「コントクラブか混沌クラブか…」『The Song of Stars』東山光明・藤岡正明(上)

『The Song of Stars』2021年7月5日公演、東山光明さん(左)と藤岡正明さん(右)

2022年2月11日(金)・12日(土)にコットンクラブで開催される、旬なミュージカル俳優によるライヴ・シリーズ『The Song of Stars』〜Live Entertainment from Musical〜に再び登場する、東山光明さんと藤岡正明さんにインタビューしました。「上」では、前回の『The Song of Stars』のこと、ライブで感じたお客さまの思い、当日のハプニングについて、今回のライブのコンセプト、二人で伝えたいことなどについて伺った内容を紹介します。「下」では、今回のライブでの演奏が予定されているスティーヴィー・ワンダーの「Lately」をインタビュー中に藤岡さんが即興で演奏された様子、お二人が知り合ったきっかけのこと、お互いのお兄さまも交えてのエピソード、お客さまへの思いなどについて伺ったインタビュー後半の内容を紹介します。

またインタビュー「上」の冒頭では、昨年7月に上演された、「東山光明×藤岡正明『The Song of Stars』」ダイジェスト映像を紹介します。

2021年7月『The Song of Stars』東山光明×藤岡正明 ダイジェスト映像

(※このインタビューはリモートで実施しました)

――2021年7月に、1回目が上演された『The Song of Stars』は、どのような経緯で実現したのでしょう?

東山:度重なる自粛制限などでエンタテインメントが消えかかっていた時に「音楽でできることを進めていきたい」という思いが強くなり、マネージャーから同じ思いをしている「COTTON CLUBでライブができるかも」という話がありました。そこで藤岡正明くんに声を掛けさせていただいたのがきっかけでした。ミュージカルではあまり一緒になったことはありませんが、プライベートもよく知っている仲のマサくんが一番初めに頭に浮かんで「彼と何かできたらいいな」と。

藤岡:いやもうなんか、急にナンパされた感じで。

東山:なんやソレ(笑)。

藤岡:みっちゃんとは、わりとフランクに付き合わせてもらっているのもあって「最近どう?」みたいな話はよくするんです。みっちゃんの方が歳は二つ上なんですけれど、年齢関係なく付き合ってくださる「すごくいいお兄ちゃん」という感じで。超フランクに「ちょっと、こんなんやりたいねんけど、マサくんどう?」みたいな感じで言われて、「そうなんですね。どこでやるんですか?」って聞いたら、「COTTON CLUB」って(笑)。おい!場所が全然フランクじゃねぇぞって(笑)。

東山:そこはフランクじゃなかったね(笑)。

藤岡:「COTTON CLUB」は、日本のみならず海外アーティストの実績ある方々が出演されていて、本当に格式のあるジャズ箱という印象がありました。まだ立たせていただいたことがなく、すごく由緒あるライブハウスの一つが「COTTON CLUB」だったので、びっくりしました。

東山:僕自身もそうですけれど、本当にアーティストだったら誰もが立ちたいと思う憧れの場所だったので、これはもうマサくんと一緒にやりたいという思いでした。

――「COTTON CLUB」という場所は、やはり特別なのですね。

藤岡:僕らは、ミュージカル俳優をやる前にミュージシャンとしてキャリアをスタートしているというところがあります。また、「Honey L Days」はロックの印象があるでしょうし、僕自身もバックボーンはブルースが強いので、完全にロックという音楽性でもないんです。でも根強く、ブラックミュージックの毛色というものを、僕もみっちゃんも持っているところがあるので、そういう人間からすると「COTTON CLUB」はシャキッとする会場ですし、シャキッとしなきゃいけない会場だなと。

――前回の『The Song of Stars』の思い出などをお聞かせください。

東山:「COTTON CLUB」という場所で、どのような2人の化学反応をお届けしたらいいか? という、形が何もないところからでしたので、生みの苦しみが醍醐味といいますか、楽しみながらでした。2人のバックボーンも含めて、お客さまに何かが伝わるような選曲をしたいと考えていましたから、やりたいことや曲がありすぎて、チョイスしていくのが大変でしたね。

