2018年3月18日から上演されるミュージカル『メリー・ポピンズ』に、メリー・ポピンズ役でダブル主演する、濱田めぐみさんと平原綾香さんにインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。製作発表後にお話を伺いました。
――製作発表が終わりましたが、いかがでしたか?
濱田:やはり大変ですよね。
平原:大変。
濱田:これは稽古も大変だろうと思います。
――どの辺が大変ですか?
濱田:とにかく、やるべきことが多いことと、歌い続けて、踊り続けて、喋り続けていること。アンサンブルにいたっても、とにかく、やることのレベルが高いんです。「きっちり、完璧に」を求められるので、「それなりに」というのが全くないんですよね。マッキントッシュさんと、ディズニーさんが共同製作しているわけですからね。製作発表の歌についても、「『メリー・ポピンズ』とは」「メリーの役柄とは」など、色々とアイデアを頂きました。メリーの役として舞台に立つので、「きっちりした性格で」と言われました。まず、その決められたところの段階を体に入れていくという作業があるので、自分から出るもので、まず役をラフに作るということが全然ないんですよ。
平原:確かに、そうですね。
濱田:全部決められていて、特にメリーは、首の角度や、体の角度なども決まっているんです。「体は前に倒しちゃいけない」って。
――先程撮影させて頂いた際も、お二人とも、とてもピシッとされていました(笑)。
濱田:しなきゃいけないと思って(笑)。
平原:もうね!
濱田:やはりメリーは、しっかりと、共通決定項があるので、まず体に叩き込まなければいけないですね。踊りも歌もそうですが、メリーの性格というのも、やはりラインは守らなければいけない。だから、「やりがいがある」ってこういうことなのかなって。あと、「やることがある」。
平原:やることがある(笑)。まばたき一つ、細部にいたるまでメリーでいなきゃいけないというのは、やはり、自分がいつもピシッとして、それこそお着物を着ているような人ならば、軽々とできる身のこなしなのかもしれないですが、私は出来るならだらっとしていたいタイプだから(笑)。そういった意味では、まずはそこから頑張らなければいけないところです。だから、本当はリラックスして座るのもだめですよね。常にメリーの仕草ではなくても、そう思っていないと、パッと出てしまうと思うんです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「どのメリーを映像などで探してみても、絶対に体のラインなどは、やはり命がけで崩していないですよ」というメリー役や「簡単そうで、とてもテクニックが必要です」という歌について伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2月2日掲載予定のインタビュー「下」では、「喉のケア」についての2人の対照的なエピソードや『ラブ・ネバー・ダイ』で共演された時のことなどについて語ってくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■濱田:どのメリーの映像を見ても、体のラインは、命がけで崩していない
■平原:スパカリの踊りを見れば分かる。誰が1cmずれても、ぶつかるし、速くて
■濱田:十六分音符が三連でつながっていたり、譜面を見ると「え~!」
■平原:ミッキーになればいいんですよね。歌ってもドラム叩いても崩れない
<ミュージカル『メリー・ポピンズ』>
【プレビュー公演】2018年3月18日(日)~3月24日(土) 東急シアターオーブ
【東京公演】2018年3月25日(日)~5月7日(月) 東急シアターオーブ
【大阪公演】2018年5月19日(土)~6月5日(火) 梅田芸術劇場メインホール
オフィシャルサイト
http://marypoppins2018.jp/
公式Twitter
https://twitter.com/marypoppinsjp
梅田芸術劇場
http://www.umegei.com/schedule/687/
ホリプロオンラインチケット
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<関連サイト>
濱田めぐみオフィシャルファンクラブ
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濱田めぐみTwitter
https://twitter.com/megumihamada
平原綾香official Website
http://www.camp-a-ya.com/
平原綾香オフィシャルブログA-ya BLOG!
https://ameblo.jp/hirahara-ayaka/
平原綾香UNIVERSAL MUSIC JAPAN
http://www.universal-music.co.jp/hirahara-ayaka/
Ayaka Hirahara Twitter
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■濱田:どのメリーの映像を見ても、体のラインは、命がけで崩していない
――稽古場でもピシッと、という感じですか?
