「表現しすぎない」、ミュージカル『昭和元禄落語⼼中』古川雄大(上) | アイデアニュース

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「表現しすぎない」、ミュージカル『昭和元禄落語⼼中』古川雄大(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2025年3月10日

山崎育三郎さん、明日海りおさん、古川雄大さんが初共演する新作オリジナルミュージカル『昭和元禄落語⼼中』が、2025年2月28日(金)に開幕しました。 3月22日(土)まで東京・東急シアターオーブ、3月29日(土)から4月7日(月)まで大阪・フェスティバルホール、4月14日(月)から 4月23日(水)まで福岡・福岡市民ホール 大ホールで上演されます。

演出は『エリザベート』など数多の大作を手掛け、山崎さん・明日海さん・古川さんとも縁の深い小池修一郎(宝塚歌劇団)さんです。原作は、戦前から平成に至る落語界を舞台に、人々の多彩な生き様を描いた大ヒット漫画です。2016・17年にアニメ化、2018年にドラマ化され、いずれも大きな話題となりました。芸に打ち込む者たちの業、絡み合う愛憎や因縁といった、骨太な人間ドラマが展開します。

アイデアニュースでは、八雲を演じる古川雄大さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、稽古を通しての手応え、八雲の心情をどう表現するか、どういう人物だと思うかというお話や、和装が好きになってきたというお話などを紹介します。「下」では、山崎さん、明日海さんとの芝居の中で感じていること、ミュージカル『モーツァルト!』を経ての変化についてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

古川雄大さん=撮影・岩村美佳
古川雄大さん=撮影・岩村美佳

(※インタビューは稽古中に実施しました)

――一幕を通されたとのことですが、今感じている手応えをお聞かせください。

原作がとても面白く、パワーがありますのでミュージカルとしてもその良さを生かしつつ、コンパクトになっています。まず、助六、みよ吉、八雲の3人にうまくスポットが当たっていますね。また、重要な小夏や与太郎の物語も忘れずに描き、時代背景の説明もしつつ、物語全体の展開が面白く構成されています。演じる八雲はとてもやりがいのある役だと思っていますし、作品としても魅力的ですので、観てくださる方も楽しんでいただけると思います。

ミュージカルはやはり、ストーリーはもちろん、曲もとても大切ですが、今回のナンバーはどの曲も最高で、助けられる部分もたくさんあります。いっくん(山崎)がたくさん歌うのですが、やはり素晴らしく、ミュージカルとして成立させているなと感じます。和の世界で、動きのないものをダイナミックに作らなければならないというところに難しさがあると思います。劇場の規模も大きいですから。

――大きな劇場ならではの見応えも、必要ですよね。

そういう部分も、小池先生がすごく入念に作られています。「どう見せていくか」というところを重点的に作って、一幕を通しました。ここから芝居がもっと密になっていけばまた面白みがあるのではないかと思います。

八雲の心情については、かなり説明することを求められています。原作ではあまり表情に出なかったり、語られていない部分がすごく多く、それがよさでもあったとも思うのですが、ミュージカルではコンパクトになっているんですよね。

「八雲はこの時はこう思った」「この時には、与太郎にどういう思いを抱いていて」とか、そういうところをきちんと提示することを求められていると感じているので、どう表現しようかなと思っています。それを隠しているのが、八雲の魅力かなと思うところもあるので、説明しすぎていいものなのかどうか。そういうところを考えながら、これからどんどん作っていこうと思っています。

――今回、ミュージカルという形の中で歌を通して心情を表現する時に、もっと自分の思いを出したりするようなシーンがあるということでしょうか?

そうですね。感情が昂ぶる歌詞ではあるのですが、それを八雲としてどう表現するかということですね。そんなに出しすぎないというのも、逆にいいのかもしれないと思ったりはしています。

――今はそういうところを、どう表現するかと練っていらっしゃるところですか?

今はまだ大枠を作っているので、そこに精いっぱいですね。

――小池先生とは、これまでもたくさんご一緒されていますが、この落語の世界を大きな劇場サイズのミュージカル作品として見せるにあたり、さすがだなと思うところや、小池先生の作品らしさや、面白さなどについてはいかがでしょうか?

