「エリザベート ~愛と死の輪舞~」上演、カヅラカタ歌劇団インタビュー(上) | アイデアニュース

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「エリザベート ~愛と死の輪舞~」上演、カヅラカタ歌劇団インタビュー(上)

筆者: 濱恵介 更新日: 2016年11月21日

名古屋市内にある私立の男子校、東海高校・東海中学の生徒が、宝塚歌劇団の演目を演じることで有名な「カヅラカタ歌劇団」。2016年10月8日(土)に行なわれた第14期公演では、「エリザベート ~愛と死の輪舞~」を上演し、公演は大成功のうちに終わりました(公演を詳しく紹介した記事は⇒こちら)。アイデアニュースでは、カヅラカタ歌劇団のメンバーのうち、高校2年生の大部分と高校1年生の一部の方にインタビューし、「エリザベート」公演についてお話しをうかがいました。生徒のお話は、無料部分に掲載させていただきます。顧問の久田光政先生にうかがったお話は、11月22日に掲載する予定で、こちらは後半部分をアイデアニュース有料会員限定とさせていただきます。

<トート役・伊藤侃さん(高2)>

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――フィナーレのデュエットダンスは、非常に素晴らしい「リフト」の回転がとても印象的でしたが、どんな点を工夫されましたか?

ダンスが好きなので、DVDや先輩のダンスを見て、ちょくちょく、やっていました。

――リフトが終わった後の刹那、トート役の伊藤さんとエリザベート役の鳥居さんの2人が見つめあっていましたね(笑)。

そこはちゃんと(笑)。

――出来たね、ということで見つめあっていたんですね。

お互い、内心ホッとしました。

――タカラジェンヌさんは、コンビを組む2人が、普段から息が合うように、プライベートでも仲良くしていることが多いですが、伊藤さんと鳥居さんはどうですか?

いや、そんなのは…。でも、お互い4年間、関わってきたので、1年目の関係よりは、親しむ時間が長かったのかな、と思います。

■トートは、最後のシーン以外では笑えないのが、ちょっと辛い

――トート役をやった感想はどうでしたか?

やって、良かったなと思います。でも、笑えないんですよね、トートは(笑)。最後のシーン以外では笑えないのが、ちょっと辛いです。表現が難しいと思います。

――最後にエリザベートを抱きしめる場面がとても素晴らしかったのですが、「愛する人をようやく自分の腕に抱くことができた」という快心の演技ですか?

そうですね。やっと笑えて(笑)。

――最後のシーンは、ものすごくいい表情をされていました。

ありがとうございます。表情を出せないところとは、メリハリつけろって、久田先生やタカラヅカファンの先輩も、結構言われていたので。

――先輩は、カヅラカタ歌劇団の方ですか?。

カヅラカタ歌劇団のOBの方です。

――卒業されたOBの方が指導するんですか?

その人は、本当にタカラヅカがすごく好きで。いろいろ、ああしたらいいよとか言ってくれます。

■去年は「竜馬伝」のお竜、昔の女の子の理想像を出すのが難しかった

――カヅラカタ歌劇団には、何年生の時に?

中1からです。中1から入って5年間は長かったけれど、今思えば、あっという間です。

――この5年間はどんな役をされていたんですか?

1年目は、同じ「エリザベート」で、女官や民衆の女の人を。2年目の「ロミジュリ」では、先輩が前日に倒れて、代役でマーキューシオをやりました。中3の時は、ナポレオンの秘書のブリエンヌっていう役を。去年は「竜馬伝」(維新回天・竜馬伝!)のお竜でした。

――カヅラカタ歌劇団では、男役と女役が固定されていないんですか?

そうですね。自分のやりたい役に、自由に変えられるので。

――お竜とトートと、どっちがやりやすかったですか?

どっちも、やりにくいです(笑)。お竜のほうは、昔の女の子だから、どうしても今みたいな「キャピキャピ」とかじゃなくて、昔の女の子の理想像みたいなものを出さないといけないし。トートはトートで、普通の人間じゃないから、自分の想像の中で作り上げないといけないので、そういう意味では、どちらも難しかったです。

――将来は、どういう道に進まれたいんですか?

