『時をかけ・る 〜LOSER〜2』が2025年10月30日(木)に開幕しました。11月4日(火)まで、品川プリンスホテル Club eXで上演され、11月9日(日)には大阪・サンケイホールブリーゼで上映会イベントが開催されます。歴史を学べる「祭シリーズ」を上演してきたる・ひまわりが新たに誕生させた歴史シリーズ「時をかけ・る」待望の第二弾上演です。出演は、安西慎太郎さん、木ノ本嶺浩さん、松田岳さん、前川優希さん、内藤大希さん、平野良さん、脚本は赤澤ムックさん、演出は平野良さん、音楽はオレノグラフィティさんです。
<公式HPより>
歴史のヒーローたちの裏で消えていった「敗者」たちの物語をオムニバス形式で上演。歴史とは勝者のもの。生き残ったものだけが、自身の生きてきた証を後世に残すことが出来る。では、敗けていったものたちは?闇に葬り去られた歴史の「真実」を、“歴史研究員“に扮した俳優たちが解き明かしていきます。観客たちは研究員たちによる歴史学会での講義に参加した参加者という形で、この世界に参加します。そしていつの間にか、研究員たちが演じる敗者たちの目線での歴史の世界にいざなわれます。そして研究員たちがたどり着いた「真実」とはー。
たった6人の俳優が、数十役を演じ、自身のメインの物語、そのほか4つの物語に主要人物として登場、更には現在、過去との世界をいったりきたりする創作ファンタジーです。しかも全演目、『ジャンル』違い。ストレートプレイ、グランドミュージカル、2.5次元風ミュージカル、コメディ、などそれぞれのジャンルに合わせて、演出が変化していく超!!盛沢山公演です。2024年に新国立劇場小劇場にて初演が上演され、即日完売、直ぐにスピンオフ作品まで登場。前回は、「関ヶ原の戦い」をテーマに上演しましたが、今作は「幕末・維新」をテーマに上演します。
アイデアニュースでは、内藤さんと前川さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」の前半では、お稽古のこと、作品の構成のことなどについてのお話をしてくださいました。後半では、前川さんが主人公として出演する「3.5次元」の『明治美譚~葵編~』のことなどについて、お話ししてくださった内容を紹介します。
「下」の前半では、内藤さんが主人公のグランドミュージカル作品『将軍』や曲のことなどについてのお話を紹介します。後半では、るひまさんの年末作品が開催されない今年の「年末の過ごし方」、年末作品についての思いなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

(※開幕前にインタビューしました)
ーーお稽古が始まってどのくらいですか?
内藤&前川:10日くらい?
内藤:長く感じるね。
前川:全演目当たり終わったところなんですが、毎日が濃すぎて稽古初日がだいぶ遠い記憶です。あと今回は、前回より全部ちょっとずつ長いんですよ。
内藤:1演目につき5ページくらい長いかな?
前川:しかも、6本のうち4本出演と言いつつ、結局ほぼ全部に出ているじゃないですか(笑)
内藤:もはやね。
ーー今回、まず量が増えているんですね。
内藤:前回の『時る』(『時をかけ・る 〜LOSER〜』)は、みんな知っている仲でしたし、すごく楽しくて「もっとやりたいな」と思った時には終わっちゃったんです。「来年も会える」と楽しみにしていましたが、いざこうして稽古が始まったら、「これこれ!この物量だった!」と、あまりにもやることが多すぎて「苦しい」という部分もあったのを思い出しました(笑)。
前川:そう!なんせ、量があるので「新しい演目を入れると、前の演目のことを思い出せない」という状態の連続で、「やばいやばいやばい……」となっていくんですよね。でも今回は、前回の経験を踏まえた心の準備もあり、自分に合ったやり方のベースができている気がします。「今日の稽古でやったことを定着させよう」とか「定着させるのはいったん諦めて、次の日の演目を予習しよう」とか、各々で調整しています。
ーー前回を経て得られた方法論を使っていらっしゃるんですね。
前川:はい。僕らは大分慣れてきた気がしていますが、今回、(平野)良さんが演出だけではなく、出演者としても参加していて。きっと、初演時の僕らのような経験をしているでしょうから、一番大変そうな気がしますね。
内藤:でもこの前、Fの『何度やっても薩長同盟が結べないんぜよ!?』の稽古をした時、(平野さんは)マジで全部入ってましたよ。
前川:すごいよ。本当にびっくりしました。
内藤:僕らは、俳優業だけで「ヤベェ!」みたいになっているのに、「良くんは、もうここまで仕上げてきてるんだ!」と思って。
前川:「立場ないよ」ってなりますよね。
