【編集部追記】2020年5月4日（月）に政府より発表された緊急事態宣言の延長を受け、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season3公演は、全公演を中止とすることが5月13日に発表されました。
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3が、IHIステージアラウンド東京にて上演されます。リフ役を演じる加藤和樹さんと木村達成さんの合同取材の最後の部分と、有料会員限定部分ではアイデアニュース独自のインタビュー部分を紹介します。この作品のメッセージについて思うこと、そして、お互いの歌声を食べ物に例えてくださったお話もぜひご注目ください。

――加藤さんとダブルキャストというのは、いかがですか？

木村：心強いですよ。初めましてで気を遣いながらやるほうが、時間をすごく無駄に使ってしまうというか。本当に助けてもらう時は助けてもらいたいです。でも、「よーいドン」でやっても、役の突き詰め方って三者三様ですし、違う方向になっていくと思うので、とても楽しみです。

――加藤さんから見て、木村さんはどんな方ですか？

木村：ナイフみたいに鋭利ですよ。

（一同笑）

木村：自分で言うなって（笑）。

加藤：と言っていますが、すごく甘えん坊だし、人懐っこくて、憎めないヤツだなって。『ファントム』で初めて共演させていただいて。人一倍芝居に対しての貪欲さがあって、自分に足りないものも自分でよく分かっていますし、それを分析して乗り越えていこうとする力がものすごくある役者だなと思いました。

木村：人の意見を聞きすぎてしまうんです。

――そんなことがあったんですか？

木村：『ファントム』の時がそうだったんです。いろんな人に聞きすぎて、自分が分からなくなる。「俺は俺でいいんだ」、ビートルズで言う「レット・イット・ビー」、そのままでいい、というのがどっかに行ってしまっていて。

加藤：気にしすぎるんだって。

木村：それがだめなんですよ。リフみたいにとがらなきゃいけない、鋭利であるっていう。リフの取材も全部とがっているんです。

加藤：分かりやすすぎるわ（笑）。

木村：そのくらい（今から）作っていかないとだめだ、追いつかない！ そんな優柔不断なリフ観たくない。

（一同笑）

――木村さんから見た、加藤さんの役者としての魅力は。

木村：もうすべてですよ。すごく懐が広い人だなと思っています。心も広いですし。先ほどベルナルドに合ってるんじゃないかと言ってましたが、リフにぴったりだなと思っていて。表面だけ見たらベルナルドっぽいとか、そういうことではなくて、ちゃんとこのマインドや心の広さまで見た時に、超リフだなと。包み込む能力がすごいなと思うので、それは完全に役者の魅力のひとつでもあるなと思いました。

加藤：ありがとうございます。

木村：僕はできないですよ。僕は人を突き放しちゃいますよ。切れ味すごいんで（笑）。以上です！

（一同笑）

――加藤さんから見て、木村さんのここがリフに合っているというところは。

加藤：とがってる（笑）。

木村：でも荒々しいところは、やってしまいそうな、「あいついつか問題起こすんだろうな」くらいな感覚が…。

加藤：やらかす感はありますね。でも何でしょうね、多分、誰よりも仲間のために率先して前に出るタイプなので、そこは実際に年齢的にも若いですし、僕なんかよりも勢いがありますね。だからと言って、何も考えていないわけではなく、ちゃんと頭の中で計算ができるヤツだと思います。というのは、周りの目を気にする人って、絶対そういうところがあると思うんですね。逆に俺なんかは、気にしない分、「もっと気にしろ」って言われるんです。達成は、周りをよく見ると思いますし、仲間から慕われる感じは、仲間の上に立つというよりは、同じラインに立って、その中で引っ張っていくというタイプだと思います。一個抜け出てリーダーというよりも、みんなと同じ思いを共有しながら、その中でのトップというか。そんなイメージがあります。

