【こんな時だからこそ、舞台の話をしよう】「私の人生で一番嬉しかった瞬間」

2019年8月10日にYouTubeの「黒子のバスケ舞台チャンネル」にアップロードされた「舞台『黒子のバスケ』ULTIMATE-BLAZE Blu-ray&DVD プロモーション映像」

新型コロナウイルスの患者急増に伴う非常事態宣言が出され、ミュージカルや演劇・音楽・ダンスなどの舞台公演が中止・延期となっています。舞台は、人が生きて行く上でとても大事なことを教えてくれるもので、こんな時こそ「あの舞台のあの場面を思い出して頑張ろう」という話がしたいし聞きたいと思い、アイデアニュースで特別企画『こんな時だからこそ、舞台の話をしよう』を実施させていただくことになりました(https://ideanews.jp/backup/archives/90010)。応募してくださった中から、ハンドルネーム:ゆーかさんの作品を紹介します。

■初めてみた舞台は『ポチッとな。』。生の演技の熱量に圧倒され、面白い!と

一番最初に「舞台」を見たのは2013年7月15日の『ポチッとな。』です。もともと大好きで観ていたアニメ、黒子のバスケの黒子役の声優・小野賢章さん主演の舞台で、舞台というものはどんなものなのか…? というちょっとした興味心から、気になって観に行ったのがきっかけです。

初めて行ったのは俳優座という歴史ある劇場で、入り口に入るのにもどきどきしたのを覚えています。席について、ブザーがなりしーんと静まり返った空間で、目の前で繰り広げられる役者さんたちの生の演技の熱量に圧倒され、とても感動したのを覚えています。

当時私自身、就職してまだまもない時期で、正直実際に観に行くその日までは舞台を行くのもお金がかかるし(安くて5,000円くらいかかる)、それならその分洋服や美容などにお金をかけたいというのが本音でした。 しかし実際に目にした印象は全く異なり、生で観る舞台って面白い! もっと観てみたい…!!! と思ったのが私が舞台にハマったきっかけです。

舞台の楽しさを知ってから、2.5次元以外にも気になったものには迷わず足を運びました。歴史を基調としたストレートの舞台や、ミュージカル、劇団四季、朗読劇、時にはまだ駆け出しの役者さんが出演されるような小さな劇場にも足を運んだこともあります。とにかくいろんなジャンルの舞台を観てきました。

■舞台『黒子のバスケ』で、黄瀬涼太役の黒羽麻璃央さんの演技に心を打たれ

その中でも私を変えたのは、『黒子のバスケOVER-DRIVE』の黄瀬涼太役の黒羽麻璃央さんの演技。もっと黒羽さんの演じる舞台が観たい! と強く心を動かされた瞬間…、全てはそこから始まりました。

舞台『黒子のバスケ』を初めて観たのは、2016年4月17日第1弾THE ENCOUNTER。もともとアニメの黄瀬くんが好きだったので、ビジュアルがものすごくカッコよくてぴったりだなという印象でした。

それが変わったのは2017年6・7月第2弾OVER-DRIVE。海常対桐皇の黄瀬くんの「憧れるのはもうやめる」「理屈で本能抑えてバスケできるほど 大人じゃねーよ」という名台詞のシーン、それから試合後の黄瀬くんの悔し涙の演技に魅せられ、心を打たれて黒羽さんのファンになりました。

そして、第4弾ULTIMATE-BLAZEくろステ最後のシリーズ。黄瀬くんを観れるのももう最後のチャンスなんだ…と思い、行ける限り全力で観に行こう! と決めて、20公演中19公演と人生で一番多く通った作品です。

毎試合どのチームも本気で勝つつもりで試合をしていて、試合を進んでいくごとにチームメイト同士の掛け声とかがどんどん増えていく熱い試合展開に瞬きするのも忘れそうになるくらいでした。

それは海常高校も同じで、足の怪我で1度はベンチに下げられるものの、痛みを惜しんでエースとして大好きな海常のためにコートへ戻ってきた黄瀬くん、「勝つのは オレたちだー!」と叫び声をあげながら全身全霊をかけて誠凛に勝ちにいく姿に思わず拳を握りしめてしまうほど…。今日こそ勝つと思ってたのに…!なんで!? と観ていた私まで思わず悔し涙を流すくらい黒羽さんが演じる黄瀬くんには心を大きく動かされました。

その後のFCイベントでも、「血管が何本かブチブチって切れる音がするくらいの熱量で演りました。黄瀬くんが自分の中にすっと降りやすくて、リンクしやすかった。原作で描かれてる全てを演じられて嬉しいです!」と語ってくれた黒羽さん。観ていた私たちにもその熱量は全て伝わっていました。

