藤岡正明さんが企画・演出を務める『Musical Lovers 2025』が、2025年11月8日(土)と9日(日)に、東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで開催されます。ミュージカルを愛する全ての方へお届けする珠玉のミュージカルコンサートもついに4年目! さらに進化した『Musical Lovers』、今年も感動と笑顔を皆様にお届けします。出演は、岡幸二郎さん、川嵜心蘭さん(11月9日出演)、spiさん、冨川智加さん(11月8日出演)、東啓介さん、平野綾さん、藤岡正明さん(50音順)です。
アイデアニュースでは、昨年に続きご出演のspiさんと、企画・演出・出演の藤岡正明さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」ではお二人が出会った当初のお話や、前回のコンサートで印象深かったこと、「ミューラバ」恒例の「前説」の裏話と「フランスパン」、新しい「メドレー」について伺った内容などを紹介します。「下」では、spiさんからの楽曲の提案についてのお話やお客さまへのメッセージなど、そして2025年の『ジャージー・ボーイズ』出演について伺った内容を紹介します。

(※9月にインタビューしました)
――『Musical Lovers』も4年目になりました!
藤岡:はい。
spi:おめでとうございます。すごいですよ、素晴らしい!
――spiさんは、昨年『Musical Lovers 2024』に出演されましたが、どんな印象を持たれましたか?
spi:「肌に合う」でしたね。でも実は僕、最初出会ったころのまさくん、大っ嫌いだったんですよ(笑)。
藤岡:出会ったころじゃなくて、しばらく経って嫌いになったんでしょ?(笑)
spi:そうでした。なぜかだんだんと嫌いになってしまって(笑)。ちょうどまさくんが、しんどい時期に重なっていたというのもあったのか、馬が合わなかったんです。でも最終的には、お互い合流したみたいな感じで。まさくんも俺も、やっぱりお客さまが大好きで、ちょっとメタな部分や、ちゃんと純粋な部分、そして「面白いものは、面白い」と認める感じとか、お互いの質感が結構似ていたんですよ。だから前回『Musical Lovers 2024』に出たときに「肌に合うな」と思いました。
――お二人の最初の出会いはいつ頃でしたか?
藤岡:一番最初は『RENT』(2010年)です。僕が急遽「ロジャー」役で出演することになって、そのときspiは「ゴードン」役をやっていたから、そこで一緒になって。でも多分、そのときは特に何かあったということじゃないよね。
spi:うん。あの時はもう、まさくんがいっぱいいっぱいだったから…。
藤岡:あの時はねぇ……(笑)。
spi:まさくんの楽屋の前を通ると、ビールが積んであるのが見えるんですよ。あれ、終わってからすぐ飲んでるんでしょ?
藤岡:そう。でもそれはいつも(笑)。
spi:いつもなんだ(笑)。あの時のまさくんの第一印象は「作品を守ってくれた救世主」だったんです。そこから次は何だっけ?
藤岡:「写楽」(『DNA SHARAKU』2016年)だよ。そこで嫌になったんだよね?(笑)。
spi:「写楽」で嫌になりました。
藤岡:そうだよね(笑)。「共演」っていう意味での作品は、実はそのぐらいなんだよね。
spi:あとはコンサートですね。『JERSEY BOYS IN CONCERT』(2020年)とか。
藤岡:『ジャージー・ボーイズ』の本公演ではチームが違うし、今回は役が同じなので。
spi:一緒に芝居したことはないですね、確かに。家には遊びにいったりしているんだけど。
藤岡:そうそう。
――昨年のインタビューの際に、次回の『Musical Lovers』では「いろんなことを練り直して、再スタートを切りたい」とおっしゃっていました。
藤岡:今ちょうど、キャストの皆さんと絶賛話し合っているところです。さっきspiが「肌に合う」って言ってくれたんですけど、去年はまさにその通りで、spiがもう、思い切り羽ばたいてくれたので。
spi:(笑)。
藤岡:いつも出演依頼をするときに「こんなことをやったり、あんなことやったりするんですけど、大丈夫ですか?」と、すごく申し訳ない気持ちでご相談をさせてもらうんですけど、spiはもう全部どんどん自分で持ち出して、面白い方向でやってくれるんですよ。「こんな感じなんですね、OKッス!」って言って、もうあとは、そこから僕は何も言ってないのにやってくれるので「あぁ、これは合うね…」って思って(笑)。
spi:はい(笑)。
藤岡:「合うだろうな」とは思っていたんですけど、想像をはるかに超える形で「合う」とわかったので、前回が終わったあと、今回の日程が決まった段階で、すぐspiに相談しましたね。
spi:「次もやるけど?」って言われて、すぐに「やります!」と。ありがたいです、本当に。
――ちなみに、前回特に印象深かったことはなんですか?
藤岡:やっぱり「傘」かな?
spi:「傘」ですね…(笑)。
――公式「X」に「ミューラバ思い出写真館」として、写真もポストされていましたが、完全雨装束の藤岡さんと、ツーショットのspiさん、川嵜心蘭さん、皆さんの頭の上に小ぶりな「傘」がちょんっと乗っていて、くるくる回っていたあの「傘」ですね。
藤岡:あれ、僕が夜なべして作ったんですよ(笑)。ポケットの中にポータブルバッテリーを入れて、スイッチのオンオフで傘が回転したり止まるようにしようと思って、ネットでいろいろ調べたんですけど、そんなことができるバッテリーを見つけるまでがなかなか大変でした。だってあんな使い方をする人いないから。
spi:たしかに。
藤岡:spiが一番似合ってたね。だから今回は「傘」が出るのか「フランスパン」が出るのかというのはさておき、ネタバレですみませんけど「フランスパン」は出ます。グッズ作っちゃったんですよ。
spi:えー!? それソニンにマージン払うやつだ。
藤岡:公式キャラクターを作っちゃったの。「三浦バケ太郎」という…。「みゅーらば けたろう」だから「三浦バケ太郎」なんだけど、バケットの形をした、ゆるキャラみたいなのを作っちゃったのよ。だから今回は、誰に「フランスパン」を持ってもらうかわからない。
spi:一番持たなそうな人に持ってほしいですね、岡さんとかね!