＜取材協力＞
・加藤さんヘアメイク　江夏智也（raftel）
・加藤さんスタイリング　立山功
ジャケット、パンツ／The Viridi-anne（The Viridi-anne　tel 03-5447-2100）
カットソー、靴／CHORD NUMBER EIGHT（GARDEN TOKYO & THE OPEN ATELIER tel 03-3405-5075 ）
・木村さんヘアメイク　馬場麻子
・木村さんスタイリング　スタイリスト：部坂尚吾（江東衣裳）
ニット￥20,000（BATONER / BATONER 03-6434-7007）
パンツ￥36,000（T-MICHAEL / UNIT&GUEST 03-5725-1160）
※価格はすべて税抜き表示

※アイデアニュース有料会員限定部分には、カンパニーの特色やこの作品へのメッセージ、お互いの歌声についてなどインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■木村：トニー役のお二方が優しかった。それだけで1個壁がなくなる

■加藤：若者たちの鬱憤が濃ければ濃いほど二人の愛が際立っていく

■木村：（加藤さんの歌声は）シュークリーム。…他には、小籠包？

■加藤：（木村さんの歌声は）ストレート麺。これから色が付いていく

■木村：このキャストと一緒に作れることが幸せ

■加藤：Season3が一番よかったと言われるように

＜ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3＞
【東京公演】2020年4月1日(水)～5月31日(日)　IHIステージアラウンド東京　（中止）
公式サイト
https://www.tbs.co.jp/stagearound/wss360_3/

＜関連リンク＞
ASSIST|加藤和樹Official Web Site
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹Twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007
TATSUNARI KIMURA official site
https://www.tatsunari-kimura.com/
ALPHA AGENCY|ARTIST FILE|木村達成
http://www.alpha-agency.com/artist/kimuratatsunari.html
木村達成officialsite Twitter
https://twitter.com/TK_officialsite

• 「これからもミュージカルをやっていきます」『ピピン』、森崎ウィン（下） 2022年7月31日
• 「どうすれば上演できるか。人に頼るだけでなく、演者も考えないと」加藤和樹（下） 2022年2月24日
• ミュージカル『FLOWER DRUM SONG』、古屋敬多・桜井玲香がW主演で4月上演 2022年1月21日

⇒すべて見る

• 城田優が演出と出演、加藤和樹・真彩希帆・sara出演、ミュージカル『ファントム』東京・大阪で2023年夏上演 2022年10月7日
• 「冒険的な挑戦」、『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』小西遼生・伊礼彼方（上） 2022年9月25日
• スターが日替わりで登場するバラエティショー『THE PARTY in PARCO劇場』、2022年11月開催 2022年9月13日

⇒すべて見る

• 【動画】ミュージカル『マチルダ』、11月30日11時から東京公演チケット一般発売開始 2022年11月30日
• 「第3幕は韻文。生演奏もあって、ラップのような」、『血の婚礼』安蘭けい（上） 2022年9月12日
• ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』本編映像、複数アングルSwipeVideoで配信 2021年10月15日

⇒すべて見る

※加藤和樹さんと木村達成さんのサイン入りチェキを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月28日（火）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■木村：トニー役のお二方が優しかった。それだけで1個壁がなくなる

――「ウエスト・サイド・ストーリー」Season1、Season2を拝見して、カンパニーの特色が違ったのが印象的で、こんなに変わるんだと驚きました。カンパニーの作り方というか、その個性やカラーはどこから来ると思いますか？ 普段意識していることや、できていく過程などいかがでしょうか。

木村：でも、先陣切ってぶっ壊す人いますよね、「畏まってる感じ、マジやめようぜ」みたいなのありません？

加藤：そうだね、絶対的に最初から皆さん和気藹々というのが難しいのは、どの現場もそうなんですね。例えば僕らが共演した『ファントム』で言うと、城田（優）自身がああいう感じなので。彼が「とにかく楽しんで欲しい」と言っていたので。それで、僕らも心救われる部分もありました。演出家が作り出す時もありますし、主演の方の方向性だったり。なるべくだったら、僕も楽しくやりたいほうなので。やっぱりカンパニーでの自分の立ち位置というものを考えて、どう立ち居振る舞えばいいのかなということは考えます。

