「『レ・ミゼラブル』で度胸がついたのはすごく大きい」、三浦宏規インタビュー(下)

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

ブロードウェイ・ミュージカル『ヘアスプレー』で、主人公のトレイシーが憧れるスターダンサー、リンク役を務める三浦宏規さんのインタビュー、後編です。『ヘアスプレー』のお話に加え、2019年にマリウス役(海宝直人さんと内藤大希さんとトリプルキャスト)で出演した『レ・ミゼラブル』、2020年にシーモア役(鈴木拡樹さんとWキャスト)で出演した『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』についても伺った、インタビュー後半の全文を掲載します。(このインタビューは、『ヘアスプレー』全公演の中止が決まる前の2020年4月上旬に実施したものです)

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

――『ヘアスプレー』の中で好きな楽曲を教えてください。

たくさんありますね。『You Can’t Stop The Beat』も好きだし、最初にトレイシーが歌う『Good Morning Baltimore』も大好き! トレイシーに憧れて、僕も『Good Morning Baltimore』を聴きながら、朝の準備をしていたこともあります(笑)。あの曲を聴くだけでワクワクするし、『ヘアスプレー』の世界にすっと入れる。あとは、リンクが歌う曲で言えば『Without Love』も!

――あそこのトレイシーを想って歌うリンク、可愛いですよね。

そう。可愛いんですよね、リンクって、意外と。最初はどっちかって言うと、ちょっとヒールなのかなっていうテンションで出てくるじゃないですか。それがトレイシーのことを考えてニヤニヤしてフンフンして(笑)。そんな一面あるんだっていう。

――どんだけ部屋にトレイシーの写真を貼っているんだっていう。

そうそう(笑)。スターダンサーだし、10代のカリスマではあるんだけど、それと同時に普通の10代の男の子らしいところもあって。人間らしくて、愛情深いところがリンクの可愛いところですね。今回はオリジナル演出なんで、映画とはまた違った部分もあると思いますけど、リンクという人間をちゃんと提示できたらなと思います。

――体型はちょっぴりビッグサイズではあるけど、本人はあるがままの自分を受け入れて、自分らしく輝いているポジティブさが、トレイシーの魅力。三浦さんはどうですか? あるがままの自分を受け入れられるタイプですか? それともコンプックスを気にする方ですか?

もちろん人間だからコンプレックスはあるんですけど、あんまり気にしないです。特に最近は細かいことで悩んでいてもしょうがないやっていう考えが強くなっていて。自分の悩みなんて、世の中から見ればほんのちっちゃいことだし、実は人って他人にそこまで興味ないじゃないですか。僕もあんまり人に興味がない。それよりも、『グレイテスト・ショーマン』じゃないけど、This is meっていう感じです。

――周囲の評価を気にしてクヨクヨするより、そっちの方がすごくハッピーですよね。

今日、『ヘアスプレー』に関する取材を何本か受けさせてもらってるんですけど、絶対帰ったら観ようって気分です(笑)。中毒性がある気がするんです、この作品って。絶対、『Good Morning Baltimore』をかけながらヘアスプレーをシュッシュした人、1万人はいる(笑)。

――いそう(笑)。

なんだったら僕もやりましたから。「グッモーニン、ボルチモア〜♪ シュッシュッ」って(笑)。今回は歌詞も日本語になるので、観た人が日本語版の歌詞で「グッモーニン、ボルチモア〜♪ シュッシュッ」ってやっているのを想像したらうれしいですよね。

<取材協力>
ヘアメイク:山下由花
スタイリング:小田優士

※アイデアニュース有料会員限定部分には、2019年にマリウス役(海宝直人さんと内藤大希さんとトリプルキャスト)で出演した『レ・ミゼラブル』、2020年にシーモア役(鈴木拡樹さんとWキャスト)で出演した『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』についてのほか、最近ハマっているものや俳優仲間のみなさんとの思い出などについても話してくださった、インタビュー後半の全文を掲載します。などインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■歌の苦手意識が強かったし、『レ・ミゼラブル』に出られるとは思っていなかった

