2021年5月16日(日)に東京建物 Brillia HALLで開幕し、その後、兵庫、鳥栖、広島、名古屋で上演されるミュージカル『17 AGAIN』に出演する有澤樟太郎さんのインタビュー、後編です。初めてミュージカルを観た時のことや、ミュージカル独特の役作りについて、2020年を振り返っての今の想いなどについて伺いました。
ーーミュージカルは、小さい頃にご覧になられたことはありましたか?
高校の観賞会で観ました。
ーーそのときは、何をご覧になりましたか?
震災をテーマにした劇団さんのミュージカルでしたね。地元が兵庫県なので、阪神淡路大震災のミュージカルでした。僕はもともと音楽が好きなので、作品に歌があることによって、すごく心が揺さぶられますし、ミュージカルを観ることは好きでしたね。その後、東京に来て初めて観たミュージカルが『ファントム』です。
ーー城田優さんが主演されていた?
そうです。2014年に、当時、養成所の学生でしたが、観させていただきました。地元にいたときは、舞台に触れる機会がなかったんです。やっていたのは、劇団四季か木下大サーカスくらいで。
ーーあとは梅田芸術劇場さんに来る作品や宝塚くらいですね。
だから、触れる機会が全然なかったんですが、東京に来て、やはり自分がそういう道に進むなら触れてみないといけないなと思っていました。そこに、『ファントム』のお知らせがきて、これは絶対観に行きたいと思い何人かで観にいきました。
ーー城田さんも、若い頃にテニミュに出演されていましたね。
そうなんですよね。観劇して、これはすごいなと思いましたし、一緒に観ているお客様たちもその空気感にどんどん染まっていって、休憩時間も動けないんですよ。みんな同じ気持ちなんだなと思いました。劇場の一体感みたいなものを感じました。TBS赤坂ACTシアターでしたが、赤い絨毯と座席で、「ここに立ちたい」と思いましたね。すごく印象に残っています。『ファントム』は最後に歌で終わるじゃないですか。あのシーンは、今でも頭から離れないですし、すごく衝撃を受けました。まさか自分がミュージカル俳優の人とご一緒させてもらえるなんて、当時は思ってもいなかったですね。
ーー音楽が好きというのは子どもの頃からですか?
そうですね。音楽はめちゃくちゃ好きでした。
ーー何を聴いていたんですか?
ジブリが好きなので、そのオーケストラのサウンドトラックとか。今でも久石譲さんのコンサートに行ってからでないと死ねないなと思っています。
ーーそれくらい好きなんですね。
好きですね。
ーー自粛期間中に、ブログで、いろいろな音楽を紹介されていましたね。
自粛期間に、めちゃくちゃ音楽を聴いたんです。聴くジャンルもいろいろと、いいなと思ったものを聴くので。サブスクやYouTubeなどで聴きますね。
ーージャンルを決めず、いろいろなものを聴いていくんですか?
プレイリストとか、いろいろあるじゃないですか。僕は「東京」とよく入れるんですが(笑)。
ーー「東京」? おもしろいですね(笑)。
「東京」と入れると、いろいろな東京のプレイリストが出てくるんですよ。僕も上京してきたので、上京の歌が出てきたり、東京のシティポップな歌が出てきたりだとか、いろいろあったりします。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、『ウエスト・サイド・ストーリー』で感じた役作りについて、2020年を振り返っての今の想いなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■音符、譜面から役作りをしていくことに感激した『ウエスト・サイド・ストーリー』
■2020年は「こんなことしたい」という欲が出てきて、自分を見つめ直すいい機会だった
■制約があるなか、空気感をお客様が作る。拍手に助けられたミュージカル『刀剣乱舞』
■『17 AGAIN』は本当にハッピーな作品。たくさんの方に観ていただきたいです
<ミュージカル『17 AGAIN』>
【東京公演】2021年5月16日(日)~6月6日(日) 東京建物Brillia HALL
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■音符、譜面から役作りをしていくことに感激した『ウエスト・サイド・ストーリー』
ーーミュージカルは歌があることによって、すごく心が揺さぶられるとおっしゃっていましたが、ミュージカルの楽曲はいかがですか?
歌は歌でも、音符、譜面から役作りをしていくことに、感激しました。
ーー2.5次元では、音源を聴いて覚えるという感じですか?
