ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』が、2025年4月27日(日)から5月18日(日)まで東京・東急シアターオーブで、5月26日(月)から6月8日(日)まで大阪・オリックス劇場で上演されます。メインキャストがほぼ一新され、チャーリー、ローラ、ローレンがWキャストになりました。オーディションで選ばれた、これからの日本のミュージカルシーンを担う実力派が結集し、『キンキーブーツ』は新たなステップを踏み出します。
アイデアニュースでは、ローラ役をダブルキャストで演じる甲斐翔真さんと松下優也さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」「下」それぞれの無料部分では合同取材の内容を、有料部分ではアイデアニュース独自取材の内容を紹介します。
「上」の無料部分では、オーディションやローラ役に決まっての気持ちについてのお話、ローラの扮装をした時の気持ちについてのお話など、合同取材の前半を紹介します。有料部分では、チャーリー役を演じる東 啓介さんと有澤樟太郎さんについて、ダブルキャストとしてお互いに吸収しあいたいという思いなどについてお話ししてくださったアイデアニュース独自取材の前半の内容を紹介します。「下」の無料部分では、ローラについてのお話の続き、歌の表現についてお話ししてくださった内容など、合同取材の後半の内容を紹介します。有料部分では、お二人のキャリアの中でこの作品でローラを演じることがどのような機会になりそうかというお話やお客さまへのメッセージなど独自取材の後半の内容を紹介します。
(合同取材:前編)
――オーディションを受けられたきっかけと、ローラ役に決まられた時のお気持ちをお聞かせください。
松下:お話をいただいて嬉しかったですね。もちろんオーディションなので、やると決まっているわけじゃないんですが、見る人は見てくれていたんだなと感じました。ただ、そもそも『キンキーブーツ』に出演すると考えたこともなかったのでびっくりしました。『キンキーブーツ』という作品は知っていましたが、観たことはなかったんです。こんなにも人気がある作品であることは知っていましたから、相当な覚悟を持ってやらなければいけないと思っていましたので、そういう意味ではオーディションを受けるかどうか悩みました。
これだけ愛されている作品ですし、スタッフの皆さんも『キンキーブーツ』のファンの皆さんも思い入れがすごく強いことは何となく感じ取っていましたから。悩みましたが、周りにも「絶対に受けたほうがいい」と背中を押してもらえました。
――受かった時のお気持ちはいかがでしたか?
松下:海外に選択権がある作品は、返事がすごく遅いこともあると聞いていたのですが、結構早い段階で返事をいただけたので驚きました。
――甲斐さんはいかがですか?
甲斐:まず、オーディションがあるのですがと聞いて、受けるか受けないかというところで、優也さんと同じように、すごく悩みました。もちろん大きな作品で、ファンの方もたくさんいらっしゃって、誰もがやりたい役だと思うんですが、これまでの『キンキーブーツ』も観ている中で、誰もができる役じゃないというのを、知っていたので。
「僕の中にローラはあるのかな、ローラのポテンシャルはあるのかな」と、結構な日数考えた気がします。ローラとはどういうものなのかなどの議論を重ねました。日本の公演しか観たことがありませんが、世界を見てみれば、世界中にローラがいて、いろんなローラという存在があって、そのひとつになるということがどういうことなのかということなのかをすごく考えた結果、飛び込んでみようかと。
これが5年10年先だったらまた変わってくるかもしれませんが、今の僕に必要な挑戦というか、一個成し遂げなければいけないことというか。すごく苦しい稽古期間になると想像がつくのですが、そこにあえて飛び込んでいくことによって、人間としても俳優としても新たな扉というか、自分も気付けなかったような形式というものを味わえたらいいなと、今回受けさせていただきました。いざ受かりましたと言われちゃうと、ちょっと怖くなってきちゃったりして……。本当にやるの!?って(笑)。
(一同笑い)
甲斐:覚悟を決めたつもりだったけれど、いざお話をいただくと、なんとなく逃げたくなる気持ちもあり、背筋を正されるような思いにもなりました。公演は2025年の4月で、他にもやるべきことが先にあるんですが、今日のように一日をかけて『キンキーブーツ』のことを語っていると、どんどんそういうマインドになってくるので、ありがたい機会だなと思います。
――ビジュアル撮影でローラの扮装をして率直にどう感じましたか? また所作も普段とはちょっと違うと思いますので、その辺りどんなところに難しさを感じていらっしゃるかというところを教えていただけますか?
