「マタ・ハリでしかないと思ってくださるように」、柚希礼音インタビュー(下)

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さんインタビュー後半です。マタ・ハリ役について色々と伺いました。有料部分では、『マタ・ハリ』の楽曲についてや、2017年に経験した大きな変化ついて伺いました。

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

――稽古が始まって、役に対する印象や、ここを見せたい、大事にしていきたい思いなどはいかがですか?

あの時代に必死に生きている強さ、自分一人の力で何とかここで戦ってやると思って生きている姿と裏腹に、なぜか純粋さを感じていたんですが、今もやはりそこが大切だなと思っています。描かれていない過去をしっかりと自分のものにして、それを通ってきたからこそ、今、こんなに自分の力で生きたいんだと。待つだけで行動を起こさなかったばかりに、色々な事件が起きてしまった過去を、本当に悔やんだのだろうなと思います。だから失敗しても行動する、絶対にやる、戦うという意思が強いんだと思うので、そのあたりをしっかりと表現したいです。

「純粋」というと、「マタ・ハリが純粋なのか?」と思うかもしれませんね。この何日間の稽古で思うのは、パリに出てマタ・ハリになったのは、本名のマルガレットが、大女優のマタ・ハリを演じて、なんとか生き延びていこうとしているんだなと。お金持ちの人たちの力を借りたり、その人たちに気に入られて支援して頂きながら女優を演じているんだと思いますが、本来はやはり純粋だったんじゃないかなぁと。純粋だったらそんな娼婦みたいなことはしないと、普通は思うでしょうが、絶対に過去に戻りたくないからここで生きるしかないという気持ちが上回る。だとしたら、やはりお金持ちの方々に支援してもらわないと絶対に生きていけないという強さがそうさせているだけで、心が淫らなわけではないというところを強く感じるので、そのあたりを大切にしたいと思っています。

――退団されてから色々な作品に出演されていますが、ここまで恋愛色が強い役は初めてですよね。そこがとても楽しみなところでもありますが。

そうですね。『ミュージカルバイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~』でも、恋愛色は一応あった……。

――そうはいっても、戦いがメインでしたよね。

そうでしたね。『お気に召すまま』もこういう感じではなかったですし、確かにそうですね。でも、これまでの作品とガラリと変わった、こういう大人な恋愛物も、自分が観る方だとしたらとても好きな世界観です。時代も、衣裳も、男と女の関係性も、好きな世界観ですし、自分も思い切って「やるぞっ!」と思っています(笑)。

――(「やるぞっ!」の表情がめちゃくちゃ可愛くて、思わず)可愛い…(笑)。

(笑)。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』を経験したことがとても大きかった」と」いうお話など、2017年の変化について伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■譜面が「喜んで」「抑えながらワクワクして、爆発!」と教えてくれる

■『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』で自由になった

■宝塚のトップの時は「自分がストーリーを進めていく意思を」と

■『マタ・ハリ』、新しい自分を迷うことなく思い切り見せてみたい

<ミュージカル『マタ・ハリ』>
【大阪公演】2018年1月21日(日)~1月28日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2018年2月3日(土)~2月18日(日) 東京国際フォーラム ホールC

<関連サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『マタ・ハリ』
http://www.umegei.com/schedule/675/
ミュージカル『マタ・ハリ』」twitter
twitterhttps://twitter.com/matahari_2018
柚希礼音オフィシャルサイト
http://reon-yuzuki.jp
柚希礼音オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/reonyuzuki_official/?hl=ja
柚希礼音アミューズオフィシャルサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/yuzuki_reon/
柚希礼音 STAFF Twitter
https://twitter.com/yuzukireonstaff

<関連リンク>

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柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■譜面が「喜んで」「抑えながらワクワクして、爆発!」と教えてくれる

――これからのお稽古で作られていくところですね。

そうですね。やはりお互いが、マタ・ハリも、アルマンも、ラドゥーも、自分たちの本当の心の見せ様によってどんどん変わっていくと思うので、マタ・ハリとして思い切り、心揺さぶられる恋愛をしたいと思っています。

――今、ワクワクしている感じですか? 新しい扉を開くような?

そうですね。こんな姿、お客様も観たことないですもんね。観てくださる皆様が「マタ・ハリでしかない」と思ってくださるように、本番までになっていきたいですね。

――そういう意味でも、相手の男性陣はみなさん魅力的ですが、その世界観を作る相手役としていかがですか。

皆さん本当に素敵で、この作品でご一緒させていただき、とても嬉しいですし、色々話しながら一緒に作っていくのがとても楽しいです。

――楽曲についても伺わせてください。フランク・ワイルドホーンさんの曲は、宝塚では『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット・ピンパーネル)』でも歌われましたが、今回、女性の歌う曲として取り組まれていていかがですか?

