2015年にブロードウェイで上演され、アジア系ミュージカルの革新的な作品のひとつとして高く評価されたミュージカル『アリージャンス~忠誠~』が、2021年3月12日(金)から3月28日(日)まで、東京国際フォーラムホールCで日本初演されます(名古屋・大阪公演あり)。真珠湾攻撃が勃発した第二次世界大戦下のアメリカで「日系人である」というだけで強制収容所に入れられた家族の実話を元にしたこの作品に主演する、濱田めぐみさんにインタビューしました。上、下に分けて掲載します。濱田さんは、『フランケンシュタイン』『王家の紋章』でも、姉役を演じていますが、『アリージャンス~忠誠~』も海宝直人さんが演じる弟・サミーの姉・ケイ役です。姉役が続くことについて、物語の背景への思いなどを伺いました。
――『フランケンシュタイン』『王家の紋章』『アリージャンス~忠誠~』と、弟を持つ姉役、しかもふたり姉弟が続きますね。どの役もそれぞれ違いますが、家族に対して想いが強い姉。特に今回は「家族」が作品のテーマになりますが、「姉」という役を演じる上で、何か考えたりされますか?
姉役多いですよね。姉というポジションが楽なのかもしれないです。私はひとりっ子なんですが、親戚がものすごく多くて、姉気質ではありました。ひとりっ子だから、想像の世界なんですが。
――年下のいとこが多かったんですか?
母が長女で、下に10人の弟妹がいるんです。その全員に子供がいますから、母方だけで40人以上いるかもしれない。正月なんて、ホールを貸切って200人くらい集まる感じなんです。父方も10人くらいいるから、親戚がすごい大人数で、お年玉なんて大変だから、知らないって(笑)。
――親族が集まることは多かったんですか?
基本的にはお盆とお正月ですね。いつもは3人の核家族でずっといるので、そのギャップがすごいです。両親ともに共働きでしたから、子供の頃は一人でいることも多かったですし。
――ひとりっ子で育つのと、きょうだいがいるのとではすごく違うだろうと想像するのですが、弟や家族にまっすぐな想いを持っている姉役はいかがですか?
『フランケンシュタイン』はどちらかと言うと、弟がちょっと人間離れというか、そばにいないと心配な少年時代でしたよね。だから、どちらかと言うと、母親の要素が大きくて、「この子がいるから自分がいる」という思いだったのかもしれません。『王家の紋章』に関しては、メンフィスのために生きているみたいなものでした。すごいですよね、あの方は。そういう時代だったにせよ、ラブですからね。
――そうですね(笑)。
※こちらはミュージカル『アリージャンス~忠誠~』公式ページに掲載されている「【♪もっと高く Higher】濱田めぐみ主演 ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』より劇中曲歌唱」動画です。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、距離を持ちつつ集団と関わるということに慣れていた濱田さんにとって『メリー・ポピンズ』はドンピシャだったことや、今回の『アリージャンス』でケイの弟役を演じる海宝直人さんについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2月5日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、アメリカ人から見た日本人の家族を描いたこの作品を日本で創る難しさや、作品の中で濱田さんが歌われる楽曲についてのほか、2020年を経てこの作品を上演する意味などについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■『メリー・ポピンズ』は、べたべたしすぎない、離れすぎない距離感がドンピシャ
■『アリージャンス』で弟役の(海宝)直人は、小学校4年生から知っています
■ケイの中では「この子は、お母さんを知らないんだ」という思いが強くて
■弟にある意味依存していて、それがぷつんと切られた瞬間に「あれ?」と
<ミュージカル『アリージャンス~忠誠~』>
【東京公演】2021年3月12日(金)~3月28日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【名古屋公演】2021年4月17日(土)~4月18日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
【大阪公演】2021年4月23日(金)~4月25日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
https://horipro-stage.jp/stage/allegiance2021/
<関連リンク>
濱田めぐみ オフィシャルファンクラブ gratia-Horipro
http://fc.horipro.jp/hamadamegumi/
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■『メリー・ポピンズ』は、べたべたしすぎない、離れすぎない距離感がドンピシャ
自分が育った環境は影響しているのかもしれません。親戚が集まるときと、ひとりのときの時間の差がありすぎて、距離を持ちつつ集団と関わるということに、慣れているのかも。『メリー・ポピンズ』の時は、多分それが功を奏して、舞台上では自分自身の心の距離感でずっといられたんです。べたべたしすぎない、離れすぎない、この距離感でつかず離れずが、メリー的にはドンピシャだったんですよね。多分、今まで姉役を演じる時もその感覚で、血の繋がりとかではなく、関係性に重きをおいていたのかも。「こういう弟と暮らしてきたから、姉はこうなんだ」という。
――ひとりの人間である、弟の「個」としての人格を考えて、共に過ごしてきた自分というものがあるんですね?
