ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」が、1月15日にTBS赤坂ACTシアターで開幕します。昨年12月の稽古場で、ロミオ役でダブル主演する古川雄大さんの合同インタビューに参加しました。毎週末に「黒執事」を全国各地で演じながら、「ロミオ&ジュリエット」の稽古に励むというハードスケジュール。まだネイルが「黒執事」仕様の古川さんに、4年ぶりに演じるロミオ役についてなど伺いました。(上)(下)に分けて掲載します。有料部分には、アイデアニュース単独のお話もありますので、独自写真とともにぜひご覧ください。
■毎週末に「黒執事」をやりながら、週の前半に「ロミオ&ジュリエット」の稽古
――毎週末に「黒執事」をやりながら、週の前半に「ロミオ&ジュリエット」の稽古をするという今の生活は、上手く切り替え出来ていますか?
意外と上手く切り替え出来ています。ただ、稽古が先にどんどん進んでいきますし、参加出来なかった部分を埋める時間が少なく、そこが少し大変ですね。
――出来ているものとして稽古がどんどん進んでいく?
そうなんです。今は2幕を稽古していますが、1幕の稽古に戻ったときに、自分のなかできちんと整理出来ている状態でいたいと思っています。そこをどう補うかは大変ですが、稽古映像を見たり、決められたルールのなかで自分の埋め方をしっかりと整理するのは家でも出来る作業だと思いますから。自分が整理ついていない状態で通しをやってしまうと怖いですね。
――稽古と本番を行ったり来たりするのは初めての経験ですか?
ここまで行ったり来たりするのは初めてですね。
――切り替えも出来る柔軟性があるということですね。
柔軟性はないと思っていたんですが……。今、悪魔をやってますからね(笑)。
■「黒執事」で感情を抑えている反動で、ロミオで色んな感情が出る
――「黒執事」のセバスチャン・ミカエリス役ですね。
悪魔ですから、目の前のことに対して人間の感情では受け取ってはいけないので、それが多分すごくつらいんだと思います。実は公演中に、本当に危ないときがありました。三浦(涼介)くんが演じるジョーカーが、最後に歌うソロを舞台袖で聴いてしまったときに、「やばい……」となった瞬間があって、それ以来見ないようにしているんです。週末に悪魔を演じることで人間の感情を抑えている反動もあって、翌週前半でロミオを、人間を演じられているときに、色んな感情が出るんじゃないかと思います。
――なるほど。バランスが取れているんですね。「黒執事」だけだったら、むしろやばかったかもしれない?
本当にそうですね。難しかっただろうと今回改めて思いました。
■4年ぶりのロミオ、前回は裏声だった部分を地声で挑戦してみたり
――4年ぶりのロミオを演じるにあたって、進化ポイントやこだわりを教えてください。
全部進化しなければいけないと思っていますが、歌の面で挑戦しているところがあります。前回、こう歌えたら素敵だなと思いながら出来なかったこと全てにトライしています。お芝居の面では、前回と違ったロミオに仕上がってきている感覚があるので、前回見て頂いた方にはそこを楽しみにして頂けたらと思っています。
――歌へのトライとは具体的にどういうものでしょうか?
ロミオはキーが高いですが、前回はどうしても裏声じゃないと出なかった部分を地声で挑戦してみたり、表現の面では優しく歌うところを多くして表現の幅を追求しているつもりです。具体的には4曲ぐらいあるんですが、ひとつ上げるとしたら「天使の歌が聞こえる」です。繰り返しが多く、その表現で曲を膨らませていかなければいけないのですが、一番最初のサビをすごく優しく歌うようにしたり、色々と模索しています。
■ヒップホップ。好きなんですが、格好良く踊るのがすごく難しくて
――今回のダンスではチャレンジしていることはありますか?
ヒップホップですね。好きなんですが、型が体に入っていないんです。僕はジャズダンスがベースになっているので、ヒップホップを格好良く踊るのがすごく難しくて。ダボダボの衣装を着ていたらまだいいんでしょうが、体のラインが見えてしまうと、ヒップホップをやって育ってきた人には見えないと思うので。今回、モンタギューはヒップホップ、キャピュレットはジャズがベースの振付になっています。
――平間(壮一)さんはヒップホップ育ちだから逆にジャズを踊ることを心配されていました。
いや、ジャズも上手いですよ。
――ジャズなんてチャラくてやってられないと思ってきたから、今更習いに行けないとおっしゃっていて。
いや、ヒップホップの方がチャラいでしょう(笑)。
■壮ちゃんがやっているのがすごく格好良くて「それ、ちょうだい」って
――(笑)。モンタギューチームはみんなで話しながらヒップホップをやっているんですか?
