「自分の心を、登場人物に置いてみる」、『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』亀田佳明・sara(下) | アイデアニュース

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「自分の心を、登場人物に置いてみる」、『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』亀田佳明・sara(下)

筆者: 達花和月 更新日: 2025年2月16日

2025年2月15日(土)に開幕し、3月2日(日)まで、東京・シアタートラムで同じ演出家・出演者により同時上演(ダブルビル)される、『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』に出演する、亀田佳明さんとsaraさんのインタビュー後編です。
「下」の無料部分では、「上」の続きとして、台本についてお話ししてくださった内容など、合同取材の後半の内容を紹介します。有料部分では、作者のサイモン・スティーヴンスが、この作品で語りたかったことについて伺った内容やお客さまへのメッセージなど、独自取材後半の内容を紹介します。

(写真左から)亀田佳明さん、saraさん=撮影・NORI
(写真左から)亀田佳明さん、saraさん=撮影・NORI

※このインタビューは、稽古期間中に行われました。
(合同取材:後編)


――saraさんは台本について、実際に読んだ時と、稽古に入ってから捉え方が変わったり、新しい発見はありましたか?

sara:自分1人で読んでいたときと、読み合わせで皆さんの声でやるときも全然違いますし、亀田さんもおっしゃっていた「これはどういう意味なんだ?」と思っていたところが、声に出してみると全然違ったりするんです。

必ずしも「その意味」だけではないというか。そのときの状況によって、言葉に出してみたら全然違う方に自分の気持ちが動いていったりするんですよね。「戯曲読解」というより、「言葉で遊んでみる」みたいな感じです。でもそこから逆にすごく掴めていく、意味がわかっていく、みたいな作業が、個人的にはすごく面白くて。

言葉の多さも、一見ちょっとよくわからないんですが、それを体現している俳優に「確信」があれば、不思議とお客さまの心の一部分に繋がるというか。「この気持ちは知っている」とか、「この感覚はわかる」とか、多分そういうことがすごく散りばめられているんです。

それは2人のシーンにも、1人のシーンにもありますね。多分モノローグの方が、よりその個人の感情ですし、かつ「自分は嬉しい、自分は悲しい」とストレートに話すよりも、情景描写だったり「あれがすごく頭に残ってる」とか、「あれがすごく忘れられない」というところからお客さまが入っていく、という仕組みになっているんです。

2人のシーンもそうですが、「さりげない会話に見えて、どこに引っかかっている」んです。そういうところが、サイモンさんの構成によって見えてくるので、謎解きのように「どうしてこうなったんだろう?」と、お客さま自身がグーッと入り込んでいけるような形になっていますね。観客として見たら、すごく面白いだろうと思います。登場人物がみんな、なんか素直じゃないので(笑)。

亀田:そうだねぇ(笑)。

sara:お客さまも最初は「うっ!」ってなるかもしれないです。でもすごく「巧みな本」だなと、やればやるほど思います。「面白い」というか、「遊ばされる」というか、観ていて「えっ!?」と驚くみたいな感じですね。

――これまでのご経験を踏まえると、相対的に今回の台本の難易度は「高い山」ですか?

亀田:相対的に、これより低いとか高いとかはなくて、どの作品も「山」は一緒で、全部大変です。台詞が混濁していても、ものすごく写実的なお芝居でも一緒ですね。写実的なお芝居はそれを明確にやることの難しさがすごくあるし、ある種、混濁した世界をやる難しさも同じくらいある。役をひとつ舞台に上げるというのは、本当に大変ですね。愛おしい作業でもありますけど。

sara:この作品の前にシェイクスピアの『オセロー』(2024年)を文学座でやったんです。『オセロー』もすごく言葉が多くて、演出の鵜山仁さんが「そこが面白い」とおっしゃっていて。その言葉の効果、死んだり生きたりするから「生きた人」の言葉を「死んだ人」がどう聞いているかとか、イアーゴーがオセロを諭すのも「言葉でどこを刺激しているのか、そこを見たい」とおっしゃっていたのですが、今回、それに似たものを感じるんです。

この作品には、令和を生きる日本の私達も「あぁ!」と思うような、すごく鋭い現代の感性があって、ちょっと似たところを感じて面白いんです。その言葉が、その本人にどう刺さるのかということは、本人にしかわからない。それは多分、演じている役者でも変わるだろうし、やり取りでも変わるだろうし、というところが面白くて、何か不思議な共通点を感じています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、作者のサイモン・スティーヴンスが、この作品で語りたかったことについて伺った内容やお客さまへのメッセージなど、独自取材後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■ 亀田:「曲解とか、していただけませんか?」くらいの、サイモン・スティーヴンスの寛容さを感じる

■ sara:読み合わせで亀田さんの役の声を聞いたとき、「この人物は生きている」と感じた

■ sara:「黄色い線の内側に下がっていなければ」という、未知数さ。その意味で私たちの物語でもある

■ 亀田:台本に「私たちの言葉は死んでしまった、でもこれから血を通わせ命を与えよう」という文章が

<サイモン・スティーヴンス ダブルビル『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』>
【東京公演】2025年2月15日(土)~ 3月2日(日) シアタートラム
公式サイト
https://setagaya-pt.jp/stage/16041/

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saraさん=撮影・NORI
saraさん=撮影・NORI

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いをきっかけとして演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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