「フランケンシュタインは、芝居で見せたい」 柿澤勇人インタビュー(上)

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

来年1~2月に上演されるミュージカル「フランケンシュタイン」にビクター・フランケンシュタイン&ジャック役で出演する柿澤勇人(かきざわ・はやと)さんに、8月に行われた製作発表の直後にお話を伺いました。(上)(下)2回に分けてお届けします。(上)では、今の段階で作品について思うことや共演者の印象についてなど伺っています。(作品については製作発表記事をご覧ください)

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■僕は人前が苦手なんです。緊張するし、人見知りなので

――製作発表を終えられて、いかがでしたか?

中川(晃教)さんをはじめ、個性的な方が集まっているカンパニーだなと、だからこそ面白くなるんじゃないかと思いました。

――その個性が発揮されたかなり面白い製作発表でしたね。

みんな自由ですよね! 中川さんたくさん話されるし(笑)。僕は人前が苦手なんです。緊張するし、人見知りなので。これは一生変わらないと思います。芝居をやっているときのほうが全然楽で、お客さんの前で素の自分で立つというのがどうしても居心地が悪くて。トークが上手くて巻き込んでいくような人もいますが、僕は簡潔に話すのが精一杯です。今日は歌の前まで「はやく終わらないかなぁ……」と思ってました(笑)。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■中川さんが自在に歌うのを聞いていれば、普通の人じゃないのはわかります

――(笑)。トーク部分特に長かったですからね。

長かったですよね!? だから僕は早くしゃべって進むように貢献しようと!

――そこに個性が出ていて、見ているほうは面白かったです(笑)。特に、中川さんと柿澤さんの個性の違いがよく現れていましたね。中川さんをリスペクトされていたとお話されていましたが、面食らったりしませんでしたか?

大丈夫です! 中川さんだからこそ、あのような歌を歌えるんだろうなと思いました。自在に歌うのを聞いていれば、普通の人じゃないなというのはわかります。

――歌のときも個性の違いが出ていましたね。

そうなんですか!?

――一緒に歌う柿澤さんに関わっていこうとアプローチしながらのびのびと歌う中川さんと、前を見てお客さんに届けるんだと真剣に歌う柿澤さん……という感じでしょうか。

(爆笑)。中川さんみたいに歌うのは難しいかな(笑)。

――(笑)。ダブルキャストですから一緒に歌うのは今回だけですが、稽古と製作発表で歌ってみていかがでしたか?

今回の曲はキーがすごく高くて、中川さんはちょうど良く、僕は本来もう少し低いんですね。高いところを中川さんが出してくれるので、頼らせて頂きました。

■僕はミュージカルは絶対に芝居だと思っています

――今までもダブルキャスト、トリプルキャストの作品に出演されることは多かったと思いますが、中川さんとダブルキャストというのはいかがですか?

中川さんは歌を絶対にパーフェクトにやってくるでしょうし、その技術では絶対にかなわないと思います。それが才能だと思いますから。もちろん僕は一生懸命にやって、自分ができる精一杯を絶対にやろうと思っています。もしかしたら何かを見つけて爆発的に上手くなる可能性はあるかもしれませんから。でも、中川さんみたいになれないことはわかっているので、そこで勝負するつもりはありません。僕はミュージカルは絶対に芝居だと思っています。「フランケンシュタイン」はさまざまな普遍的なテーマを扱っていて、例えば友情だったら加藤くんと小西くんと作らなければいけないですよね。もちろん歌は課題であることは間違いないのですが、芝居で見せたいと思っています。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

<アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分の内容>

■「デスノート」韓国版を見にいったときに感じた日本版との違いは

■加藤さんはすごくミステリアス。小西さんはディティールにこだわる

■こうしようとか決めるのはあまり好きじゃない。動きを決めてしまいたくない

■お酒が入ったら人見知りの扉は開きます。しゃべりまくるというか、開きます

■「ラディアント・ベイビー」の座談会、整理が出来ていない状態で……

<柿澤勇人さんのサイン色紙と写真を有料会員3名さまにプレゼント>
柿澤勇人さんに書いていただいたサイン色紙と写真1カットを、アイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまに抽選でプレゼントします。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。応募は有料会員の方はログインし、この記事の文末にある応募フォームからご応募願いします。有料会員の方はコメント欄にメッセージを書き込むことができますので、ぜひ記入をお願いいたします。応募締め切りは11月4日(金)です。(この応募は締め切りました)