藤岡:そうだね。コロナ禍の中、久しぶりの有観客ライブということで、僕らも意気込んでいました。もちろん自分たちも楽しみたいのですが、お客さまを目の前にして、存分に感じ合えるものがあったらいいなという思いがあって、コンセプトの段階で結構難航しました。「2人で声を合わせたときに、「思いのほか化学反応は起きないけど、お客さまはこのような曲を求めているよね」というようなものを全て排除していきたかったんです。

東山:あと僕が憧れて「こういうのをいつかやりたい」って、マックスウェルのライブのYouTubeを…。

藤岡:そうだよアレ(笑)。

東山:「そこだけのイメージは、めっちゃあんねん!」と、こういうオープニングをしたいと、マサくんに相談したんです。その場でマサくんが、ギターでそれっぽいカッコイイ雰囲気のイントロダクションを「こんな感じかな?」って弾いたのを、そのままオープニングとして皆さまにお届けしました。

藤岡:基本、みっちゃんは「こんなんどう? やりたいねんけど!」って言うんです。あとは投げっぱなし。「俺がやるんかい、ソレ!」みたいな(笑)。

東山:そうそう(笑)。そこはちょっと申し訳なかったんですけど。でも2人でやるときにしかできないようなことが、このオープニングに盛り込まれたんじゃないかなと思っているので、第2弾もそういう感じでやってくれるんですかね? マサさん!(笑)

藤岡:前回はマックスウェル的な、ちょっとR&BとOLDのヒップホップを混ぜたようなイントロダクションからのスタートでしたから「今回どうしようか」と話しているんです。ジャズで攻めるのか、いきなりロックで攻めるのか、セッション系でいくのか。

東山:うん。

藤岡:でもやっぱり、僕らのミュージシャンとしての匂いを、皆さまに感じていただきながら進んでいけたらいいのかな。

東山:「何がこれから始まるんだろう」というワクワク感を、今回もオープニングで出せたらと。

藤岡:昼夜で曲が変わったりという感じではないので、同じ寸劇みたいに見えるかもしれないですけど、すごく緻密に作る「音楽的寸劇」が、そこにあったりするのかも。半分アドリブ、でも結構緻密に作る感じ…、でも半分アドリブで。

東山:そうですね。

藤岡:曲と曲を同じように混ぜていくんだけれど、それが一つのバージョンだけじゃないっていう。言葉だとわかりにくいんですけど、きっと存分に笑っていただけるような…。

東山:ちょっとした企画のようなものを、今回のライブではやりたいなと。

藤岡:僕らはミュージシャンも舞台俳優もやってきているので、そこも楽しんでいただける気がします。言葉だけだと、「どういうこと?」となると思うので、是非現物を観ていただいて、「あー、こういうことね」って。

東山:音楽を使ったコントみたいなことができたらいいな、みたいなね。前回、やりたい曲をいっぱいセットリストとして出したはずなんですけど、実際準備した曲が足りなくて…。時間が余って、アンコールのMCがすごく長くなり、途中から「ものまねコーナー」みたいになっちゃったんです。

藤岡:やるつもりはなかったのですが、振られてやらざるを得なくなり。

東山:ものまねを振られてやったことは、あんまりなくて。マサくんは、吉幾三さんでしたっけ?