3時間半と休憩2回を挟む長時間の舞台、大作なだけに、動いているキャストさんの疲労も相当なものだったと思うのですが、そんな中でも誰一人かけることなく全力で走り続けてくれたカンパニーのみなさんに心から感謝しています。くろステに通う中で、同じ内容でも毎試合異なる楽しさがあること、まさにその時その瞬間を生きていて、その空間に自分がいられる喜び、舞台って面白いな! 楽しいな、素敵だな…! もっともっと観たいなぁ…終わって欲しくない…! と、毎公演どきどきわくわくしながら会場へ向かうすてきな時間を過ごさせて貰いました。大好きな舞台に通えたこの時期、今振り返ると一番人生で楽しいと思える、お金では買えない本当に特別な時間でした。

舞台『黒子のバスケ』の魅力が、このBlu-ray&DVDに詰まっています。

※こちらは2019年8月10日にYouTubeの「黒子のバスケ舞台チャンネル」にアップロードされた「舞台『黒子のバスケ』ULTIMATE-BLAZE Blu-ray&DVD プロモーション映像」です。((C)藤巻忠俊/集英社・舞台「黒子のバスケ」 ULTIMATE-BLAZE製作委員)

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ゆーかさんの作品の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■『ロミオ&ジュリエット』。公演を重ねるにつれてどんどん変化。もっと観てみたい!

■11月12日「エリザベート ルイジ・ルキーニ 黒羽麻璃央」発表。人生で一番嬉しかった

■『エリザベート』は全会場のチケットを取って、少なくとも22回は観劇予定でしたが…

■舞台は観る人がいて初めて完成。一日も早く、安心して観に行けるようになって欲しい

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■『ロミオ&ジュリエット』。公演を重ねるにつれてどんどん変化。もっと観てみたい!

黒羽さんの舞台で最初にのめり込んだのは、2019再演された黒羽さんがマーキューシオ役として出演された、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。ロミジュリはもともと小野さんが出演されていた2017バージョンを一度だけ観たことがあって、同じマーキューシオ役を演じられることが嬉しくて、どうしても観に行きたくて、東京だけで6公演分と初めて多めに取ってしまったチケット。

実際に観に行くと、その日毎に演じ方やセリフの言い方が若干違い、お歌も公演を重ねる毎に上達して、それから公演を重ねていくにつれて少しずつアドリブも加わって、同じ人が演じているのにどんどん変化していく、そんな姿をもっと観てみたい…! と気がつけば、東京公演は黒羽さんの出演回11公演中10公演観に行っていました。毎公演会場に向かうまで、今日はどんなマーキューシオが観れるんだろう…!? と、どきどきわくわくしながら通うほど、何度も観たい…! と感じさせてくれるような、舞台上で輝く黒羽さんのエネルギーに初めて魅了されたのは、このロミジュリでした。

それまで同じ舞台は1度観に行けば充分だったのが、通うことによって初めて気づく楽しさがあるんだと知り、これまでの考え方や価値観が大きく覆された瞬間でした。

その後、大阪も千秋楽と追加公演の2公演観に行きましたが、千秋楽では「もっと上手くなりたい!」と語ってくれて、私もこれからどんどん成長していく黒羽さんの姿がみたい…! と改めて強く感じました。

■11月12日「エリザベート ルイジ・ルキーニ 黒羽麻璃央」発表。人生で一番嬉しかった

2020年4月11日、本来は黒羽さんにとって今回の『エリザベート』がご自身が目標としていた帝劇デビューとなるはずでした。

『エリザベート』は本当に特別で、バースデーイベントで黒羽さんが「帝劇に立ちたい」という目標と、「みなさんが胸を張って“黒羽麻璃央さんのファンです”と言えるような実力のある俳優になりたい」と、そのために今自分は勉強してるんだと語ってくれました。

そうして訪れた2019年11月12日『エリザベート』のキャストの発表。この日は朝起きてからずっとどきどきしながら待ち、正午の休憩中にすぐに結果を調べて「エリザベート ルイジ・ルキーニ 黒羽麻璃央」という文字を見た瞬間は本当に驚いて思わず叫んでしまい、嬉しすぎて食事がなかなか手につかず大きなため息をついて同僚に心配されるほど…。大袈裟かもしれませんが、私の人生で一番嬉しかった瞬間と言っても過言ではありません。