<ミュージカル『フランケンシュタイン』>
【東京公演】2017/1/8(日) ~ 2017/1/29(日) 日生劇場
【大阪公演】2017/2/2(木) ~ 2017/2/5(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017/2/10(金) ~ 2017/2/12(日) キャナルシティ劇場
【愛知公演】2017/2/17(金) ~ 2017/2/18(土) 愛知県芸術劇場大ホール

<『フランケンシュタイン』関係サイト>
日生劇場 http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/565/index.html
キャナルシティ劇場 http://canalcity.co.jp/news/event/1249
愛知県芸術劇場大ホール http://search-event.aac.pref.aichi.jp/p/event_month_kouen.php

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フランケンシュタイン

<ここからアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です>

■「デスノート」韓国版を見にいったときに感じた日本版との違いは

「デスノート」韓国版を見にいったときに感じた日本版との違いは、ホン・グァンホさん、キム・ジュンスさん達が出ていて、歌はパーフェクトで、ブロードウェイで見ているような感覚でした。でも、演出の栗山(民也)さんが思い描く社会性というか、突き刺さるものがある日本の方が好きだなと思いました。「フランケンシュタイン」は韓国発の作品を日本でやるという、「デスノート」とは逆の上演になります。脚本もまだ出来上がっていないのでどうなるかわかりませんが、繊細なところで勝負したいという思いがあります。

――最近、韓国作品を日本バーションで上演することが多いですね。私は韓国に見に行ったことはないので見比べたことはないのですが、両方を見たかたのお話を伺うと、日本版のほうがいいとおっしゃる方が多いですね。大味なところを繊細に描くところに気持ちがのると。だからこそ「フランケンシュタイン」を日本版で上演されることにすごく期待されているんだと思います。

一概には言えませんが、確かに韓国の舞台は熱くてパッションが強いですね。出すときはフルパワーで出す。それがかっこいいところでもあると思いますが、そうじゃないところもあっていいんじゃないかと思います。これから演出の板垣(恭一)さんといろいろ話ながら作っていきたいです。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

■加藤さんはすごくミステリアス。小西さんはディティールにこだわる

――アンリ・デュプレ& 怪物役の加藤さん、小西さん(ダブルキャスト)と一緒に作っていくことになりますが、おふたりにどんな印象をもっていますか?

全く違うタイプの俳優だと思います。加藤さんはすごくミステリアスで、どういう風に役を作ってくるのだろうと興味があります。小西さんは「スリル・ミー」で同じ役をやったのですが、やはりすごく芝居好きなんですよ。細かいところまで台本を読んでふたりでここをどう思うかなど芝居の話が出来て、ディティールにこだわる方なのかなと思います。おふたりが全く違うと思うので、どちらもとても楽しみです。

―― ビクター・フランケンシュタイン&ジャック役と、 アンリ・デュプレ& 怪物役を演じるふたりの関係性が物語の肝になると思いますが、相手と作っていくときにどのように取り組むんですか?

結局のところは現場でやるしかないんですよね。いろいろ言ってみても、いざやってみたらそのまま出来ないですから。まずは稽古場で作られるものがとても大きいですね。あとは、稽古期間が長いのであれば、プラベートでも一緒にいようとしたりもします。やはり稽古場でどれだけ出し合いまくるかだと思います。

■こうしようとか決めるのはあまり好きじゃない。動きを決めてしまいたくない

――稽古場での相手の感覚的なところですか?

僕はこうしようとか決めるのはあまり好きじゃないんです。思い、感情、心の動きなどを話し合うことは出来ますが、動きを決めてしまうのはしたくなくて。プライベートでご飯を食べる機会はあるとして、そこで作品の話をするかしないかわかりませんが、多分しないと思うんです。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

――普段そういう場であまり作品の話はされないんですか?

