ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』にアンジェロ・ダ・カノッサ役で出演する松田凌さんと、ロベルト役で出演する鈴木勝吾さんにインタビューしました。「下」では、グランド・ミュージカルについてのとらえ方や、普段どんなことをどんな風に考えているか、などについて語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。(このインタビューは、2020年3月中旬に実施したものです)
※編集部注:この作品は2020年4月13日(月)から5月11日(月)まで明治座での上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、全ての公演を中止することが4月8日に発表されました。作品の製作委員会は「事態が収束し、皆様がお楽しみいただけるような環境が整いましたら、改めて本公演をお届けしたいと考えております」としています(公式ページより)。
――舞台が終わった時に、どんな景色が見えたかを聞いてみたいですね。
鈴木:やはり挑戦者でいたいなと思います。最近読んだ漫画にも感化されていますが…(笑)。手を抜いたり、調節したり、背負って立つとか、そういうことではなく、「明治座? グランド・ミュージカル? なんぼのもんじゃい」みたいな。もちろん、そういう風には思っていませんが、そのぐらいの精神。僕たちがやってきたのはこういう事だから、それが通じるのかどうかという感じです。最近ボクシングをやっているのですが、自分の作ってきたパンチが、ここでどこまで届くのか、みたいな感覚は持っていますね。それを、本当に温かい先輩方のなかでやれるのはすごく幸せだなと思います。潰しには来ないから。
(現場爆笑)
鈴木:みんな、もう余裕なんですよ! 大人の人。
――確かに(笑)。
鈴木:よく漫画にある、裏で才能を潰してくるみたいなエグい先輩の潰し方とか、ないから。すごくみんなお茶目で、チャーミングな先輩方なので。
松田:ただ、舞台上で死んで生きられるかっていう話です。
鈴木:やはりここでしか生きる場所はない。
松田:うん、他に生きる場所はない。
鈴木:バチバチしたいですね。
――グランド・ミュージカルを主に観ていると、2.5次元ミュージカルなど若手の方々が活躍されているところから「誰が来るんだろう?」と待っているというか。上からみたいな言い方になってしまって申し訳ありませんが…。
鈴木・松田:いえいえ、全然!
松田:それはお客様の声だから、ありがたいですよ。考えていただけるだけでも。
――例えば『シークレット・ガーデン』のときに「松田さん、来た!」みたいな。自分の目を信じていれば「この人は絶対に来る」と思いますし、実際に来てくれるとすごく嬉しいです。ワクワクしますし、結果をどう残されるのかも、すごく楽しみ。
鈴木:釘パンチを(笑)。
――傷跡を残すんですね(笑)。
松田:今、若手の需要は増えてきていると思うんです。僕が今まで共演したなかにも、帝国劇場などで上演されるようなミュージカル作品、ドラマ、コアな会話劇や戯曲に出る子もいます。何かを見出されて出る人もいれば、お芝居以外の魅力で引き抜かれた人もいると思うのですが、どう見出してもらえるかとなると、一生懸命やるしかないんですよね。自分の魅力って、あまり自分ではわからない。客観的に見たりしますが、最終的に頑張るしかないんですよ。どんな業界も一緒だと思うんです…。一生懸命やること。
鈴木:最後はね。最後はそこですよ。
松田:考えることを諦めるわけじゃなくて。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、『チェーザレ 破壊の創造者』についてのお話のほか、普段どんなことをどんな風に考えているか、などについて語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。などインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■鈴木:凌が可愛くてしょうがない。ずっと好き。俳優としても人間としても
■松田:「考えたがり」なふたり。ひとりで考え出すと、宇宙まで行き着いちゃう
■鈴木:出会いは。切れない。切りたくないと思っているし。1回会えるのが奇跡
■松田:勝吾君はマルチな才能があるけれど、びっくりするぐらい不器用。人生に
■鈴木:期待して観に来てください、頑張ってそれを嘘じゃないようにします
■松田:終わって飲みに行った時、勝吾君が『チェーザレ』の歌を歌っていたら幸せです
<ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』>
【東京公演】2020年4月13日(月)~5月11日(月) 明治座 (この公演は中止になりました)
公式サイト
https://www.cesare-stage.com
公式ツイッター
https://twitter.com/cesare_stage
<関連リンク>
松田凌オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/matsuda-ryo/
松田凌キャストコーポレーション&オフィスメイ
https://cast-may.com/contents/cast_25.php
鈴木勝吾オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/shogo-suzuki/
鈴木勝吾プロフィール
http://www.hirata-office.jp/talent_profile/men/shogo_suzuki.html
鈴木勝吾Twitter
https://twitter.com/Shogo_Suzuki_
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■鈴木:凌が可愛くてしょうがない。ずっと好き。俳優としても人間としても
松田:じゃあ明日から何しようって思ったら、明日も、次来る1日をどうにか、言い訳が立たないくらい必死に進むしかないんですよね。
鈴木:なんか、僕は泣けてくる…。
――泣けてくる?