どうやったらいいのか、(平間)壮ちゃんに聞くことが多いかもしれません。ナンバー中に自由なところがあるんですが、壮ちゃんがやっているのがすごく格好良くて。「それ、ちょうだい」って言いました。そこはロミオが踊るところではないんですが、踊りながら歌ってもいいかなとまだ揺れていて。もし踊ったとしたら壮ちゃんと同じ振りを踊りたいなと思っています。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、古川ロミオが前回から今回に向けてどう変わろうとしているのかや、古川さん自身が好きになった方がどんな方だったのかなどの質問に答えてくださった内容を掲載しています。また、「ロミオ&ジュリエット」の稽古の中での古川さんらの姿をとらえたフォトギャラリーを掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■前回は、周りの環境で崩れ、翻弄されていく様を意識
■今回は、ジュリエットを愛する幸せ、喜びに想像を膨らませて…
■「時代を問わず理由を問わず争いがあって、それを救えるのは愛だ」と
■特に見てほしいのはバルコニー。前回までとちょっとテイストが違います
■(ご自身が好きになった方はどんな方でしたか?) えっと…
■「ロミオ&ジュリエット」稽古場フォトギャラリー
<ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」>
【東京公演】2017年1月15日(日)~2月14日(火) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】2017年2月22日(水)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ⇒http://romeo-juliette.com/
ロミオ&ジュリエット公式ツイッター @musical_RJ
<関連サイト>
古川雄大 公式サイト http://www.furukawa-yuta.com/
古川雄大 オフィシャルブログ http://ameblo.jp/yuta-furukawa/
ロミオ&ジュリエット
- 「歌と芝居の融合とはこういうことなんだと教えて頂きました」 矢崎広インタビュー(下) 2017年1月17日
- ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』開幕、「世界の王」「バルコニー」「エメ」を報道陣に公開 2017年1月16日
- 「これだ!というものが降りてくるまで」 ベンヴォーリオ役、矢崎広インタビュー(上) 2017年1月16日
- 「30歳へ、色んなことに挑戦していきたいなと」 古川雄大インタビュー(下) 2017年1月13日
- 「ジュリエットに出会って情熱的になっていく、熱いロミオを」 古川雄大インタビュー(上) 2017年1月12日
- 朝ドラ出演、「憎たらしいけどかわいいように…」 大野拓朗インタビュー(下) 2017年1月6日
- 「ロミオ&ジュリエット」大野拓朗インタビュー(上) 「恋と仕事は似ている」 2017年1月5日
- 『Play a Life』出演、そして『ロミオ&ジュリエット』ティボルト役へ 廣瀬友祐インタビュー 2016年11月29日
- 「初演より、リアリティのある作品に」と小池修一郎さん、「ロミオ&ジュリエット」製作発表 2016年9月30日
⇒すべて見る
- 「大きい作品を背負う座長の経験を生かしたい」、古川雄大インタビュー(下) 2017年8月1日
- 「30歳を迎えて意識的にスイッチを入れた」、古川雄大インタビュー(上) 2017年7月31日
- 「30歳へ、色んなことに挑戦していきたいなと」 古川雄大インタビュー(下) 2017年1月13日
- 「ジュリエットに出会って情熱的になっていく、熱いロミオを」 古川雄大インタビュー(上) 2017年1月12日
※古川さんインタビューの「下」は、1月13日(金)に掲載します。共演者の印象や、今年、古川さんが30歳になることについての思いなどについて、うかがったお話を掲載します。
※古川雄大さんのサイン色紙と写真を、抽選でアイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまにプレゼントします。有料会員がログインすると記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、1月27日(金)です。(プレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを記入することもできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■前回は、周りの環境で崩れ、翻弄されていく様を意識
――今年は「レディ・ベス」の再演もありますし、再演の演目が続きますが、再演に取り組む上での思いはありますか?
よく考えたら再演ばかりですよね。いざ新しく取り組もうという意識でいても、つい前回をなぞろうとしてしまうかもしれません。なぞろうとするのを上手く排除することが再演に取り組むうえでの心得ですね。
――その心得の結果、新たなロミオが生まれていくんですね。前回拝見していて、古川さんのロミオがガラス細工のように繊細で、見ていてつらくなるほどでしたが、今回はどのようなロミオを作ろうとしていますか?
ロミオはすごく真っすぐでピュアですが、自分から行動を起こすことをせず、誰かに頼って助けられていきます。すごく愛される人が、周りの環境で崩れ、その周りの環境に翻弄されていく様をすごく意識したので、色々と考えた結果、前回は繊細なロミオになったんじゃないかと思います。今回は、繊細というよりもどちらかというと情熱的なロミオを作っているつもりです。もちろん仲間も愛しているけれど、ジュリエットに出会って今までの自分にない感情をどんどん与えてもらう。その結果、ロミオという人物がより情熱的になっていくような、恋に生きるピュアな熱いロミオをやれたらと思っています。
■今回は、ジュリエットを愛する幸せ、喜びに想像を膨らませて…
――なぜ情熱的にしようと思ったんですか?