藤岡:僕は、吉幾三さんやらせたら右に出る者がいませんから。そろそろお墨付きいただいてもいいんじゃないかって(笑)。

東山:なんやったら、それが一番ウケたんじゃないかと。

藤岡:みっちゃんの長渕剛さんもね。

東山:もう本当に大好きな長渕さんを…。まさかああいう展開になるとは思っていなくて。格式ある「COTTON CLUB」で、ああいうことをしましたが、とても楽しかったですね。マスク越しでしたけど、お客さまの笑顔をすごく感じられたので、よかったかなと思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、今回のライブのコンセプトや、二人で伝えたいことなどインタビュー前半の全文を掲載しています。2月2日掲載予定のインタビュー「下」では、今回のライブでの演奏が予定されているスティーヴィー・ワンダーの「Lately」をインタビュー中に藤岡さんが即興で演奏された様子、お二人が知り合ったきっかけのこと、お互いのお兄さまも交えてのエピソード、お客さまへの思いなどについて伺った内容などインタビューの後半の全文を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■東山:「COTTON CLUB」でコントをやるミュージシャンは、今までいなかったと…

■藤岡:「そろそろ対面でライブ行きたい」という声に「COTTON CLUB」で応えられた

■東山:「THE夜もヒッパレ」のイメージで、同じコードでいろんな曲を楽しむコーナーも

■藤岡:二人の声の一番いいところのエッセンスを上手に切り取れたら、音楽として正解

<東山光明×藤岡正明『The Song of Stars』~Live Entertainment from Musical~produced by Envision Nextage>
【東京公演】2022年2月11日(金)~2月12日(土) COTTON CLUB
(東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F tel:03-3215-1555)
公演情報サイト(事務局限定アリーナテーブル席予約受付)
http://envision-nextage.jp/production/574/
公演情報サイト
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/mitsuaki-higashiyama-masaaki-fujioka/
COTTON CLUB公式サイト
http://www.cottonclubjapan.co.jp

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『The Song of Stars』2021年7月5日公演、東山光明さん
『The Song of Stars』2021年7月5日公演、東山光明さん

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■東山:「COTTON CLUB」でコントをやるミュージシャンは、今までいなかったと…

ーー「時間が余ってしまって」というハプニングの中での、とっさのものまねコーナーだったのですね。

東山:スタッフから聞いたのですが、「COTTON CLUB」さんにも褒めていただけたようです。コントをやるミュージシャンが今まで来なかったと(笑)。それが、この第2弾にも繋がったようです。「ちょっとやりすぎました?」って言ったら「全然です! うちはウェルカムです」とおっしゃってくださって。

藤岡:1ヶ所だけ、僕がリハでやってみたらやりたくなっちゃって、お笑い入れちゃおうって言ってた部分はありましたけど、基本的に笑いを入れるつもりはなかったんです。でも、今だからこそ、笑いが求められているのかなあと思いましたし、僕ら自身もたぶん、笑いを欲していたんです。

東山:確かに。本当にその場の雰囲気でそういうふうになったというのは、やっぱりお客さまと一緒に作り上げていった結果ということだと思います。

藤岡:ド頭はメチャクチャ格好いいスタートで始まってるのに、英語の歌詞までちゃんとつけて。

東山: 僕がバーッと書いたやつをメロディーにしてくれたんだよね。カッコ良かった!そこから始まってね、最後はコントで終わるっていう、「コントクラブ」。

藤岡:「コントクラブ!?」 やめて、キワドイわ!(笑)。もしかしたら、「混沌クラブ」かもしれない…。

東山:「混沌」は駄目でしょうね(笑)。

■藤岡:「そろそろ対面でライブ行きたい」という声に「COTTON CLUB」で応えられた

――お客さまも、楽しい時間を過ごされたのでしょうね。

東山:マサくんも言ってましたけれど、有観客で、ファンの方の目の前でライブをお届けするのが、本当に久々だったんです。直接、生でお客さまとキャッチボールができて、すごく喜んでくださっているなと感じました。

藤岡:僕もみっちゃんも、コロナ禍に入って、配信でのライブはやっていたのですが、「もうそろそろ対面でライブ行きたいな」という話をしていたんです。そこに応えられた久しぶりのライブが「COTTON CLUB」という会場で。やはり、他のライブハウスと違って、雰囲気や趣があって、特別な空間なんです。そこも含めて、楽しんでいただけたんじゃないかと思います。会場の質が素晴らしかったと言ってくださる方もいました。例えば椅子一つとってもそうですし、照明や、そこにある質感や空気感、音響を含めて、とても一流の空間なのだなと。自粛生活が長い中で、特別な時間を共有させてもらえたのだという喜びは強かったですね。

■東山:「THE夜もヒッパレ」のイメージで、同じコードでいろんな曲を楽しむコーナーも

――今回の『The Song of Stars』は、期間も2日間で前回の倍ですね。どのようなコンセプトになりそうですか?

