「歌と芝居の融合とはこういうことなんだと教えて頂きました」 矢崎広インタビュー(下)

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さんインタビューの後半です。2016年に大作ミュージカル出演が続いた矢崎さんに、歌について伺いました。さらに有料部分では、ミュージカルへの思いや、魅力的な役たちがどのように生まれてきたのかを探り、芝居の作り方などについてお聞きしました。

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

■「スカーレット・ピンパーネル」で、石丸幹二さん、安蘭けいさん、石井一孝さんに

――楽曲についてはいかがですか?

どの曲もすごく好きですが、難しいです。他の役のナンバーでも歌いたいと思うナンバーが多いですね。

――矢崎さんはストレートプレイへのご出演も多いですが、今年は「ジャージー・ボーイズ」「スカーレット・ピンパーネル」「ロミオ&ジュリエット」と、ミュージカルの中でも難易度の高い曲にチャレンジして自分のものにしてきた印象です。

ものに出来ているかはわからないですが、2016年の下半期は、歌のレベルをものすごく上げてもらったと思います。「この飛び箱飛べる!?」というぐらいの高さのものを、毎回やらせて頂いたなと(笑)。「ジャージー・ボーイズ」はものすごく大変でしたが、周りの先輩方が心強かったので、どんどん鍛えてもらい、何とか声をからさずにやり遂げることが出来ました。芝居と歌が脚本上は繋がっていますが、表現者の気持ちとして歌はアーティストの気分でした。「スカーレット・ピンパーネル」では、石丸幹二さん、安蘭けいさん、石井一孝さんを通して、歌と芝居が融合するというのはこういうことなんだと教えて頂きました。ここは力を抜いた表現をするんだとか、そっちの方が効果的だなとか、そういう見方が出来たのもここ最近のミュージカルのおかげです。僕の歌に対する疑問は「タイタニック」からはじまっていますね。

■ベンヴォーリオは、舞台にたったひとりで歌う場面があるんです

――今回はさらに何を積み重ねますか?

このベンヴォーリオの楽曲を、色んなことを教えてもらった自分が、どう表現を変えていくかがチャレンジです。ベンヴォーリオは、舞台にたったひとりで歌う場面があるんですが、今までにそういう経験があまりないんです。「ジャージー・ボーイズ」は必ず3人いたので、誰かが助けてくれました。「スカーレット・ピンパーネル」では、安蘭さんとのデュエットでしたからすごく助けて頂きました。 本当に皆さんのおかげなんです。

■自分の上がっているかもしれないスキルを、まだ僕自身が扱えていない

――「どうやって伝えよう」など大ナンバーがありますね。

今、特訓しているところです。オーディションや製作発表のために練習していたときには、すごくキーが高い曲だなと思っていたんですが、今歌稽古をしていてこんなに低かったかなと。

――音域が広がったんですか?

そこはよくわからないんですが、もっと気持ちいいところで声を張りたいのに、こんなに低かったのかなと感じているんですよね。以前はあんなに大変だったのにと。昔の感覚も取り戻しつつ、自分の上がっているかもしれないスキルを、まだ僕自身が扱えていないので、上手くコントロールして行きたいと思っています。

――それを熟成させていくと、今までとさらに違う声が見つかるかもしれませんね。歌に関しては、色々と吸収して、今すごく上がっているところですね。

まだまだ迷子です(笑)。でも、お客さんが拍手をくれて、良かったと言われると嬉しいです。まだまだ芝居と歌が重なると難しいですね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、毎回びっくり箱を開けて行くような面白さと納得感があり「きっとこんな感じだろう」ということが全くない矢崎さんの演技について、突っ込んでうかがったお話などを掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■ミュージカルって本当に面白いんだなと思うようになりました

■どこか自分のなかで、玄人部分も残したりしているんですよね

■「これだ!」というものは小さくて、そこが「楽しい」と思うところ

■小池先生の新演出に驚いたり高揚している感覚を、お客様と共有したい

■2017年は「矢崎広そっちにハンドル切るんだ!?」ということがたくさん(笑)

<ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」>
【東京公演】2017年1月15日(日)~2月14日(火) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2017年2月22日(水)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ⇒http://romeo-juliette.com/
ロミオ&ジュリエット公式ツイッター @musical_RJ

<関連サイト>
矢崎広 Twitter https://twitter.com/hiroshi_yazaki
hiroshi_yazaki Instagram https://www.instagram.com/hiroshi_yazaki/
Tristone Entertainment Inc. 矢崎広 http://tristone.co.jp/actors/yazaki/
矢崎広ファンクラブ「ONとOFF」 http://tristone.co.jp/actors/yazaki/fanclub/

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矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

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■ミュージカルって本当に面白いんだなと思うようになりました

――ミュージカルが続いていますが、お好きですか?

好きになりました。最初はわからずにやっていたので、ストレートプレイの方が好きだなと思っている時期もあったんですが、ミュージカルって本当に面白いんだなと思うようになりました。特に今年は、楽しいミュージカルを沢山やらせて頂いて、さらにその思いが強くなりました。

――ストレートプレイでも素晴らしいですが、ミュージカルでの矢崎さんのお芝居が大好きという方が多いと思うんです。ファンの方はもちろんだと思いますが、ライターや編集などでもそういう声を聞くんです。

うわぁ! 嬉しい! よろしくお伝えください(笑)。

■どこか自分のなかで、玄人部分も残したりしているんですよね

――(笑)。あの芝居がたまらないという声を聞きますし、私も拝見する度になるほどと思います。「ジャージー・ボーイズ」を見て「こんなボブなんだ!」とか、「スカーレット・ピンパーネル」を見て「アルマンがこうなるんだ!」とか、毎回びっくり箱を開けて行くような面白さと、納得感があります。「きっとこんな感じだろう」ということが、全くないんですよね。例えば、芝居で積み重ねたものが何か生きているとか、ご自身で思うことはありますか?

その場その場を全力で生きるだけなんですが。何て言うんだろう……「皆が楽しい方がいいよね!」というのが僕の根本にあります。それはキャストもそうだし、お客さんもそうだし、例えばお客さんに向けてもやりますが、どこか自分のなかで、玄人部分も残したりしているんですよね。

――玄人部分を残す?

お客さんのためだけにやるのは違うと思うんですよ。お客さんに寄った芝居をするというか。

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

■「これだ!」というものは小さくて、そこが「楽しい」と思うところ

――見ている人にわからなくてもいいけれど、こういう風にやるみたいなことですか?

自分のなかで線引きしないというんでしょうか。例えばいつ偉いプロデューサーさんが見に来ても面白いと思ってもらえるような部分は、残しているところがあるんです。

――媚びないみたいな感じですか?

そうです! 色んな人に向けて表現していきたいと思っているんです。

――それは先程伺った「これだ!」というものと繋がっているんですか?

実は、その「これだ!」というものはすごく小さくて、そこが「皆が楽しい」と思うところなんじゃないかと思っています。すごく感覚的な話でわかりにくいかとは思うんですが。

――なるほど。でもすごく面白い感覚ですね。

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

■小池先生の新演出に驚いたり高揚している感覚を、お客様と共有したい

――楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

新演出、新振付、新衣装など、新しいことがたくさん詰まっています。稽古場でこのシーンがこうなるんだと、本で見ていたものがどんどん立体化されていていくのが面白いですね。シリーズを通して見てきたお客様も、初めてご覧になる方もそう思うだろうと思います。僕自身、小池先生の新演出に驚いたり高揚しているので、その感覚をぜひお客様と共有したいと思っています。2017年の初めの公演で、一年のスタートにとても素晴らしい作品だと思います。素敵なスタートを一緒に切れたらと思っています。

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

■2017年は「矢崎広そっちにハンドル切るんだ!?」ということがたくさん(笑)

――2017年はどんな一年にしたいですか?