ロミオは、実体験ではどうしても無理な感情ばかりだと思うんです。初めてジュリエットを愛する感情になったときを想像すると、すごく幸せで、すごく喜びに溢れるんだろうと。でも結局それが上手い方向には転がらなくても、あの気持ちだけはずっと保って生きていけるぐらいの強い思いがある。そういう想像を膨らませていった結果、情熱的に演じてみたいと思いました。前回と変わったところも色々とありますし、改めて台本を読んでそう思いました。小池(修一郎)先生もすごく挑戦してくださっているので、僕も新たなロミオを作っていけたらという思いになっています。あえて違うロミオを作りたいという意識もあるのかもしれません。
■「時代を問わず理由を問わず争いがあって、それを救えるのは愛だ」と
――小池先生からここを刷新していきたいというようなお話はされましたか?
特に僕と話した内容というのはないですね。顔合わせのときに、「時代を問わず理由を問わず争いがあって、それを救えるのは愛だ」という変わらない根本的なテーマをより深く掘り下げていきたいとおっしゃっていました。あとは、振付師が3人入っていて、いろんなジャンルのダンスがあり、そのダンスの違いでモンタギュー家とキャピュレット家の違いを表したりしますが、争いというものがより生々しく見えるのではないかと思っています。現代にも通ずるテーマがあり、それをより生々しく表現することで、時代を問わず、ロミオ&ジュリエットという作品がお客様の心に入ってくるんじゃないかと思います。
■特に見てほしいのはバルコニー。前回までとちょっとテイストが違います
――特にここは見てほしいというところは?
バルコニーの場面です。前回までとちょっとテイストが違います。セリフは少し増えたぐらいであまり変わらないのですが、演出が変わっています。ジュリエットに結婚しようというときに、前にリアクションをひとつ入れて欲しいと言われたんです。ジュリエットから今までにない感情をもらえて思わず言ってしまったひと言で、そこから燃え上がっていくというか。結婚しようなんて言ったことがないのに、その言葉が思わず出てしまうというように組み立てています。
■(ご自身が好きになった方はどんな方でしたか?) えっと…
――ロミオの感情を想像して作っているとのお話でしたが、ご自身の実体験で生かせる感情はありましたか?
割と周りが見えなくなるところでしょうか? 友達よりも優先してしまったり。
――ちなみにどんな方でしたか?
日に日に性格が変わっています。昔は明るかったですが、今はすごく暗いです。
――……!? それはご自身がですか?
!?
――好きになった方はどんな方だったかしらと(笑)。
(爆笑)。
――(笑)。
(焦って照れながら……)全然違うこと話してた(笑)。えっと、すごく明るい子だったと思います。
■「ロミオ&ジュリエット」稽古場フォトギャラリー
※古川雄大さんのサイン色紙と写真を、抽選でアイデアニュース有料会員(月額300円)3名さまにプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは、1月27日(金)です。(プレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを記入することもできますので、どうかよろしくお願いいたします。
古川くんの魅力満載の記事
ありがとうございます?
他にない突っ込んだ内容のインタビューで有料会員になった甲斐がありました。
他の記事も面白そうなので読んでみますね。
これからも他にないようなインタビュー、楽しみにしています。
古川さんの良さを引き出した素敵な記事でした。ありがとうございます。
文章のなかに、あーいつもこんな感じだな!とおもう部分がいくつか
御本人がリラックスというかいい意味で、雄大くんのいいところが 垣間見得るインタビューになっててよかったな、と。
写真も素敵でした!
私がファンになったきっかけが、前作のロミジュリ
インタビューにあったバルコニーシーンなので、初日楽しみです!
古川雄大さんのインタビューからロミオ役への再挑戦に冷静かつ情熱的な思いや、垣間見えるチャーミングな部分が記事から伝わり、とても良かったです。記事の合間にある古川さんの素敵な写真に最後まで目が離せない記事でした。ますます舞台が楽しみでなりません。続編を期待しています!
記事を書かれている方が写真も撮られていると今知りました!
記事の内容も、既出のインタビューと少し違った切り口のところがあって興味深く、好きになった方の話のとこ勘違いしてるのも面白かったです(笑)
写真もアングルとかいいのが多くて良かったです!ロミオの写真集として出して欲しいなと思いました(^^)
次のインタビュー(下)の方も楽しみにしています!!
最後のやりとりで思わず笑ってしまいました。
こういう部分は文章で見る機会はあまりないので新鮮でした。
ロミジュリ楽しみです!!
古川雄大さんの記事、とても良かったです。
他のインタビューではあまり話していないようなことや、ちょっと天然な彼の可愛いところが程よく出ていて、読んでほっこりしました。また、写真もとても素敵で、嬉しかったです。素敵な記事にしてくださって、ありがとうございました!
読みながら、ゆーたらしいな、と思わずクスッと笑みこぼれました。何より、お写真が素敵なショットばかりだし(全部欲しいです!販売して頂きたいくらい/笑)、聞いてみたいこと聞いて下さって嬉しいです♪ 益々、ロミジュリ観に行くのが楽しみになりましたヽ(´▽`)/ (下)も楽しみにしています!!
古川さんの天然なところも見ることができて、とても面白かったです。
ロミジュリにかける思いもとても伝わりました。
初日がとても楽しみです。
とても素敵なお話が聞けて、初日がますます待ち遠しくなりました。
新生ロミオ&ジュリエット 期待しています。