東山:1回目に作った流れを大事にしていきたいですね。カバー曲もたくさん入れるつもりです。でもなんといっても、やはりこの二人でしかできないようなコーラスワークを大事にお届けできたらと思っています。お互いリードを取るときの声質も歌い方も全然違うので、二人でハモると、また違う音色を皆さんにお届けできるのかなと。

――前回に引き続き、楽しく発散できそうなシーンもありますか?

東山:自然にそうなったらいいですよね。せっかくなので音楽で遊びたいです。先日打ち合わせをしたときにも、そういうことを話し合っていたので、しっかり詰めていきたいです。「THE夜もヒッパレ」のイメージで、同じコードでいろんな曲が変わっていくみたいな雰囲気のコーナーを考えています。

藤岡:例えば「イントロドン」みたいな感じで。「あーあー」って歌った瞬間に「何の歌を思いつきますか?」と。人によっては、「あーあー、川の流れのように~」(美空ひばり「川の流れのように」)「あーあー、果てしない~」(クリスタルキング「大都会」)。なんなら「あーあーあああああ~あ」(さだまさし「北の国から」)でもあるわけです。こういうことがその場で生まれて、どんどん変化しながらも、オチをつけたら面白いよねという。そういうことをやろうかと思っています。

■藤岡:二人の声の一番いいところのエッセンスを上手に切り取れたら、音楽として正解

――客席を巻き込んだ形を、予定されていますか?

藤岡:お客さまもその場で、次はこういうメロディーが来ることを想像できる曲なので、想像が覆されていくのをぜひ楽しんで、最後は存分にドッカンと笑っていただけたらいいなと。全部みっちゃんが持っていきます、きっと。

東山:なんで!?(笑)。やめて、そのハードルの上げ方、こわいから。

藤岡:2回目も、より濃密で濃厚なものにしていきたいと思いますし、さっきも出た二人にしかできないハーモニー。マニアックなハーモニーの積み重ねというよりは二人の声の一番いいところのエッセンスを上手に切り取ったコーラスワークや、楽曲選曲、オリジナルの作曲、アレンジなどができたら、それは音楽として正解だと思うんです。ですから、僕らの一番のお客さまである、ファンの方々がご存知のMITSUAKIの魅力、藤岡の魅力、「そうそう、こういう声が聞きたいんだよね」というところをしっかりと2人の中で作り上げていければ、必ず化学反応が起こると思っています。より濃密にパワーアップした新生「Honey L Days」という打ち出しです。

東山:「Honey L Days」じゃないけど、あとは本当にそうだね(笑)。

――1回目をご覧になったお客さまは、今回も、何が飛び出すのかなというワクワク感をお持ちだと思います。

藤岡:もうビックリ箱だと思いますよ、本当に。

東山:そうですね。

『The Song of Stars』2021年7月5日公演、東山光明さん(中央左)と藤岡正明さん(中央右)
『The Song of Stars』2021年7月5日公演、東山光明さん(中央左)と藤岡正明さん(中央右)

※今回開催される『The Song of Stars』コンサート当日に撮影された東山光明さんと藤岡正明さんのサイン入り写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは3月1日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「コントクラブか混沌クラブか…」『The Song of Stars』東山光明・藤岡正明(上)” への 1 件のフィードバック

  1. だいだい より:

    昨年夏の、楽しかったLIVEを思い出しました。初めてのコットンクラブで緊張していましたが、お2人の飾らない雰囲気や本気のモノマネ?に終始笑いっぱなしでした。
    2回目となる今回のLIVEも、お2人ならではの息の合ったハーモニーとコント?楽しみにしています。

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