■ほんの一言の台詞、ほんの一行の歌でどうやって説得力を出せるかは、一生の課題

■『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』で、岸祐二さんや石井一孝さんの声の圧が…

■外に出られないのでバットを買いました。プライベートではラケットではなくバット派

<ミュージカル『ヘアスプレー』>
【東京公演】2020年6月14日(日)~6月28日(日) 東京建物Brillia HALL (中止)
【大阪公演】2020年7月5日(日)~7月13日(月) 梅田芸術劇場メインホール (中止)
公式サイト
https://www.tohostage.com/hairspray/

<関連リンク>
ミュージカル『ヘアスプレー』公式twitter
https://twitter.com/hairspray_toho
ミュージカル『ヘアスプレー』公式instagram
https://www.instagram.com/hairspray_toho/
三浦宏規オフィシャルサイト
https://www.miurahiroki.com
Will-B-三浦宏規 MIURA,HIROKI-ウィルビー・インターナショナル
http://www.will-b.asia/staff/entry/-hiroki-miura/
三浦宏規 twitter
https://twitter.com/hirokimiura0324

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三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

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■歌の苦手意識が強かったし、『レ・ミゼラブル』に出られるとは思っていなかった

――去年、『レ・ミゼラブル』に出てから、よりミュージカルの世界に深く深く踏み込んでいるところだと思いますが、歌や踊りに対する気持ちに変化はありますか?

度胸がつきました。最初は歌に対する苦手意識が強かったし、自信もなかったから、自分がこんなふうにミュージカルをやらせてもらえるとは思っていなかったんですよ。それがありがたいことに機会をいただけて、場数を踏ませてもらって、やっていけばやっていくほど自信がついてきた。もちろんまだまだですけど、同じ技術でも自信を持ってやるのとないのじゃ全然違うから。自分なりに自信がついて、度胸がついたのはすごく大きいです。

――どのあたりから自信を持って舞台に立てるようになったか覚えていますか?

どのタイミングでというのはなくて、本当に徐々にっていう感じなんですけど。そういう意味では作品ごとに少しずつステップアップさせてもらっているという感じで。新しい作品に出会うたびに緊張もするし、恥ずかしい思いも悔しい思いもするけど、そういう経験を重ねるごとに自分がどんどん成長していって、度胸がついた気がします。

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

■ほんの一言の台詞、ほんの一行の歌でどうやって説得力を出せるかは、一生の課題

――その一方で、自分が成長すればするほど見えてくる新しい課題や難しさがあると思うのですが、そのあたりはどうですか?

それはたくさんあります。そもそも歌が苦手だったところからのスタートで、そこから歌が好きになって、歌で表現することが楽しくなったのが、今の僕の段階。だから次は表現の幅を広げたい。ミュージカルは台詞が歌になる。じゃあその説得力をどうやったら出せるようになるのか。そこが、今の僕の課題です。

――表現の幅を広げるために、どんなことに取り組んでいますか?

もちろん研究はしていますけど、最終的には経験しかないのかなって。先輩方を見ているとすごいなって圧倒されるんですよ、歌もお芝居も説得力があって。それはバックボーンをしっかりつくっているからなのか、それぞれの生きてきた深みがにじみ出ているからなのか、僕にはまだわからないですけど、ほんの一言発する台詞や、ほんの一行の歌でどうやって説得力を出せるかは、きっと全役者が突きつめていくであろう、一生の課題なんだと思います。

――確かに。自分はできた、と思ったらもう終わりかもしれないですね。

正解はないですからね。作品ごとに求められるものも違いますし。

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

■『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』で、岸祐二さんや石井一孝さんの声の圧が…

――先輩方とおっしゃいましたが、これまで共演してきた中で特に影響を受けた先輩はいますか?