将来は、まだ決まっていないんですけど、自分がしっくりきたもの、これをやりたいなと思ったものが見つかったら、それに一生懸命やっていこうかなって。まだ見つかってはいないんですけど、自分のやりたいことをやろうかなと思います。

■男役は、自分が男だからどうしても男臭い男になっちゃうのが難しい

――そもそも、1年生のときにカヅラカタに入ったのは、なぜなんですか?

ここ(東海中学・東海高校)に入ったのもそうなんですけど、近くの先輩から「一緒にやらない?」みたいなことを言われて。「じゃあやります」、みたいな。

――「近くの」というのは、家が近所のカヅラカタ部員の先輩なんですか?

そうです。その先輩のおかげで東海にも入れたんです。その先輩が東海に入っていなかったら、たぶん僕も入っていないし。その先輩と同じ塾に行ってたんですけど、先輩から塾を教えてもらってなければ、行けてなかったですし。

――「カヅラカタに入部しない?」って言われてどうでしたか?

最初は、どんな部活なのかな、って。まずそこから。見学しに行ったときに、楽しそうな部活だったんで、とりあえず1年やってみようかなって。それで楽しかったから、ちゃんと頑張ってやってみようっていう感じです。

――どういうところが、楽しそうだと思いましたか?

本当にみんな面白いっていうか、楽しい人たちばかりで。どこでも歌い始めたり、スポーツはみんな好きなので、部活終わってから運動場に出て、サッカーとか学年関係なくやったりして。最初は「遊ぶ部活」かなと思ったんですけど、本番2カ月前とかになったら、先輩もちゃんと真剣になってきて。

――男役とか女役とか、いろいろやってどうでした?

両方とも難しいです。男役は、自分が男だから、どうしても「男臭い男」になっちゃうのは、あんまり良くないかなというのがあって。「女性から見たイケメン」にならないと。

――いわゆる「男役」ですね。「男」じゃなくて「男役」ですね?

そうなんです。仕草とか、立ち居振る舞いとか、いろんな人のDVDを見て研究しました。

――エリザベートをやってみて、伊藤さんが好きな場面はどのシーンですか?

一番最初の、亡霊が出てくるところは、最初にグッと引っぱるところ。劇のスタートの綱みたいのを引くという感じで、お客さんを引き込む場面なので、しっかりやれれば、本当にいい場面だなと思います。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――その場面ではトートは、幕の後ろで剣を持って登場を待っていますよね?

そうです。トートはいないけれど、あの歌(我ら息絶えし者ども)って、トートがエリザベートに出会って、好きになって、お互いに両想いになるまでの、トートの感情を歌ってる歌だなって…。

――ほおおお…。

妬みも苦しみも、代弁して歌ってくれてるし、みんなを引いてくれているから、いい歌だなって。

――なるほど、後ろで剣、持ちながら。

はい。剣を持ちながら、みんな頑張って歌ってくれてるなって。

――ありがとうございました。

<エリザベート役・鳥居留圭さん(高1)>

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――鳥居さんは、難しい楽曲がオンパレードの「エリザベート」のヒロインに挑戦されましたが、特に男性が女声を歌うということで苦労された点についてお聞かせください。

(しばらく考えて)、もともと、僕は、オーディションの時は、違う役がやりたかったんです。

――オーディションってあるんですか?

(武田達哉団長)やりたい役を希望して、希望が重なれば、オーディションなんです。

――じつは、やりたかった役が別にあったと。

青年ルドルフをやりたかったんです。でも、いろいろあってエリザベート役になって。最初は、やりたくない気持ちもあったんですけど、本番が近づくにつれて、みんながみんな、やりたい役をやっているわけじゃないので、自分も頑張らなきゃな、と思って、頑張ってやりました。

■青年ルドルフをやりたかったけど、エリザベートで良かったなと

――なぜ、青年ルドルフが良かったんですか?

(東宝版「エリザベート」で青年ルドルフを演じた)古川雄大さんが好きで、青年ルドルフがやりたいって、ずっと思っていたんです。本番の前は悩んだりしたんですけど、本番終わってからは、エリザベートで良かったなと、思っています。

――「エリザベートで良かった」と思ったのは?

伊藤先輩と4年間一緒にやってきて、伊藤先輩の退団公演で、相手役をさせていただけたのが、本当に嬉しかったです。心にきました。エリザベートで良かったなと思いました。

――中1からカヅラカタ歌劇団に入団されて、今までどういった役をされたんですか?