――木村さんはいかがですか？

木村：さっき別の取材でトニー役のお二方（浦井健治、柿澤勇人）にお会いしたんですが、優しかったんです。もうそれだけで、1個壁がなくなるというか。僕も最初は割と静かにシャイにしがちなので、ありがたいですね。

――先ほどの合同取材でのお話にもありましたが、甘えていけるような感じですか？

木村：もちろん自分としてしっかり立ちたいですが、甘える部分はもちろん、殻にこもらずに発信していけるカンパニーになるなと、すごく思いました。

■加藤：若者たちの鬱憤が濃ければ濃いほど二人の愛が際立っていく

――そのカンパニーでつくる、この作品のメッセージについてはどう考えていますか？

木村：僕はまだ台本や楽曲も全部理解しているわけじゃないので、分からないのですが…。シェイクスピアの『ロミオ＆ジュリエット』を1回経験して、この作品での移民のぶつかり合い、そのバトルのメッセージは譲れない何かがあって、抗うがゆえの各々の意思があって、考え方が違う部分、肌の色で戦わなきゃいけないという人間の愚かさとか。仲よくやればいいのに、引くに引けない状況を作ってしまうとか。大人たちも、それは昔からあったことだからと、見て見ぬふりをしたりというのは、今の時代でも変わらぬ、何か共通する部分ももちろんあると思うので、そんなことを訴えかけているのかなと思います。昔からある問題が、『ウエスト・サイド・ストーリー』という、ニューヨークのマンハッタンで起こっていて、いろんな意味がすごく詰まっている。感じ方は人それぞれ違うと思いますが、「正義とは何か」というメッセージ性なのかなと僕は思います。

――加藤さんはいかがですか。

加藤：作品として伝えるメッセージとしては、Season1、Season2、Season3、どれも変わらないと思いますが、このSeason3のメンツでやる意味というか。僕はトニーのお二人は共演経験もありますが、とにかくミュージカルの中では王子というかプリンスがすごく似合う2人ですし、カッキー（柿澤）はすごく情熱的で、彼の歌も僕はすごく好きなんです。そして浦井さんの透き通るような歌声と、あの人の芝居に惚れているので、トニーたちがマリア（桜井玲香、伊原六花）と紡ぎ出す愛の物語は、どんな愛よりも強いものになるんじゃないかなという期待はしているんですね。だからこそ、我々リフ、ベルナルドの戦いや、ぶつかる怒りの部分、やるせないこの思いみたいなものを、もっと激しく燃え上がらせていかないと、それはさっき達成も言っていましたが、行き場のないどうしようもない若者たちの鬱憤みたいなものを、それが濃ければ濃いほど、やっぱり二人の愛が際立っていくので、我々が今までの経験で培ってきたものを出したいなと思いますし、色んな多方面のジャンルからのキャストでの化学反応というか。そういう意味では、相手役のベルナルドも違う畑の人たちだから、いい化学変化を期待したいと思います。あとはアンサンブルの人たちは、Season1で経験を積んでる方ばかりなので、その力を借りて、よりパワーアップをして、「これぞ『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3！ 待ってました！」と言われるものにはしたいなと思っています。

――覚悟がかっこいいです。

加藤：そのぐらい言っておかないと、ダンスが頑張れないので（笑）。

■木村：（加藤さんの歌声は）シュークリーム。…他には、小籠包？

――『ファントム』で廣瀬（友祐）さんと木村さんと対談取材をさせていただいた時に、木村さんが廣瀬さんの歌声を「桃」と表現されたんです。それが面白かったので、ぜひ加藤さんの歌声も表現していただけないかと。

