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フェアトレードが解決できること フィリピンからの提言

筆者: 松中みどり 更新日: 2015年5月12日

 

フィリピンでフェアトレードをおこなっている「プレダ」のシェイ・カレン神父

フィリピンでフェアトレードをおこなっている「プレダ」のシェイ・カレン神父

 

フェアトレードという言葉を耳にされたことはあると思います。しかし、筆者も言葉としては知っていましたが、きちんとした定義は知りませんでしたし、「世界フェアトレードデー」というのがあるのも知りませんでした。「世界フェアトレード・デー」は、世界中でフェアトレードをアピールする日、フェアトレードFair Trade とは「公正な貿易」という意味ですから、今、安い値段で手に入るバナナや、衣服や、雑貨など途上国からやってきている原料や製品について考えてみる日なのです。各地でイベントやキャンペーンが開催されます。毎年5月の第2土曜日なので、今年は5月9日(土)が「世界フェアトレード・デー」だったわけです。そして5月は、フェアトレード月間。今日は、40年間、フィリピンでフェアトレードをおこなっているシェイ・カレン神父の提言を読んでいきたいと思います。

 

その前に、まずはフェアトレードの定義について。現在最も広く受け入れられている定義は、世界のフェアトレードネットワーク(Fairtrade International, World Fair Trade Organization,  European Fair Trade Association)が共同で作った以下のもののようです。

 

Fair Trade is a trading partnership, based on dialogue, transparency and respect, that seeks greater equity in international trade. It contributes to sustainable development by offering better trading conditions to, and securing the rights of, marginalized producers and workers‐especially in the South.フェアトレードは、対話、透明性、敬意を基盤とし、より公平な条件下で国際貿易を行うことを目指す貿易パートナーシップである。特に「南」の弱い立場にある生産者や労働者に対し、より良い貿易条件を提供し、かつ彼らの権利を守ることにより、フェアトレードは持続可能な発展に貢献する。 (FLJ ホームページ フェアトレードの定義より http://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/000012.html )

 

マンゴーの収穫

マンゴーの収穫

 

“If not for Preda Fair Trade, I would still be living in poverty. The high price given by Preda for my mangos and the bonus payment gave me a way out of poverty and I can now educate my children”‐Juanito, small farmer.  「もしプレダのフェアトレードがなかったら、今でも貧しいまま生きていると思う。マンゴーを高値で買ってもらえて、ボーナスも支給されるプレダの仕組みがあるから、貧困から抜け出せたし、子どもたちの教育も出来ているんだ」 小規模農家のフアニートさんは言います。プレダ Preda とは、『People’s Recovery Empowerment and Development Assistance :人々の社会復帰と地位向上と発展の支援』 という意味で1974年にフィリピンのサンバレス州オロンガポ市に設立されたNGO団体です。ストリートチルドレンや性産業で働く人々のための活動の他、先住民や小規模農家から農作物を適正で公正な価格で買い取ってドライマンゴーやジャムに加工し、輸出をしています。収益は、地域社会全体の利益になるような活動にも使われています。

 

フィリピン・サンバレス州で40年間、貧しい人たちともに生きてきたプレダの中心人物でカトリックの神父、シェイ・カレンさんは新しいニュースレターの中でこう書いています。Fair-Trade can reduce mass migration :「フェアトレードは集団移民を減らすことが出来る」 命がけで地中海を渡り、ヨーロッパに逃れようとする人々を載せたすし詰め状態の船が転覆し、たくさんの人が亡くなるというニュースが続いています。国際移住機関IOMによると、4月に海を渡って到着した移民は14,908人に上っています。昨年2014年4月は、合計15,682人の移民がリビアやエジプトからイタリアに船で到着していますが、今年と昨年の違いは、死亡率にあるということです。リビア沖だけでなくチュニジア沖やギリシャ沖など、今年は1,780人が死亡したのに対し、昨年4月末までは96人の死亡でした。この悲劇的な集団移動について、シェイ・カレン神父は書いています。

 

「彼らは移住者なのか、亡命を求めているのか、避難民なのか。いずれにしても故国を離れた理由は、不公平、貧困、飢餓と暴力にある。公正な取引が出来ず、適正な賃金を得られない場所からは、人々は貧しさや飢えに耐えかねて出ていくものだ。国内避難民モニタリングセンター (IDMC)によると、ここ数年の強制移動は3800万人に上り、2014年だけでも1100万人が我が家や農地、仕事場を離れて移住せざるを得ない状況に追い込まれている。アフリカの人々が、貧しさや社会的な不公平さから逃げ出すニュースを見て、読者の皆さんはこう思うことだろう。先進国にいる自分に何が出来るのだろうかと。命をかけて逃げ出す人々が、自分の国で誇りある仕事をして幸せに暮らせるようにするのに、自分に何か出来ることがあるのだろうかと。その答えは明らかだ。多国籍企業が生み出している貧困や不正に目を向けること。貧しい人々を犠牲にして成り立っている自分たちの豊かな生活を見直すことだ」

 

マンゴーを収穫するフィリピンの小規模農家

マンゴーを収穫するフィリピンの小規模農家

 

「貧しい人たちは、アメリカやヨーロッパの豊かな暮らしについて聞いている。高い賃金が得られる場所だと知っている。だから、飢えた家族を支えるために、そこに行きたいと願うのだ。1100万人以上のフィリピン人もまた、海外での豊かな暮らしを求めて出ていくが、多くはそこで搾取されている。フェアトレードは、こうした状況を変え、正義をもたらすひとつの答えとなる。先進国に住むごく普通の人々が60年前に始めた運動で、公正な賃金を途上国の生産者に支払い、人間らしい暮らしを送れるようにしている」

 

プレダのフェアトレード製品 ドライマンゴー 

プレダのフェアトレード製品 ドライマンゴー

 

「フェアトレードの先駆者たちは、貧困にあえぐ人々を理解して、共感することで突き進んできた。アフリカや南米、アジア諸国で目の当たりにした不公平さを何とかしたいと、人間の尊厳を取り戻すべく闘ってきた道義心と愛にあふれたパイオニアだ。貧しい人たちの貧しさをチャリティで救うのではなく、仕事を通して格差をなくしていく。貧しい人たちが自分たちの国で働いて、人間らしい文化的な生活を送れる十分な賃金を得られるようにするには、それに見合った値段で買うことが必要で、フェアトレードの名にふさわしい製品を見極めて購入を続けることで、この世界をより良い、公平な世界にすることが出来る。その結果、少なくとも公正な賃金を求めて命がけで海を渡る人の数は減っていくはずだ」

 

先住民からマンゴーを買うプレダのスタッフ

先住民からマンゴーを買うプレダのスタッフ

 

 

☆ アイデアニュースでは、これからもフェアトレードについての記事をアップしていく予定です。プレダの活動についてはこちらのホームページをご覧ください。 http://www.preda.org

 

プレダのドライマンゴーは、日本では「ピープルツリー」で買うことが出来ます。 http://www.peopletree.co.jp/shopping/foods/099481.html

<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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