アイデアニュースではすでにおなじみの「かっこちゃん」こと山元加津子さんが、初めて監督した映画「銀河の雫 ~はじまりはひとつ~」が、2016年9月3日(土)に仙台で初上映されます。この映画は、ネパール大地震後の復興支援と、意識障害の方々の回復の方法やコミュニケーションの情報を広める「白雪姫プロジェクト」の支援をしたいというかっこちゃんの思いをうけて、たくさんの人の応援で生まれました。初上映を前に、かっこちゃんにインタビューしたので、ぜひお読みください。
かっこちゃんは、『私はあなたかもしれないし、野の花かもしれない。宗教も人種もみんないろいろでも、本当はひとつ。たとえば争うということは、目が手を攻撃したり、足が手を攻撃したりするようなもの。争う必要はなくて、みんなが、お互いを思いあって生きて行くことができるはず。そして自分のことも大好きでいたいと湧き上がるように思える映画』を作りたいと、大好きなネパールで撮影してきました。編集作業や映画の配信のことなど、撮影が終わってからも大変なことがいっぱい。それでも温かい応援をいっぱい受けて、いよいよ映画「銀河の雫」が仙台の電力ホールで初上映されます。
1000人が集まることを目標にした初上映が、もう目の前に迫っている今、私にはかっこちゃんにきいてみたいことがありました。
みどり:かっこちゃんだったら、本を書いたり、講演会をしたり、いろんな方法でネパールのことを伝えることも出来たと思うんだけど、どうして「ネパールで映画を撮ろう」と思ったの? なんで映画だったの?
かっこちゃん:正直言うとね、わからないの。口から出ちゃった(笑)。例えばみどりちゃんだったら、フィリピンとか東北とか熊本に行くでしょう、なんだか突き動かされる感じで応援したいと思うじゃない。そんなふうに、私も、ネパールに12年前に行って、ネパールの人たちがとても優しい人たちだって知ってるのね。その人たちのことを思ったときに、やっぱり何か出来ないかなあって。東北の地震の時も、ネパールの人たちはそんなに裕福じゃないのに、日本のことをすごく心配してくださって助けて下さったことを知ってたのね。それで、ありがとうって言うだけじゃいけないなあって思って。それで、なんだか映画って思っちゃたんだけど、自分で作ろうという気はさらさらなかったんだよ。
そうなんです。かっこちゃんははじめ、今回の映画でもとてもお世話になっている大切な仲間、ハートオブミラクルの岩崎靖子監督にネパールで映画を撮ってほしいとお願いしたのでした。でも、靖子ちゃんは日本国内で撮りたいものがいっぱいあって、まだ海外で撮るつもりはないんだよということでした。そこで、もうひとりの大切な友だち、写真家のてっちゃんこと野村哲也さんにもお願いしたところ、こんな言葉をくれたのだそうです。
「どうして自分でやらないの?やりたいのは自分でしょ」
ああ、そうだなあ、ネパールの支援の映画を作りたいのに人に頼むというのも変だなあと思いなおしたかっこちゃんは、自分で撮ることにしたのでした。
もちろん、何もかも初めてで、そこに行って手元にカメラがあれば映画が撮れると思っていたかっこちゃんは、いろいろな壁にぶつかったのでした。不安でいっぱい。車の手配は? 編集はどうするの?…… それでも諦めたり投げ出したりしないのがかっこちゃんです。もちろん、そんなかっこちゃんを、岩崎靖子監督も野村哲也さんも放っておくわけはありません。監督はかっこちゃんだけど、「出来ることはなんでもするよ」とお手伝いしてくれたのでした。
たった5日間の撮影日程で、映画の「ストーリー」もない。ネパールでの撮影を手伝ってくれたてっちゃんたちは本当に不安だったことでしょう。でも、撮りおわって日本に帰ってきてみたら、必要なところしか撮っていないことがわかったのだそうです。
かっこちゃん:まるではじめからちゃんと組み立ててあったみたいに撮れてたの。不思議なのは、全然知らないおじさんが、急にあたしに話しかけてくれて、それが本当に大事なことでね。ええーッ、なにそれーって驚いたり。なにもかもうまくいったんだよね。
映画は、たくさんの人の協力と応援を得てとうとう完成したのです。
みどり:もうひとつ、きいてもいい?どうしてネパールなのかなあと思って。かっこちゃんは毎年、旅の仲間と一緒に海外に出かけるでしょう。今年はフィンランドに行って、素晴らしいところだったと聞いたし、ブータンにもイスラエルにも行ったけど、ネパールはかっこちゃんにとって特別なところなのかな?
