マンディさんは、2017年、人気オーディション番組でファイナリストになるほどの高い評価を受けた歌手で、ソングライターです。彼女は18歳の時に聴力を失いました。自分を信じて音楽の世界に戻ってきた女性の物語です。
America’s got Talent は、2006年からアメリカで放送されているリアリティショーで、歌手やダンサー、マジシャンなどのパフォーマーが競い合うスター発掘オーディション番組です。Mandy Harvey :マンディ・ハーヴェイさんは2017年この番組に登場、オリジナルソングをウクレレを演奏しながら歌いました。審査員も観客も、彼女の才能に魅せられ、並々ならぬ努力に心を打たれたのです。歌う前の、審査員とマンディさんのやりとりを聴いて下さい。( )の中を書きとるつもりで聴きましょう。
- 審査員――Mandy, so I think I’ve worked this out, so you are ( 1 )?
- Mandy――Yes, I lost my ( 2 ) when I was 18 years old.
- 審査員――Wow. And how old are you now ?
- Mandy――( 3 ). So it’s 10 years.
- 審査員――Wow. Mandy, how did you lose your hearing if you don’t mind me asking ?
- Mandy――I have a connective tissue ( 4 ), so, basically I got sick and my nerves deteriorated.
- 審査員――So you were singing before you lost your hearing ?
- Mandy――Yeah, I’ve been singing since I was 4. So I left music after I lost my hearing and then I figured out how to get back into singing with muscle memory, using visual tuners and ( 5 ) my pitch.
答え
- deaf (形)耳が聞こえない cf. hearing-impaired
- hearing (名)聴力、聴覚
- twenty nine =29
- disorder (名)疾患、不調、障がい
- trusting 動詞trust の現在分詞形 信じながら、信頼しながら
<関連サイト>
●YouTubeチャンネル
●公式ホームページ
アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、マンディさんと審査員とのやり取りのスクリプトと私訳、マンディさんが番組で最初に歌ったオリジナルソングTry の歌詞を紹介しています。こちらも筆者の試訳つきです。ぜひご利用ください。
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■マンディさんと審査員とのやり取り スクリプトと私訳
■Try の歌詞と私訳
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■マンディさんと審査員とのやり取り スクリプトと私訳
*無料部分で紹介した部分の前後も含んでいます。
- 審査員――Hello. こんにちは。
- Mandy――Hi, how are you ? ハイ、こんにちは。
- 審査員――What’s your name ? お名前は?
- Mandy――Mandy Harvey. マンディ・ハーヴェイです。
- 審査員――And who’s this ? こちらはどなた?
- Mandy――My interpreter. 私の通訳です。
- 審査員――What’s your name ? お名前は?
- 通訳――Sarah. サラです。
- 審査員――Thank you, Sarah. Nice to meet you. サラさん、ありがとうございます。
- 通訳――Nice to meet you, sir. こちらこそ。
- 審査員――Okay, Mandy, so I think I’ve worked this out, so you are deaf ? マンディさん、あなたは耳が不自由なんですね。
- Mandy――Yes, I lost my hearing when I was 18 years old. はい、私は18歳の時に聴力を失いました。
- 審査員――Wow. And how old are you now ? そうでしたか。今おいくつですか?
- Mandy――Twenty nine. So it’s 10 years. 29歳です。もう10年になりますね。
- 審査員――Wow. Mandy, how did you lose your hearing if you don’t mind me asking ? マンディさん、きいても構わないなら、どうして耳が不自由になったのか教えてもらえますか?
- Mandy――I have a connective tissue disorder, so, basically I got sick and my nerves deteriorated. 結合組織疾患なんです。病気になって、(耳の)神経がやられてしまったわけです。
- 審査員――So you were singing before you lost your hearing ? 耳が聴こえなくなる前は歌ってたんですか?
- Mandy――Yeah, I’ve been singing since I was 4. So I left music after I lost my hearing and then I figured out how to get back into singing with muscle memory, using visual tuners and trusting my pitch. はい。4歳から歌っていました。聴覚を失ってからは音楽を辞めたんですが、それから、どうやって歌の世界に戻れるか考えました。筋肉の記憶と、目で見るチューナーを使い、自分の音程を信じて。
- 審査員――So your shoes are off because you’re feeling the vibration. Is that how you’re following the music ? 靴を脱いでいるのは、そうやって振動を感じているんですね。それがあなたの音楽についていくやり方なのですか?
- Mandy――Yeah, I’m feeling the tempo, the beat through the floor. はい、テンポやビートを床を通して感じているんです。
- 審査員――And Mandy, what are you gonna sing ? マンディさん、何を歌いますか?
- Mandy――I’m gonna sing a song that I wrote, called “Try” 自分で作った曲「トライ」を歌います。
- 審査員――Okay. Can you tell me what it’s about ? どういう歌なのですか?
- Mandy――After I lost my hearing, I gave up but I want to do more with my life than just give up, so……Thank you. 聴力を失って、私は諦めていました。でも、ただ諦めるよりも、私はもっとやってみたいと思って……ありがとうございます。
- 審査員――Good for you. Okay, well, look, this is your moment and good luck. いいですね。さあ、あなたの出番ですよ。幸運を。
- Mandy――Okay! わかりました!
マンディさんのテレビ番組初登場の場面です。通常の出場者なら、審査員3人以上が合格と判断した場合、次の段階に進むことが出来ます。でも、マンディさんはこの日、ひとりの審査員が1シーズンに1度だけ押せる「ゴールデンブザー」を獲得。無条件で準々決勝に進みました。ブザーを押したのは、辛口の批評で有名な名物審査員サイモン・コーウエルさん。ブザーを押す直前、「Mandy, I don’t think you’re gonna need a translator for this. マンディさん、これには通訳は要らないと思いますよ」と言っていますね。
絶対音感を持っていたマンディさんには、音楽教育の大学に進み、音楽の先生になりたいという夢がありました。ところが、大学1年生のときに難病エーラス・ダンロス症候群を発症、大学を辞め音楽を諦めそうになります。でも、諦めるより、もっと挑戦をしていきたいと猛練習を開始。ヴィジュアルチューナーを使い、筋肉の記憶で歌う訓練を、今も毎日、長い時間続けているそうです。
では、Try をお聴きください。
- I don’t feel the way I used to 以前と同じようには感じられないの
The sky is grey much more than it is blue 青い空は灰色になってしまった
But I know one day I’ll get through でも いつか乗り越えられるとわかってる
And I’ll take my place again もう一度自分の居場所をとりもどすわ - If I would try やってみさえしたら
If I will try 挑戦するなら
Oh, there is no one for me to blame 誰かのせいになんてしない
‘cause I know the only thing in my way 私の人生を邪魔しているのは
Is Me 私だもの - I don’t live the way I want to 望んだとおりに生きていないけど
That whole picture never came into view こんな風になるとは思っていなかったけど
But I’m tired of getting used to でも こんな風でいることに慣れていくのはもうイヤ
The Day
So I will try, So I will try だから やってみるの 挑戦するのよ - If I would try やってみさえしたら
If I will try, Oh そう、やってみるの