「矢崎広そっちにハンドル切るんだ!?」ということがたくさんあると思います(笑)。2016年はミュージカルをたくさんやらせて頂きましたが、やはりストレートプレイもやっていきたいと思っています。僕の強みはそこだと思っているんです。歌でミュージカルに選んでもらっていると思っていないので、今後もミュージカルに関わっていくためには、歌ももちろんですが、芝居という自分の強みを伸ばしていきたいと思います。来年はさらに修行の年になるんじゃないかと思います。

――ありがとうございました。「ロミオ&ジュリエット」とさらにその先も楽しみにしています。

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

矢崎広さん=撮影・岩村美佳

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“「歌と芝居の融合とはこういうことなんだと教えて頂きました」 矢崎広インタビュー(下)” への 8 件のフィードバック

  1. 節子 より:

    ロミジュリ真っ最中で私も行く公演ごとにいろんな発見をしながら楽しんでいます。矢崎さんもインタビューで答えられているように一緒に楽しまれていたらいいなあと思っております。今年のこれからの活躍も楽しみにしております。

  2. ぴっぴ より:

    矢崎さんの舞台をちゃんと観てくださってのインタビューだから他とは違う答えを引き出してくれているので読んだ後の満足感があります。
    次回の魔王コントでもインタビュー可能であればロミジュリを演じてみての感想とか聞けたら嬉しいのですが。
    それからお写真もとってもカッコ良くて素敵でした。ありがとうございました。

  3. みー より:

    一観客、一読者として大変興味深い踏み込んだインタビュー内容に、とてもドキドキしながら読み進めることが出来ました。
    もっとインタビューの全体像を知りたいなあと思わせる内容と、もっと他にも見たいなあと思わせる素敵な写真の数々に、岩村さんのライターとしての力とフォトグラファーとしての力を同時に感じました。
    本当にありがとうございました。

  4. Mary より:

    俳優本人の言葉を丁寧に汲み取ったインタビュー内容で、個人的に深く聞いてみたかった部分にも質問して下さっていたので大変興味深く拝読いたしました。
    (びっくり箱を開けて行くような面白さと、納得感)という表現がしっくりきているなと共感したり、ミュージカルは好きか?というシンプルな質問は意外とあまり見たことが無かった気がするので面白かったです。
    お写真は綺麗な良い表情&雰囲気ですね!どれも気に入りました。
    また今後、他作品でも矢崎さんのインタビュー記事を掲載して頂けると嬉しいです。

  5. ゆち より:

    昨日の(上)に続き(下)も、ファンにとっては興味深いお話ばかりでした。
    「ジャージー・ボーイズ」からのさらなる上達ぶりに驚いた歌声。
    とても気になっていたので、歌のお話を伺えてとても嬉しいです。
    早く生で「どうやって伝えよう」を聴いてみたいです。
    そして大好きな矢崎さんのお芝居がどう進化していくのかを楽しみに、劇場に通いたいと思います。
    岩村さんのインタビューの内容と素敵なお写真の数々に、感謝の気持ちでいっぱいです!
    ありがとうございました。

  6. みみ より:

    岩村さん、愛のあるインタビューありがとうございました。ニコニコしながら読みました。ロミジュリの新演出がとても楽しみになりました。明日観劇予定です。

  7. のん より:

    岩村美佳さんの写した矢崎くんの写真がとても素敵でした。インタビューも写真も愛がすごく感じられて、ファンとしては岩村さんに矢崎広ファースト写真を撮っていただきたいと切望します(๑˃̵ᴗ˂̵)و

  8. aki より:

    2017年は更に修行の年に・・・のコメントを読んで嬉しくなりました。進化していく矢崎さんをこれからも応援していきたいなと改めて思いました。
    素敵な写真ありがとうございました。

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