「新国立劇場の小劇場の舞台に立つのが夢だった」、ミュージカル『ラパチーニの園』珠城りょう(上) | アイデアニュース

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「新国立劇場の小劇場の舞台に立つのが夢だった」、ミュージカル『ラパチーニの園』珠城りょう(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2026年2月19日

ミュージカル『ラパチーニの園』が、2026年2月20日(金)から3月1日(日)まで新国立劇場 小劇場で上演されます。 19世紀アメリカの文豪ナサニエル・ホーソーンの短編小説『ラパチーニの娘』を原作に、韓国で誕生した新作オリジナル・ミュージカル『ラパチーニの園(라파치니의 정원)』の日本版初演です。2021年、ソウル・忠武芸術センター小劇場ブルーで初演されると、その詩的な台詞と美しい音楽で大きな反響を呼び、2024年にはアーツカウンシル・コリア「新作賞」を受賞。2025年には満を持して公式公演が韓国で再演されました。

日本版は、タカハ劇団の主宰高羽彩さん(『ヒトラーを画家にする話』、『他者の国』、『帰還の虹』など)により、新たな解釈と共に本作の上演台本・訳詞・演出に挑みます。音楽監督として、 深澤恵梨香さん(舞台『千と千尋の神隠し』(音楽監督・指揮)、ミュージカル『十二国記‐月の影 影の海‐』(音楽)など)とタッグを組みます。出演は、林翔太さん、北川拓実さんがWキャストで主演のジョヴァンニ役、ベアトリーチェ役に宮澤佐江さん、リザベタ役に珠城りょうさん、バリオーニ役に石井一彰さん、そして、ラパチーニ役に別所哲也さんです。

<STORY>
18世紀のイタリア・パドゥア。科学者ラパチーニは、愛する娘ベアトリーチェを外界の悪から守るため、毒草が生い茂る庭園の中で育てた。誰とも触れ合うことなく、孤独とともに生きてきたベアトリーチェ。ある日、画家を志す青年ジョヴァンニが、庭に佇む彼女に心奪われる。惹かれ合う二人だが、ベアトリーチェにはさらなる秘密があって……。

アイデアニュースでは、珠城りょうさんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、今回の作品や役について、新国立劇場の小劇場の舞台に立つのが夢だったというお話、役作りの際にどのような準備をされているかというお話などを紹介します。「下」では、「軽やかさ」を大切にされているというお話、現場でのコミュニケーションや、珠城さんの現場でのあり方などを伺った内容と、作品を楽しみにされている方へのメッセージを紹介します。

珠城りょうさん=撮影・岩村美佳
珠城りょうさん=撮影・岩村美佳

ーーいろいろな作品にご出演されるなか、今回の作品へのご出演についてはいかがですか?

久しぶりのミュージカル作品なので、とても嬉しかったです。また今回、韓国発のオリジナルミュージカルなんですよね。韓国ミュージカルに出演させていただくのは初めてで、今までとは全然違う世界観が広がっていきそうで、とてもワクワクしました。

ーー韓国ミュージカルには、どのような印象がありますか?

楽曲が力強い印象があります。韓国で『ファントム』を観たことがあって。もちろん『ファントム』は韓国の作品ではないですが、歌ってらっしゃる皆さんの歌声がとても力強かったですし、「韓国ミュージカルってすごい!」みたいな感じでした。

ーー今回の作品については、最初にどのような内容をご覧になったのでしょうか?

作品の概要を教えていただきました。資料を拝見し、音楽も聴いて、すごくいい作品だなと思いました。

ーーどのようなところを「いいな」と思われましたか?

まず楽曲にすごく重厚感があり、力強いサウンドで素敵なんです。そしてやはり物語ですね。ハッピーな明るいミュージカルではなく、人間の本質や深い部分まで描かれているところが魅力だなと思いました。一見ファンタジーで、設定としては現実の世界とはちょっとかけ離れた世界観かもしれないですが、その中で描かれている人間の本質的な部分の中に、ご覧になったみなさんが自分自身に立ち返って考えるきっかけになるようなものがたくさんあるのではと思っています。

ーーファンタジーと人間の本質が合わさっている点が、この作品ならではという感じでしょうか?

そうですね。愛ゆえの選択が毒にもなりうるし、それが果たして正しいことなのか、罪なのかとか、愛の形などがさまざまに色濃く描かれています。割と韓国ドラマが好きでよく観ていますが、人間の本質的な部分をよりリアルに、感情の部分含めて結構ストレートに描いている作品が多いなと思っていて。

ラブコメやヒューマンドラマでも、人間の本質をつくようなところを、普通だったらぼかして描きそうなところも、リアルに描いていく印象があります。例えば、いじめを題材にした作品なども含め、観る側が体力を削られるみたいなところが、結構あると思うんですよ。

今回の作品はちょっと幻想的な雰囲気というか、作品の世界観としてはファンタジーにはなっていますが、人と生きていく上での関わり方というか、愛とか、誰かを思って行動することの意味とか、そういうものを考えさせられるようなお話になっていると思います。社会からの疎外なども描かれます。

ーー珠城さんが演じられるリザベタの魅力や、演じるにあたって面白そうだと思っているところなどは、いかがでしょうか?

