劇作家・末満健一さんが2009年から展開している演劇公演『TRUMP』シリーズの世界観を末満さんと6名の作家が共有し、短編アンソロジーとして「雨下の章」と「日和の章」の2作品を同時上演する shared TRUMPシリーズ 音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』が2020年9月20日(日)から10月4日(日)まで東京のサンシャイン劇場で、10月14日(水)から10月20日(火)まで大阪の COOL JAPAN PARK TT ホールで上演されます(ライブ配信あり)。この作品に主人公のリリー役で主演するのは元モーニング娘。の鞘師里保さんで、松岡充さん、上原理生さん、樹里咲穂さん、宮川浩さん、朴璐美さん、中尾ミエさんらが出演します。音楽はシリーズお馴染みの和田俊輔さんが担当します。
7月21日には、末満健一さんとともに脚本を担当する6人の作家陣の名前とコメントが発表されました。
<「雨下の章」の末満健一さん以外の作家陣>
【中屋敷法仁さん】劇団柿喰う客の代表を務め、『黒子のバスケ』等2.5次元作品も手掛け様々な公演に携わりながら、幅広い分野で小劇場界を牽引 <コメント>僕にとって憧れでもあり畏怖の対象でもあった『TRUMP』。脚本家として、その劇世界を旅できることを嬉しく思います。これまでの物語が紡ぎ出してきた壮大な命題を異なる視点から刺激できるよう心血を注ぎます。
【降田天さん】「女王はかえらない」で第13回「このミステリーがすごい!」大賞、「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞を受賞するなど各界で高い評価を得る小説家・推理作家 <コメント>繭期の作家です。思いがけないお誘いをいただき、リリーの旅に参加させていただくことになりました。脚本を書くのは初めての経験でしたが、演劇というものに人生を楽しくしてもらった者として、少しでもご恩返しができていたらうれしいです。
【宮沢龍生さん】:作家集団GoRAの代表を務め、末満が舞台版を手掛けたアニメ「K」などの人気作を生み出す <コメント>初めまして、宮沢龍生と申します。普段は脚本や本を書いたりしています。末満さんにお声がけ頂いて二つ返事でお引き受けしました。コミカライズも決まりますます広がっていく『TRUMP』 のディープな世界に参加できたのは本当に光栄です。
<「日和の章」の末満健一さん以外の作家陣>
【岩井勇気さん】お笑いコンビ・ハライチで全てのネタを作成し、俳優活動やベストセラーとなった初のエッセイ「僕の人生には事件が起きない」、ザ・ドリームマッチ2020で披露した「醤油の魔人と塩の魔人」が話題となった。演劇脚本に初挑戦 <コメント>昨年舞台でTRUMPシリーズを見た時から魅力に気付いて、映像化されているものは全て観ました。脚本を書かせてもらえることになり、嬉しいです。世界観を大事にして自分に書けるものを書かせてもらいます。
【葛木英さん】劇団クロムモリブデンに所属し、脚本家・演出家・俳優として数々の小劇場作品やエンタメ作品で活躍 <コメント>このお話をいただいた時、実は色々なことに悩んでいたのですが、神様からのプレゼントかと思いました。TRUMPシリーズは純粋なファンで、大人になっても繭期な自分です。小劇場の頃から知り合いの和田さんや新良エッちゃんとまさかここでご一緒出来るとは、私がTRUMPシリーズに携われるとはと。尊敬する末満さんにご相談させていただきながら、今、自分が本当に書きたい作品を描こうと思います。全力で。愛を込めて。どうかあなたの元へ、届きますように。
【来楽零さん】作家集団GoRA所属、デビュー作「哀しみキメラ」で第12回電撃小説大賞金賞を受賞、アニメ「K」、「ロミオの災難」などを手掛ける <コメント>繭期、クラン、不死、イニシアチブ、TRUE OF VAMP――等々、魅力的なワードの満ちる中、どの方向からこの世界に切り込んでいくか考えるのはとても楽しい時間でした。末満さんが十年以上の歳月をかけて作り上げてきたTRUMPシリーズの濃厚で奥深い世界に参加させていただけてとても幸せです。
<脚本・演出・監修:末満健一さんのコメント>
TRUMPシリーズ最新作 ミュージカル『キルバーン』は、先日、情報公開と同時に延期をお知らせすることとなりました。コロナ禍の見通しが立たない中、『キルバーン』を望むべき形で上演することが不可能だと判断したからです。当初、『キルバーン』を朗読劇として上演できないかという検討もありました。しかし、朗読劇という形式は『キルバーン』のあるべき楽しみ方をお届けすることが難しいものでした。予定していた作品を下方修正して上演するくらいであれば、コロナ禍のガイドラインの中でも最上の形で実現できる別の新作を用意しようと、そう決めました。作品の急な方向転換でしたが、様々な方の尽力のおかげでこうして発表できる日を迎えられたことに感謝いたします。そして、TRUMPシリーズの新たな新作としてお届けすることになったのが、音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』。