中1の時は、「ロミオとジュリエット」のモンタギューの民衆の娘役で、中2の時は「ナポレオン」のヒロインの愛人のイボリット(騎兵大尉)役。中3の「竜馬伝」では、沖田総司と武市半平太でした。そして、高1がエリザベート。

■「私だけに」の最後は、午後になって音を下げると決めました。本当に悔しかった

――イケメンの役ばかりですね(笑)。

娘役は、久しぶりです。僕、けっこう地声が低いんですよね。娘役の時は、セリフをいう時に、なるべく高い声を出すように努力しています。それでも、練習を記録した動画を見たら、声が低いなと思って。(より高い声を出す必要がある)少女時代でも、けっこう低いなと。

――客席から見ていると、無理をして高い声を出すのではなくて、歌舞伎の女形を思わせる、「男性が作り出す女性の美」が表現できたのではないかと思いましたが。

ありがとうございます。

――第1幕のラストの場面の歌、「私だけに」(リプライズ)の最後の部分は、とても高い音がありますが、午後の公演では、少し音を下げていましたね。

けっこう、悔しかったです。夏の合宿の時とかは、本当に調子が良くて(あの音が)出てたんですけど、本番前は出る時と出ない時があって。当日は、午前に失敗してから、午後も挑戦しようとは思っていたんですけど。歌っているときに、すごい喉がカラカラだなと思って、たぶん出ないなと思って、とっさに下げました。歌が最後に近づいてくるにつれて、頭の中で考えていて、下げるしかないと思って下げました。

――下げたけれども、とても自然な音でした。

下げるならこの音かなというのは、午前公演と午後公演の間に、武田先輩のお母さんが「その音ならおかしくない」と。本当に悔しかったんですけど。

――たしかに、あの音ならおかしくなかったです。午前は声がひっくり返ってしまったけれど、それを午後の部の直前に微調整して、きちっと変更する対応ができたのは、素晴らしかったと思います。午前は拍手できなかった観客も、午後は拍手できましたしね(笑)。その「私だけに」を歌っているときは、どういう思いで歌っていますか?

けっこう泣きそうになります。「私だけに」は、最初のほうは弱い感じなんですけど、最後のほうは、「もうこれからは強く生きる」ってイメージで歌いました。

■僕、笑うのは苦手なんですよ。少女の時は本当に難しかったです

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――役作りがとても上手いと感じたのですが。

そうですか? 僕、笑うのは苦手なんですよ。本番が終わった後に、お客さんと撮った写真とか見ても、顔が引きつってるなって思ったりして。少女を演じる時は本当に難しい。子どもの時は、すごく難しかったです。本番では楽しめるんですけど、練習の時の稽古場とか、気分が悪かった時とかは、全然笑えなくて。

――顧問の久田光政先生から、もうちょっと笑えないのかと言われたんですか?

けっこう言われました。タカラヅカファンのOBの先輩や久田先生に、「もうちょっと無邪気な気持ちを出して欲しい」とか。

――後半のエリザベートの、冷たい感じの笑いは、とても似合っていました。

普段は、もしかしたら2幕のシシィの方かもしれません。OBの先輩に、2幕は心配ないけど、1幕が心配だと言われました。

――2幕の見せ場といえば「私が踊る時」ですが、歌い終わったときにトートが差し伸べた手を拒絶する所作が、ものすごく印象的でした。「私が踊る時」に対する思いをお聞かせください。

僕も、あそこは2幕で重要なところだと思っていて、あそこは好きです。最後に「プイッ」てやるところは、稽古場で最初にやったとき、久田先生に「おぉ、いいねぇ!」ってすごく言われて。

――自分で考えて振り付けをされたんですね。

タカラヅカのDVDを見ていて、そうしたらいいかなと思ってやりました。真似から入りました。

――ありがとうございました。

<ルキーニ役・武田達哉さん(高2)>

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――ルキーニ役の武田さんは、少々の舞台事故や失敗も、機転を利かせてアドリブで返すほど、余裕がある素晴らしい演技を見せてくれました。午前の公演では、「カフェ」のシーンで、エプロンを付けるのにとても苦労されていましたね?

