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『The Rising Voices』響かせ新たな扉開く、LE VELVETS新体制で初ツアー開催

筆者: 村岡侑紀 更新日: 2025年11月1日

2025年10月13日(月・祝)に、NHK 大阪ホールで、LE VELVETS CONCERT TOUR 2025『The Rising Voices』が開幕しました。バリトンの宮原浩暢さん、テノールの日野真一郎さん、佐藤隆紀さん3人の新体制で、「LE VELVETS」が本格的に再始動しました。このコンサートツアーは、10月17日(金)にLINE CUBE SHIBUYAで、10月22日(水)に初めてのファンクラブ貸切公演として東京国際フォーラム ホールCで開催された2公演を経て、11月4日(火)には、J:COM 北九州芸術劇場 中劇場で千穐楽を迎えます(会場入り口で11月4日17時から当日券販売。予定枚数に達し次第販売終了。詳細は以下の公演概要に記載)。

今回のコンサート『The Rising Voices』のハッシュタグは「#みんなでライジング」。コンサートのコンセプトが「ライジング」であることもあり、新曲含め、全体的に盛り上がる曲で構成されていました。気持ちが高まるエネルギーに満ち、まさに「これぞエンターテインメント!」という時間でした。

セットリストを構成する楽曲のジャンルが、いつにも増して多岐にわたっているのも、今回のコンサートの特徴の一つです。クラシック曲、カンツォーネ、ミュージカル楽曲、国内外のポップス、映画音楽、そして今回新たに登場した新ジャンルであるシャンソンなどの名曲が披露されました。初めての方も楽しめる選曲であることはもちろん、長年のファンの方にとっては意外性もあり、嬉しいサプライズ要素も多いのではないでしょうか。

(写真左から)宮原浩暢さん、佐藤隆紀さん、日野真一郎さん
(写真左から)宮原浩暢さん、佐藤隆紀さん、日野真一郎さん

新体制となり、3人のグループとして新たなハーモニーを構築して臨まれた今回のコンサートでは、これまでの基盤はより深く掘り下げられ、高度な遊びが成立しており、時に、型が樹立されているからこその型破りな面も覗かせています。彼らの原点から挑戦まで、過去と現在の交差点である「今」のLE VELVETSを聴ける構成だと感じます。ソロを活かすことも、複数で声を重ねて多彩な表現を届けることもできるグループであることが、彼らのユニークさであると改めて思いました。

音楽大学の声楽科を卒業したメンバーのみで構成されているグループですから、確かな歌唱力については私が述べるまでもありません。メンバーのみなさまのお人柄も、リピーターが多く生まれている大きな理由ですが、やはり彼らの最大の魅力は、デビュー以来メンバー全員で育ててこられた、18年目のハーモニーにあるのだと思います。グループの歴史を共に歩み、オリジナルメンバーのみで共有されてきた時間の重みと厚みが絆となり、全てが彼らの声、呼吸に含まれているのです。

彼らのコンサートは、洗練された上質な内容と、エンターテインメント性の高さが両立している点に定評があります。クラシカル・クロスオーバーのグループとして、マイクを使った繊細な表現に長けており、楽曲に関する豊富な知識、音楽的な専門知識と柔軟なアイデアによる「ここだけで出会えるステージ」が毎回生まれています。さて、今回はどのようなステージが生まれたのか、セットリストを紹介していきましょう。LE VELVETSのみなさまからのメッセージも紹介しています。

(写真左から)宮原浩暢さん、日野真一郎さん、佐藤隆紀さん
(写真左から)宮原浩暢さん、日野真一郎さん、佐藤隆紀さん

■LE VELVETSの原点のような1曲、カンツォーネ「’O SOLE MIO」

コンサートは2部構成で、序曲として選ばれたオープニング曲は、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」。映画『2001年宇宙の旅』でも有名な高揚感のあるドラマティックな旋律が会場を包みます。1曲目は「The Phantom of the Opera」(ミュージカル『オペラ座の怪人』より)。ファントムとクリスティーヌのシーンを想起させるステージングと照明の効果により、序曲が生み出した会場の高揚感を、新体制「LE VELVETS」のRising Voicesがさらに昂らせます。