「shared TRUMP シリーズ」と銘打ち、脚本として、僕の他に6人の作家さんに参加していただく短編演劇集です。TRUMPシリーズで「いつかシェアードワールドを」「いつか短編演劇集を」というのは、このシリーズを続けていく上でいずれ叶えたいと考えていた企画でした。この状況だからこそ、より面白い作品を届けたい。それはエンターテインメントはコロナになんか負けやしない、という作り手の意地なのかもしれません。参加していただく作家陣の発表は少し先になるとのことですが、「この人たちにTRUMPシリーズの世界に入ってもらい、かき混ぜてもらったら絶対に面白いことになる」と、信頼と確信を感じる方々に揃っていただきました。そして、朗読とはいえ音楽劇。作曲はもちろん、これまでのシリーズで多くの楽曲を手掛けてくれている和田俊輔氏。今回も珠玉の楽曲たちが物語を彩ってくれます。
主演は、TRUMPシリーズでは『LILIUM-少女純潔歌劇-』『二輪咲き』でご一緒させていただいた鞘師里保さん。モーニング娘。を卒業後、海外留学や様々な人生経験を重ねたであろう彼女とまた創作を共にできることが、今から楽しみでなりません。その他にも、TRUMPシリーズの世界観に新風を吹き込むキャスト陣に揃っていただきました。このメンバーで感染予防対策のガイドラインを遵守しながら、「新しい生活様式」ならぬ「新しい演劇様式」の中での最高の作品の創出を目指してまいります。
また、シリーズの原点となる『TRUMP』が、月刊漫画雑誌ヤングエースにてコミカライズしていただけることとなりました。連載開始は今秋より。原作者としても、いち漫画ファンとしても、楽しみでなりません。昨年10周年を迎え、次なる20周年に向けて動き出したTRUMPシリーズを今後ともよろしくお願いいたします。
<Profile:末満健一(すえみつ・けんいち)>
1976年6月18日生まれ、大阪府出身。劇団「惑星ピスタチオ」にて俳優として活動後、2002年自身の作品を発表する場として演劇ユニット「ピースピット」を旗揚げし、大阪を中心に活動。2011年以降、活動の場を東京にも広げ、演劇・映像・アニメとその活動は多岐に亘る。TRUMPシリーズの他、近年の主な作品に、舞台『刀剣乱舞』、『K』シリーズ、二人芝居『Equal-イコール-』、『天球儀』、『鬼滅の刃』(以上、脚本・演出)、TVアニメ『ボールルームへようこそ』(シリーズ構成・脚本)、短編映画『ラブラブ ROUTE21』(脚本・監督)など。
<STORY>
「時よ止まれ、君に永久の美しさを──」。それは永遠の繭期の夢だった。その永遠の繭期の終わりと始まりに、少女は夢から醒め、花園を去った。少女が還る現実の世界は、寥々たる荒野だろう。あてどなき旅。終わりのない繭期。失われた死を求めて。彷徨いながら、少女は邂逅と別離をくり返す。14人の俳優と7人の作家陣が織りなす、孤独と狂気。12篇の物語。
<TRUMP シリーズとは>
不死を失った吸血種《ヴァンプ》たちが、永遠の命を持つとされる吸血種《トランプ》の不死伝説に翻弄されていく様を描く、劇作家・末満健一がライフワークに掲げ、2009年より展開する演劇シリーズ作品。人間でいうところの思春期=繭期(まゆき)の少年たちが生を渇望する姿を描いたシリーズの原点『TRUMP』の他、『LILIUM-リリウム少女純潔歌劇-』、『SPECTER』、『グランギニョル』、ミュージカル『マリーゴールド』、『COCOON 月の翳り星ひとつ』がこれまでに上演され、公演から派生した短篇小説も多数発表。10周年プロジェクトでは戯曲やサウンドトラックCDの発売、展示会やライブイベント『繭期夜会』『繭期大夜会』が開催された。
<shared TRUMPシリーズ 音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』公演概要>
【東京公演】2020年9月20日(日)~10月4日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】2020年10月14日(水)~10月20日(火) COOL JAPAN PARK TT ホール
【ライブ配信】2020年9月22日(火祝)、9月26日(土)、9月27日(日)、10月3日(土)、10月4日(日) 全5日程・10公演
【キャスト】
<雨下の章>鞘師里保、樹里咲穂、池岡亮介、大久保祥太郎、新良エツ子、宮川浩、中尾ミエ、松岡充
<日和の章>鞘師里保、上原理生、MIO、YAE、アイクぬわら、中山義紘、新良エツ子、朴璐美
ヴァイオリン&ヴィオラ:三國茉莉/谷崎舞 チェロ:伊藤修平
※9/24~25、29、10/3は三國茉莉の出演はなく、谷崎舞が出演
【演出・監修】末満健一
【脚本】
<雨下の章>中屋敷法仁、降田天、宮沢龍生/末満健一
<日和の章>岩井勇気、葛木英、来楽零/末満健一
【音楽】和田俊輔
【主催・企画・製作/問い合わせ】ワタナベエンターテインメント/03-5410-1885(平日 11:00~18:00)
※劇場では、新型コロナウイルス感染症に対する十分な対策を講じた上で上演
公式ホームページ
https://trump2020.westage.jp/
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