今月15日に開幕したばかりのミュージカル「ロミオ&ジュリエット」に、ベンヴォーリオ役で出演している矢崎広さんに昨年12月の稽古中にお話を伺い、作品やベンヴォーリオ役についてお話して頂きました。有料部分では、矢崎さんならではの役づくりの過程やダブルキャストの馬場徹さんについてなど伺っています。(上)(下)2回に分けてお届け致します。
■ベンヴォーリオは、そこまで踊らないんじゃないかと思っていた
――稽古がはじまる前に抱いていた印象と比べていかがですか?
正直、ベンヴォーリオはそこまで踊らないんじゃないかと思っていたんですが、今回、新演出と新振付になり、ベンヴォーリオもマーキュシオに負けないぐらい踊っているんです。それが驚きで、格好良く踊らなければと思っているところです。
――踊りが多いことは歓迎していますか?
今までも作品のなかで踊ることはありましたが、僕はダンスを専門的にやってきていないので、今回の激しいダンスはあまりやったことがないジャンルで難しいです。以前出演した「ドッグファイト」で踊ったダンスともまた違いますね。それを役に落とし込んで、ベンヴォーリオとして踊るところまでにしなければと思います。役に入っていれば何でも有りだと思うんです。
■今回の衣装、格好いいですよね! 売っていてもおかしくないぐらい
――新しい衣装を見てもこんなに違うのかと驚きました。ご自身ではいかがですか?
僕は以前の「ロミオ&ジュリエット」をちゃんと見たことがなかったんです。楽曲は友人のコンサートなどで聞いたりしたので、よく知っていたんですが。前回のイメージがいい意味でないので、新演出のなかでベンヴォーリオの存在を知って、今回の衣装はすっと受け入れられました。
――着てみていかがでしたか?
格好いいですよね! 売っていてもおかしくないぐらいの衣装だなと。おしゃれだし、なおさら現代に近づいている「ロミオ&ジュリエット」を彷彿とさせる衣装だなと思います。
■マーキューシオがふたりいるように見えないようにするためには、どうしたら
――前回をご覧になっていないということで、予備知識がなく今作品に取り組んでいて、作品をどう捉えていますか?
今は、ベンヴォーリオの立ち位置がすごく難しいなという段階です。血気盛んで最終的にその勢いのまま死んでしまうマーキューシオと、ジュリエットとの愛に生きるロミオの間で、ふたりとは違うカラーの出し方を自分なりに探しています。
――具体的にはどう探しているんですか?
特に1幕で、目立ち過ぎず、目立たなさすぎずにベンヴォーリオとしているのがとても難しいと思っています。セリフはたくさんありますし、ロミオとも、マーキューシオともたくさん絡みがあるんですが、マーキューシオがふたりいるように見えないようにするためにはどうしたらいいんだろうと。ベンヴォーリオはロミオに対して突っ込むセリフが多いですが、いわゆるツッコミ担当はマーキューシオだと思うので、ツッコミではない見え方はどうしたらいいんだろうと考えています。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、矢崎さんの作品への取り組み方や、「スカーレット・ピンパーネル」のアルマン役で「これだ!」というのが降りてきた瞬間、ダブルキャストでベンヴォーリオを演じる馬場徹さん、演出の小池修一郎さんなどについてうかがったお話を掲載しています。1月17日に掲載するインタビューの「下」では、矢崎さんのミュージカルへの思いや、芝居の作り方などについて、さらに詳しくお聞きした内容を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■まだ自分のなかで、「これだ!」というものが降りてきていないんです
■「スカーレット・ピンパーネル」は、そこだと思った瞬間があった
■ダンス、歌、セリフのすべての不安を取り除かないと辿り着かない
■馬場くんは、つかこうへいさんのお芝居の技術を持っている
■小池先生は、海外の演出家っぽいなと思いました
<ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」>
【東京公演】2017年1月15日(日)~2月14日(火) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2017年2月22日(水)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ⇒http://romeo-juliette.com/
ロミオ&ジュリエット公式ツイッター @musical_RJ
<関連サイト>
矢崎広 Twitter https://twitter.com/hiroshi_yazaki