ルキーニ役が発表されたその週のFCのイベントで、「人生を懸けて、命を懸けて演じます」と強い意気込みを語ってくれました。

だから、人生を懸けて演じたいと言う黒羽さんの強い意志を受けて、私も人生を懸けて観に行くつもりでチケットを取りました。

■『エリザベート』は全会場のチケットを取って、少なくとも22回は観劇予定でしたが…

今回の『エリザベート』は帝国劇場、梅田芸術劇場、御園座、博多座、全会場のチケットを取っており、少なくとも計22回は観劇する予定でした。

『エリザベート』が全公演中止になったとメールを見て知って、名古屋と博多までに今の状況がよくなり落ち着けば観ることができるはず…!と信じていた私にとってはとてもショックで涙が止まりませんでした。 仲のいいファンの方たちも同じように驚き、落胆するツイートをタイムラインでいくつも目にしました。

くろステ以来、約1年ぶりに黒羽さんが舞台に立つ姿が観られることをずっと楽しみにしていたので…。この記事を書いているまさに今日、今この時間も本来は『エリザベート』を観劇しているはずでした。頭の中にしっかりスケジュールが刻み込まれてしまっているので、その日、その時間になるとどうしても思い出してしまって今も泣いてしまうことがあります。

これまで、誰もまだ成し遂げたことのない史上最年少のルキーニを演じることを喜び楽しみにしている反面、大役のプレッシャーを感じ、時には傷つき悩みながらも一生懸命向き合う黒羽さんを、多くのインタビュー記事(https://ideanews.jp/backup/archives/86674など)やイベント、SNS等を通してずっと見てきました。

だからこそ1番辛いのは、黒羽さんをはじめとするこれまで一生懸命お稽古を重ねて努力してきたキャストさん方だと思います。

26歳の今の黒羽さんが懸命に創り上げたルキーニが、お客様の前で披露されずに中止となってしまったことが何より悲しいし、本当にただ悔しいです。

■舞台は観る人がいて初めて完成。一日も早く、安心して観に行けるようになって欲しい

今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、様々な舞台が中止になり、現実的にいつどこで誰が感染するかわからない状態で、外出することもなかなか難しいのが現状です。

コロナが流行る前は、私も多い時は毎週のように黒羽さんのイベントに通い、どんなに忙しくても、例え仕事で辛いことがあったとしても、心は満たされてとても充実した毎日を送っていました。

だから今は本当に、心にぽっかりと穴が空いてしまったようなそんな気持ちです。休みの日にした何をしたらいいのかわからなくなってしまう…そんな今だからこそ、自分に何かできることはないのか? そんな風に考えて今回このように無謀な挑戦をさせて頂きました。

舞台についてですが、中には無観客で舞台を行い、配信すればいいのではないか? という意見もあります。でも私は、その時その場でキャストさんが全身全霊で表現したものを、観客側の私たちがどのように受け取って反応を返すのかによって、同じ舞台でもその時その場の空気は毎回異なり、創り上げられるものも少しずつ変わってくるように感じます。

「舞台は生き物」だと、よく耳にことがありますが、私は「舞台は観る人がいて初めて完成するもの」だと思っています。

だからこそ、みんなで協力して人と人との接触を減らし、一日も早く今の状況が落ち着き、一日も早く安心して外に出られるように、安心して好きなことができるようになるようになって欲しいです。

今はまだ先が見えないけれど、情勢が落ち着いたら、必ずまたいつかが来ると、私たちが大好きな舞台に、大好きな俳優さんが立つ日が来ると…その姿を観ることを楽しみに通える日が一日も早く来ることを心から願っています。

演劇プロデューサーの松田誠さんが発起人となって、舞台業界に希望を与えるために『舞台専門プラットフォーム「シアターコンプレックス」』というプロジェクトがスタートし、2020年5月1日よりクラウドファンディングが始まることになりました。(https://fanbeats.jp/collaboration/theater-complex)。大好きな舞台をなくさないために、今私たちにできることをしたい…そう思っています。

(ハンドルネーム:ゆーか)

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“【こんな時だからこそ、舞台の話をしよう】「私の人生で一番嬉しかった瞬間」” への 1 件のフィードバック

  1. ゆーか より:

    舞台とは
    役者さんが表現したものに対して、観客が笑ったり泣いたり感動し心を動かされるもの…
    観客がどんな反応を返したかによって、また役者さんの心が動くエネルギーとなってその人なりの表現を返してくれる…
    そんなやり取りを繰り返してして1つの作品を創り上げる場なのではないか…と

    わたしはその空間で過ごす時間がすごく好きです。だからなくなって欲しくない…!という想いから綴らせて頂きました。
    拙い文章ですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。これから舞台の世界に明るい未来が待っていますように…心から願っています。

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