「エドに二人を選んでよかった」、舞台『鋼の錬金術師』一色洋平・廣野凌大・石丸さち子(下) | アイデアニュース

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「エドに二人を選んでよかった」、舞台『鋼の錬金術師』一色洋平・廣野凌大・石丸さち子(下)

筆者: 達花和月 更新日: 2026年2月6日

2026年2月7日(土)から 2月15日(日)まで東京・シアターHで、2月20日(金)から 2月22日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―が上演されます。脚本・演出の石丸さち子さんのもと、多様なジャンルのエンターテイメントで活躍するクリエイター、キャストが集結します。主演のエドワード・エルリックは一色洋平さん/廣野凌大さんがWキャストで続投。アメストリス全土を巻き込む大きな野望が明らかになり、新たな局面を迎えるエルリック兄弟の旅が描かれます。

一色さん、廣野さん、石丸さんのインタビュー後編です。「下」では、原作を大切にしながらも「舞台」として構築していく際に、大事にしていることについてのお話、石丸さんからお二人へのオーダー、公演を楽しみにされているお客さまへのメッセージ、石丸さんが感じていらっしゃるお二人の成長についてのお話などを紹介します。

廣野凌大さん=舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―稽古場で、写真提供:マーベラス
廣野凌大さん=舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―稽古場で、写真提供:マーベラス
一色洋平さん=舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―稽古場で、写真提供:マーベラス
一色洋平さん=舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―稽古場で、写真提供:マーベラス

ーー原作にパワーがあるからこそというのはもちろんですが、舞台『鋼の錬金術師』としての独自の進化も遂げていらっしゃると思います。原作を大切にしながらも「舞台」として構築していく際に、大事にしているものはなんでしょうか?

石丸:原作には、舞台ではできないことばっかり書いてあるんです。

廣野・一色:(笑)。

石丸:それをいかに舞台で表現するか。お客さまには想像力があるから、そこを信じて、全てをそのままなぞるのではなく、「なぜこれが登場してくるんだ? なぜこのシーンがあるんだ? なぜこういう現象が起きるんだ?」というところの、一番の核心みたいなものを、ちょっと違う形で描いたりしています。例えば、第一弾ではエンヴィーが見事にその場で変身してみせることはできなかったんです。でも、ヒューズという人物がなぜ死に至ったかを描くには、やり方がありました。

廣野:あれはすごかった。

石丸:それをいかに、よりお客さまの心に訴えかけるかというときに、いつも「ハガレン」に関しては、「円」(練成陣)が私の中にあるんです。だから、何か困ったら「円」を考えようと思っています。「円」を眺めていて、思いつくことが多くて。

一色:へぇー!

石丸:今回もあったでしょう?

一色:あります。

石丸:舞台版ならではの「ハガレン」の魅力や、「舞台の『ハガレン』だ!」と思ってもらえるようなものが、今回もあると思います。荒川先生が寄せてくださった応援メッセージで、楽しみにしてくださっている「エンヴィー(大)の登場シーン」とか。

一色:それ言うと思った(笑)。

石丸:全く違うやり方をしてるかも知れませんけれども。

廣野:でもね、一緒ですよね。あれはすごいよな…。

石丸:一緒だと思うので、本当にいろいろと楽しみにしてほしいです。

ーーどんな演出なのか、もう少しお伺いしたいところですが、観てのお楽しみにしますね。

石丸:ぜひぜひ(笑)。

ーー第三弾で描くテーマはなんでしょうか?

廣野:サブタイトルが、「闇と光の野望」ですよね。最初に台本をいただいたときから、稽古場でもずっとさち子さんが言ってくださっていますが、今回は「欲望のドミノ」だと。ドミノ倒しのように、いろいろなキャラクターの欲望と野望が続き、連鎖反応を起こしていく様子が舞台上で軽快に進んでいくので、わかりやすいです。そうやってストーリーが展開していくので、いろんなところに行くエドは揉みくちゃです(笑)。

一色:本っ当にそう!