大劇場ならではのナンバーがたくさん入っていたり、盛り上げるところをポイントポイントで作ってくださっていて、そこで盛大に盛り上げて、動かないところは動かないなど、緩急があるなと思います。確かに「落語のシーンで動いても」というのはありますし、対比が面白く描かれているのかなと感じます。大劇場サイズの『昭和元禄落語心中』を丁寧に作ってくださっていると感じます。

――落語シーンは、舞台にひとり座ってという表現なんでしょうか?

基本的にはそうです。ただ、本番をやっている助六と、陰で練習している八雲が交互にひと言ずつ言っていくとか、演出で工夫して見せています。いろんなポイントで落語が出てくるのですが、例えば、舞台が二階で一階にお客さまがいるというシチュエーションを作ったり、冒頭では、別次元にいる助六と八雲が同じところで落語をやっていたり、「落語」というものに対して、いろいろな見せ方をしてくださっています。

――八雲を表現する上で、特に肝だなという部分はありますか?

プライドが高いところでしょうか。それゆえに彼の言動や態度は少しクールになっていたりする部分があると思いますので。例えば助六に対しては、すごく憧れて認めているけれど、やっぱりどこか嫉妬しているとか。みよ吉に対しては、惹かれているけれど抑えている自分がいて、それゆえにちょっと冷たい態度になってしまう。そういうところが彼を演じる上でのポイントなのかなと。

あとは、話し方がすごく難しいですね。雲田(はるこ)先生に伺ったのは、ちょっと江戸っぽく、シャキシャキとしゃべってほしいと。そういったところを工夫しながらやっていますね。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、和装が好きになってきたというお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、山崎さん、明日海さんとの芝居の中で感じていること、ミュージカル『モーツァルト!』を経ての変化についてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■和服を着ると「よし!」というスイッチが入るきっかけに。衣裳に助けられるところも

■稽古で着物をずっと着ていると、自然に動きも変わった。少しずつ染みついてきている

■着物を毎日着る習慣だった頃は、毎回気合が入って1日が始まっていたんだろうなと

■和装がすごく好きになってきました。スウェットに近い感覚があるというか

<ミュージカル『昭和元禄落語心中』>
【東京公演】2025年2月28日(金)〜 3月22日(土) 全28回公演  東急シアターオーブ
【大阪公演】2025年3月29日(土)〜4月7日(月) 全12 回公演  フェスティバルホール
【福岡公演】2025年4月14日(月)〜 4月23日(水) 全12 回公演  福岡市民ホール 大ホール(主催:博多座)
公式サイト
https://rakugoshinju-musical.jp

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古川雄大さん=撮影・岩村美佳
古川雄大さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. かりん より:

    昭和元禄落語心中の関連インタビューでは主演クラス御三方のものが多かったため、お一人ずつフォーカスして深掘りした記事にしてくださっているのがまず新鮮でした。
    お着物の所作は「大奥」からお綺麗と感じており、こうして古川さんから所作や着方についてお話いただき嬉しいです。
    お写真も毎回ながらとても素敵です!アイデアニュースさんのお写真は特に美しいと感じます。

  2. らんらん より:

    稽古中という段階での貴重なインタビューありがとうございます。着物のお話などとても興味津々でした!お写真もいつも素敵で嬉しいです。後編の記事も楽しみです。

  3. にゃる より:

    写真の表情が素敵です。
    八雲を演じる中で考えてらっしゃることなどがわかり、良かったです!
    古川さんと山崎さんと明日海さん、3人の表現される世界が本当にすごいなと思っています。
    大阪でも観劇予定なので、更に観劇が楽しみになりました。

  4. まゆみ より:

    私自身は10年前から着物を嗜んでいて、7年前にFCイベントで古川雄大さんが浴衣を着た時は等身大パネルが作られて。写真を保存して思わずなんちゃってアクスタを作りました。あれから7年。本当に雄大くんの着物姿に喜んでいます。アクスタもちゃんと出来て、これからは着物を着てアクスタ雄大くんとお出かけしたいと思います。着物を着た時の気持ちをこんなに沢山語って貰えて幸せです。インタビュー頂きありがとうございました!

  5. ゆかなママ より:

    いつも素敵なインタビューとお写真ありがとうございます。信頼関係が築かれているからの内容ですよね。大河ドラマの撮影もして舞台の稽古もして大忙しの古川さん。色気だだ漏れでたくさんの人を沼に沈めていますね。

  6. より:

    古川さんのインタビューありがとうございます。いつも岩村さんの写真はとても素敵で嬉しく拝見しました。

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