鈴木:こんな話って、さんざんウザがられてしているんですよ、僕らって結構。
松田:そうなんです。
鈴木:もう8年ぐらい一緒だから。
――そうですよね。
鈴木:服装が似てきたり、その年で髭伸ばすんだとか、いろいろ。
松田:本当に同じ道を歩んでいるから…。
鈴木:凌が可愛くてしょうがないから。どっちがどうなろうと、この子はずっと好きなんです。俳優としても人間としても。
――松田さんのデビューから一緒ですもんね。
松田:そうです。
鈴木:僕も頑張らなければなって毎日思うのですが、そういう風に言っていると「イズム」ってあるなと思って。もともと似ていたのか、一緒に話しているから似たのか知らないけど。
■松田:「考えたがり」なふたり。ひとりで考え出すと、宇宙まで行き着いちゃう
――松田さんは今年29歳に、鈴木さんは31歳になったばかり。すごく考える時期だろうなと思いますが。
松田:特に「考えたがり」なふたりだと思います。
鈴木:思考が止まらないんですよ。
松田:ひとりで考え出すと、「宇宙って…」みたいな事まで行き着いちゃうんじゃないかというぐらい。
――哲学ですね。
松田:考え出すと昼になっちゃうんで、夜が(笑)。
鈴木:一往復している、宇宙行って(笑)。
松田:自分の歩幅でしか進めないのですが、共通して好きな人たちといると、会話することでより進むし、アルコールというガソリンが入るともっとより早く走れちゃう。
鈴木:加速度がエグい(笑)。
松田:そうなると止まらないですよね。だから、僕らの遊び方、話し合い方が好きじゃない人はマジで好きじゃないと思います。
鈴木:確かにね。
松田:両極端だと思いますが。
■鈴木:出会いは。切れない。切りたくないと思っているし。1回会えるのが奇跡
――人間ってやはり縁などが大きいですよね。
鈴木:不思議ですよね、出会いは。切れないもん。切りたくないと思っているし。1回会えるのが奇跡だから。
――そういうところも、気持ちが合う、みたいな。
松田:そうですね。
鈴木:と思っているのですが…。別にもう対談じゃなくて、凌の話だけ聞いていてもいいもん。
(現場爆笑)
鈴木:心地良い(笑)。
松田:逆もしかり。今度、勝吾君が取材の時、呼んでください。僕、横で聞いているから。
(現場笑)
松田:「おはようございます、今日よろしくお願いします」って言って。「あれ、凌君どうしたの?」。「あ、僕、聞くっていう担当者…」(笑)。
鈴木:観覧席ひとり(笑)。
松田:あたかも僕も取材を受けるように。「本日はよろしくお願いします」って言ってくださったら。
鈴木:絶対に喋り始めるよ。
(現場爆笑)
鈴木:「実は松田君、いるんです」って締めになる(笑)。
■松田:勝吾君はマルチな才能があるけれど、びっくりするぐらい不器用。人生に
――8年前から進んできたお互いを見てどう思いますか?
鈴木:多分、僕、格好良い人が好きなんですよ。変な意味じゃなくて。俳優として素敵な人は、人間として素敵な人だなというのはあって。松田凌という人間は、格好良いし、惚れているからだなと思います。その分、甘やかすこともめちゃくちゃありますが…。本当の弟のように、でもそれでいて、本当の戦友のようでもあるから、不思議ですね。前世を知りたい。何があったのか。前世がなくて今世が初なのか。
――前世で何かあるんじゃないかと(笑)。
鈴木:前世で何かがあったのか、来世も知りたいもん。
(現場爆笑)
――『チェーザレ 破壊の創造者』の時代にピサ大学にふたりでいたかも!
松田:だとしたら、勝吾君はアンジェロだと思います。本当に。アンジェロ以外の枠はないと思う。
――(笑)。
松田:僕は、勝吾君の傍に8年いさせてもらって…何か結婚式のスピーチみたいですが…。
(現場爆笑)
鈴木:また名物記事ができる(笑)。
松田:人のものになっちゃう…みたいな感じですが(笑)。公私ともに仲良くさせていただいていて、僕が昔から思っていたことがだんだん現実味を帯びてきたというか、僕は間違ってなかったなって。勝吾君は、やはり稀有な人でした。最初に、何か「この人は特別な人なんだろうな」と思っていたものが、お芝居の作り方を含め、プライベートでも仲良くさせてもらっているので、人生のことをいろいろ話してくれて、役者として生まれてしまったような人というか、あんまり人が経験しないような人生を歩んでいるんですよ。仕事においても、人との出会いにおいても。役者としての鈴木勝吾という人間が広まってしまうのは、もう時間の問題な気がする…。
鈴木:僕、芥川賞をとりたいな。
――物書きに転身するんですか?