内藤:すごかったですね。でも「違う違う、影響されたらダメだ」と自分を保ちました。
前川:良さんは良さんのペースだから。
内藤:はい、僕は自分のペースで作っていかないと。
前川:『時る』など、る・ひまわりさんの時代物の作品は、受験生や学生の方にも、ぜひ観ていただきたいです。僕自身は、「日本史って、こんなに面白いんだ!」と、学生の時には思わなかったですから。もちろん、作品では、史実とは異なる人物像にはなっていますが、まずこの演目で興味を持ってもらえたら、歴史がとても楽しくなると思うんだよな。
内藤:確かに。「(徳川)家茂」「慶喜」という名前を授業で習っても、人物像という観点から捉えようとは、あまり思わないもんね。でも、こうやって人が演じて、いろんな物語がつくと、「こういう人だったのかな」「だからこうなったんだな」と、人物像としてリアルに浮かんできて、観ていて楽しいなと思います。
前川:慶喜は特に、「結局どういう奴なの?」みたいなところもあるよね。大希くん主役の、Eの『将軍』では、家茂に寄り添うカッコいい友達だし、Bの『交渉人勝海舟』だと、なんか情けない。「目上の鬱陶しい上司のために、頑張らなければいけない」みたいな。僕自身はそんなに勉強が得意じゃないので、この辺りの歴史は、ふわっとしか覚えてないです。例えば家茂が出てくるのは、授業では超一瞬だったと思うんですよ。
ーー確かに、授業ではそうですよね。
前川:徳川十五代を覚えるときにしか出てこなくて、「結局何した人?お飾りの将軍?」みたいな。その辺りにスポットを当てている作品です。楽しいと思いながら勉強した方が自分の性に合っていると思うので、歴史的な背景のことなども、時々気にしながら取り組んでいます。
ーー時代を幕末に絞っている作品なので、各作品に同じ人物が登場するのだと思いますが、今回、BとE以外の慶喜以外でもそういうことはありますか?
前川:例えば、大久保利道も、Fの『何度やっても薩長同盟が結べないんぜよ!?』とDの『明治美譚〜葵編〜』に出てきます。Fでは、坂本龍馬の薩長同盟の時に出てきて、Dでは、西郷隆盛の幼馴染みとして登場します。大久保は、DもFも松田岳が演じます。あと、西郷隆盛も複数の作品に出てきますし、僕も演じます。
内藤:僕も、別の作品で西郷隆盛を演じます。
ーー人物によっては、同じ方が全て演じることもあれば、演目ごとに異なる場合もあるんですね。でも、同じ人でも相手によって見せる顔が違うのは普通だとも思いますし、観ている方としては、そのあたりも気にならず、すっと入ってくるかもしれないですね。
内藤:そうですね。ちなみに、演目によって服装も全然違ったりもします。
前川:「服装が違う」というレベルの話じゃないところもありますよね。Dの『明治美譚』では、意味がわからないくらいに違います。「3.5次元」ですから、異色すぎるところがあります。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、前川さんが主人公として出演する「3.5次元」の『明治美譚』についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。〓日掲載予定のインタビュー「下」の前半では、内藤さんが主人公のグランドミュージカル作品である『将軍』や曲のことなどについてのお話を紹介します。後半では、るひまさんの年末作品が開催されない今年の「年末の過ごし方」、年末作品についての思いなどについて伺った内容とお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■前川:3.5次元ってことは、誰かが4次元にいないとおかしいなって。そこが面白い(笑)
■内藤:主演だけではなくて、脇役で出ている作品もあるから、その辺りも観どころ
■前川:お客さまも前のめりに…ごめんなさいね…「茶番に乗っかってくれる」というか(笑)
■内藤:他の現場だと、「これはちょっと行き過ぎ」みたいなところを存分に発揮できる
<『時をかけ・る 〜LOSER〜2』>
【東京公演】2025年10月30日(木)〜11月4日(火) 品川プリンスホテル Club eXで上演
公式サイト
https://toki-wo-kakeru.com
【大阪上映会】2025年11月9日(日) サンケイホールブリーゼ
公式サイト
https://toki-wo-kakeru.com/info-osaka
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「明治美譚」が存在する(しない)世界を板の上も客席もみんな全力で楽しんでるDの空間が大好きです!こんなに短い期間で終わってしまうのがさみしい…