2024年10月に宝塚歌劇団を退団した、元雪組トップスター彩風咲奈さんの退団後初のコンサート『no man’s land』が、2025年5月2日(金)に開幕しました。5月4日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで、5月10日(金)から5月12日(日)まで東京国際フォーラム ホールCで開催されます。5月11日(日)の13:00公演、17:00公演は、ライブ配信(アーカイブなし)とライブ・ビューイングも実施されます。スタイリッシュでダイナミックなダンス、心に響く歌声を、バラエティ豊かなナンバーに乗せて。新たな道を歩み始めた彩風さんの魅力を、余すところなく表現するコンサートが期待されます。
演出は荻田浩一さんが担当し、スペシャルゲストに水夏希さん(5月2日 13:00公演・17:00公演、5月3日 13:00公演)、望海風斗さん(5月11日 13:00公演・17:00公演)が出演します。また、アフタートークショーが開催される回には、彩凪 翔さん(5月3日 17:00公演終演後)、愛月ひかるさん(5月3日 17:00公演終演後、5月10日 17:00公演終演後)、舞羽美海さん(5月10日 17:00公演終演後)がゲスト出演します。
アイデアニュースでは、彩風咲奈さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、コンサートの見どころ、ダンスへの思い、望海風斗さんのことについてお話してくださった内容などを紹介します。「下」では、水夏希さんが男役の基礎を作ってくださったというお話、退団後の心境、中学校で生徒会長に立候補された際のエピソードなどについてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

ーーアイデアニュース読者の方は、宝塚での彩風さんをご覧になっている方と、初めてご覧になる方がいらっしゃると思うので、それぞれの方へ向けて、コンサートの見どころをお聞かせください。まず、宝塚をご覧になって来られた方に向けての見どころはいかがでしょうか。
ずっと観ていただいている方には、懐かしい部分もあるんじゃないかなと思います。「あ! これね! これを選ぶよね!」というところを観ていただけるんじゃないかなと。
ーー惜しみなく、宝塚在団中の魅力もお届けされるんですね。
一気に変えるということはなくて、やっぱり自分が大好きな宝塚で培ったものだと思うので。でも、そのままではなくて、(魅力が)アップしたものをお届けしたいなと思いますね。
ーーアップする方向性については、どう考えていらっしゃいますか?
コンサートで歌うというのは、劇中で歌うのとはまた違うとは思いますが、宝塚というものは私の中でひとつなので、宝塚の楽曲を歌う時には、やはり当時の自分が考えていたこととか、例えばお芝居中の曲だったり、役のこととかも反映しながら、今の気持ちも乗せてお届けしたいですね。今、男役の歌を歌っても、多分声も違うと思うので、その辺にも新鮮さを感じつつ、懐かしんでいただけたらなと思います。
ーー彩風さんを初めてご覧になる方などには、どんなふうにご紹介したいですか?
私は宝塚時代から、かっこ良いことがあまり得意ではないので(笑)。「これが彩風咲奈です」というものをお届けできるかなと思うんですよね。すごく完成された作られたものというよりは、今、本当に(新しく)作っていっている段階ですから。
宝塚の男役も完成したと思っていないんですよね。やはり芸の道は、どこまでも続いていくものだと思います。もちろん「卒業でやり切った」という思いもありますが、「こうしたい、ああしたい」ということもまだありますので。
もちろん、作品としては最高のものをお稽古してお届けしたいと思うんですが、自分自身としては、これから”NEW彩風咲奈”を作っていく途中なんだよというところを、一つひとつお届けできたらなと思いますし、割と近く感じていただけたら嬉しいです。
ーー近くというのは、例えば、宝塚の男役はちょっと遠いけれどということでしょうか。
そうですね。客席降りとかもありますし、いっぱい走りたいと思います。宝塚大劇場というのは、銀橋があって、オーケストラボックスがあって、(客席は)その向こうでしたが、それよりもっともっとお客さんの近くまで行きたいなと思っていますし、マジマジと見ていただけたら(笑)。「彩風咲奈ってどんなヤツや」っていう思いで見に来ていただけたら、「こんな人です」ということを伝えられるかなと思います。
ーー彩風さんの舞台は、人間離れした等身、ダンスと歌とお芝居の融合した個性や、ダンスの表現力などが強みでいらっしゃるかなと拝見していましたが、ご自身では特にどういうところをこのコンサートの中でお届けしたいですか?