先に出演していた人に聞くとかですね。まずキャラクターがあって、どう歌うか。『ウエスト・サイド・ストーリー』では、歌から役に広げることが、すごいなと思いました。
ーー譜面で物語が表現されていますよね。
そこに本当に影響されました。
ーー今、ミュージカルに対する興味もどんどん広がっていますか?
広がりましたね。ミュージカルもそうですが、作品に対する興味は、いろいろな世界的な作品、世界で上演されるような作品に興味があります。もちろん『17 AGAIN』もそうですね。
ーー例えば、今すごく惹かれている作品はありますか?
最近『ロミオ&ジュリエット』などを観たんですが、今は時期的にこういう状況なので、海外のコメディ作品なんかも観たりしています。
ーーこういう時って、コメディや心休まる作品にこんなに惹かれるのかと思いますね。
そういうものを求めているんだなと。なので、『17 AGAIN』も多分みんなが求めているハッピーな作品だと思うので、もう全力で皆さんをハッピーにしたいなと思っています。
■2020年は「こんなことしたい」という欲が出てきて、自分を見つめ直すいい機会だった
ーーこの仕事を始めて5年間走ってきて、2020年に急に止まる時間があって、どんなことを考えましたか?
『ウエスト・サイド・ストーリー』から止まったので、何だか止まった気がしないんです。いろいろなことに対する欲がある状態で、突然なくなったので、その期間に「こんなことしたいな」という欲が出てきて、逆に自分を見つめ直すいい機会にもなったなと思います。
ーー吸収する時間みたいな?
はい。
ーー『ウエスト・サイド・ストーリー』は、一旦途中まで中止になり、その後に全公演が中止になりましたよね。他のキャストの方々から、体をキープしておかなければいけなくて、完全自粛でもなかったと伺いました。
そうなんです。いつでも戻れるように体力づくりはしていました。Oguriさんとも連絡を取り合って。
ーーじゃあ、周りの皆さんよりは、完全に止まるという感じではなかった?
そうですね。逆に、「もっといろいろ知りたい」「もっといろいろやってみたい」と欲求が出て。それは、役者ということに限らず、音楽もそうですが、いろいろなジャンルの音楽にも興味が湧きました。仕事には関係ありませんが、家電とかにも(笑)。一人暮らしで、いろいろなことに興味が出ました。
ーー料理も進化してましたね。
だから、僕にとっては、すごくいい期間だったなと思います。
ーー「大人の休日」のような、急に2ヶ月の夏休みを与えられたみたいな。
確かに! 何か、試されているのかなみたいな。
■制約があるなか、空気感をお客様が作る。拍手に助けられたミュージカル『刀剣乱舞』
ーーこの時間を、どう過ごすんだと試されていると。ミュージカル『刀剣乱舞』で、久しぶりにお客様がいる舞台に立ってみて、どう思いましたか?
劇場の一体感、お客様の存在は大きなものだなと改めて思いました。制約があるなかで、お客様も反応を出しづらいとは思いますが、そのなかでも空気感をお客様が作っているなと思いましたし、本当にひとつの拍手だけで、これが当たり前じゃないんだなと感じ、すごく拍手に助けられました。
ーー私は、2020年3月にミュージカル『刀剣乱舞』を観ましたが、声を出すのはもうだめになっていた時でした。それでもペンライトや拍手など統一感があって、今まで応援してきたファンの方々の「すぐ対応できます」という感じが、素晴らしかったです。
お客様はすごいですよ。「ここで、これが来る」とか、もうわかっているんですよね。
ーーフライングだけどペンライトを点けちゃう(笑)。
テンション上がってくれているんだなと。そこはありがたいですね。
■『17 AGAIN』は本当にハッピーな作品。たくさんの方に観ていただきたいです
ーーなるほど。そういうのを肌で感じたんですね。『17 AGAIN』でも、その勢いのまま観にきてもらいたいですね。
そうですね。絶対楽しいと思いますし、全然違うよさがあると思うので、楽しみにしていただけたらと思います。
ーー観客側もいろいろ考えて、行きたいけれど行けない人もいますし、いろいろな声もあるかと思いますが、待っている皆さんへのメッセージをお願いします。
こういう時期だからこそ、本当にハッピーな作品だと思います。今回携わっているキャストやスタッフさんが、本当にみんなに観にきてほしいと心から思っている作品ですし、限界を越えた熱量で臨んでいます。今回は、初めて行く鳥栖や、名古屋、広島と演劇で行ったことのない、初めて立たせてもらう劇場もあるので、気軽にはなかなかという方もいらっしゃるかもしれませんが、観て、ただただ楽しんでいただけたら。また深いメッセージ性のある作品だと思うので、本当にたくさんの方に観ていただき、応援していただければ嬉しいです。
※有澤樟太郎さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは3月20日(土・祝)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
後編の記事もありがとうございます!
