ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』が、2021年9月9日(木)から9月29日(水)まで日生劇場で、10月8日(金)から10月10日(日)までフェニーチェ堺 大ホールで上演されます。チェコ共和国で創作されたミュージカルを原作に、韓国独自のアレンジを施したミステリーミュージカルの日本初演です。アイデアニュースでは、アンダーソン役とジャック役を日替わりで演じる加藤和樹さんと、演出の白井晃さんの対談を、上下に分けてお届けします(アンダーソン役ダブルキャスト:松下優也さん、ジャック役ダブルキャスト:堂珍嘉邦さん)。インタビュー「上」では、これまで何度もご一緒して信頼関係を築いたおふたりならではをお話を伺いました。二役を演じる加藤さんに対して白井さんが思うことや、加藤さんの打たれ強さなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。9月2日(木)午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、加藤さんから見た白井さんの演出ならではの見どころや、白井さんが感じる作品の特徴、白井さんが加藤さんに変わらないでほしいと思っていることなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
ーー発売中の加藤さんのアーティストデビュー15周年メモリアルフォトブックに、白井さんとの出会いについてのページがありましたね。
白井:稽古場から帰りたいと思っていたなんて知らなかったです。
加藤:白井さんには、絶対言わないですよ。それは僕の問題なので。
白井:演出やめようかと思いました(笑)。
加藤:勘弁してください(笑)。
ーー白井さんも加藤さんへ「何か前世であったんじゃないか」と思うくらいに不思議な縁がある、とメッセージを寄せていましたね。
白井:何かあったんでしょうね。僕が僧侶で、弟子入りした小僧坊主が、大きくなっても気がつけば側にいるみたいな。
ーーそんなご縁の深いおふたりですが、加藤さんはアンダーソンとジャッックの二役をスイッチするということですが、白井さんはどう思っていますか?
白井:まったくキャラクターが違う役柄を演じなければいけないので大変だけど、加藤君ならばうまくやってくれるんだろうなと信じています。
加藤:白井さんからそんな言葉を聴けるなんて! 嬉しいです。期待に応えたいと思います。
白井:いまやミュージカル界のスターなので、こんな言い方は失礼かもしれませんが、僕からすれば打たれ強い人だなという思いはあります。身体も胸板が厚くて「(胸元に)いま、何かちょっと入れてる?」と思うんですが、とにかく打たれ強い方なので。俳優はやはり自己表現をしたいわけですし、自意識が過剰で、自分を強くアピールしたいものなんですが、彼の場合は自己主張の強さを内に秘めているタイプなので、その辺りが信じられるところなのかなと思います。誰しもそういう部分はあるんですが、そこをわかった上でやっているところが、みんなからの信頼を得ているところなのではないかと思います。すごく真面目に言っていますが、真摯だなと、本当にそう思っているんですよ。特に、最初に一緒にやった作品(2013年の『オセロ』)は、役者の中でも一番若かったんですよね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、2013年の『オセロ』の時の話から、加藤さんの「打たれ強さ」の意味についてのお話の続きなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。9月2日(木)午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、加藤さんから見た白井さんの演出ならではの見どころや、白井さんが感じる作品の特徴、白井さんが加藤さんに変わらないでほしいと思っていることなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■加藤:最初に白井さんとお仕事をさせていただいたときは、無力さに打ちひしがれ
■白井:役者は自分の体だけが勝負。苦しい負荷で、違う自分を発見できる
■白井:加藤君は叩く意味をわかっている。こっちの方向で叩かなければと求める
■加藤:自分でも硬いという自覚はあります。マネージャーからも言われるので
<ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』>
【東京公演】2021年9月9日(木)~9月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2021年10月8日(金)~10月10日(日) フェニーチェ堺 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2021/
<関連リンク>
ミュージカル「ジャック・ザ・リッパー」twitter
https://twitter.com/musicaljack
ASSIST|加藤和樹Official Web Site
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹Twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007
RECON OFFICE
http://www.recon-office.co.jp/index1.html
『ジャック・ザ・リッパー』 関連記事:
- 「これはコメディ。メインビジュアルは忘れて」『冬のライオン』、加藤和樹(上) 2022年2月23日
- 「アーティスト活動も役者も。相乗効果で両方がよくなるのが強み」、松下優也(下) 2022年1月16日
- 「『黒執事』に出ていた自分は、もう別人」、『ヴェラキッカ』、松下優也(上) 2022年1月15日
加藤和樹 関連記事:
- 城田優が演出と出演、加藤和樹・真彩希帆・sara出演、ミュージカル『ファントム』東京・大阪で2023年夏上演 2022年10月7日
- 「冒険的な挑戦」、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』小西遼生・伊礼彼方(上) 2022年9月25日
- スターが日替わりで登場するバラエティショー『THE PARTY in PARCO劇場』、2022年11月開催 2022年9月13日