hiroshi_yazaki Instagram https://www.instagram.com/hiroshi_yazaki/
Tristone Entertainment Inc. 矢崎広 http://tristone.co.jp/actors/yazaki/
矢崎広ファンクラブ「ONとOFF」 http://tristone.co.jp/actors/yazaki/fanclub/
ロミオ&ジュリエット
- 「歌と芝居の融合とはこういうことなんだと教えて頂きました」 矢崎広インタビュー(下) 2017年1月17日
- ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』開幕、「世界の王」「バルコニー」「エメ」を報道陣に公開 2017年1月16日
- 「これだ!というものが降りてくるまで」 ベンヴォーリオ役、矢崎広インタビュー(上) 2017年1月16日
- 「30歳へ、色んなことに挑戦していきたいなと」 古川雄大インタビュー(下) 2017年1月13日
- 「ジュリエットに出会って情熱的になっていく、熱いロミオを」 古川雄大インタビュー(上) 2017年1月12日
- 朝ドラ出演、「憎たらしいけどかわいいように…」 大野拓朗インタビュー(下) 2017年1月6日
- 「ロミオ&ジュリエット」大野拓朗インタビュー(上) 「恋と仕事は似ている」 2017年1月5日
- 『Play a Life』出演、そして『ロミオ&ジュリエット』ティボルト役へ 廣瀬友祐インタビュー 2016年11月29日
- 「初演より、リアリティのある作品に」と小池修一郎さん、「ロミオ&ジュリエット」製作発表 2016年9月30日
※矢崎広さんのサイン色紙と写真を、抽選でアイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまにプレゼントします。有料会員がログインすると記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、1月31日(火)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを記入することもできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■まだ自分のなかで、「これだ!」というものが降りてきていないんです
――今探しているものを見つけるために、どういう方法を取るんですか?
とりあえず思ったことをやってみます。その場にいて、ロミオ、マーキューシオの出方を見て、自分がそれに反応していくなかで、追々見つけていくと思います。まだ自分のなかで「これだ!」というものが降りてきていないんです。
■「スカーレット・ピンパーネル」は、そこだと思った瞬間があった
――色々な作品に取り組んでいて、いつも降りてくる瞬間があるんですか?
「これだ!」というのが降りてきますね。「スカーレット・ピンパーネル」のアルマン役でも、全然わからなくて、何だコイツと思っていました(笑)。アルマンは大事な秘密を話してしまいますし、自分のせいで仲間が大変なことになってしまいます。だから、下手をすると、嫌われてしまうんじゃないかと思ったんです。こんな人間を成立させることが出来るだろうかと悩みました。
――とても可愛いアルマンでしたね。
そこだと思った瞬間があったんです。ちょっと天然なおバカなキャラクターなんだと。
■ダンス、歌、セリフのすべての不安を取り除かないと辿り着かない
――そうだったんですね。今も、その迷いから抜ける瞬間を目指して作っている最中なんですね。
そのためには、すべての不安を取り除かないと辿り着かないんです。ダンス、歌、セリフの不安を取り除いたときに、こういうアプローチをしてみようかと何度かやってみて見つけていこうと思っています。
――作品によってそのタイミングやきっかけは違うんですね。
そうなんです。だから僕は自分のことをスロースターターだと思っているんですが、いつもスローではいられないですし、何とかしなければいけないと思っています。
■馬場くんは、つかこうへいさんのお芝居の技術を持っている
――馬場さんとダブルキャストですが、一緒に稽古していて、馬場さんを見て発見することなどはありますか?
僕は「スカーレット・ピンパーネル」がありましたので、稽古の最初の頃は出られなかったのですが、最初のベンヴォーリオとしての形は、馬場くんを見て理解しました。馬場くんはすごく存在感がありますね。初めて見たベンヴォーリオが稽古で見た馬場くんなので、僕にとってのイメージは「馬場くんが演じるベンヴォーリオ」なんですよ。だからそこを目指してしまいそうですが、どう自分ならではのものを足していくかが大事ですね。
――意識的に馬場さんと違う方向にと考えているわけではない?