松田:ありえなくもないんですよ。
――両方やりそうですね。
松田:本当に、僕が言うのもなんですが、僕も同じようなところを持っているんですが、びっくりするぐらい不器用です。人生に対して。面白いのがマルチというか、文才もあるし、絵心もあるし、他の分野にも長けていたりするんですよね。勝吾君がどこを選択するかですよね。
■鈴木:期待して観に来てください、頑張ってそれを嘘じゃないようにします
――最後に楽しみにしている読者の方々へ、メッセージをお願いします。
鈴木:めちゃくちゃ怖いです。正直、最後まで僕は俳優なので、めちゃくちゃ頑張りますが、やはり難しい。何て表現したらいいんだろうな。やはり物語の構造上、例えば僕らを今まで応援してくれた人が観に来て、「あの役、めっちゃ良かったね」という役になるかどうか、構造上のこともあるし。
――本当に面白い役じゃないですか。
鈴木:だから、その周りとの兼ね合いで、「期待していてね」って自分を焚きつける意味でも、そこが一番大きいですかね。現状は「本当に期待して観に来てください。頑張ってそれを嘘じゃないようにします」という感覚です。絶対面白いとか、絶対良いという感覚にはまだなっていませんが、「これから頑張るから楽しみにしていて」が正直な思いで、格好つけないで言うとそんな感じです。それを先に言ってビッグマウスにしておいて、頑張ります。
■松田:終わって飲みに行った時、勝吾君が『チェーザレ』の歌を歌っていたら幸せです
松田:今、勝吾君が言ってくださった話、本当にその通りだなと思って。もうこのような機会ってないと思うんですよ。豪華絢爛な方々が一堂に会して、明治座さんの節目になるような公演になる。この機会を多分誰ひとり無駄にはしたくなくて、そのために自分たちで本当の新天地を見つけられるように頑張りたいのが一番ですね。鈴木勝吾君は、良き作品が終わった後、その作品の歌を口ずさむ癖があるので、今回終わって、すぐ飲みに行ったりすると思いますが、その時に自然と『チェーザレ 破壊の創造者』の歌を歌っていたら、僕は幸せです。
(現場爆笑)
――その結果は、ぜひ何かで報告してください!
松田:よろしくお願いします。ぜひ明治座へお越しくださいませ。
※松田凌さんと鈴木勝吾さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは5月11日(月)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』鈴木勝吾さんと松田凌さんのインタビューありがとうございました。
中川晃教さんと宮尾俊太郎さんのインタビューもあわせて読ませていただきました。
明治座初のオケピット稼働。鈴木勝吾さんの初のグランドミュージカル出演。とても楽しみにしていました。残念です。
しかし、公式ホームページには希望の言葉が書かれていました。事態の収束を今はただ祈るばかりです。
公私ともに仲の良いお二人の対談、上•下合わせて感慨深く拝読しました。
公演中止が残念でなりません、出来ることなら同キャストでまた公演の機会があることを切に願います。
中止により形として殆ど残らない中、こうして記事として残ることがとても嬉しいです、ありがとうございました。
相思相愛なお二人の様子を存分に感じることのできる対談で、お二人のファンとして本当に幸せな気持ちになれました。
先輩の勝吾くんがこのような気持ちを凌くんに伝えてくれるからこそ良い関係が続くんだろうなと思いました。
お二人にとってチェーザレという作品がとても大きな意味を持つ作品であったことが伝わってきて、より中止が残念でなりません。
今の状況が落ち着いた際に再びチェーザレの世界でお二人にお会いできることを願っています。
「上」「下」を通して素敵な対談をありがとうございました。
仲の良いお2人だからこその、お互いを掘り下げた楽しいお話をありがとうございました!グランドミュージカルへの取り組み方、そしてミュージカル界の先輩方への思いなど…お2人の率直な言葉を知る事が出来て、本当に嬉しかったです。
公演が中止になってしまった事は、本当に残念至極ですが、その一端をこうして残して下さった事に感謝致します。
毎回、アイデアニュースさんの記事は、きちんとキモをおさえながらも、ぐいっと深い部分にも食い込んでいて、ちょっと違う切り込み方もあって、大変楽しく拝見しています。特にパーソナルな考えの部分など、役者の演技の基礎になってる部分がしれるのが楽しいです。
是非次にお二人いずれかのインタビューがある場合は「聞き手(観客・応援団)」としてのもうお一方のご出席も実現してください(笑)
「明治座へお越しくださいませ」の締め括りに、ああ……行きたかった……となりました。
度々笑いを起こすお茶目さも魅力的ですし、難しさや怖さも飾り立てずに言葉にされることも、それを前向きな力に変えていこうとする意志も、素敵に感じました。
環境が整ってチェーザレが上演される時に、お二人がそこにいることを望みます!