しないですね。最初は少し真面目になるかもしれませんが、お酒が入ったらどうでもいい話をします。

■お酒が入ったら人見知りの扉は開きます。しゃべりまくるというか、開きます

――お酒が入ったら人見知りの扉は開くんですか?

開きます!

――お酒の力は大きいんですね。

大きいですね。ずっと飲んでいればいいのかなと思います(笑)

――じゃあ、稽古場の最初からお酒があればいいですね。

一度やってみたいんです! まぁありえないのですが。製作発表でもお酒が入っていたら全然違うと思います(笑)

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

――そうなんですか! それは新しい製作発表ですね。

面白いと思います(笑)

――見たことがない柿澤さんが見られるかもしれないですね。周りにお酒を飲んだら変わると言われますか?

そうですね。しゃべりまくるというか、開きますね。

――意識的に開くんですか?

開いちゃいます。いつも基本は割と大人しいほうなんですが。

■「ラディアント・ベイビー」の座談会、整理が出来ていない状態で……

――そういう印象がありました。「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」で別媒体の座談会を担当させて頂いたときに、お話を伺っていてそうなのかなと思ったので。

台本を読んでキースが出ずっぱりで、息もつけないんだと知り、本当に僕がやるんだろうかと整理が出来ていない状態だったんです。ヤバいなと思っていました。

――なるほど。その場の状況によって、心の扉が開く度合いが変わるんですね。

変わりますね。

――今は割と開けていますか?

今は全部終わったから大丈夫です! 朝6時に起きて、アップして。11時にハイツェーを出すなんてもういじめですよ! 中川さん超人ですよね。

――じゃあ、もう一日の仕事がほとんど終わって今はもうお酒を飲みたいぐらいの感じですね。

本当に飲みたい(笑)!

――(笑)。

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

柿澤勇人さん=撮影・岩村美佳

<柿澤勇人さんのサイン色紙と写真を有料会員3名さまにプレゼント>
柿澤勇人さんに書いていただいたサイン色紙と写真1カットを、アイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまに抽選でプレゼントします。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。有料会員の方は記事下のコメント欄にメッセージを書き込むことができますので、ぜひ記入をお願いいたします。応募締め切りは11月4日(金)です。(この応募は締め切りました)

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“「フランケンシュタインは、芝居で見せたい」 柿澤勇人インタビュー(上)” への 6 件のフィードバック

  1. るん より:

    柿澤さんのフランケンシュタインの舞台に期待倍増です。
    舞台に対する思いが真摯に伺えるインタビューに感謝します。
    これからも、柿澤さんの心の扉を開ける記事を楽しみにしています。

  2. Yun より:

    柿澤さんがどんなフランケンシュタインを作るのか
    期待が膨らみます!

  3. miwa より:

    まず写真に目を奪われました。
    お酒飲んで開いて、しゃべりまくる柿澤さんもみてみたいです。
    お酒のない状態での柿澤さんにこんなにお話を聞き出して下さった、岩村さまに感謝の気持ちでいっぱいです。とても楽しく読ませて頂きました。また記事楽しみにしています。ありがとうございました。

  4. ブラムリー より:

    柿澤さんのファンとしての目線で見てもとても素敵な写真の数々となかなか心を開かない柿澤さんの本音を上手く引き出してくださって読み甲斐のある記事でした。
    ありがとうございます。

  5. eco より:

    人見知り…。とってもうなずきながら読みました。
    製作発表の中川さんとの歌披露は本当にお二人の人柄とその違いが際立っていて微笑ましかったです(笑)
    ちょっとお酒を入れて開かれた柿澤さんの製作発表も見て見たかったです~!

    フランケンシュタイン、とっても楽しみにしていますね。

  6. MARIA より:

    柿澤さんらしさが溢れるインタビューだと思いました。ライターさんの引き出し方が良いですね。
    ありがとうございます。

    柿澤さんは右脚のリハビリが大変そうですが、来年1月の舞台では、素晴らしいパフォーマンスを見せてくださると信じています。

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