想いで、この作品に携わりたい、挑戦したいのはリフだなと思ったのが理由です。どのみち死んじゃうんですけどね（笑）。

（一同笑）

――今、木村さんから劇場のお話がありましたが、加藤さんはいかがですか？

加藤：この劇場に、僕も何度も足を運んで観たことがありまして、役者なら一度は出てみたいと。世界に二つしかない劇場でチャレンジできる役者は、本当に数えるくらいだと思いますので、その魅力もやっぱりありましたね。

■加藤：浦井さんとカッキー、面白い芝居が作れるんじゃないか

――Season3はたくさんのミュージカルに出演されている皆さんが勢揃いですが、共演者の皆さんや、Wキャストというところを含めて、楽しみにしていることを、ぜひお聞かせください。

加藤：楽しみというか、アンサンブルの皆さんがほとんどSeason1で出ていらしたというのは、とても心強いことだと思います。トニーのお二人、浦井（健治）さんとカッキー（柿澤勇人）は、僕もよく知っている方なので、面白い芝居が作れるんじゃないかなという期待感はものすごくあります。ベルナルドのお二人（Oguri、有澤樟太郎）は初めましてですが、新たな刺激というか。ぶつかり合う一番近い相手になると思うので、稽古に入ってから、いろんなやり取りをしていきたいなと思っています。マリアのお二人（桜井玲香、伊原六花）も初めてなんですが、新たな風を感じたいという期待はあります。アニータのお二人（ソニン、夢咲ねね）はよく知っているので（笑）。この二人のWキャストは面白いなと思いながらも、きっとお二人とも全然違う色のアニータになると思うので楽しみですね。

木村：共演者は、かーくん（加藤）と樟太郎が知り合いなだけで、あとは初めましてです。トニー役のお二人も、本当にお名前をよく聞くので、とても楽しみですし、先程、かーくんが言いましたが、アンサンブルの方もSeason1で踊ってる方々なので、とがった言い方になるけど…だめだ、俺、今日とがっちゃう！

加藤：とがっていけよ！

木村：今言おうとしたこと言っていいですか？

加藤：いいよ。

木村：別に誰でも関係ないくらいの感覚…（笑）。

（一同笑）

木村：でも共演者って、この作品を料理だとしたら、それを彩る具材であり、多分上手い役者さんだけ集めても絶対つまらない舞台になると思いますし、その化学反応って無数にあると思うんですよ。今回Season3に選んでいただけたということは、自分の中でもプラスに考えた時に、風を吹かせると言いましたが、いい味を持たせられるのかなとも捉えられますし、また新たないい刺激を与えていけたらいいなとも思います。若い子でこういうヤツが出てきたんだ、くらいな感覚で思ってもらえれば幸いです…だめだ、今日やばいです。

加藤：俺はお前のそういうとこ好きだよ。

■木村：「この劇場でやってよかった」と言われる作品にしたい

――加藤さんは作品についていかがですか？

加藤：結構前ですが映画も観ていますし、オーディションに向けてもう一度見直して、来日版もSeason1も観に行きました。昔観た印象とはまた違って、「あれ？ こんなに踊ってたっけ？」と（笑）。昔はダンスとして観るというよりは、その中身、争いの部分を重点的に見てたんだろうなと。もちろん、印象的なダンスは覚えていましたが、大人になってから観ると違うんだなというか。すごく悲しいなと思いました。自分がその立場だったら、いったい何ができたんだろうと。でも今度は自分が演じるわけですから、その世界に入った時に、自分が何を感じるかとても楽しみです。

――木村さんは映画はご覧になりましたか。

木村：映画はまだ観てないですね。Season1も観てないですが、来日版は観ました。圧巻だったのはもちろんですが、自分がこれをやるに当たっての課題として、この大きい劇場で、空間を埋めるのは大変なんだなと、すごく思ったんですよ。このアンサンブルのメンバーはこのままの人数で行くのかなとか、もっとアンサンブルのメンバーを増やしたほうがいいんじゃないかなとか、色々考えが浮かんだりしました。もちろん僕が考えるような話でも何でもないんですが。ジェッツとして限られた人数で踊るので。「この劇場でやってよかった」と言われる作品にしたいので、日々稽古です。頑張ります。

加藤：頑張ります。

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