客席でそれぞれに昂らせた感情が、今にも堰を切ったように溢れ出しそうな荘厳な空気の中、映画『ラ・ラ・ランド』より「ANOTHER DAY OF SUN」、そして「Can’t Take My Eyes Off Of You」へと軽快なリズミカルな曲が続き、一人一人のエネルギーが会場全体で混ざり合い、一体感が生まれます。

続いては、明るく爽やかな軽快さとは対照的に、陰影のある重厚さを感じるパートでした。まず、これまでのコンサートでもお馴染みのカンツォーネ2曲。「Caruso」そして、彼らの原点のような1曲「’O SOLE MIO」に続くのは、ポール・アンカの「YOU ARE MY DESTINY」。ゆるやかに溶けていくように、3人のソロと重層的なハーモニーに包まれる1曲です。スローな語り口で、寄せては引く波のように迫りくる歌声でした。

■新たな試み「ボイスト」で「威風堂々」、オリジナル新曲「四季〜未来鳥〜」

まず、新体制になってからの初めての試みである「ボイスト」(ボイス・インストルメント)。オーケストラのような厚みのあるアカペラの響きで、クラシックの名曲を届けるコーナーです。今回は「凱旋行進曲(歌劇『アイーダ』より)」と「威風堂々」の2曲が紹介されましたが、今後も新シリーズが生み出されていくであろう、とても楽しみなジャンルです。

続いては、LE VELVETSのオリジナル曲です。今回のコンサートに向けて日野さんが作詞・作曲を手がけられた「四季〜未来鳥(Miraidori)〜」が初披露されました。ヴィヴァルディの「四季」より「冬」にオリジナルの旋律を載せた1曲です。

■華やかに盛り上げる「カリンカ」、ツイストと共に「監獄ロック」

そして、第1部を華やかに盛り上げて締めくくるのは、「カリンカ」。オペラで描かれる祭りの歌合戦のように、遊び心も散りばめられた、リズミカルで緩急のある息ぴったりの呼吸が面白くも心地よく、気付けば、会場と舞台上の彼らの呼吸が呼応して一体となり、感嘆の拍手と共に幕となりました。

第1部の熱気に包まれて始まった第2部。冒頭に登場したのは、歌って踊る「LE VELVETS」でした。エルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」を歌いながらの軽快なツイストに、客席の手拍子も自然とアップテンポへ。今回のコンサートでは、全体的にダンスや振り付けが光る曲が多く、視覚的にもライジングできます。

佐藤隆紀さん
佐藤隆紀さん

■歌声で描く物語。ミュージカル楽曲「民衆の歌」、アリア「女心の歌」

さて、ここからは一転し、ミュージカルとクラシックのコーナーが続きます。このコンサートの重心部分かもしれません。それぞれの曲が抱く物語を鮮やかに、時にドラマティックに描写する色彩豊かな声、そして「これぞLE VELVETS」という格調高く重厚なハーモニーの魅力が詰まっています。

ミュージカルからは、佐藤さんが3期目のジャン・バルジャン役を務められたばかりの『レ・ミゼラブル』より「民衆の歌」など3曲、クラシック楽曲からは、バリトンのソロとして有名な「プロヴァンスの海と陸」(オペラ『椿姫』より)、そしてテノールの名曲「女心の歌」(オペラ『リゴレット』より)の2曲。

LE VELVETSのハーモニーには、曲によって印象が大きく変わり、奥行きと深みのある表現力があると感じます。そもそも、3人それぞれの声の魅力も異なります。ソロ歌手としても、各々が幅広いバリエーションをお持ちですし、さらにグループとして全員の声が重なるパート、2人ずつ組み合わせるパターンもあるので、実に多様な表現が可能となります。

