「初演より、リアリティのある作品に」と小池修一郎さん、「ロミオ&ジュリエット」製作発表

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

2017年1〜2月に上演されるミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の製作発表が、2016年9月5日に行われました。掲載が遅くなりましたが、当日の様子をご紹介します。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」は、フランス発の大ヒットミュージカルで、日本では2010年に宝塚で初演、その後4度再演されている人気作品です。そして、日本オリジナルバージョンは2011年に初演。2013年に再演され、来年再々演となります。ほぼ全役が新キャスト、さらに新演出で上演されます。若者の情熱と、その純粋さを操る「死」の妖しい美しさ、失われた世界に燃え上がるひとすじの恋を描いた、永遠の感動のミュージカルです。アイデアニュース有料会員向け部分には、今回の製作発表で何より面白かった「小池修一郎の部屋」の内容や、フォトギャラリーを掲載しています。

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

この作品の見どころは、なんといっても音楽。ジェラール・プレスギュルヴィックの物語を奏でるような情熱的でロマンチックな音楽により、2001年1月にパリのパレ・デ・コングレ初演が大成功をおさめ、その後スイス、ベルギー、ロンドン、モスクワ、ウィーンなど世界各国で上演され、500万人以上を動員。CD、DVD総売り上げ700万枚以上の傑作ミュージカルとなりました。

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

モンタギュー家とキャピュレット家の対立をを表すアクロバティックな激しいダンス、ロミオとジュリエットに芽ばえる純情な愛情を彩る美しい音楽。そして、激しい思いをロックミュージックにぶつけるマーキューシオや大公、ひとり残されるベンヴォーリオの苦悩に焦点をあてるなど、新鮮な解釈も面白い要素です。

製作発表には、 ロミオ役の古川雄大さん、大野拓朗さん、ジュリエット役の生田絵梨花(乃木坂46)さん、木下晴香さん、ベンヴォーリオ役の馬場徹さん、矢崎広さん、マーキューシオ役の平間壮一さん、小野賢章さん、ティボルト役の渡辺大輔さん、広瀬友祐(廣瀬友祐)さん、死のダンサー大貫勇輔さん、宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)さん、潤色・演出の小池修一郎さんが登壇。5曲の楽曲披露(「世界の王」「本当の俺じゃない」「バルコニー」「僕は怖い」「エメ」)とトークで盛り上がりました。

<ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」>
【東京公演】2017年1月15日(日)~2月14日(火) 赤坂ACTシアター
【大阪公演】2017年2月22日(水)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ⇒http://romeo-juliette.com/

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アイデアニュース記事一覧:
ロミオ&ジュリエット

※アイデアニュースでは、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」に出演される方への独自インタビュー取材を予定しています。どなたへのインタビューかをお知らせできるのは少し先になりますが、ご期待ください。

<ここからアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です>今回の製作発表で何より面白かったのは、「小池修一郎の部屋」が繰り広げられたこと。司会の中井美穂さんからの提案で、小池さんからキャストとお話してみたらとはじまったのですが、想定外に時間がかかってしまい、トークは主に小池さんのお話で終わってしまうという展開に…。その小池さんのお話が面白く、聞き入ってしまいました。そして、小池さんが引き出したロミオ役おふたりとのやりとりを、ご紹介します。また出演者の表情をとらえた多数の写真で作成したフォトギャラリーを掲載しています。

■古川さんの答えに、ちゃんとしゃべれるようになったんだねと感心しきりの小池さん

■大野さんが録音した音源を聞いて、小池さんは「吹き替えじゃないの!?」と思った

■初演はロマンティックでおしゃれな作品を狙ったが、今回はリアリティが感じられる悲劇に

■衣裳も新しく「日常的なリアリズムをもったものに」(製作発表の衣裳はこの日だけのもの)

