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井上ひさしが描いた「原爆投下直前のヒロシマ」、 7月5日から「紙屋町さくらホテル」再演

筆者: 中本 千晶 更新日: 2016年7月1日

 

こまつ座の「紙屋町さくらホテル」が、2016年7月5日から新宿南口の紀伊國屋サザンシアターにて上演されます(7月24日まで)。この作品は、1997年の新国立劇場開場時のこけら落とし公演の一作として井上ひさしが書き下ろし、森光子、大滝秀治らによって初演されました。こまつ座では、2003年、06年、07年と上演が重ねられています。こまつ座で演出を手掛けるのは、今年の読売演劇大賞で最優秀演出家賞を受賞した鵜山仁です。

 

「紙屋町さくらホテル」稽古より=撮影・田中亜紀

「紙屋町さくらホテル」稽古より=撮影・田中亜紀

 

「こまつ座」といえば、昨年も再演された「父と暮せば」がとくに印象に残っている一作でした。原爆で命を失った父親の幽霊(?)と生き残った娘との対話の物語。ユーモラスで温かい父の愛に涙が止まりませんでした。今回上演される「紙屋町さくらホテル」は、この「父と暮せば」(戦後命の三部作)に次いで井上ひさしが描いた、もうひとつの「ヒロシマ」です。原爆投下後のヒロシマを描いた「父と暮せば」に対して、原爆投下直前のヒロシマを描いたのがこの作品なのです。これは見逃すわけには参りません。

 

それに、タカラヅカファンの筆者としては、何といっても登場人物のひとりである「園井恵子さん」の存在が気になります。戦前の代表的なスターのひとりで、抜群の演技力が演出家の菊田一夫さんなどからも高く評価されていたとか。ところが、広島で原爆に遭って命を落としてしまう、悲劇のタカラジェンヌとして、その名前を聞き及んでいました。

 

「紙屋町さくらホテル」は、その園井恵子(松岡依都美)と、「新劇の団十郎」と呼ばれた丸山定夫(高橋和也)を中心とした移動演劇隊「さくら隊」の物語です。時は昭和20年5月、紙屋町さくらホテルに逗留中の「さくら隊」は巡演のための稽古を重ねています。劇中では、あの「すみれの花咲く頃」が歌われるシーンもあるそうです。

 

ホテルのオーナーである日系二世の神宮淳子(七瀬なつみ)、変装して密かに全国を視察している海軍大将の長谷川清(立川三貴)らも巻き込みつつ、今日も稽古は続けられ、長谷川たちも次第に演劇に魅了されていきます。しかし、「その時」は刻々と近づいていたのです…。

 

「紙屋町さくらホテル」稽古より=撮影・田中亜紀

「紙屋町さくらホテル」稽古より=撮影・田中亜紀

 

「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをゆかいに ゆかいなことをまじめに 書くこと」

 

それが、井上ひさしさん終生のこだわりでした。この言葉のとおり、こまつ座の舞台は、たとえどんなにシリアスなテーマの作品であっても、必ず随所に笑いがあり、わかりやすく、でも、見終わった後にはズシンと残るものがあるのです。一度「観劇」体験をしてみたいという方や、いつもとは一味違うものを観てみたいという方にもおすすめです。

 

チケット代は7000円。夜公演の割引(全夜公演対象6500円)や、学生割引(4000円)もあるようです。これを機会に、足を運んでみてはいかがでしょう。

 

 

こまつ座 第114回公演「紙屋町さくらホテル」

こまつ座 第114回公演「紙屋町さくらホテル」

 

 

<紙屋町さくらホテル>

【東京公演】2016年7月5日(火)〜24日(日) 新宿南口・紀伊國屋サザンシアター

 

<関連サイト>

こまつ座 ⇒ http://www.komatsuza.co.jp/index.html

紀伊國屋サザンシアター ⇒ https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/theatre.html

 

<筆者プロフィール>中本千晶(なかもと・ちあき)/フリージャーナリスト。兵庫県生まれ、山口県育ち。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルートに勤務ののち独立。舞台芸術、とりわけ宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。宝塚歌劇関係の著作に『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』(いずれも東京堂出版)など。「日経MJ」「朝日新聞デジタル」でも、舞台関連の記事を執筆中。NHK文化センター講師、早稲田大学非常勤講師。⇒中本千晶さんの記事一覧は、こちら

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