■レパートリーに「シャンソン」が初登場。エディット・ピアフ「水に流して」

ハーモニーのバリエーションがいつも面白く、楽しみな点でもありますし、特に、このような物語に紐づく楽曲の場合、その魅力がより顕著になるように思います。今回初めてグループとして歌われた新ジャンルの「シャンソン」にも、とても親和性が高いと感じました。

メンバーの皆様は、ソロ活動においてもそれぞれ活躍されています。最近の傾向としては、宮原さんが朗読劇、日野さんがシャンソン、佐藤さんがミュージカルなど、グループの外でも活動の場を広げていらっしゃいます。

「それぞれが自分のソロ活動の経験を持ち帰って、グループに活かす」というお話を以前伺ったことがあります。今回、セットリストにシャンソン曲が入ったのも、日野さんのご経験によるものでした。選ばれた曲は、エディット・ピアフの「水に流して」。

ソロで歌われることが多いシャンソンを、3人で歌うという表現を選択されたことにより、描かれている心の動きをよりリアルに感じられました。一人の人の中で、いくつもの声が、自分自身の、あるいは、かつて誰かがかけてくれた言葉、傷つけられた言葉、救われた言葉などが浮かび、流れていく。その過程の中で一つの思いが強まり、決意となる様子が、声の重なりや表現によって、手触り感、臨場感や緊迫感と共に、劇的に胸に迫ってきました。

今回のアレンジは、シャンソンにも造詣が深く、このコンサートの音楽監督でもあるピアニストの大貫祐一郎さんが手がけられたそうです。他のシャンソン曲でもぜひ、LE VELVETSバージョンを聴かせていただきたいと思います。

日野真一郎さん
日野真一郎さん

■説明不要のフィーバーソング3曲「ザ・ライジング・ソングズ」

コンサートも終盤。お馴染みの「Volare」で上昇気流に乗った客席は、ライジングモードのスイッチオン。ステージの天井から降りてきたミラーボールがキラキラと回転し始めると、説明不要のフィーバーソング3曲を組み合わせ、ツアータイトルを冠した「ザ・ライジング・ソングズ」の時間です。昭和100年の2025年、ゴージャスなハーモニーに、ステージも客席も最高潮のボルテージ。「みんなでMAXライジング」でした。大貫さんのオリジナルアレンジ、必聴です。

■次のライジングに向けての、静謐なひととき「TIME TO SAY GOODBYE」

フィナーレは「TIME TO SAY GOODBYE」。次のライジングに向けての、静謐なひとときとなりました。

ツアータイトルには毎回、メンバーのみなさんのメッセージが込められています。2024年の『VIVERE〜彩りの未来へ〜』から2025年の『The Rising Voices』へ。「VIVERE」は、グループとしてもデビュー初期から歌い続けられていた曲名でもあり、イタリア語で「生きる」という意味です。昨年、「VIVERE」ツアーが閉幕した場所もNHK 大阪ホールでした。

『The Rising Voices』というツアータイトルを初めて見た時、イメージしたのは「Rising Sun」でした。昨年、明日への階段を昇り、それぞれの彩りの未来へと踏み出した「Rising LE VELVETS」が、神々しく輝く歌声で会場を包み込む光となり、NHK 大阪ホールという地平線から姿を現すセレモニーに立ち会ったような思いと共に会場を後にしました。

■billboard CLASSICS 『Premium Symphonic Concert 2026〜AURORA〜』開催決定

ツアーの後は、クリスマスディナーショーが京都ブライトンホテル、シェラトン都ホテル大阪・浦安ブライトンホテルと3か所で開催されます。

フルオーケストラと共に届けられるbillboard CLASSICS 『Premium Symphonic Concert 2026〜AURORA〜』が2026年6月に京都・東京で開催されることも発表されました。billboard CLASSICSシリーズへの出演は、2023年に開催された『LE VELVETS 15th ANNIVERSARY』に続き2回目となります。前回のプログラムには、マイクを使わない、クラシック音楽の発声でソロ楽曲を届けてくださるコーナーがありました。今回も、彼らそれぞれの音楽の原点にあるクラシック音楽の魅力を、また新たに発見するコンサートとなりそうです。