■2017年版では、古川さん、大貫さん、宮尾さんを除く全てのキャストが新たな顔ぶれ

■古川さんの答えに、ちゃんとしゃべれるようになったんだねと感心しきりの小池さん

「小池修一郎の部屋」で、前回出演時よりも4歳年齢が上がってロミオ役をやることについて聞かれた古川さん。「厳しいんじゃない?」と言われ……「作品のテーマは、純粋さが鍵を握るんじゃないかと思いまして、29歳の自分がどう純粋さを出すのかというのを、出そうと思って出るものじゃないと思うのですが、目の前に起こっていくことに真正面からぶつかって、新鮮な反応をしていって、結果的にピュアに見えたら。そういったところでおぎなえたらと思います」と答えていました。当日の歌声を聞いて「聞き違えるほど歌が進歩している」という小池さんの言葉に、会場も思わず笑いに包まれたり。古川さんがとてもきちんとしたお話をされるので、ちゃんとしゃべれるようになったんだねと感心しきりの小池さんでした。

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

ミュージカル 「ロミオ&ジュリエット」製作発表より=撮影・岩村美佳

■大野さんが録音した音源を聞いて、小池さんは「吹き替えじゃないの!?」と思った

大野さんは2012年の「エリザベート」でルドルフ役を演じていますが、その後ミュージカルに出演していません(映像で活躍していました)。でも、ロミオ役を熱望して猛勉強していたとのこと。小池さんは今回のオーディション用に録音した音源を聞いて「吹き替えじゃないの!?」と思ったほどだそうです。そのオーディション録音時の伴奏の方は、「エリザベート」のルドルフ役の稽古で夜10時頃までずっとつきあってくれた稽古ピアノの方。大野さんは「一曲目を弾き終わった後に、ものすごく拍手して、涙してくださって。『成長したね』って」と、そのときの様子を話していました。

■初演はロマンティックでおしゃれな作品を狙ったが、今回はリアリティが感じられる悲劇に

今回の新演出についての小池さんのコメントも興味深かったのでご紹介します。

当初2011年初演の構想は、宝塚版のロマンチックなものに対して、リアリティのある作品にしたかったとのこと。「この物語の両家の争いが、21世紀において何らかの一遍のリアリティが感じられたらと、破壊された近未来的な世界の中での出来事と想定して準備していたときに、東日本大震災が起こり破壊された世界を見るのはつらい部分があるので断念し、ロマンティックでおしゃれな作品を狙って作った」とのお話でした。「今回は、初心に帰り、やってみたかった失われた世界の中での、ふたつの勢力が争う中での、ロミオとジュリエットの悲劇を描いてみようと思っている。シェイクスピアの作品は時代が変わり続けても作品が生き続けている。それは人間の理を描いているから。現代と共有する何かを感じてもらえるものにできれば」と明かしました。

■衣裳も新しく「日常的なリアリズムをもったものに」(製作発表の衣裳はこの日だけのもの)

衣裳も新しくなるそうで、「辛口とは言わないが、日常的なリアリズムをもったものにしたら成立するんだろうかと思い続けていたが、このメンバーならいけるのではないかと思う」とのお話。新たな衣裳も楽しみです。(製作発表の衣裳はこの日だけのものだそうです。)

■2017年版では、古川さん、大貫さん、宮尾さんを除く全てのキャストが新たな顔ぶれ

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」は若者たちのほとばしる熱情をたぎらせ、ピュアな純愛を描く世界。若手俳優たちを中心とした舞台であり、この作品を経て、ますます活躍が期待されるキャストが勢揃い。再演が決定したときから、誰がキャスティングされるのだろうかと楽しみにしていました。初演、再演時のキャストをご紹介させて頂くと、ロミオ役は城田優さん(再演ではティボルト役も)、山崎育三郎さん、古川雄大さん、柿澤勇人さん。ジュリエット役は昆夏美さん、フランク莉奈さん、清水くるみさん。ベンヴォーリオ役は浦井健治さん、尾上松也さん。マーキューシオ役は良知真次さん、石井一彰さん、東山光明さん、水田航生さん。ティボルト役は上原理生さん、平方元基さん(再演時はべンヴォーリオ役)、加藤和樹さん。現在様々な作品の中心として活躍している方々がずらりと並びます。

2017年版では、古川さん、大貫さん、宮尾さんを除く全てのキャストが新たな顔ぶれで、それぞれにどんなふうに新たに役を息づかせてくれるのか期待が高まります。そして、今多くのミュージカルで活躍する古川さんが、新たなロミオを見せてくれるのも楽しみです。

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