エプロンがマイクのコードに引っかかっちゃって、片方。後ろが通せないから、焦って結んで、そのままセリフを言ってたら、ツェップスが来たので「あっ、どうぞ」って(笑)。

――銀橋で客席を撮影するシーンでは、音がずれたのを「時差ボケ」と返したのは、すごいなと思いました。

ありがとうございます。

■コピーではない自分のルキーニを出さなければ、いいルキーニになれないと

――ルキーニ役で苦労したことはどんな点ですか?

僕は、コピーをし過ぎたっていうところで、苦労しました。いろんなルキーニを見て、タカラヅカのルキーニを、いろいろコピーできるようにはなったんですが、「自分のルキーニ」じゃないんですよ。自分のルキーニを出さなければ、いいルキーニになれないと思って。

――コピーではない、自分自身のルキーニを。

ルキーニは、とにかく個性が強くて、自分のルキーニを確立していかなきゃいけないのに、ジェンヌさんのルキーニだけにとらわれていいのか?って思って。「ルキーニ」という枠をうまく壊さないようにしつつ、自分を出すというのに、一番苦労しました。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――ルキーニは、主役ではないけれど、かなり独立して自由に演じられる役ですよね。

僕は、「ロミジュリ」なんかの時に、「主役を食うな!」って言われる民衆だったんですよ(笑)。

――いわゆる「舞台荒らし」ですね(笑)。

(一同、笑)

「舞台荒らし」かもしれません(笑)。

――「専科」かもしれない(笑)。

(一同、笑)

僕は、母が主催している劇団に小学校1年生の時に入って、そこでいろいろ叩き込まれました。母はオペラをやっているので、歌には自信があったんです。圧倒的実力というものでは、ないですけど。

――たしかに、歌はすごかったです。

自信を持っていたところが、ある意味、ルキーニには良かったかなって思いました。

■ルキーニが裁判官に対してグダグダ長い言い訳をする、って考えた方が面白いんじゃないかと

――ルキーニなら、いくら「舞台荒らし」してもいいですしね(笑)。

ルキーニは、いくら荒らしてもいいので、ぐっちゃぐっちゃに、しっちゃかめっちゃかに。これはルキーニの世界で、あくまでルキーニが裁判官に対して言い訳をする、そのグダグダ、長い言い訳っていうふうに考えた方が、面白いんじゃないかと思いました。そして、そういうふうに、やらせていただきました。

――なるほど。やってみて、自分自身で出来ばえはどうでしたか?

午前中の公演は、抑えました。声を張りすぎないとか、気をつけて。去年の公演では、レビューの「Joyfull!!」が最後にあったんですけど、スタミナが切れちゃって、午後は声が出なくなっちゃってたんですね。ソロをいただいていたんですけど、それが悔しくて。今年は、午前のお客さんには申し訳ないんですが、午前は、自分にできる6割の力でやるようにしました。

――ありがとうございました。

<他の団員のみなさん>

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「カヅラカタ歌劇団」インタビューより=撮影:アイデアニュース・橋本正人

では、本日集まっていただけた他の2年生のみなさんと、1年生でフランツ役だった川上さんにお話をうかがいます。のこり時間があまりないので、自分の役を演じて、どうだったか、ひとことずつお願いします。

■マックス公爵役の上園太一さん(高2)「おじさん役をやれて楽しかった」

――まずはエリザベートの父親のマックス公爵を演じた、上園太一さん。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

元々は娘役だったんですけど、去年は勝海舟をやって、 おじさんもいいなと思いました。 今年もおじさんの役をやれて、僕的には楽しかったなと思っています。 後輩たちには、いろいろ苦労があると思うけれど、頑張って欲しいです。以上です。

■マダムヴォルフ役の酒井智紀さん(高2)「色気を振りまけたので(笑)満足」

――マダムヴォルフ役の酒井智紀さん。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

エリザベートでは、他の人も自分の持ち味を出していたと思うし、僕自身も、自分を出せました。マダムヴォルフは、特に濃い役で、色気を振りまけたので(笑)、 満足しています。

■ハンガリー市長役の廣瀬吾郎さん(高2)「すいません。ありがとうございます。楽しかったです」

――ハンガリー市長役の廣瀬吾郎さん。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

僕は友達に誘われて高2から入って、今年が最初で最後だったんですけど、 こんなところに入ってしまってよかったんだろうかと、申し訳ないなぁと思う気持ちが大きいですね(一同笑)。高2ってだけで、(パンフレットの写真を見ながら)こんなにでかい写真を載せてもらって、なんかすいません。ありがとうございます(笑)。 楽しかったです。

■フランツ・ヨーゼフ役の川上龍人さん(高1)「時を表すため、声色や声のスピードに気をつけて」

――最後になりましたが、エリザベートの夫の皇帝、フランツ・ヨーゼフ役の川上龍人さん。いかがでしたでしょうか?