松下:これだけのいろいろなスタッフさんがローラのビジュアルを作ってくださるというのは、初めての経験です。実際に準備に2時間以上かかってるのかな?
甲斐:3時間ぐらい。別日にメイクテストもして、それですからね。
松下:1回別日にテストをしたんです。それで微調整して、撮影当日にもやって、それでも準備に3時間以上かかっているんです。すごいですよね。ディテールまで微調整しながら、それだけの人が関わって、めちゃくちゃこだわって作ってくださるだけあって、完成した姿は自分なんだけど自分じゃないようで、自然とスイッチが入る感覚は、その瞬間に分かりました。「これだな」と。
よく「見た目から入る」と言いますが、その究極がローラみたいな。本当に外身から中身ができていく感覚みたいなものも、今後自分がローラを作っていくに当たって、ちょっとした入口にはなったかもしれません。もちろん、まったく稽古に入っていないですから、完全に掴み切ったわけでもありませんが、そういうものを感じました。
所作に関しては、元々ダンスをやっている時から、どういうところに普段から意識していたかというと、やっぱり指先だったり、その細部まで見ていたんです。自分と、例えばインストラクターがいて、その違いは何だろうとか。そういう所作みたいなものは結構意識しました。撮影に向けて、いろんな映像を見て自分なりに研究しましたね。いわゆる世界的な歌姫、例えばビヨンセとか、翔真くんは『ル・ポールのドラァグ・レース』を見たと言っていましたが、俺もル・ポールにもちょっと触れてみて、撮影でのビジュアル面の所作について、肩の入れ具合とかを研究したり。
――結構ヒールも高いじゃないですか。履いてみて、踊れそうなものですか?
松下:いや、どうなんでしょう。映像で本編を見て思ったのは、多分ローラはいけます。ただ、ダンスに関してはエンジェルスがすごい。
甲斐:バック転とかありますしね。
松下:エンジェルスの子たちを敬いたいですね。すごいと思います。今までに共演している人も何人かいますから、ポテンシャルは知っているので、できるんだろうけど、とはいえすごいことだなと思います。ローラは歌いながら踊っていて、もちろん歌やお芝居だったりの面はあるんですが、すごくアクロバティックなことをやるわけじゃないですから。でも、やってみないと分からないですね。体の重心の取り方とかも、もちろん普段スニーカーで踊るものとは全然違うので、未知との遭遇です。
<取材協力>
甲斐翔真さん
ヘアメイク:木内 真奈美(オティエ)
スタイリスト:山本隆司(style³)
松下優也さん
ヘアメイク:ASUKA(a-pro.)
スタイリスト:村田友哉(SMB International.)
※アイデアニュース有料会員限定部分には、チャーリー役を演じる東 啓介さんと有澤樟太郎さんについて、ダブルキャストとしてお互いに吸収しあいたいという思いなどについてお話ししてくださったアイデアニュース独自取材の前半の全文と写真を掲載しています。5日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、ローラについてのお話の続き、歌の表現についてお話ししてくださった内容など、合同取材の後半の内容を紹介します。有料部分では、お二人のキャリアの中でこの作品でローラを演じることがどのような機会になりそうかというお話やお客さまへのメッセージなどアイデアニュース独自取材の後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■松下:樟太郎も東くんも、タイプは全然違いますが「ほっとけない存在」であるところが共通
■甲斐:とんちゃんは包容力があって、母性を感じる。有澤くんは自由であり、芯があるなと
■松下:翔真くんは、自分にはできない表現、持っていない表現、引き出しがある存在だと思う
■甲斐:ダンスや歌で活躍されてきた優也さん。生きてきた文化が違うからこそ、すごく吸収したい
<ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』>
【東京公演】2025年4月27日(日)〜5月18日(日) 東急シアターオーブ
【大阪公演】2025年5月26日(月)〜6月8日(日) オリックス劇場
公式サイト
http://www.kinkyboots.jp
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発表があってからずっと楽しみにしています!ローラとチャーリーの関係性もWキャストになってまた変わってきて、何度でも楽しめる作品になるのではないかなと期待しています。