みなさんそれぞれにあるので言い切れないですけど、直近で言えば『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』でご一緒した岸(祐二)さんや石井(一孝)さんの存在感や爆発力はすごいなって思いました。板の上にいるだけで存在感があって、何でなんだろうって思いながらずっと見てたんですけど……何でなんですかね?(笑)。

――研究の結果、わからん、と(笑)。

まずは圧倒的な声量だと思うんですけど。やっぱり役者にとって声の圧は武器。マイクを通していても、わかりますからね、圧の違いは。僕の役はWキャストだったんで、客席で岸さんや石井さんのお芝居を観させてもらったんですけど、声が劇場のいちばん後ろまで届いて、それが跳ね返って背中にビュンッて当たる感じがするんです。あの声の圧は、すごく勉強になりました。

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

■外に出られないのでバットを買いました。プライベートではラケットではなくバット派

――じゃあ、最後にちょっとだけ三浦さんの近況を聞かせてください。最近何かハマっているものはありますか?

最近、鈴木拡樹さんの影響でランニングシューズを買いまして、ランニングを始めました。それから筋トレと。おかげで、1日を有意義に過ごせるようになりました。

――じゃあ、朝はまずランニングから?

あ、朝は起きられません(笑)。

――1日を有意義にとは?(笑)

夜型なんです(笑)。昼間走って運動して、夜は勉強をして。みんなが寝ている間にいろんなことを勉強しているので、そう考えると、まあ有意義です(笑)。

――俳優仲間のみなさんとの最近の楽しい思い出は?

野球が好きなんで、よくキャッチボールをしています。野球はやるのも見るのも昔から大好きなんですよ。ただ、最近は外に出られないので、代わりに昨日Amazonでバットを買いました。しばらくでは家で素振りでもしようかと思います(笑)。

――野球は誰とやることが多いんですか?

いくみん(井阪郁巳)とか、あっきー(内海啓貴)とか、(渡辺)碧斗とか。(ミュージカル『テニスの王子様』の)氷帝メンバーが野球好きが多いんで、よく一緒にバッティングとかノックとかやりますね。

――なるほど。そこはラケットではなく?

はい(笑)。プライベートではラケットではなく、バット派です(笑)。

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

三浦宏規さん=撮影・岩村美佳

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“「『レ・ミゼラブル』で度胸がついたのはすごく大きい」、三浦宏規インタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. ぼたん より:

    今まで読んだ三浦宏規さんの記事のなかで、質・量ともに最高でした!
    とても踏み込んでインタビューしてくださったおかげで、今まで知らなかった一面を知ることができて本当にうれしいです。
    作品の理解を通してご自身の考えを深めていく姿勢はやっぱりかっこいいなあと思わされました。
    ヘアスプレーは大好きな作品で、三浦さんがリンクを演じるなんて夢のよう!と思っていたので、今回中止になってしまったのはとても残念です。
    ですが、きっといつか見れる日が来ると信じています。
    私の中のスターダンサーはやっぱり三浦宏規さん!
    これからもずっと応援しています!

  2. うい より:

    ヘアスプレーは中止になってしまいとても楽しみにしていたため残念でしたが宏規君の色々な今まで知らなかったお話を沢山知ることが出来てとても面白かったです。
    記事にもあったように今の課題を乗り越えて更にレベルアップした宏規君を見るのが今からとても楽しみです。
    舞台によって色んな姿に変身し、舞台上でキラキラと輝いている姿をまた生で応援できる日が来ることを楽しみにしています︎!
    素敵な記事を書いて下さりありがとうございます︎☺︎

  3. みんみん より:

    博品館の恋ブロで華麗に踊る姿を拝見してからずっと気になっておりました。その後のご活躍は素晴らしいですよね!それまでとは違うイメージの跡部だったり、初々しいマリウスだったり。。。ヘアスプレーもとても楽しみにしていたのですが、きっといつか観られる日が来ることを待っています。

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