濱田:意識づけておかないといけないですね。ビジュアル撮影で、立ち方を教えてくださったときに、バートに「こうやってメリーの頬にキスをしてごらんなさい」といわれて、前かがみになったら、「ここ(腰)は折らない」と、すぐに言われたんですよ。だから、肩が前にいったら、「あっ!」って。すごく厳しいチェックです。
平原:そうですよね。だから、みんなのメリー・ポピンズ像が一致しているってすごいですよね。
濱田:そうだと思う。
――どこで誰がやってもメリー・ポピンズということですよね。そのフォルムは絶対に崩しちゃいけない。
平原:ミッキーマウスと同じですね。
濱田:本当にそうだと思います。どのメリーも映像などで探してみても、絶対に体のラインなどは、やはり命がけで崩していないですよ。相当やりこんで癖づけておかないと、逆に自分たちが舞台上で大変になってくるのかなと思います。
――その姿勢で、歌もパフォーマンスも、もちろんやらないといけないですよね。まず今日、製作発表を終えて、カンパニーが集まってみた感想はいかがですか?
平原:みんなでやり遂げた感があります。歌も決して何回も練習できるようなスケジュールではなかったので、みんな限られた時間の中で、神経を研ぎ澄ませて製作発表に臨むという状態でした。だからこそ、私たちが歌ったらカンパニーの人も盛り上げてくれましたし、カンパニーのみんなが歌ったら、私たちも「イェイ!」って言うし。みんなで盛り上げていった感覚はありましたね。
濱田:みんながようやく、開幕の初日にこぎつけた、辿りつけたというワクワク感がカンパニーの中にすごくありました。あと、みんなが着ている衣装も可愛らしくて、パステルカラーなど色々な色のものを着ていましたよね。やはり、こういうエネルギーが『メリー・ポピンズ』という舞台上にあるんだなと思うと、「この世界観の中で生きられるんだ」って、みんな目がキラキラしていました。
――『メリー・ポピンズ』ならでは?
濱田:そうですね。ディズニーマジックですよね。
――濱田さんは、そのディズニーマジックを何度も体感されていると思いますが、何か思い出しますか?
濱田:ディズニー作品は、その時々のテーマや、押し出したいものが、ものすごく明確なんですよ。「『ライオンキング』だったらこれ」というように、周りがそういう風に動くというのが、くっきりしています。作品によっては、何となく、ぼんやりとした、そのアンニュイな感じがよかったりする作品もあるじゃないですか。でも、ディズニーの作品というのは、完全に線がきっちりと分かるので、「『メリー・ポピンズ』の世界はこれ」というものが、そのまま製作発表の空気感になっていました。多分、初日が開けるまでは、各々がとても大変だと思います。やることが多いので、悩むこともあるだろうし、自分のことで泣く人も出てくるだろうし。でも、舞台が開けたら、そこに辿りつけた喜びというのは、とても大きいだろうなと思いました。
■平原:スパカリの踊りを見れば分かる。誰が1cmずれても、ぶつかるし、速くて
――特に今、気持ち的なところで一番大事にしたいと思っていることはありますか?
濱田:先程、(平原)綾香ちゃんが言ったみたいに、「みんなが一致団結して一つのものを作りあげた」という結束感や団結力ですね。それって、今の時代に、できそうで、できなかったりしますよね。同じところにいても、やっていることがバラバラだったり、人が集まっているだけで、全員が同じことをしているとは限らない。でも、我々30人ばかりの人たちが、同じことを同じ方向を向いてやり遂げるというのは、とても大事なことだと思います。そのエネルギーが、いい形でお客さんに伝わるような気が、今ものすごくしています。
平原:そうですね。スパカリ(「Supercalifragilisticexpialidocious」)の踊りを見て頂ければ分かると思います。本当に、誰が抜けても、それこそ、誰が1cmずれても、ぶつかるような振り付けで、しかも本当に速くて。
濱田:だから、振りが得意な人が少し苦手な人をつかまえて、「一緒にやろう」って言ったり、必ず、そのレベルをお互い引き上げたくなるような稽古場です。同じ価値観や認識、思いで、どんどん進んでいるので、珍しい現場ですよね。舞台は、バラバラな人が集まって、やるときはちゃんとやって、パッと弾けて、各々のところへ帰っていくというイメージがありますが、『メリー・ポピンズ』に関しては、みんながそこまでならない気がする。本当に、稽古場に来て、仲良しで。
平原:確かに、そういう作品ってないかも。
濱田:ないでしょ? 仕事の都合で稽古場にいられないことがあっても、「ここに参加していたい」っていつも以上に思うだろうなと。
――日本初演というところも、きっと大きいですよね。
濱田:きっと、そうでしょうね。
■濱田:十六分音符が三連でつながっていたり、譜面を見ると「え~!」
――楽曲を、今歌い始めてみていかがですか? 聞いていても、耳馴染みがあってとても楽しいのですが?
