ミュージカル『ジェイミー』が、2025年7月9日(水)に開幕しました。7月27日(日)まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で、8月1日(金)から8月3日(日)まで大阪・新歌舞伎座で、8月9日(土)から8月11日(月・祝)まで愛知県芸術劇場 大ホールで上演されます。ドラァグクイーンを夢見る高校生ジェイミーが、差別や偏見と闘いながらも自分らしく生きていく様を見て、周囲の価値観が変わっていく。最高にホットで感動的なサクセスストーリーです。
英国の公共放送局、BBCで放送された、ドキュメンタリー番組を基に制作された『ジェイミー』は、2017年、英国のシェフィールド劇場で開幕するや大ヒットを記録し、ニューヨーク・ブロードウェイと並ぶミュージカルの聖地、ロンドン・ウェストエンドへ進出。さらには英国最高峰の演劇賞であるローレンス・オリヴィエ賞に5部門でノミネートされ一大旋風を巻き起こしました。2021年にはAmazon Prime videoで映画版も世界配信され、英国アカデミー賞優秀英国映画賞ノミネート。その後も世界各地で上演され続け、大好評を博しています。日本では2021年に初上演されました。
アイデアニュースでは、ジェイミーをダブルキャストで演じる三浦宏規さんと髙橋颯さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、三浦さんと髙橋さんがそれぞれのジェイミーについて感じていらっしゃること、ジェイミーの人物像などについてのお話などを紹介します。「下」では、安蘭けいさんや石川禅さんとの本読みや稽古の中で感じられたこと、お互いについてのお話と、お客さまへのメッセージを紹介します。

――お稽古が始まって、どんな状況でしょうか?
髙橋:シーンを徐々に前から当たっています。
三浦:1-7だから…
髙橋:トイレのシーン。
――つらいところですね。
髙橋:一番つらかったです。あんなに体力を削がれるシーンだとは思っていませんでした。
――初演の時とは違いますか?
髙橋:いや、もうわけが違います。
三浦:そうなの?
髙橋:前回とは別物です。前回は違う楽しさがありましたが、今回はまたすごく楽しくて。まだ2幕をやっていないからだと思いますけど。
三浦:2幕はきっとしんどいだろうね。心がしんどいかな。
――「前回とは別物」というところを、もう少し詳しく伺えますか?
髙橋:「半分くらいは、同じところもあるかな」と思って参加するわけじゃないですか。演出家さんも一緒ですし、同じキャストの方もいるし、自分自身も同じですから。でも蓋を開けてみたら、「あら、まったく違うわ」みたいな。当たり前ですが、宏規くんは前回を知らないじゃないですか。だから、僕が前に見た景色ではないので、「全然違うじゃん、楽しもう」って。
――パラレルワールドみたいな感じでしょうか。
髙橋:そうですね。だから正直、僕は今めっちゃ楽しいです! すごく楽しくて、「責任感を持って演じることを忘れないようにすること」を心がけてます。
――それは、楽しすぎてですか?
髙橋:そうなんですよ。ファンです、僕も。
三浦:『ジェイミー』ファン。
髙橋:例えば、この前のトイレのシーンは「こういうのが観たかった!」みたいなものをやってくれますから。もちろん、演じている本人はめちゃくちゃ大変なのですが、稽古からお金を払ってでもやっていただこうかなと思うくらい、本当に見ていて楽しくて。
三浦:どういうこと?
髙橋:自由という言葉が、今のところすごくしっくりくるのですが、思ったことを大胆に表現しますし、ジェイミーのひとりごとみたいなところもあります。それが他の役だと恥ずかしいかもしれないのですが。
三浦:確かにそうだね。ジェイミーだからできているところがあるよね。
髙橋:そうなんです。ジェイミーの力を借りて、恥ずかしさも乗り越えて、楽しく大胆に表現している感じがします。
――「ファン」というお話がありましたが、それはジェイミーのファンであり、作品のファンでもあり、みたいなお気持ちですか?
髙橋:どちらかというと、宏規くんのファンです。
三浦:そうやったん? そんな話してたん?
髙橋:そう(笑)。何か、「かゆいところに手が届く! あっ、そこ! そこをこう広げてくれるのが嬉しい! そこで前を向いてくれるのは嬉しい!」みたいな。
――三浦さんのジェイミーをご覧になっているのが楽しいんですね。
髙橋:そうです。
三浦:優しいね。
髙橋:本当にいっぱい盗ませてもらっちゃっています。
――ダブルキャストの相手が変わるというのは、結構大きな影響を与えているんですね。
髙橋:はい、とても大きいです。
――お二人は同い年ということで、前回ダブルキャストの森崎ウィンさんは先輩でしたし、お気持ちもだいぶ違いますか?