来年があるので、来年も頑張れるようにやっていきたいなと思いました。

――歌、うまいですよね。

いや、そんなことないです。

――いい味出てましたよ。

ありがとうございます。

――撮影した写真を見ると、水さんに似てるところもあって。あ、(宝塚元トップ男役の)水夏希さんなんですが。

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

カヅラカタ歌劇団「エリザベート」公演より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

あ、わかります。

――「水さん」でわかってもらえて、うれしいです(笑)。フランツ役をやってどうですか?

やっぱり、時系列を表さなければいけない役なので、シシィもそうですけど、声色や声のスピードに気をつけたつもりです。

――最後のシーン、よかったですよね。

ボートですか?

――そうそう。青い、いや緑かな、のライトが当たって。

よかったです。

――銀橋(オーケストラボックスと客席の間にある細長い舞台)で歌いながら、客席を見た感じは、どうですか?

思ったより近くて、びっくりしました。 表情がはっきりと見えるので、1列目とか特に。ああ、恐ろしいなぁと思いながら歌っていました。

――とても余裕をもって歌っているように見えましたよ。銀橋からは、お客さんの顔は見えるものなんですか?

けっこう、はっきり見えます。

(久田先生)ライトが強く当たっているので、銀橋の上はまだしも、舞台の上からは客席の方は見えないんですよね。指揮者の指揮棒を見るのが大変なんです。

――え? 指揮棒、見えていないんですか?

(武田団長)歌が入るタイミングで振られるんですけど、それがなかなか見えにくくて。

――なるほど。それで、午前の部は、演奏が始まってから歌に入るタイミングを探ってるような感じだったんですね。

(久田先生)探ってる感じでした。午後は「見えなくても、やっちまえ」と。

――たしかに、午後の部は、みんな自分から歌いだして、そのあとをオーケストラの演奏が追いかける感じがありました。ペンライト持って指揮してもらったら?

(久田先生)その話も、最初はあったんですけどね…。

――そうなんですね。では生徒のみなさんへのインタビューは、ここまでにしたいと思います。ありがとうございました。

※インタビュー「下」は、カヅラカタ歌劇団顧問の久田光政先生へのインタビューです。カヅラカタ歌劇を上演している東海高校は、国公立大学医学部合格者数が9年連続日本一(2016年現在)という超進学校。「一番重要なのは自己肯定感」という久田先生に、カヅラカタ歌劇の教育上の効果についてうかがったほか、久田先生自身が「以前は落ちこぼれの先生だった」というお話などを、たっぷり掲載しています。インタビュー「下」は、11月22日に掲載する予定です。

<東海高校カヅラカタ歌劇団 海組 第14期公演>
「エリザベート ~愛と死の輪舞~」
【愛知公演】2016年10月8日(土) 東海高校講堂 (この公演は終了しています)

<関連情報>
東海学園交響楽団 「第九」チャリティーコンサート
2016年12月18日(日)16時~18時(開場15時) 東海高校講堂
曲目:エルガー「威風堂々」第1番、ベートーヴェン交響曲第九番“合唱付”
指揮:曽我大介、ソリスト:平井香織・小山由美・松原陸・青山貴、合唱:東海学園交響楽団特別合唱団
チケット代:一般3,000円 学生1,000円 問い合わせ:東海高校(052-936-5112/5114)
チケット購入はオーケストラ部関係者or合唱団関係者から(学校事務室では取り扱っていません)
https://www.facebook.com/tokaoke.harmony/

<関連サイト>
東海高校カヅラカタ歌劇団  http://zuka08.blog121.fc2.com/
学校法人東海学園【東海中学校・東海高等学校】 http://www.tokai-jh.ed.jp/

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<筆者プロフィール>濱恵介(はま・けいすけ) 1976年、広島県生まれ。福島大学大学院修了。本来の専攻は日本現代史。公民館活動全国1位となった玖波公民館(広島県大竹市)でタカラヅカ講座の講師を務め、執筆でも活動中。 ⇒濱恵介さんの記事一覧はこちら

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