おそらく馬場くんも同じことを言うと思うんですが、僕が演じると馬場くんを目指せないぐらい二人が違うので、どうしようかなと。例えば、セリフの出し方ひとつとっても全然違いますからね。でもそれが面白いなと思って見ています。
――具体的に違うところで何かわかりやすい例はありますか?
馬場くんは割と淡々とセリフを喋り、そこに感情を乗せていきますね。つかこうへいさんのお芝居の技術を持っているので、長セリフになるとそれがものすごく生きるなと思います。ひとつのセリフの重みの出し方もすごく上手いんです。それに対して僕がどういうアプローチで行くかと考えたときに、自分が今までやってきたことの中から、違う表現で同じ存在感を出さなければいけないと思っています。まだ、追いつくのに必死です。すべてが見えたらいよいよスタートさせようかなと思っています。
――まだ色々組み立てたり、模索している段階ですね。
そこを突っ込まれたり、小池(修一郎)先生に何度も怒られると思いますが、怒られたヒントも貰いながら自分のなかで構築出来たらと思っています。
■小池先生は、海外の演出家っぽいなと思いました
――小池先生はご一緒してみていかがですか?
「これが噂の小池修一郎先生か!」と思いました(笑)。
――(笑)。
演出を受けてみて、小池先生はとても細かいんですが、それを通してみると、とても綺麗だなと。さらに焦点が絞られて見やすくなっているんです。その見せ方が本当にすごいなと思いました。プラモデルで表現すると、パーツの小さい部分から直していくイメージです。周りの人達が一体何だろうと、きょとんとするんですよ。小さい部分をどんどん直して行って、大きなところも直すと、すごく綺麗なものが出来上がって驚きました。最初は、なぜそこを直すんだろうと思いますが、実はそこがすごく影響しているんですよね。
――今まで受けてきた演出とは違う、新しい体験なんですね。
海外の演出家っぽいなと思いました。2016年は、「ETERNAL CHIKAMATSU−近松門左衛門『心中天綱島』より−」でデヴィッド・ルヴォー氏と、「スカーレット・ピンパーネル」でガブリエル・バリー氏とやらせて頂いたんですが、作り方がちょっと似ているなと思いました。きっと小池先生の作品は、海外の方がご覧になっても面白いんじゃないかと思います。
※矢崎広さんのサイン色紙と写真を、抽選でアイデアニュース有料会員3名さまにプレゼントします。この下の応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、1月31日(火)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方は、コメントを記入することもできますので、どうかよろしくお願いいたします。
お芝居もダンスも小池先生に対しても
とても真摯に向き合う矢崎さんの姿勢を感じる事ができました。
常に上を目指しているんだなーと。ずっとずっと応援させていただきます!
素敵なインタビューとカッコ良すぎる写真の数々を有難うございました。大大満足の内容でした☆
今までのインタビューで演技についてここまで詳しく話してくれたものはあまりないのでありがたいです!
そして役者としての矢崎さんがもっと好きになりました。
後半も楽しみに読みます
素敵な写真とインタビューをありがとうございます♪
矢崎広くんの演技は凄く素敵で、今回はフレンチロックミュージカルと聞いていたのですが、ロミジュリとは思えない衣装で意表を突きました!ますます楽しみになりました♪
階段で目線を下に落とした構図の写真が気に入っています。
矢崎君の役作りはいつも興味深いので、今回も矢崎さんらしいベンヴォーリオが見つかるのが楽しみです。素敵な写真ばかりで記事の続編も楽しみにしています。
素敵なお写真の数々とインタビューをありがとうございます。
矢崎さんはどの作品でも、その役柄の背景が思い浮かぶくらいに役と向き合っているのでとても説得力があり、その中に自分の個性を上手く取り入れていて、毎回魅力的な役を作り上げていく役者さんです。
今回は矢崎さんの中にどんなイメージが「これだ!」と降りてきたのか、ベンヴォーリオを拝見するのが楽しみでワクワクしています。
後編の記事も期待しています!