白井晃 関連記事:
- 「これはコメディ。メインビジュアルは忘れて」『冬のライオン』、加藤和樹(上) 2022年2月23日
- 「入り込む力がすごい」「想いをなでてくれる」、平間壮一・小関裕太(下) 2021年12月16日
- 「本気で」、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』平原綾香・May’n(上) 2021年12月2日
※加藤和樹さんのサイン入り写真を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは10月1日(金)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■加藤:最初に白井さんとお仕事をさせていただいたときは、無力さに打ちひしがれ
白井:ベテランの役者さんがいる中で、しごかれてボロボロになってたんですが、いまや自分よりも若い俳優たちと一緒にやる現場が多くなっている中で、加藤君は、ドンといて引き受けている感じがあるので、安心するんだろうなと思いますね。だからといって、座長ヅラするタイプでもないですし、その辺が彼のとてもいいところで、真摯な性格もいいところだと思います。でも、俳優として控えめにしている部分が、災いに転じる部分もあると思うから、厳しくいうと、そこを芝居の中で、キャラクターの中で、内面を爆発させるのも大切なので、その辺の心と常に戦ってほしいと思います。
加藤:本当に、最初に白井さんとお仕事をさせていただいたときは、自分の無力さに打ちひしがれる毎日でした。そこからも何度か仕事をご一緒させていただきましたが、本当に自分を成長させてくれるんです。自分のダメなところを強く指摘してくれる方がなかなかいないので、本当に信頼していますし、「打たれ強い」とおっしゃってくださいましたが、そうなったのは白井さんのおかげだと思います。相当、強いことを言われてもへこたれないようになったのは、本当に白井さんのおかげです。ちゃんと導いてくれますし、毎回課題を課して、自分がこの現場で何をすべきかを明確に提示してくれるので、今回は二役で倍大変なこともありますが、白井さんのもとで大変なことをできるのは、非常に嬉しいですね。僕はMなのかな(笑)。
(一同笑)
白井:二役やるという話を聞きまして、大胆なことに挑戦するなと思いましたが、それを引き受けたんだと思いました。引き受けたなら、大変なのは仕方ないよねって。
■白井:役者は自分の体だけが勝負。苦しい負荷で、違う自分を発見できる
白井:役者という表現体は、自分の体だけが勝負です。自分の体で役柄を演じたり、音楽を鳴らしていかなくてはいけないので、負荷をかけられればかけられるほど、やはり苦しいんですが、違う自分が発見できたりするし、また違う領域にいけたりする。僕も俳優として、この年になって若い人たちと一緒にやらせてもらったりすると、「何くそ」と思える自分がいたり、「こんな表現ができたらいいな」と、まだ欲望が出てきたりしますから。加藤君には、いつも50Kg、60Kgの負荷をかけていく方が伸びるんじゃないかなと思っています。それを自分でもマゾヒスティックに求めている感じがあるので、「バーベルをもっとください」「まだ大丈夫です」と言っている感じがしますね。悲鳴を上げているところは見たことがないですが、打ちひしがれているのは見たことがあります。
ーー今回は打ちひしがれていないですか?
加藤:まだこれからです。
白井:2週間くらいやってきましたが、最初の形づくりをやっているので、ここから俳優さんたちが役柄に近づいていって、打たれる時期になってくると思います。僕はいつも先にスケッチをざっくり描いちゃうので、そこから色を塗っていく形になると思います。
■白井:加藤君は叩く意味をわかっている。こっちの方向で叩かなければと求める
白井:先ほど加藤君のことを打たれ強いと言いましたが、打たれ強い=硬いんですよ(笑)。なかなか柔軟にふにゃふにゃと形を変えられない。鉄のように熱くして、何回も叩いて、叩いても曲がらないから、もう1回熱くして叩いて、いい形になってくる。そのかわり、熱しにくく冷めにくい男です。熱は入っていますが、とにかく材料が硬いから、こっちの手が痛くなるくらい。何度叩いても、叩ききれない部分があるくらい。そういうときは、殺陣師の渥美(博)さんとふたりがかりで叩いたりして「おっと!曲がった!」と。そのときに、いい味を出してくるんです。そういうことをできる関係だと思います。僕がなぜ叩いているか、その意味合いをわかって受けてくれている感じがします。もう少しこっちの方向で叩かなければダメなんじゃないかと、求めていることを示唆しているんだと、わかりながら受けてくれているので、信頼はあるんじゃないかなと思っています。
■加藤:自分でも硬いという自覚はあります。マネージャーからも言われるので
白井:もう少し俳優の中から何かを引き出したいというときに、いろいろとこねることを拒絶してガードしてしまうと、俳優の成長は止まってしまう気がするし、可能性を失ってしまう気がするんです。加藤君はその辺のことをわかってくれている。わかっているから、彼の方から僕を指名してくれることもありますし、僕の方から彼を指名することもある関係になっているんじゃないかと思います。昔よりずいぶんやわらかくなったとはいえ、本質的な硬さは何も変わっていません。
加藤:僕は自分でも硬いという自覚はあります。白井さん以外にマネージャーからも言われるので。僕にとっては白井さんと渥美さんには、『オセロ』でしごかれたので、いまの現場はお父さんがふたりいるような状況なんですね。そういう状況で、また新しいことにチャレンジできるのは、本当に光栄なことです。
※加藤和樹さんのサイン入り写真を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは10月1日(金)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
ジャック・ザ・リッパー開幕してからまた改めて読ませていただいています。
白井さんを師と仰ぐ加藤さんの眼差しが見て取れるようです。
おふたりの関係性、距離感に歴史みたいなものを感じます。
定期か不定期か、今後もずっとおふたりのタッグで素敵な作品を世に送り出してくださいますように。
素敵な対談記事をありがとうございます。
JTR観劇前に読ませていただきました。
とても厚みのある記事ありがとうございます!