廣野:キービジュアルには、ブリッグズ、グリード(リン)、キンブリーが出ているから、きっとそこらへんの話かなと想像されると思うのですが、そこに辿り着くまでが、とんでもないです。

石丸:(笑)。

ーーキンブリーは前回もそうでしたが、チラチラッと登場していますね。

廣野:そう、どこまで行くんだろう、キンブリーがスーツを着ているってことはね…とか想像されると思うんですよ。(小声で)本当に、キンブリーが大活躍で…。

一色:大活躍だよね(笑)。

石丸:あはは(笑)。

廣野:でも思ってるよりも、みんな大活躍ですよ。第一弾はどちらかというと、エドとアルが中心の話でしたね。

一色:あと2人の周囲の人のね。

廣野:第二弾では、円を広げて登場人物が増えて、その中の関係性が描かれました。今回は、アメストリス全部を巻き込むような、もっとデカいものです。アメストリスみたいになった上でのみんなが、エドたちにどう作用し、逆にエドたちはどう作用していくのか。スケールが大きい物語になります。いろいろなキャラクターが出てきて盛りだくさんですから、楽しみにしていただきたいです。

ーー石丸さんからの、お二人へのオーダーについてお聞きしたいです。

一色:一つ前の『キオスク』(2025年12月)という作品で、石丸さち子さんとご一緒していて、そのときに俳優として新しい「回路」みたいなものを手に入れた実感がありました。それは僕の中に今、すごく根付いていてるんです。“ただただそこに居て、言葉を吐いている相手に影響を受けて、自分がポンっとレスポンスする” という、ただ「居る」だけで「物語」にあちこち振り回してもらえるという、ものすごい体験をしたんです。今回その「回路」をエド版で作れたらいいなと思ってはいます。でも、なかなか難しいですね。糸口があるはずだと信じているのですが。

石丸:洋平は見つけると、いつもグッとよくなるんだよね。だから早く見つけてほしいなというのもあって。

一色:今、その最中ですね。

廣野:僕は「Bimi」というアーティストの活動で、去年の僕誕生日の4月28日に「Dear 27th」(『Bimi Live Galley #04 –Dear 27th-』)というライブをやりました。26歳までの「尖って」いた自分を1回払拭するための「葬式」を企画して、さち子さんに総合演出をしていただいたんです。エゴだけで動き、周りを動かす自分はその時に1回いなくなったので、今は「開けている」状態です。いろいろな人を、すごくリスペクトするようになりました。もちろん前もそうでしたが、リスペクトの性質が変わったというか、もっと尊重できるようになったというか。

例えば、人にはいろいろな考えがあるんだなと、自分が成長させてもらったことで受け入れられるようになりましたので、僕はそこを何とか、今回のエドの成長にリンクさせたいと思っています。お客さまにそう見えなくてもいいのですが、うまくできれば、そういうところがエドにハマるのかなと、今回の台本を読みながら考えていました。それを体現したいと思いながら、日々課題に取り組んでいます。

ーーお二人とも、これまでの経験で得てこられたものを、今回のエドにどう反映させるかと試行錯誤している感じでしょうか。

廣野:そうですね。第一弾ではエドに成長させてもらい、第二弾ではエドの偉大さに気づいて、「エドに追いつきたい」と頑張ってきました。第三弾は、これまでの恩返しというか、逆にエドを取り入れて体現する、みたいなところになると思っています。エドに引っ張ってもらっていましたが、どんどん距離を近づけて、合わせられたらいいなという段階かなと。

ーーお話ありがとうございました。公演を楽しみにされているお客さまへのメッセージをお願いします。

廣野:熱い言葉が飛び交っているインタビューですよね。僕らの思いを背負っても、フラットな気持ちでも、いかようにもしていただけたらと思うのですが、本当に自信を持って言えるのは「マジで面白い!」。観に来ていただけたら、絶対に後悔はさせません。第一弾、第二弾でも言っていた「お金返すから観に来て!」というのは、もうずっと思っていますし。