前編とあわせてじっくり読ませていただきました。
私も地方に住んでいるので有澤さんの舞台に2016年に出会うまでは今までミュージカルや舞台を一度も生で観劇したことがありません。地方に住んでいると本当に生で舞台に触れる機会がまったくなくて、有澤さんの気持ちがよくわかります。
初めて観たのがミュージカル刀剣乱舞幕末天狼傳初演なのですが、そこで有澤さんを知ってそこから出演作は生や配信で全部観劇し今に至ります。
幕末天狼傳は自分の行く予定の公演が中止になってしまったので、再開した後に東京公演へ行きましたが今までとは違い声を出せない、客降りができない、など色々な制約のある状況でも開幕いただけたことに今まで舞台が公演できていた状況は普通ではなく恵まれた世界だったんだなと改めてありがたさを感じました。
WSS、17AGAINをきっかけにこれからたくさんのミュージカルにもご出演される機会が増えたら嬉しいです。歌もすごく素敵な低めの歌声でしっとりと歌われるので本当に期待しかありません。2.5次元作品も観てみたいですが、色んなジャンルの舞台で有澤さんの様々なお姿を観てみたいです。
17AGAINでは竹内涼真さんとの絡みがすごく気になるところではあるので、どんな風にスタンを演じられるのか、幕が上がった時にしっかりと目に焼き付けに行きます。
これからも有澤さんの記事をよろしくお願いいたします。
インタビュー記事、拝読しました。
昨春のWSSこそ観劇はかないませんでしたが、それ以降の作品を拝見していると御本人がおっしゃる通り、何か決意めいたものが感じられる気がしました。
新作の【17 AGAIN】もどんなふうにはじけられるのか、楽しみにして開幕を待ちたいと思います。
後半の記事も楽しみにしていました。有難うございます。立ち止まる日々が、ただ悔しく虚しいだけではなかった事が、記事から読み取れて、有澤さんの前向きさポジティブな精神がまた分かる事もあって、安心もしましたし、掘り下げてインタビューして下さり有難く想いました。音楽が大好きな人だとは知っていましたが、ジブリの曲への熱い想いが知れたのは個人的に刺さりました。「WSS」での準備してきたものはどれも無駄にならずに、次に活かせる場が直ぐにあることは、幸せな事だと想います。きっと鬱々としがちな今のこの状況にこそうってつけな「17 AGAIN」観る方々にたくさん笑顔をお届け出来るものになるんだろうなと想いました。観終わった後にハッピーになれる素敵な作品に早く出会いたいなと想いました。有澤さんのスタン役も凄く楽しみにしている役どころなので、またひとつステージの上がった歌にダンスを楽しみにしています。読み応えあるインタビュー記事誠に有難うございました。
有澤くんのインタビューありがとうございました😊
上京してからのミュージカルと対面して心を震わせた時や自粛期間の興味や、WSSが止まってしまった時も、落ち込みや諦めではなく、前へ前へと進んで行ってたんだということが知れて、とてもうれしかったです!
ミュージカル刀剣乱舞のことも触れてくださり、ありがとうございます!声援を送れない分、拍手に全力で気持ちを込めていたので、伝わっていたのだなと知れてなんだか救われた気持ちです。
また有澤くんのインタビューぜひともお願いします!!
「17 AGAIN」に対する、有澤さんの意気込みを感じました。
また、WSS3のことや、刀ミュのことについても触れてくださり嬉しかったです。なかなか声が出しづらいご時世ですが、こちら側の気持ちもちゃんと受け取って下さっているんだなと思い、ファンとしては嬉しく思います。
こういった経験を経てからの有澤さんの演じる17 AGAIN スタン役がますます楽しみになりました。
素敵なインタビュー記事をありがとうございました。
後編も、こんなご時世でも観劇が前向きに、楽しみになれる内容をありがとうございます💖
岩村さんのインタビューはいつも、読者目線で聞きたいこと、作品の紹介などでよく見るのとひと味違う、ご本人の魅力ある一瞬の絵で、新たな一面を垣間見られるので大好きです。