藤岡:そう、幸二郎さんとかね! 平野綾ちゃんも、そういうキャラじゃないことは確かだね。
spi:岡さん大好きだから、そういうの。
藤岡:そうなんだよね。spiは幸二郎さんとは、(原田)優一の演出(シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命『もえ・る剣』2024年)で共演したの?
spi:「刀剣」(ミュージカル『刀剣乱舞』)とかの2.5次元でもご一緒してます。岡さん自身が「僕はもう、2.5次元俳優です」っておっしゃっていて。
藤岡:そうなんだ! 2.5次元は特殊技能必要でしょう? アニメを見て、そのキャラクターに寄せなきゃいけないから。
spi:ある程度はそうですね。どちらかと言うと、発声も抑揚が声優寄りですね。だから「お芝居」というよりは「ショー」とか……そう「歌舞伎」ですね。「超歌舞伎」。
藤岡:「型」がある感じだね。
spi:「型」があります。「声の芝居の感じが強いかな?」というのが2.5次元ですね。
藤岡:そうなんだね。あ、覚えてる? 去年、袖でじゃんけんして、負けた人が舞台に出て、5分前アナウンスで「前説」やるっていうの、あったよね。
spi:あー! ありましたね。
藤岡:今回初めての幸二郎さん、平野綾ちゃんには「前説お願いするかもしれませんが、大丈夫ですか?」って聞いたの。お二人とも「大丈夫!」って、快諾していただいて。
spi:あ、良かった。
――あの面白い「前説」には、台本があるんですか?
藤岡:ないです。言うこととしては「携帯電話の電源を切って下さい」とか「非常口のライトは消灯します」とかよくある内容なんです。「上演中は演出の都合により、避難誘導灯が消灯いたします」というのあるじゃないですか。あれ「演出の都合で」って言ってるけど、僕が演出しているけど「消せ」とは言ってないわけなんですよ。消防とかの劇場の都合なんですよね。
spi:消防法ですからね。
藤岡:そう。だから演出じゃなくて「劇場の都合」って言ってほしいって言ったら、スタッフから止められましたけど。だから「演出の都合じゃありませんが、避難誘導灯が消灯します」と言ってくださいとお願いしたりしています。そんなわけで台本はなくて、「言わなきゃいけないのはこれとこれで、あとはおまかせです」って、歴代そんな感じです。1回目に坂元健児さんが出てくれたときは、サカケンさん、開演5分前にスタートしたのに、そこから10分~15分ぐらい「前説」をやってて、それで開演が遅れるっていうことがあった(笑)。
spi:盛り上がっちゃって(笑)。
藤岡:なかなか帰ってこないから、袖からみんなで「早く戻ってきて!」って言って。そしたら「何やってもいいって言ったでしょ!?」って(笑)。
spi:サカケンさん、やんちゃ(笑)。
藤岡:でも今回も面白いことはやりたいですし、やっぱり『Musical Lovers』は、わりと「無責任なコンサート」にしたいといつも思っているので。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、新しい「メドレー」について伺ったお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。2日掲載予定のインタビュー「下」では、spiさんからの楽曲の提案についてのお話やお客さまへのメッセージ、そして2025年の『ジャージー・ボーイズ』出演について伺った内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■spi:「役者依存のコンサート」 藤岡:その表現が本当に的確だなと(笑)
■藤岡:思いつきをその場で。ピアノのFumingさんが「カフェ・ソング」を歌ったり
■藤岡:今回、オリジナルの「ジャージー・ボーイズメドレー」を作りたいと考えている
■藤岡:「フランスパン」のくだりは今後も spi:「様式美」になってますもんね
<『Musical Lovers 2025』>
【東京公演】2025年11月8日(土)〜11月9日(日) 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
公式サイト
https://musical-lovers.bitfan.id
『Musical Lovers 2025』 関連記事:
⇒すべて見る藤岡正明 関連記事:
- 「三浦バケ太郎という公式キャラ」、『Musical Lovers 2025』藤岡正明・spi(上) 20251101
- 「まだ見ぬ何かへの期待、希望を」、ライブツアー『Voyager』藤岡正明 20241018
- 「本物だなと」「夢みたいな話」、『Musical Lovers 2024』藤岡正明・川嵜心蘭 20241017
spi 関連記事:
- 「三浦バケ太郎という公式キャラ」、『Musical Lovers 2025』藤岡正明・spi(上) 20251101
- 「世代を代表して」「存在感を示していきたい」、『キンキーブーツ』東 啓介・有澤樟太郎(下) 20250203
- 「松平容保と斎藤一の物語」、ミュージカ・る革命『もえ・る剣』spi・内藤大希(下) 20241226
※藤岡正明さんとspiさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは12月1日(月)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

アイデアニュースは、有料会員のみなさんの支援に支えられ、さまざまな現場で頑張っておられる方々の「思いや理想」(ギリシャ語のイデア、英語のアイデア)を伝える独自インタビューを実施して掲載しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額450円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文を読めるようになるほか、有料会員限定プレゼントに応募したり、コメントを書き込めるようになります。有料会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料と編集経費になります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。