やはり曲が本当に素晴らしくて! 1曲の中でも、心が解放されて「本当に幸せ!」となったり、縮こまったり、そういうものすべてを、役として私に「こうなったらいいよ」と音楽が教えてくれるんです。譜面が「ここは喜んで」「ここは抑えながらワクワクして、それで爆発すればいい!」と教えてくれるんですよね。明るい音楽でも明るく歌いすぎたらだめというものもたくさんあります。歌っていてとても難しいですが、好きだからしっかり歌えるようになりたいと思います。しかも自分の曲だけではなく、どの曲も本当に格好良すぎて。音楽が「大人なフランス」や「ドイツ」を描いてくださっているので、身を委ねながら取り組んでいます。

でも、歌だけの練習をして石丸さんに観て頂くと、「全然芝居で歌っていない」となるし、芝居で歌ったら「このフランク・ワイルドホーンさんの楽曲を活かせていない」となる。それを行ったり来たりしながら練習しているところです。やはり、綺麗な声だけでもだめですし、魂からの叫びは感じるけれど音楽として聞かせられなければだめですし、その両方をきちんとのせていけるように、日々稽古ですね。

――なるほど。とても楽しみです。

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

■『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』で自由になった

――2017年は『お気に召すまま』、『REON JACK 2』、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』があり、年末は『マタ・ハリ』の稽古でしたが、振り返るといかがでしたか?

自分の考え方も、舞台への挑み方も、1年前より自由になったなという感じがします。『お気に召すまま』が開幕する昨年の1月1日あたりは「お客様、びっくりするかな?」という思いが自分の中で占めていたんですが、その後の経験を経て変化してきました。やはり『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』を経験したことがとても大きかったですね。「どこからどう見てもウィルキンソン先生という人物にしよう」ということだけに集中する稽古を経て、やはりその方向でいいのかもしれないということがわかりました。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、次の『マタ・ハリ』も、石丸さんに心を広げて、出来る限りのことを学び、マタ・ハリとして迷うことなく舞台に立ちたいと思っています。1年間色々な舞台に出て、毎日毎日「ああかな、こうかな」と悩む日々は、やはり大切な日々なんだなと学びました。

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

■宝塚のトップの時は「自分がストーリーを進めていく意思を」と

――「どこからどう見てもウィルキンソン先生という人物にしよう」と思えたことで、1つステップが進んだんですね。『お気に召すまま』の時は、そうではありませんでしたか?

『お気に召すまま』の時も、ロザリンドとして、自分の中でも流れていたのですが、やはり長年身についたことがありました。宝塚のトップの時は「自分がストーリーを進めていく意思を持ちなさい」とよく言われていたんです。作品の冒頭がとても大切で、1場、2場、3場ぐらいで…自分が進んでいく意識がないと2500人は引っ張っていけないと言われていたので、起承転結を自分で進んでいる感覚があったのですが、ウィルキンソン先生は、役の過去の色々もふくめて自分のことさえあれば、その時にそこにポンといるだけで、なにも表現しようとしないんです。ですから、何かを今とても怒っているということを表現しなくても、本当に怒ったまま、ただいるということだけをとにかく言われて、それがなかなかできませんでした。でも、それをたくさん稽古したことも良かったなと思います。その稽古があったから、芝居であまり説明しなくなったというか。

――とても大きい変化ですよね。

とても勇気のいることで、「これで何か伝わっているかな?」と不安になるんです。ウィルキンソン先生の最後の芝居は、やはり自分が観た時にとても感動したので、感動させるシーンだと思って私が出てしまうと、「感動させるシーンみたいに出てこないで」と言われました。

――上演された赤坂ACTシアターや梅田芸術劇場メインホールは、劇場の規模としては宝塚大劇場と同じぐらいの大きさですもんね。

そうなんです。「自分が感動に持っていこうとしない」ということなどは、本当にそうだなと思いました。ウィルキンソン先生として、ただそこにいることをやっていたら、一生懸命に観て下さっている方はやはりわかってくださるんだなと思ったので、とにかく芝居を説明しないということを、今回も活かしながら作っていきたいと思います。

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

■『マタ・ハリ』、新しい自分を迷うことなく思い切り見せてみたい

――ちょうど起承転結のように、2017年は変化があったんですね。『マタ・ハリ』が益々楽しみになりました。公演を楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

2018年の始まりが『マタ・ハリ』ですので、ガラリと新しい自分を、迷うことなく思い切り見せてみたいと思いますので、楽しみにして頂けたらと思っております。

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

柚希礼音さん=撮影・岩村美佳

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“「マタ・ハリでしかないと思ってくださるように」、柚希礼音インタビュー(下)” への 1 件のフィードバック

  1. Muku より:

    宝塚時代から柚希礼音さんが大好きで応援しています。ご卒業後もいろんな事に挑戦され、気づいたらバリバリのかっこいい男役から綺麗な女優さんへと変身されつつありますよね。マタハリでもまた新たな一面を見せていただけるのかなとワクワクしています。マタハリとして生きる柚希さんを早く拝見したいです!

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