そうです。だから、姉弟の中で共依存みたいなべったりとした感覚ではなく、「私より後に生まれた存在の、個のあなたですよね」と思っています。この人によって受けた影響とか、奪われたもの、もらえたもの、愛情の駆け引きというところに重きを感じていました。舞台ではそういうところが表現されますからね。
■『アリージャンス』で弟役の(海宝)直人は、小学校4年生から知っています
――『アリージャンス』のケイはいかがですか?
弟役のサミーを演じる直人は、彼が小学校4年生の頃の劇団四季時代から知っています。役者仲間の中で一番長くご一緒しているのは、福井晶一君の20年が1位だと思ったら、直人とは25年にもなる付き合いだったんです(笑)。彼と共演するとなると、小さい時のことも知っているし、直人本人も言っていますが、嘘はつけない。全部を見ていますからね。親御さんは信頼して子供を劇団四季に預けていたわけじゃないですか。預けられた我々は、責任を持って彼らの面倒を見て、舞台に出して、出終わって、お母さまのもとへ返すまでが仕事ですから、緊張感もありました。子どもたちも出番のぎりぎりまで「わ~っ」と遊んでいても、きちんとわきまえているところも見てきている。そういう生活を、1〜2年やってきた仲なのでやりやすいですね。
■ケイの中では「この子は、お母さんを知らないんだ」という思いが強くて
――この物語では、お母さんが亡くなっていて、ケイは弟の母親代わりですね。
ちょっと『フランケンシュタイン』に似てますよね。
――近しい姉弟ではなくて、母子に近い部分もあるような姉の役という意味で似ていますね。そういう姉の気持ちをどんな風に演じようと思っていますか。
ケイはサミーのおむつ替えもしてますしね。結局近すぎても、相手のいやなところが見えて嫌いになる場合もありますし、遠すぎたら、分からなくて疎遠になってしまうこともありますが、ケイのほうが先にいろんなこと知っているじゃないですか。お母さんの存在を知っているのは大きいと思います。「この子は、お母さんを知らないんだ」という思いがケイの中に強くて、自分は姉だけれど母性として「お母さんというものを感じさせてあげたい」とも思っているのかもしれません。
■弟にある意味依存していて、それがぷつんと切られた瞬間に「あれ?」と
とは言え、ケイもそんなに年上なわけではなく、サミーとは7〜8歳の年の差ですから、自分だって他の女の子のように遊びたいと思ったこともあるだろうけれど、自分よりも相手のためを優先してしまうんです。だから、今までの姉役たちと一緒ですよね。自分よりも弟のために生きる。きつい言い方ですが、犠牲にしてきたものが、少女時代には多かったと思うんです。その結果、ある意味依存じゃないかと。弟に対して依存していて、それがぷつんと切られた瞬間に、「あれ? 私は自分のために自分のことを何もしていない……」と、そういう葛藤に苛まれていくんだろうなと思います。
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