リザベタには、「献身的に仕える」ところがあります。ラパチーニ博士に対する思いを秘めて生きている女性なのですが、ラパチーニ博士の前ではその思いを抑えていたとしても、その感情を表現できるところがたくさんあると思っています。

今までは割と発散するような役が多かったんですよ。『忠臣蔵』で演じている阿久里は、芯があってつつましやかな役ですが、リザベタはもう少し静の役というか、もちろん歌う場面もあるのですが、そういう静かなというか、一見ちょっと内向的に見えるような女性というのは、あまり演じたことがないジャンルだったので楽しみです。

ーー博士への思いを持ちつつ、その娘のベアトリーチェを見守っているんですよね。

そうですね。そして、その秘密を知っている人間です。

ーービジュアル撮影はいかがでしたか。

すごく世界観が作り込まれていて、面白かったです。セットというか、メインビジュアルにも映っている木々もありましたし、燭台を実際に持って、そういう空間の中で撮ったので、イメージが膨らみやすかったです。舞台美術も、きっと高羽さんだったらこだわっていらっしゃる感じがするので、そのあたりも楽しみにしています。

ーー高羽さんとは、何かお話しされましたか?

どういった表情や雰囲気でとお話ししながらビジュアル撮影が進んでいきました。稽古が始まった時にも、本の内容や役を深めていくうえで、いろいろご相談しながら作っていけたらと思っています。

ーー音楽はどんな雰囲気なのでしょうか?

壮大な力強いサウンドの楽曲が多いです。韓国の方が歌っていらっしゃるからそう感じるのかもしれませんが。

ーービジュアルを拝見すると、繊細な音楽なのかなと思ったりもしましたが、そういう感じでもないのですね。

やはり韓国の方は、感情表現が豊かですよね。喜怒哀楽がとてもはっきりしているので、その感情を吐露するシーンなどは、割と激しめというか。歌うのも、割とエネルギーを使うだろうなと思います。

ーー共演者の皆様とはお会いになりましたか?

林翔太くんとは、5月に舞台で共演していて、ビジュアル撮影の時にもお会いでき、「またこんなに早く共演すると思わなかったね」という話をしました。また別所さんともご挨拶をさせていただきました。ほぼ皆さん初めましての方ばかりですが、それぞれこの役にはまっていかれるのではないかと想像しています。別所さんもラパチーニがぴったりなんじゃないかなと、勝手に思ったり。早く皆さんが役として動いていらっしゃる現場に行きたいです。

ーー新国立の小劇場のギュッとした空間でのミュージカルというのはいかがですか?

ミュージカルはあまり上演しない劇場かもしれないですが、私は新国立劇場の小劇場が大好きで、演劇などをよく観に行っています。新国立劇場の小劇場の舞台に立つのが夢だったんですよ。

ーーいつ頃からの夢なんですか?

結構長いですね。ここ数年ずっと思っていましたし、宝塚に在団している時から芝居をよく観に行っていたので、いつか立ちたいと思っていました。

ーー中劇場じゃなくて小劇場ですか?

はい、小劇場がいいなって。

ーーそれはなぜですか?

舞台って、大きければいいわけではないと思うんです。小劇場ならではの、舞台と客席の距離感だからこそ生まれる空気感が絶対にあって、それがすごく好きなんです。お客さんとしての目線になりますが、空間としても舞台と客席の作りがすごく観やすくて、とても集中できる距離感なんですよね。だから小劇場が好きなんです。この作品で描かれるラパチーニの園は、ある意味閉ざされた空間です。この作品を上演するなら、絶対に小劇場だと個人的には思います。

<取材協力>
ジレ・ワンピース・パンツ(JUNKO KITO)
イヤリング・リング(セシル・エ・ジャンヌ)
ネックレス・バングル(ウノアエレ ジャパン)
靴(セルジオ ロッシ)

スタイリスト:久保コウヘイ
ヘアメイク:河上智美【Rouxda.】

※アイデアニュース有料会員限定部分には、役作りの際にどのような準備をされているかというお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、「軽やかさ」を大切にされているというお話、現場でのコミュニケーションや、珠城さんの現場でのあり方などを伺った内容や作品を楽しみにされている方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■ラパチー二の選択やリザベタの行動も含め、共感は難しいが、理解はできると感じる作品

■観劇中は没入して、観劇後に客観的に考えるという感じになりそうな作品。余韻が生まれそう

■予備知識なく観ていただけたら。ミュージカルとして描かれている作品として純粋に楽しんで

■資料や原作も参考にするが、表現したいことは台本の中に。台本からいかに拾い、広げるか

<ミュージカル『ラパチーニの園』>
【東京公演】2026年2月20日(金)~3月1日(日) 新国立劇場 小劇場
公式サイト
https://rappaccini.jp

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珠城りょうさん=撮影・岩村美佳
珠城りょうさん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ガーコ より:

    たくさんの読み応えのある記事をありがとうございます。珠城さんの作品に帰る思いや取り組み方、考え方を聞けて嬉しいです。これからもよろしくお願い致します。

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