舞台『忠臣蔵』が、2025年12月12日(金)に開幕しました。12月28日(日)まで明治座で、2026年1月3日(土)から6日(火)まで御園座で、2026年1月10日(土)に高知県立県民文化ホールで、1月17日(土)に富山県民会館で、1月24日(土)から27日(火)まで梅田芸術劇場メインホールで、1月31日(土)に長岡市立劇場で上演されます。
浅野内匠頭と小林平八郎の二役を演じる立石俊樹さんのインタビュー後編です。「下」では、『blue egoist』について、芝居が好きだというお話、ご自身の変化のきっかけとなった『VIOLET』での藤田俊太郎さんとの会話や、これまでにお世話になってきた演出家の皆さまからいただいた言葉がずっとご自身の中にあるというお話などを紹介します。

(※9月にインタビューしました)
ーー今年の年明けには、『ワイルド・グレイ』にご出演でしたね。
1月から2月にかけて『ワイルド・グレイ』に出演し、その後、横浜KAATでの『A3!』2ヶ月間公演を経て、自分のライブがありました。そして『黒執事』をやって、今回の『忠臣蔵』です。
ーー多彩なラインナップですね。
2.5次元から、ガッツリのミュージカル、そして今回のストレートプレイに殺陣も加わった、時代劇ということで、ジャンルを問わず幅広くやらせていただいています。舞台には、本当に毎日違う良さがあって、やはりこれだけ人数がいるからということもありますし、少人数でも、対峙する人次第で本当に毎日、毎公演違う作品のように感じです。だからこそ僕は舞台が大好きなんです。
ーー舞台全般にハマっていらっしゃるということですね。
そうですね。そうやっていろんなジャンルの舞台に関わることが、今の自分に良い肥やしになっていると思うので、様々な表現方法を取り入れるというのは、今回も含めて自分にとって最高な機会だと思っています。
ーーこれまでにもいろいろな作品を拝見させていただいていますが、『blue egoist』が印象に残っています。七海ひろきさんに取材する機会があったのですが、『blue egoist』は本当に良かったと思うんですよね」とおっしゃっていました。
本当によかったです。何にも媚びずにやり切ったというか、完全オリジナルダークファンタジーミュージカルで楽しかったですね。アンサンブルさんなしで、6人だけでメインもアンサンブルもすべてやりながらと、すごく楽しかったです。
ーー独特のエネルギーがあふれている舞台だったという印象です。
そうですね。人間の中のコンプレックスとか、そこから生まれる反逆精神とか。この仕事をしている自分自身にも通ずる部分を、あの作品から強く感じました。たぶん、僕だけじゃなくて、他の5人の中にも、そういう感情があったからこそ、共感しやすかったのかもしれないですね。だからこそエネルギーというか、反骨精神みたいなものが出るというか。
ーー私はその後に拝見させていただいたのが、『ワイルド・グレイ』と『黒執事』なんですが、『ワイルドグレイ』は、チームごとに全然違いましたよね。
違いましたね。
ーーミュージカル作品だと、ダブルキャストも多いですが、ダブルキャストで作っていく時と、ご自身だけのお役で、お一人で極めていくのと、違ったりされるものですか?
確かに違いはあるかもしれないです。ダブルキャストだとどうしてもお互いに影響を受けますし、どこかでライバル心も芽生えます。それに加えて、お客さんの中での認識というのもありますね。例えば僕が演じたものと、もう一人の方が演じたもの、その同じ役をご覧になるでしょう。そうするとやっぱり、お客さんの中で”この役はこういう人物なんだ”というイメージが作られていくんです。そのうえで、こっちはちょっと足りないなとか、逆にこっちのほうが充実しているとか、そういう見え方にもなると思います。
ーーどうしても比べるみたいな。
ありますよね。周りからの声もあるかもしれないですが、やっぱり本人の中でも比べてしまう部分ってあると思います。
ーー役を作られる時、何を一番大切にされていますか?
最近出会ってすぐの人にも、「としくんって、芝居好きだよね」と言われるんですよ。それが結構嬉しくて。昔はそんなことは言われなかったですし、出会ってすぐの人に芝居好きだよねって言われるようになったことに、すごくびっくりしていて。
ーー「初めてご一緒した」みたいな方から言われることもあるんですね。
そうなんです。自分でもお芝居が好きなので、何公演もやるから、お互いのセリフを把握しているし、どういう流れかも分かっているのですが、でもやっぱり、その瞬間にしか感じられないものがあるというか。
それこそ殺陣のシーンなどで、その時のわずかな動きを察知したり、ちょっとした変化でも、キャッチして感じていくというところなども、お芝居において好きなところです。別に強制されるものではなくて、ただ自分で勝手にやってるだけなんです。だから、とっかかりというのは、相手との会話の中で生まれる自分の感情があってこその話になるんです。自分一人で台本を読んでいる時と、また違うんですよね。今回は年齢層にも幅がありますし、すごいですよね。
ーーベテランから若手までですね。
ですので、そこから得られるものは全然変わってくると思いますし、そうなった時の自分の感情だったり、お芝居がどうなっていくのかというのは、すごく興味深いですね。
ーー立石さんは、活動を始められてから10年ですよね、最初に扉を開いたのは歌なのかなと思いますが。そこから10年経って、お芝居に興味を持っていらっしゃるご自身を、振り返ってみるといかがですか?
「まさか」という感じです(笑)。でも、本当に明確な理由がありました。いつか自分も楽しめるようになりたいという思いは当時からなぜかあったんですよ。苦手というか初めてのことですし、そもそもお芝居なんてわからない。今でもわかった気ではないですが、なんとなく自分の中では好きだなっていうのもあります。
ある程度自分の中でも「昔よりは」という実感もありますけど、当時から本当にいつかは芝居を楽しめるようになりたいという思いをずっと持ち続けていますから。今はどの現場に行っても、不安というよりも、楽しみの方が大きいです。
ーーいつの間にそういう変化があったんですか? 何かきっかけがあったのでしょうか?
いろんなきっかけがあるんですが、大きいのは『VIOLET』かもしれないですね。演出の藤田(俊太郎)さんとのやり取りです。もちろん小池(修一郎)さんもそうですし、みなさん全員になっちゃうな……。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ご自身の変化のきっかけとなった『VIOLET』での藤田俊太郎さんとの会話や、これまでにお世話になってきた演出家の皆さまからいただいた言葉がずっとご自身の中にあるというお話などインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■演出の藤田さんに修行として鍛えていただいた『VIOLET』。毎公演フィードバックを
■『VIOLET』のとき、藤田さんが全部の点と点を「線」になるように繋げてくださった
■先日『A3!』を観に来てくださった小池先生。ティボルト役のとき、お芝居のお話を
■時代劇で、殺陣をこんなにメインでやらせていただくのは新たな挑戦。しっかりと準備を
<舞台『忠臣蔵』>
【東京公演】2025年12月12日(金)~12月28日(日) 明治座
【名古屋公演】2026年1月3日(土)~1月6日(火) 御園座
【高知公演】2026年1月10日(土) 高知県立県民文化ホール
【富山公演】2026年1月17日(土) 富山県民会館
【大阪公演】2026年1月24日(土)〜1月27日(火) 梅田芸術劇場メインホール
【新潟(長岡)公演】2026年1月31日(土) 長岡市立劇場
公式サイト
https://chushingura-ntv.jp
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