「舞台人でいたい、演じる方でありたいんだと思います」、安蘭けいインタビュー(下)

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさんインタビュー後半です。舞台『リトル・ヴォイス』キャストの皆さんの印象を伺いました。有料部分では、宝塚を退団して8年経った安蘭さんが、さまざまな舞台作品に立ち続ける、その原動力について話していただきました。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

――カンパニーの大人組のみなさんのお話もぜひお伺いしたいのですが。大人たちの世界はいかがですか?

どしっとしてますよね。みなさん何があっても対話してくれそうな感じが、私もすごく心強いです。(池谷)のぶえちゃんは、お友達の関係を何の無理もなく作れます。『アントニーとクレオパトラ』のときも同じような主従関係でしたが、今回も同じ感じで「いつもそうだね」と笑っていました(笑)。空気感が居心地がよくて、本当に信頼している女優さんなので、どんなことをしても受け止めてくれそうで、安心しながら演じられますね。高橋(和也)さんは常に格好いい。稽古場に来たときから帰るときまで!

――1日中?

そう! 登場する時から(笑)。

――イメージを裏切らないですね!

特に登場と退場が格好良くて、「来たー!」みたいな(笑)。マリーが高橋さんが演じるレイ・セイに「大好き」と言うのですが、自然に出来ますね。鳥山(昌克)さんは色んな場数を踏んでいらっしゃるでしょうし、安定感と安心感があって本当に信頼できます。

――最後に若者たちチームの山本(涼介)さんはいかがですか?

(大原)櫻子ちゃんもそうですが、山本くんも年齢が離れていますし、向こうも遠慮して話をするのも難しいかなと思っていましたが、全然そんなことがないんです。ふたりとも変に壁をつくったりしないので、大人たちはすごくやりやすいですね。本当に「いい子たちだな」「素直に育ったんだな」と微笑ましいです。ふたりが話しているのを見ると、「若者は何を話しているのかな」ってすごく気になっちゃう(笑)。ふたりの姿がとても微笑ましくて、可愛いカップルだなと思います。

――宝塚を退団されて8年経って、常に舞台に立ち続けていらっしゃいますが、カンパニーの中でも大人組が多くなっていますよね。8年の間に、スムーズにいろんなことが変化しているように拝見しています。

意識的に作品や役を選んではいないのですが、きっとそういう役が上手い具合にくるんでしょうね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、この1年振り返っても、『TAKE FIVE2』、コンサート、『スカーレット・ピンパーネル』、『白蟻の巣』、『リトル・ヴォイス』と、バラエティに富んだ活動をされている安蘭さんに、様々なジャンルの作品に取り組まれたり役どころが変化していくことについての思いを伺ったインタビューの全文をテキストで掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■自分色に染めないで、染まりに行こうと。自分のやり方を消しながらやっています

■もっともっとやりたい役が出て来るんじゃないかと思って、色んなことを

■「ミュージカルは狭い世界、また会えるよ」と言われ…。確かに会えるんです

■私の新しい一面も見て欲しい……お客様は「あの時のあれだね」って思うかも(笑)

<舞台『Little Voice(リトル・ヴォイス)』>
【東京公演】2017年5月15日(月)~5月28日(日) 天王洲 銀河劇場
【ライブ・ビューイング】5月27日(土) 全国各地の映画館
【富山公演】2017年6月3日(土)・6月4日(日) 富山県民会館 大ホール
【北九州公演】2017年6月24日(土) 北九州ソレイユホール
公式ページ http://hpot.jp/stage/lv
ツイッター https://twitter.com/littlevoice_jp
ライブ・ビューイング http://liveviewing.jp/contents/littlevoice/

<関連サイト>
安蘭けいホリプロオフィシャルサイト http://www.horipro.co.jp/arankei/
安蘭けい公式ファンクラブ「Aran」 http://www.kei-aran.com/

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安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■自分色に染めないで、染まりに行こうと。自分のやり方を消しながらやっています

――様々なジャンルの作品に取り組まれたり、役どころが変化していくことを、どういう風に感じてらっしゃいますか。

そうですね……。自分ではスムーズにいく現場と、ギアを入れてものすごく切り替えてやる現場もあるので、「郷にいれば郷に従え」じゃないですが、自分色に染めないで、染まりに行こうと、常に思っていますね。役もそうですが、共演者の方々も、皆さんそれぞれにこれまでやって来ている年数が長いじゃないですか。そのなかで、自分のペースをどう作っていくかなんですよね。特に私はミュージカルの現場が多かったので、ミュージカルの舞台の作り方が一番しっくり来るんです。でも、ストレートプレイなどの現場では違う作り方をするので、自分のやり方をいつも消しながらやっていますね。