木村：えー！？ それ、事前に言ってもらっていいですか（笑）。

加藤：桃ね…。分からんでもない（笑）。

木村：何だろう…シュークリーム。

――シュークリーム！？ その心は？

木村：割と外側がサクサクのシュークリーム。

加藤：（笑）。

木村：外見が強面だから。ぱっと見たら怖いじゃないですか。でも、その彼から発せられる声は、生クリームみたいに甘いんですよね。

――カスタードじゃなくて生クリームですね （笑）。

木村：あ、カスタードか。

（一同爆笑）

――両方入ってるのもありますね（笑）。

木村：ダブルのほうですね（笑）。そのギャップが半端じゃない。外がサクサクで、中がじゅわっと…他にないかな、小籠包？

（一同笑）

木村：でも本当に、シュークリームみたいな歌声ですね。

加藤：嬉しいわぁ。自分に甘さを感じたことがないので…。

木村：いやいやいや！ 『ファントム』の時も心の叫びとか、お母さんへの思いを歌っているときとか。いくら歌がうまくても、声色ってすごく大切だと思うんですが、（歌声を聞いていて）前のめりになっちゃう。絶対的に魅力的です。言い方は変ですが、ナルシストっぽい歌い方じゃなくて、本当に素直なヴォイスがいいですよねぇ…。

加藤：ありがとうございます。

木村：こってりしてないんです。爽やかなんです。だから、例えるのが難しいんです。シュークリームで合ってるのかな？

――とてもいいんじゃないでしょうか。

木村：でも、結構重いじゃないですか。

――軽いシュークリームもありますよ。

木村：一口シューかな？ でも、一口シューだとサクサクしてないか…。

■加藤：（木村さんの歌声は）ストレート麺。これから色が付いていく

――ということですが、加藤さんは木村さんの歌声をどう思いますか？ 食べ物に例えなくてもいいですが。

加藤：ストレート麺です。

――ストレート麺！？ 縮れてないんですね？

木村：やっぱりラーメン好きだと、麺に例えるんですね。

加藤：とにかくね、ストレートに届くんですよ。麺なんです。何にも加工されていないというか。これから多分いっぱい色が付いていく。それがね、スープにつかるのか、何か練り込まれるのか。

――この先縮れていくかもしれない？

加藤：縮れる可能性もあります。いい具合にビブラートが縮れのようになってきたりとか。でも今は、すごくストレートだから。それが達成らしさ、というか良さだなと思っています。これからどんどんどんどん成長していく。

――そんなお二人、シュークリームとストレート麺の歌声が、

加藤＆木村：（爆笑）。

――（笑）。「Cool」を歌うわけですが。

加藤：全然違うものなると思いますよ。

木村：絶対に違いますよね。めちゃくちゃ難しいですよ。低いですし。曲の中では「落ち着け」というようなニュアンスのことを言っていますが、人一倍心の中でスクリームしているような、でもみんなを冷静にさせたいというような。「今じゃない、今じゃない」くらいの感覚のパッションを見せるのに、一番難しい曲なんじゃないかなと。

加藤：ダンスもあるしね。

木村：この曲はダンスも含めての曲ですから。

加藤：体を踊りに慣らしてからの歌だと思ってます。多分、歌だけ練習しても意味がないと思います。

木村：息上がってる状態で、あんなに低い「BOY〜♪」って、難しいですよね。

■木村：このキャストと一緒に作れることが幸せ

――最後に、楽しみにしている皆さんへ一言ずつメッセージをお願いします。

木村：リフに選ばれた意味もちゃんと噛みしめながら、このSeason3をこのキャストと一緒に作れることを幸せに思っていますので、ラストの締めというか、Season3を本当に楽しみにしていてほしいです。

■加藤：Season3が一番よかったと言われるように

加藤：来日版、Season1、2と観て、やっぱり否が応にも比べられると思うんです。でも、その違いを楽しみにしていらっしゃる方も絶対にいると思います。だから僕もSeason3のキャストでやる意味、この色というものをちゃんと示していきたいですし、やるからには「Season3が一番よかったね。『ウエスト・サイド・ストーリー』締まったね」と言われるようなものにはしたいと思いますので、ご期待ください。

※加藤和樹さんと木村達成さんのサイン入りチェキを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは4月28日（火）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。