2025年7月30日(水)から8月6日(水)まで博品館劇場で上演される、『ダンスカンタービレ 2025〜VIOLET〜』に出演される彩凪翔さんのインタビュー後編です。「下」では、「女性」としての役を演じる際の試行錯誤、宝塚を退団されてからの、様々な挑戦を経て感じていらっしゃることなどについて伺ったお話と、お客さまへのメッセージを紹介します。

(※6月初旬にインタビューしました)
ーー形からとはいえ、人として成立していることが大切だということですね。
ちょっと強い女性でしたが、幸い、在団中に女役を2回させてもらったこともありました。裏で政界を操っていたような役でした。先日まで『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Repriseで演じていたアイリーン・アドラーも割と強めの役でしたね。それでも苦しみました。「女性らしい所作って何だろう」と。和物もすごく大変でしたね。和物は足もずっと付けておかなければいけない、膝を折らなければいけない、肘は絶対に体の(身幅の)中にある状態でした。16年間真逆のことをしてきましたから、そこがわからないんです。
――そこは、4年経っても試行錯誤されるところなんですね。
そうです。だから毎回いろいろと、どうしたらいいかなと。モリアーティの時も、すごくキャピキャピした場面や、誘惑する場面もあったので、「研究」という感じで取り組んでいました。今回もきっといろいろな困難があるんじゃないかと。女性として踊る感じもありそうな雰囲気なんですよね。中塚さんは、主従関係なのか、はたまた恋愛なのかみたいなことを話されていたので、女で踊る可能性があるなと。
――女性として踊るのは、また新しいことになりますか?
ショーで、男役がやる女役のナンバーとかはあったんですよ。だからどうなるんだろう……。信長だから、強く踊ってもいいのかもしれないですが……。
――衣裳がどうなるかもわからないですね。
そうなんです。でも女性として踊るのは、また今回のなかではひとつ、ハードルではあるのかもしれないですね。ダンスがまず大変なのは、もちろん最前提ですが、そのなかで、自分の持っている男役の見せ方というか、「大きく」「力強く」ということにプラス「女性らしさ」みたいなものが、もしかしたら求められるのかもしれません。きっと新しい姿だと思います。
*
――宝塚を退団されてから4年ですね。ここまで進んでこられて、今見えている景色について、当時と比べると、どう感じていらっしゃいますか?
変わらないのは、辞めたからこそ、いろいろなことに挑戦したいということです。やってみなければわからないこともありますし、ご縁で、例えばアフレコとか、現役時代はなかったような仕事にもチャレンジしてみて、自分の今後の芝居にプラスになったりしていると思っています。何が自分にプラスになるかわからないのですが、芸事に関しては、きっとなんでも繋がるんだなと感じています。女性として演じることも含め、全部新しかったですから。宝塚の男役はちょっと特殊ではありますから、退団後は、全てにチャレンジしてみたいという思いで挑戦してきました。
結果、「これは、舞台や演技に直接関係あるのかな?」と思いながらもチャレンジしたことは、すぐに生かされなかったとしても、引き出しとして自分の中に入っていくという感覚はあります。中塚さんもそうですし、いろいろな方のご縁がどんどん繋がっているのを、すごく感じていますね。
――外の世界に出たからこそ、全てが先に繋がっていくということですよね。
そうですね。やはり宝塚にいると同じ座組のなかで、同じメンバーで、同じ番手で、雪組に来た作品をやっていく感じですが、今はオファーを頂いて「やります」という判断も自分ですから。
――何を受けるか、何を受けないかの判断もご自身ですよね。
全てが自分の判断ですし、やりたいことも無限にあるので、本当に楽しいですね。こういう世界観もあるんだとか。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、宝塚を退団されてからの様々な挑戦を経て感じていらっしゃることなどについて伺ったお話やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■映像と舞台は芝居の勝手も違う。いきなりクライマックスを撮ったりと、映像は「瞬発力」
■立ち回りも、ギリギリのところでやっていることもある。リアリティがあってとても楽しい
■セリフを言いながらハケている方を見ると、「あ、そういう芝居もしていいんだ」と刺激的
■90分間のノンストップ。客席で一緒に汗をかいていただくぐらい、すごく熱い舞台に
<ダンスカンタービレ 2025 ~VIOLET~』>
【東京公演】2025年7月30日(水)~8月6日(水) 博品館劇場
公式サイト
https://www.hakuhinkan.co.jp/theater/archives/event/pr_2025_07_30
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