かっこちゃん:あたしはね、小さい時、変なことばっかり考えてたの。石とかじっと見てたら、「あ、石と私は一緒だ」とか思えてきて、でもそんな考えは誰にも分かってもらえなかったの。「あの子、石と話したりしておかしいよね」って近所の人に言われて泣きながら家に帰るのね。それが、ネパールでは変じゃなかったの、あたりまえのことだったの。あたしが漠然と感じていたことが、ネパールでは普通のことだったの。
12年前、かっこちゃんは初めてネパールを訪れました。その旅をお世話してくれたのが、ガイドのギータちゃん。ギータちゃんから、犬も猫も猿も、地面も空も、カメラも机も、みんな自分の一部。みんな神様。ゴミさえも神様だよと。あなたは私の一部だし、私はあなたの一部。みんなでひとつ。体に痛い場所があれば、手は痛いひざをさすり、ほおをなぜる。決して、手は、体を傷つけない。あなたも私の一部だから、あなたがよろこんでいるのがうれしい。お互いにいいように、全部が大丈夫なように出来ているよと教えてもらったのだそうです。
特別支援学校の教員だったかっこちゃんは、子どもたちと過ごしながらいつも、「私だけが一方的に子どもたちに教えたり、お世話をしているんじゃない。お互いに支え合って、教え合っている」と感じていました。それは、日本では常識とはちょっと違う考えのように受け取られていましたが、ネパールではそれが当たり前のことなのだと知って、かっこちゃんは嬉しい驚きをおぼえます。
かっこちゃん:「あたしはいちじくと凛っていう犬を飼ってるんだけど、普通はあたしがお世話をしてるって思うじゃない? でもネパールの人たちは、“犬は人間を守ってくれているでしょう。犬がお腹がすくってことは、自分がお腹を空かしているのと同じ。犬がケガをするってことは自分がケガをするのと同じ。犬も私も同じだよ”って言うの。お友だちがケガをしたり、犬がケガをしたら、自分がケガをしていなくても、痛くて泣けてしかたがなかったあたしの小さい頃と同じだなって思ったのね」
かっこちゃんは思っています。これは「本当のこと」なんじゃないか。ネパールの人が特別なんじゃなくて、本当は日本の人もみんなが知っていたことなんだけど、大人になって忘れてしまっただけのこと。みんながつながっていて、みんなでひとつの大きな命を生きている。本当はみんな、最初のひとつだったときの記憶を心の奥に持っているんじゃないか。かっこちゃんのその記憶はキラキラと光っていて、銀河の雫のよう。そこで、映画のタイトルは「銀河の雫」サブタイトルは「はじまりはひとつ」になりました。
- ◆「銀河の雫 ~はじまりはひとつ~」初上映会
- ◆日時 平成28年9月3日(土)11:00開場
- 第1部 山元加津子監督映画 初上映会(12:00開始)
- 第2部 山元加津子さん講演会(14:30開始予定)
- 宮田俊也さん挨拶(登壇予定)
- ◆会場 電力ホール(仙人=1000人会場、全席自由)
- ◆入場料 4000円(500円のお買い物券がついています。本や雑貨を変えます。)
団体割引あり(1口11枚…4万円)- ◆主催 宮ぷーとかっこちゃんを心から応援する会 共催(社)ろばの耳
- ◆申込方法 氏名、住所、連絡先、参加人数を下記にお申し込み後、 参加費をお振込みください。 入金確認後、チケットをご郵送いたします。
- ◆【振込先】
- ゆうちょ銀行からゆうちょ銀行へ振込みの場合
- 記号番号: 18120 – 11974681
- 名義人:サトウシゲオ
- 他銀行からゆうちょ銀行へ振込みの場合
- 店名:八一八(読みハチイチハチ)
- 店番: 818
- 預金種目:普通貯金 口座番号: 1197468
- 名義人:サトウシゲオ
- TEL/FAX : 022-796-7430 (石井美恵)
- e-mail : miyapukakko☆yahoo.co.jp (佐藤とよ子)☆を@に変えてください
映画「銀河の雫 ~はじまりはひとつ~」ホームページはこちら→ http://eiga377.wixsite.com/robanomimi-eiga
ここからはアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です。かっこちゃんから、映画の初上映会にぜひお越しくださいというメッセージや、筆者が以前からぜひかっこちゃんにききたかった10の質問=アクターズスタジオというインタビュー番組でゲストに必ず聞く質問の答えをご紹介します。
■かっこちゃんからのメール
■かっこちゃんへの10の質問 好きな言葉は何?/ 嫌いな言葉は?/ 何に高揚する?/うんざりすることは?/好きな音は?/嫌いな音は?/好きな悪態は?/今の職業以外でやってみたい仕事は何?/絶対にやりたくない職業は?/天国に着いたとき、神になんと言われたいか?
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