宮原浩暢さん
宮原浩暢さん

■日野:限界を超えて、進んでいこう。僕たちの歌で辛いことも乗り越えて「未来鳥」

初日の大阪公演後に、LE VELVETSのみなさんから、「今回のセットリストの中で、これぞ!という1曲」を教えていただきました。

「自分の曲になってしまいますが…新体制の門出ということで、やはり『四季〜未来鳥(Miraidori)〜』でしょうか。人生は本当にいろんなことがありますし、限界を越えて、ここから進んでいこうというこの気持ちも、今の僕たちにまさにぴったりだなと思います。そして、聴いてくださった方にとって、いろいろある人生の中で、僕たちの歌で辛いことも乗り越えていけるような、そんな曲になったらいいなと思って作りました。」(日野さん)

■宮原:今までにはない体感『ザ・ライジング・ソングズ』。僕たちも楽しく歌っている

「『ザ・ライジング・ソングズ』では、本当に楽しんでいただきたいという思いで、みなさんが知っていらっしゃるかなという名曲たちを集めています。僕たちも楽しく乗りながら歌っている曲ですし、これは今までのヴェルヴェッツにはない体感だと思います。今後も歌っていきたいですね!『ザ・ライジング・ソングズ』!」(宮原さん)

■佐藤:馴染みのあるクラシック曲も。「LE VELVETSにしかできない世界」とお客さまが

「今回のコンサートをご覧になった方から、『聴き馴染みのあるクラシック曲がたくさん登場して、これはLE VELVETSにしかできない世界で、すごくよかった』と言っていただけたんです。どこかで聴いたことがあって、『あ、これって実はクラシック曲だったんだ!』と思っていただけそうな曲がたくさん入っているコンサートなので、『ヴェルヴェッツってクラシックの人だし、行きにくい』という方がいらっしゃるかもしれませんが、実際は、そんなことはないとお伝えしたいです。ぜひ、ちょっとでも気になった方は、いらしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。」(佐藤さん)

LE VELVETSとバンドメンバーのみなさん
LE VELVETSとバンドメンバーのみなさん


<LE VELVETS CONCERT TOUR 2025 『The Rising Voices』>
【大阪公演】2025年10月13日(月・祝) NHK 大阪ホール(公演終了)
【東京公演】2025年10月19日(金) LINE CUBE SHIBUYA(公演終了)
【FC貸切公演】2025年10月22日(水) 東京国際フォーラム ホールC(公演終了)
【福岡公演】2025年11月4日(火) J:COM 北九州芸術劇場 中劇場(当日券あり)
▼福岡公演 当日券情報
販売時間:2025年11月4日(火)17:00~
販売場所:会場入口にて 
料金(全席指定・税込):10,500円
※予定枚数になり次第、販売を終了いたします。
※複数枚ご購入の場合、連席でご用意できない可能性もございます。ご了承ください。
公式サイト
https://www.le-velvets.com/contents/925406

<LE VELVETS Christmas Dinner Show 2025>
【京都公演】2025年12月3日(水) 京都ブライトンホテル
【大阪公演】2025年12月22日(月) シェラトン都ホテル大阪
【千葉公演】2025年12月24日(水) 浦安ブライトンホテル東京ベイ(完売)
公式サイト
https://www.le-velvets.com/contents/967710

<billboard CLASSICS 『Premium Symphonic Concert 2026〜AURORA〜』>
【京都公演】2026年6月5日(金) 京都コンサートホール 大ホール
【東京公演】2026年6月12日(金) すみだトリフォニーホール 大ホール
公式サイト
https://billboard-cc.com/news/370
※詳細は11月中旬発表

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<筆者プロフィール>村岡侑紀(むらおか・ゆき) 広告制作会社に入社し、企業ブランディングやコピーライティングを経験。その後、化粧品メーカーのマーケティング担当として多くのブランドを育成し、ベンチャー企業で広報も。ミュージカルや舞台作品そのものの魅力はもちろん、そこに携わる方々のことを伝えたい。 ⇒村岡侑紀さんの記事一覧はこちら

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