一色:「つまらなかったら返金する」って言ってたね。

廣野:いつもそう思っているんですけど、なによりも本当に、ただ観て、何かを感じ取っていただけたらと思います。昨今、いろいろな難しい問題が浮き彫りになっていて生き辛い世の中ですが、たぶんそれは、その時代を生きて前に進もうとしていたら、どの時代でも感じるものだとも思います。そういう生き辛さを感じている人間が少しでも集まれる場所が「演劇・芸術」だと思いますし、これは「日々の活力に繋げられるような作品」だと胸を張って言えるので、ぜひ観に来ていただきたいです。

一色:昨日、2幕の通し稽古を見ていて、グリードの「『ありえない』なんて事はありえない」という言葉が、ふと頭に浮かびました。原作の漫画を読み返すたびに「このシーンを、どう舞台化するんだろう?」と思うんですが、そこを「劇団ハガレン」は、やっぱり「演劇」にしていくんですね。

今回の第三弾は本当に「山場」の連続で、常に髪の毛を捕まれて、頭をどこかに引っ張られるような感じでドラマが進んでいきますから、それこそ「『ありえない』なんて事はありえない」の連続です。そもそもこの「劇団ハガレン」というチームが成し遂げていること自体がそれを体現しているとすごく思っているので、今回もどうぞ「劇団ハガレン」公演をよろしくお願いします。

石丸:たった一人の人間の「野望」や「欲望」、つまり「我欲」で世界はこんなにも変わりうるんです。人々の命が、こんなにも意味なく失われて、それに立ち向かう人が現れる。物語に登場する「光」と「闇」には、それぞれ根拠のある「欲望」があるんです。それはどちらも「人間」だから。「闇」の側も「人間」であって、ホムンクルスという人間外で描かれていますが、“神に近づきたい” というのは「人間の欲」です。そして、そこに抗う「光」の側の「野望」もあります。

たった一人「我欲」の強い人がいるだけで「世界はこんなにも脆く崩れ得るものなのか」ということが顕わになっていく世界の中で、小さな一人一人の人間が、愛を持ちながら信じて繋がり合って、裏切られても信じて、そして絶望しても希望しながら生きていく、そんな力が、いかにこの脆い世界を支えているかが、今回特に描かれます。人種についての言及もあるので、この第三弾は今の私たちの時代にジャストフィットしているんです。

だからその中で、私たちは「闇」もきっちり描きます。「光」を背負っている人たちも「自責の念」や「闇」をいっぱい抱えていて、善悪で分けるだけでは描けない「この世界の複雑さ」を見事に漫画に現してくださった荒川弘先生の「世界」を、生身の人間として「光」も「闇」も全部背負って描こうと思っています。

いつもお伝えすることですが、もちろん「ハガレン」ファンの方に喜んでいただこうと思って、とても頑張っています。そして「ハガレン」ファン以外の方、俳優のファンの方や、私の作品をいつも観てくださる方、そういう方々にも、きっと満足していただける作品になっていると思うので、ぜひ劇場に来ていただきたいと思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、石丸さんが感じていらっしゃる二人の成長についてのお話などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■石丸:相手を自分の演技に生かす二人 廣野:パクりたいんで(笑) 一色:わかるわかる(笑)

■石丸:洋平は廣野から見いだし、廣野は「洋平さんがこうするなら、僕はこういく」というやり方

■石丸:洋平と廣野が、全然別のタイプのすごくいい仕事をしている。その姿がエドの成長に重なる

■石丸:「表現する」ということは技術だけでなく、本当に人間の所業であり、時間の成せる面白み

<舞台『鋼の錬金術師』―闇と光の野望―>
【東京公演】2026年2月7日(土)~ 2月15日(日) シアターH
【大阪公演】2026年2月20日(金)~2月22日(日)  梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
公式サイト
https://stage-hagaren.jp

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いをきっかけとして演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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