平原:結構、楽しいですよね。普段、私が歌っている曲調とは、また違うので。とても澄ました顔で歌う歌が多いからこそ、楽しいですね。声を張らなければいけないところもありますが、声楽のオペラの発声がほとんどなので、その発声も出るような声の状態でいないとダメです。結構二刀流のような歌ですね。
――「歌といえば」というお二人をしても大変なのかなと、観ている側としては思ってしまうんですが。
濱田:耳で聴いていると心地いいのですが、実は、同じフレーズでも次のフレーズより半音低かったり、半音下がらず真っ直ぐだったり、「♪タタタタタタタタタタタタタータ~」というところとか、ものすごく細かくて。歌唱指導の山口先生とも話していたんですが、一つ一つの「♪タタタタタタタタタタタタタータ~」の音が全部違うんですよ。ほとんどの曲がそうなので、十六分音符でつまっていたり、それが実は三連でつながっていたりと、譜面を見ると「え~!」ということが多くて。
――そうなんですね!
濱田:「チム・チム・チェリー」も簡単そうで、実はトリッキーだったりするんです。ちゃんとできて、印象が少しずつ変わると、一体感のある曲になるので、これは歌も案外とてもテクニックが必要です。体に入れないと歌いこなせないですし、そこに芝居がついて動きがつくと、また大変な時間がくるんだろうなと。歌うのではなく、多分、口から声が出るんじゃないかな。
■平原:ミッキーになればいいんですよね。歌ってもドラム叩いても崩れない
平原:おでこから出ているようなイメージで歌って、初めてメリーになれる。高い声も。
濱田:無理している感じがまったくない、という感じ。
平原:力んで「♪はぁ~」もNG。
濱田:常に喋っている。
平原:映像だけ撮ると、「この人寝ているのかな」と思うぐらいの脱力感で歌って初めてメリーになれると思うので、私にはその部分は不向きです。
濱田:私も!
平原:(感情を込めて)こうやって歌いたいのに。
濱田:歌いたいけど、それをやっちゃいけないから。
平原:ミッキーになればいいんですよね。ミッキーって絶対に歌っても、ドラム叩いても崩れない。
濱田:本当にね。
平原:ミッキーになりたい。
濱田:ならなきゃいけないね。
※濱田めぐみさんと平原綾香さんにサインしていただいた色紙とお2人の写真1カットを、有料会員2名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月15日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
私はディズニー好きなのと、めぐさんの声が大好きなので、めぐさんの回のチケットを取りました。とっても楽しみにしています。
もう今から楽しみでしかたがありません。
でもお稽古が大変そう…
それだけ見応えのあるステージになるってことですよね!
製作発表でお2人のメリーの完成度の高さに驚いていましたが、これからのお稽古などでさらに素晴らしいメリーに出会えるのだと思うと今から観劇がとても楽しみです!
お2人の和やかな雰囲気が文字から伝わってくる素敵なインタビュー記事でした。続きも楽しみです♪
二人のインタビュー、読み応えがありました!
メリーになるためには、沢山大変な事があるんだなと感じ、どちらのメリーも観るぞ!と決めました。
話が、ミッキーになっているのもなんだか可愛らしく、面白く読ませていただきました。ミッキーのように頑張ってほしいです。
(下)も楽しみにしています。
メリーポピンズ、ブロードウェイで観てとてもハッピーな気持ちになったことを覚えています。日本版も楽しみにしています♪2人のメリー、どちらも観に行きます!
待ってました!Wメリーのインタビュー!
作品に求められているもの、お二人が目指したいもの、とても興味深く読ませていただきました。
観客としては実生活とは全く違う世界を味わうことがミュージカルの醍醐味だと思います。そういう意味では、メリーポピンズは、うってつけ。
しかもキャストも期待大。
春が待ち遠しいです。
またステキな記事を楽しみにしています。