――どんどん新しいやり方が増えていきますね。

新しい現場に行くと、自分で新たに塗っている感じがするんです。そうすることで層が増えていくと、また違う現場に行ったときに、「あの時のあれかな」と引き出して持って来たり出来ます。自分だけのやり方や作り方、居方を決めて取り掛かりたくない。でも、それがいいかどうかは分からないですね。もしかしたらフラフラしているように見えるかもしれませんし。

――この1年振り返っても、『TAKE FIVE2』、コンサート、『スカーレット・ピンパーネル』、『白蟻の巣』、『リトル・ヴォイス』と、バラエティに富んでいますよね。拝見する方としては、毎回新鮮さがあり、色々見せて頂けてとても楽しいです。

あえて選んでいる所も、もちろんあります。ミュージカルをやったら、次は芝居がやりたいとか。上手くお話が来ればいいなと思っていますね。

――新しい現場に行くことでまた、さらに気持ちが変わったり、もしくは「これは面白いな」と新たにやってみたいという意欲に繋がる感じですか?

常にリフレッシュしたいと思っていて、そういう意味では現場が色々と変わる方がいいですね。やはり宝塚で20年位、常に変わらない所にいましたので、それは良くも悪くもあると思うんです。常に変わらない場所から、毎回違う場所に行くようになって、初めは抵抗がありましたが、今は慣れてきました。実は飽き性なので、常に新しい場所に行くのは性に合っているんですよ。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■もっともっとやりたい役が出て来るんじゃないかと思い、色んなことを

――飽き性なんですか?

そうなんです。それなのに宝塚に飽きずにいたのはちょっと不思議ですよね。常に違うことをやりたいと思っているので、今すごく刺激的でいいですね。

――何か突き詰めたいものはありますか?

舞台人でいたいという思いはあるので、それが突き詰めたいものなのかもしれません。

――舞台人であることは、宝塚からずっとブレていませんね。

そうですね。教えたり、作り手に変わっていく人もいますが、私は多分演じる方でありたいんだと思います。もっともっとやりたい役が出て来るんじゃないかと思い、色んなことに挑戦しています。自分でやりたいことを決めて狭めるのではなく、頂けるお仕事に常に挑戦して、出来ることを広げて行きたいと思っています。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■「ミュージカルは狭い世界、また会えるよ」と言われ…。確かに会えるんです

――宝塚を退団して初めて出演された『アイーダ』のときは、公演が終わるごとにカンパニーが解散してしまうのが寂しいとおっしゃっていましたね。

そうでした! あの時にミュージカルを何度もやっている方々に、「慣れるよ! ミュージカルは狭い世界だから、また会えるよ!」と言われました。確かに会えるんですよね! ミュージカルをやっている以上は、また再会出来ることがすごく嬉しいです。ミュージカルとは畑の違うものをやっていると、違う出会いもあり、それも楽しくて。そしてまた戻ってくると、やはりホームだなと思い、ミュージカルの楽しさを改めて感じます。離れてみて気づく所はたくさんありますね。

――外からみて「いいな」と思うこともありますよね。

外からみて「いいな」と思うことの方が多かったりするんです。「ミュージカルってやっぱりいいな」とか、「芝居もやっぱりいいな」とか。今、自分が置かれていない場所が、離れて見るとすごく良く見える。私はきっと、その最たる者だと思います。だから、ふらっと刺激を求めていろんな世界に行ってみるんだと思います。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■私の新しい一面も見て欲しい……お客様は「あの時のあれだね」って思うかも(笑)

――最後に公演を楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

私が演じるマリー・ホフは本当にどうしようもない、ひどい母親ですが、そんな中でもリトル・ヴォイス、娘を思う親の気持ちをお客様に想像して頂けるような母親を演じられるように役作りをして演じたいと思っています。その娘、リトル・ヴォイスを演じる大原櫻子ちゃんの佇まいも本当に可愛いですし、歌がとても上手です。本当に、たくさんの曲を歌いこなしているなと感心しています。英語の歌も本当に上手に歌うし、この役にぴったりだと思います。歌うのはほぼ彼女だけですが、彼女が色んな曲を歌うライブハウスのステージの場面は、きっと圧巻だと思いますので、ぜひ楽しみにしてください。

――安蘭さんの新しい役も楽しみです。

私の新しい一面も見て欲しいですね。でも、私が新しい一面だと思っているだけで、お客様は「あの時のあれだね」って思うかもしれませんね(笑)。

――楽しみに、拝見させていただきます。ありがとうございました。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

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“「舞台人でいたい、演じる方でありたいんだと思います」、安蘭けいインタビュー(下)” への 1 件のフィードバック

  1. もとさん より:

    安蘭けいさんの記事を読みました。
    舞台を愛し進化し続けたいとのお気持ちがストレートに伝わってきました。
    リトルヴォイスでは、素晴らしい歌をお聴き出来ないのはとても残念ですが、
    新しい役に挑戦しているお姿を観られるのは本当に楽しみです。

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