髙橋:お兄ちゃんでしたね。
三浦:そうだよね。
髙橋:緊張感はありましたが、ワークショップみたいな感じでした、前回は初心者でしたので、ジェフリーに、「颯さん、ウィンさんがとっても素晴らしいから、絶対に前から見てて」と言われていたんです。僕はちゃんと見て、「こういうことだよ」と勉強になる日々でした。
三浦:ちょっとしんどいですね。絶対に必要な時間というだけあって。
――「吸収しなければ」という思いが強かったということでしょうか。
髙橋:経験が浅いこともありましたが、わがままに、贅沢にやらせていただきました。未経験さを支えてもらっている感じが、すごく生っぽかったです。
――どちらも違うジェイミーで、素晴らしかったです。
髙橋:ありがとうございます。
――三浦さんは取り組まれながら、どんなことを感じていますか?
三浦:自由という意味では、僕の800倍くらい彼のほうが自由だと思います。
――そうなんですか?
三浦:僕には絶対にできない、思いつきもしないようなことを、「パンパンパン!」ってやるんですよ。僕の場合は自由に見せたいだけで、実は結構プランがあります。「こうしよう」みたいなことが何となく、自分の中でいくつか決まっているんです。それをやってみて、違えば違う、よければよし、という感じです。
多分、僕のジェイミーを観ている方は「ああ、そういうやり口か。このシーンのこの台詞はこういう表現ね。自由に見せているんだ」と思われるかもしれませんが、颯くんの場合は、まじでライブすぎて。
――ライブですか?
三浦:本当にライブです。それこそが舞台の醍醐味ですね。
――動物的なんでしょうか。
三浦:動物的! そうです! セッションというよりも、何でしょうね……。
髙橋:お互いバケツで水をかけ合っている(笑)。
三浦。そうそう。ジェイミーは役として、ひとりの世界に入ってしまう台詞やシーンが多めなんです。独白的ではないのですが、自分の中でしゃべっているような台詞が割と多くて、その時などは「すごいなぁ……」という感じで、ひりつきます。
髙橋:クウーーーーー(笑)。
三浦:しかも、毎回同じことはやらないし。
髙橋:大丈夫なのかなと思うけども。
三浦:大丈夫です。
――それに対して、演出のジェフリーさんはどんな反応をされますか?
三浦:ニコニコされています。
髙橋:恥ずかしい!
三浦:トライすることに、絶対ノーとおっしゃらない人なので。もちろん演出をつけていただく中で変わっていきますが、今はまだ稽古が始まって最初のシーン作りの段階なので、一番ぶっ飛ばせる時期なんですよね。僕は個人的には本当に経験したことがない役どころですし、台詞の中でも使ったことのない音を使っています。
――「使ったことのない音」というのは、声ということですか?
三浦:そうです。この1週間で、喉が飛びました。今、やっぱり、すごいパワーがいるなと感じています。
髙橋:長台詞を、ずっと叫んでいるもんね。素に戻ったらいけないと思いつつも、素に戻ってしまって。プリティだったら、「はいはい」と受けてくれるかもしれないけど、役者として、これを相手の台詞だと思ったら、長くない? というところがいっぱいあるよね。
三浦:ある。長いよ。
髙橋:眉毛のところも、「お願い、助けて。これができないと僕は今、恥ずかしくて」って……。
三浦;見ているほうも「……」ってなるもん。分かる。とにかくやっぱり長い。ジェイミーの量は、台詞も歌もダンスも、分量がすごく多いです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ジェイミーの人物像についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。「下」では、安蘭けいさんや石川禅さんとの本読みや稽古の中で感じられたこと、お互いについてのお話やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■三浦:思っていたよりもダンスが多い。ストーリーとしてシーンが繋がっていく中にダンスがある
■三浦:意外と爆発力をすごく試されているのが、ジェイミーという役。振付もすごく斬新
■髙橋:「ユーモアを盾にしている」というところに、なるほどと。思ったより明るいジェイミー
■髙橋:ベッカとベックスは、僕自身は友達になれないタイプ。ジェイミーとしては、一番仲がいい
<ミュージカル『ジェイミー』>
【東京公演】2025年7月9日(水)〜7月27日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】2025年8月1日(金)〜8月3日(日) 新歌舞伎座
【愛知公演】2025年8月9日(土)〜8月11日(月・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/jamie2025/
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