ダンスは本当に好きなので、今の「好き」を詰め込んだダンスをお届けしたいです。宝塚在団中は、「ここまで届かなくては!」ということを強く目標にしていたんです。自分が理想とするところに近づいたり、先生のおっしゃることを吸収して、どんどん高めていくことは大切だと思うんですけれども、初日までの間に「ここに向かって、ここまでを」ということばかりに向かってしまっていた部分がありました。
もちろんダンスが好きで、舞台のために、この作品の、その場面で踊るのが好きだということもありましたが、そうではなくて、「ただ音楽が鳴って踊るというのが好きなんだ」と(退団後の)この期間で再確認したので、男役の時から、ひとつ抜けたダンスをお届けできるかなと思います。
ーー「ただ踊るのが好き」と思っていたことは、例えば子供の頃とか、これまでにあったんですか?
昔はダンスが嫌いだったんですよ!
ーーそうなんですか!? でも踊っていたわけですよね?
クラシックバレエも習っていたのですが、バーレッスンは大嫌いでしたし、ジャズダンスは、宝塚音楽学校に入って初めて踊ったんです。ですから、音楽学校に入った頃は成績が悪くて大嫌いでした。
ーーとなると、今までの過程で、ただ踊るのが好きなんだって思ったことはないんですか?
そうですね…レッスンなどで「新しいな」と思うことなどはありましたが、どちらかというと苦手意識から入っているので、どう高めていくかということが先に来ていたのは大きいかと思います。
ーーなるほど、目的があるから努力できるということですよね。
大きいダンスの課題が来て、最初は『ロミオとジュリエット』の死の役でしたが、例えばあの機会が来て、ダンスについて考えて、と。そういうことが多かったです。
ーーそうなんですね。ずっとお好きなんだろうなと思っていました。
いや……ハハハ。本当に二番手くらいからですかね、トップになってからとかはもちろん、やっぱり好きだなって思うことはありましたけど。
ーートップになられて、ショーを拝見して驚いたのが、シャープな魅力というか、俗っぽい表現をすると、Sっぽいっていうんでしょうか。クールというか。トップさんにはそれぞれに個性がありますが、彩風さんはそういう方向なんだと驚きました。
自分の中では、トップスターに就任してからの作品の方が、ダンスの分量だけでいうと減りましたね。
ーーその分、歌うことが増えたりしますよね。
それまでの時期、特に二番手時代はすごい数のダンスナンバーで、どちらかというとダンスの部分を担当することが多かったので、多分、その頃よりもガムシャラじゃなくなったんだと思います。余裕が生まれたのではないでしょうか。トップに就任したときには、歌が増えたことで、ダンスの部分にも余裕ができたような感じかなと。
ーーなるほど。それがそういう魅力に繋がったと。
多分そうなのではないかと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、望海風斗さんのことについてお話してくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、水夏希さんが男役の基礎を作ってくださったというお話、退団後の心境、中学校で生徒会長に立候補された際のエピソードなどについてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■二番手時代、望海風斗さんと真彩希帆ちゃんの素晴らしい歌唱力に「私はその分ダンスを」と
■「絶対に『ファントム』を成功させなければならない、キャリエールであらなければならない」と
■『ファントム』では、一個一個の音や、望海さんとのハーモニーにものすごく神経を使って挑戦
■望海さんの歌への取り組みをお稽古場で拝見して、「私もやってみよう」と真似したりしていた
<彩風咲奈1st Concert 『no man’s land』>
【大阪公演】2025年5月2日(金)~5月4日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2025年5月10日(土)~5月12日(月) 東京国際フォーラム ホールC
【ライブ配信&ライブ・ビューイング】2025年5月11日(日)13:00公演、17:00公演 ※アーカイブなし
公式サイト
https://www.umegei.com/nml2025/
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