「革命」をテーマに幕末維新をグランドミュージカルで描く、祭シリーズvol.14 シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命『もえ・る剣』が2024年12月27日(金)から2025年1月2日(木)まで東京・シアターH、2025年1月18日(土)と1月19日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼで上演されます。松平容保を演じるspiさんと、斎藤一を演じる内藤大希さんのインタビュー後編です。「下」では、それぞれの役のこと、オリジナル作品ならではの台本の魅力、音楽の魅力、見どころなどについてお話ししてくださった内容とお客さまへのメッセージを紹介します。
――一部のお芝居では幼馴染で、主と家臣的な関係もありつつの役ですが、その役をおふたりでやるというのはいかがですか? 最初は共演できるというだけで、どういう役になるか分からない状態だったかと思いますが、台本を読まれていかがでしたか?
spi:どうだった?
内藤:大きい人柄や器の大きい人を、spiがやるのがすごくいいなと思います。水さんに「俺の宝だ」と言ったり、そういう台詞が聞けるのがやっぱり嬉しいというか、早く聞きたいですね。どうやって現場でspiが組み立てて、その言葉を発するのかというのは、とても楽しみだなと台本を読みながら思いました。
spi:楽しみですね。今、作っているところですけれど。全体的にこの作品は史実ですが、史実オタクからしたら、かなり捻じ曲がっているし、「(松平)容保はそんな人じゃねーよ」と言われるだろうなと思いながらも、関係ないでしょという気持ちで演じるのですが。そこのちょっとしたファンタジーに対しての不安もありつつ、新選組というよりは「容保と斎藤一の物語」というところにフォーカスした話です。
制作:新選組というと近藤、土方、沖田メインの話が多いんですけど、容保と斎藤一にフューチャーするのは多分レアだと思います。
spi:そうですよね。そのレア感が、すごくいいなと思いました。何かを参考にしようにしても、一はいそうだけど容保はいないんですよ。仲良しのケンケン(尾上右近さん)が、映画『燃えよ剣』で容保をされているんですが、ケンケンしか参考にする人がいなくて。それで、世間のイメージって何となくこうだよなと思ったのですが、そうじゃない方向で壊せるというのはすごく楽しみだなと思っています。
――水さんのお話がありましたが、岡さんが出演されるとか、原田さんが出演されて演出される、ミュージカルとしても絶対面白いだろうという布陣ですが、共演者や曲など、推しどころはありますか?
spi:曲はどう? 歌稽古したんでしょ?
内藤:物語上の、最初は記憶がなくてというところの楽曲を歌稽古したんですが、ギターのカッティングというか、作曲のオレノグラフィティさんもおっしゃっていましたが、「ワン・ソング・グローリー」みたいなセンテンスを持ってきたりしていて、僕も『ワン・ソング・グローリー』っぽい」と思いながら歌っていたんです。
自分との折り合いがつかないというか、自分への葛藤みたいなものを、ギターの音にエレキっぽいものにかかっていたり、使われている楽器とかも含めて心情になって、後半にいくにつれて、容保と仲よくなって、記憶が戻ってとなると、ちょっとアコースティックになったりするんですが、オレノさんの楽曲がすごく助けてくれるというか、脚本と心情に寄り添ってくれているので、今日歌った感触だと、もう歌えるなという感じでした。
――ミュージカルとしての曲の成り立ちがうまくいっているということですね。
内藤:spiはこれから歌稽古だよね。
spi:曲を聴くのはこれからですが、日本オリジナル作品というところに価値を感じています。というのは、いくら海外の作品を上演しても、利益が海外に行ってしまうことに悔しい気持ちがあって。僕が2.5次元をすごく大事にしているのはそこにも理由があって、ビジネスマンとしてもそういう考えです。やればやるだけ日本が貧しくなっていくじゃないかと。でも、この作品は日本にしかない話ですし、オレノさんという日本の方が作っている曲で、台本も日本の方が作っていて、メイド・イン・ジャパン。作品としても業界としても、俺が一番力を入れたい分野だから、本当にやらせてもらえて嬉しいなと思っています。
――日本のオリジナルミュージカル作品も増えてきましたね。
spi:それだったらいいんですけど、海外に持っていかれてるぞと。
内藤:いい作曲家は日本にいるだろうと。
――11月にも、オリジナルミュージカルがいくつか誕生しました。先日観劇して、日本語の言葉にちゃんと音を当てて作ったものを、日本人がちゃんと歌った時に、何とも言えない感覚で、これはここにしかないなと思いました。
spi:そうなんですよ。素敵ですよね。
内藤:歌詞も何とかハメたというところがなくて、素直に歌えますよね。
spi:本当にそうだよね。
――今回は殺陣も見どころじゃないですか?
内藤:そうですね。人数が少ないカンパニーなので、(相手の)人がいて殺陣をするのか、いなくてするのか、殺陣の渥美(博)さんと原田さんの演出次第にはなりますが、楽しみですね。頑張らないと。
spi:刀は慣れてるの?
内藤:この間の刀ステで、殺陣のシーンは40秒くらいだったんだけど、ずっと刀を振っていて。もう不安すぎて。しかも太刀だから難しかったのよ。
spi:(刃の長さが)ちょっと長いんだ。
内藤:そう。それで、刀がブレているとめっちゃ言われて。長くて柔らかいから、またブレやすくて。
spi:そうなるね。
内藤:それを毎日ずっと、こんなに練習したことはないくらいに練習しました。本番前は必ず、舞台が解放されたら殺陣を確認して、自分のやりたいことを練習してというのを、生まれて初めてくらいにずっと刀を持っている期間を過ごしたので、それが少しでも身になっていればなと思います。
――その経験が活かされる場ですね。spiさんが演じる容保を守らなければならないですものね。
spi:お願いします。頑張ろうね。
内藤:でも絶対に強いでしょ。この見た目で守られるのは「え?」ってなる。痩せられる? 俺と一緒にいる時だけ、ちょっと小さくなれる?
spi:怯える。手首返すわ。
(一同笑い)
――内藤さんがspiさんを守るというのは、新しい見どころですね。今年の二幕も楽しみですが、参加されるグループはそれぞれ3つですね?
制作:ユニットとしては3つですが、ミュージカルにもおふたりは出られるので、そうなると多分4つくらいにはなります。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、見どころについてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■内藤:ミュージカルをリスペクトしつつ、オマージュしている作品があったりする
■spi:楽曲のクオリティがすごく高い。曲順がよく、シンセがすごく更新されている
■内藤:二部のspiも楽しみ。年越しと年明け、みなさんと幸せな気分に浸りたい
■spi:二部はお祭り。グッズを全部ゲットしていただいてみんなでブチ上がりたい
<シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命『もえ・る剣』>
【東京公演】2024年12月27日(金)~2025年1月2日(木) シアターH
【大阪公演】2025年1月18日(土)~1月19日(日) サンケイホールブリーゼ
公式サイト
https://ru-ken.com
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「上」に続いて本当に素敵なインタビューでした!お二人の自然体な語り口で、今回の作品や祭シリーズそしてメイドインジャパンに対する熱い思いを引き出していただけて感無量です。この記事のおかげで1部も2部も解像度高く楽しめそうです!本当にありがとうございました!