加藤さんと白井さんの関係性がとても伝わってきて、最高のコンビネーションだと観じました。
どのようなステージに出来上がってるのか楽しみでしかたないです。
長年の間に培われてきた信頼感が伝わってきた素晴らしい記事でした!
和樹さんの謙虚なところが役所としては災いになることもあるなど鋭い指摘が流石でしたし、こういうところを伝えてくださるから和樹さんも自ら叩かれにいくのだろうなと思いました。(←M)
普段聞くことの出来ない深い深い対談を実現してくださってありがとうございます!
初めて投稿させて頂きます
共演者同士の対談はよく見かけます
演出家と共演者の対談は珍しく
2013年からの付き合いありきの今だからこその信頼関係を上手く引き出して下さり
読み応えのある記事でした
常に探求心を忘れない加藤君の真摯な姿に、応援をしています。JTRも硬いものがどのように変化していったのか、初日がとても楽しみになりました。コロナ禍での上演ですが、無事に開演できますように。後半の記事も楽しみにしています。
いつも独自の切り口から深掘りされたインタビューを楽しく読ませていただいています。
楽しみで仕方がないジャックザリッパー。ますます開幕が楽しみになるお話でした。
加藤和樹さんの作品を沢山観劇しましたが、白井さんの演出作品に出演された後の作品で大きな成長を感じることが多々ありました。
きっと和樹さんの伸ばし方を白井さんがよく理解してらっしゃり、そして和樹さんもそのことを理解し信頼してらっしゃるからこそなんだろうなと感じました。
興味深い対談をありがとうございました。
白井さんとのご関係が色濃く見える記事、読み応えがありました。これからも応援したい、観続けたいと心の底から思う俳優さんです。
いつも和樹の記事をありがとうございます。
長年のファンとしては、白井さんの舞台を経て和樹の役者スキルがどんどん上がっていくのが目に見えてわかるので、いつも楽しみにしています。この対談からも、信頼感が読み取れて、ワクワクします。大変な時期ですが、上演を楽しみにしています。頑張ってください!
久し振りに白井さんと加藤さんの対談を拝読して、繋がりの深さと厚みを感じました。
いつも加藤さんの記事を掲載していただき、ありがとうございます。
おふたりの絆、信頼関係は昨日今日で作られたものではないんだな…と対談を読ませていただいて改めて強く感じました。これから初日を迎える舞台、無事に幕が上がり、作り上げ演じられる皆さんの想いをしっかり受け取りに行きたい!と心から願っています。
いつも素敵な記事をありがとうございます。
後編も楽しみにしております。
ミュージカル開幕を直前にこのような対談を見られるのはとても嬉しく、期待値が非常に高まります。
鉄は叩いて熱くなり、和樹さんも叩かれて磨かれる。
演出家と互いの信頼があってこそ、の深い関係性を伺うことができて嬉しかったです。
素敵な記事をありがとうございます!
素敵な対談です。演出する者、受けとる者、互いの熱意や想い、考え方などをこんなふうに聞けるなんて。白井さんと加藤さんの間に存在する確かな信頼関係だからこそのお話は貴重で、何度も読み返しています。
後編も今からとても楽しみです。
白井さんが和樹さんのことをどう見てどう感じて日々向き合っているのかがたくさん感じられる記事でとても興味深かったです。
素敵な対談をでした!
明日の後編も楽しみにしてます。
また、新しい和樹さんが観られることを楽しみにしています!
お二人がこれまで作ってきた信頼関係と絆がそこかしこに感じられる貴重な対談。楽しくしっかり読ませていただきました。いつも素敵な記事をありがとうございます。無事に幕が上がることを祈りつつ、明日の後編も楽しみにしています!
Kを読んで和樹さんの白井さんに対する思いは知っていましたが、白井さんの和樹さんに対する思いを知ることができて、とっても嬉しいです。
素敵なインタビューをありがとうございます!
厳しくも愛のある白井さんと、和樹さんの真摯で飽くなき探究心、向上心がピタリとハマるんだなと今回のインタビューを拝読し改めて感じました。
役者と演出家という関係を超えて、信頼関係を築けているのも素敵でそれを垣間見ることができて嬉しいです。
後編も楽しみにしています。
いつも素敵な記事&インタビューをありがとうございます。次はいつ掲載されるか毎回楽しみにしております。これからも、和樹さんへのインタビューや記事をよろしくお願いします。次回の後半も楽しみに…なかなか難しい日常ではありますが、無事に幕が開き、観劇出来ることを祈っております。