デビュー20周年のピアニスト、木住野佳子インタビュー(上) | アイデアニュース

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デビュー20周年のピアニスト、木住野佳子インタビュー(上)

筆者: 堀内優美 更新日: 2015年9月25日

ジャズピアニストの木住野佳子(きしの・よしこ)さんが8月26日、デビュー20周年記念アルバム「Anthology -20th anniversary-」をリリース、9月17日からは全国ツアー「-Anthology- 20th anniversary tour」を開始しました。木住野さんは1995年、アメリカの名門レーベルGRPレコード初の日本人アーティストとして世界デビュー。今回のアルバムは、これまでのアルバムに収録されたスタンダード、オリジナル曲からファン投票で選ばれた楽曲を再録音してのリリースです。アイデアニュースでは、このほど大阪を訪れた木住野さんに単独インタビュー。20年を振りかえっていただき、心に残る思い出やレコーディング秘話などをうかがいました。インタビュー全文を(上)(下)2回に分けて掲載します。

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

――このたびは20周年おめでとうございます。デビューからの20年を振り返ってみていかがですか?

20年という年月は「あっという間とは言えない」っていうんですかね。10年だとあっという間だという風に見えるかもしれませんが、20年というと「あれもあってこれもあって、いろんな波もあって……」という感じだと思います。そんな中でも、初めてCDを出すことができたときの感激と新鮮な驚きは、昨日のことのように覚えています。

それまでは自身でライブ活動をしていましたので、自分でライブハウスに電話して、(お店に)ライブのお願いをして、スケジュールを取って、メンバーにも声をかけて……そういったことも全て自分でやっていました。20年以上前って携帯電話がなかったので、雨の日のライブの休憩時間に公衆電話を探しに行ったり……。CDを出すまではレストランやいろんな場所で、毎日のようにライブをやっていましたので、休憩時間にお店に電話して。私がリーダーじゃなくてもいろいろな方のサポートをさせていただいたり、歌の方やベースの方と一緒だったり、様々なライブをやっていました。

そういったことを一年くらい続けていましたので、その頃の苦労がすごく報われたという感謝の気持ちいっぱいのデビューでした。最初にデビューをさせていただいたGRPというアメリカのレーベルは、いわゆるフュージョンやクロスオーバーの全盛期だった時代の花形レーベルだったんですよ。今ではGRPってあまり出していないので、私が日本人で唯一、ただ一人のアーティストだったと思います。

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

――後にも先にも「日本人でただ一人のGRPのアーティスト」ということですね。

アメリカ在住の日系の方で一人いらっしゃったかもしれませんが、そういうことになります。当時はセンセーショナルなデビューでした。それまでに、今でいうインディーズみたいな形でCDを出していたわけでもなかったので、いわゆる「初めてのCD」がそういう録音でした。

橋本正人(アイデアニュース編集長):なぜそんな大きなレーベルからいきなりデビューできたんでしょうか?

先ほどもお話しましたように、一年間自分でバンドを作って活動していた頃、月に1回は大きなライブハウスでやろうと決めていたんですけど、一年間続けていたら、阿川泰子さんの事務所の方が見ててくださいまして、そこからレコード会社にプッシュしてくださったんです。今のユニバーサルミュージック、当時はMCAビクターというところで、そちらの方に相談したら、私の音楽はちょうどGRPにいいんじゃないかと言ってくださいました。GRPというのは、映画音楽などで一世風靡したデイヴ・グルーシンと、ラリー・ローゼンというプロデューサーが組んで作った「グルーシン・ローゼン・プロダクションズ(Grusin Rosen Productions)」の略なんですが、デイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが私のデモを聴いてくださったところ、なぜか一発OKが出まして、「いいんじゃない!コレ、出そうよ!」と話が進んだわけです。当時は景気も良かったので、1枚目から3枚目まではニューヨーク録音なんですけど「予算はいくらでも出すよ」という勢いで、スタジオに行った瞬間、来るミュージシャンみんな「サインください!」という気持ちになるようなすごいメンバーばかりでした。

橋本:才能を向こうがパッと見抜いたわけですね。

うーん、音楽の内容ですかね? (私の音楽は)内容がそこまでジャズっぽくなく、あとオリジナルもやっていましたので、それは「すごくいい!」と、褒めていただけました。グルーシンの音楽は、いわゆるマニアックなジャズではなく、メロディラインが美しいんです。ジャズっぽいんだけど、お洒落。映画音楽も美しい映画も作れちゃう、まるでデヴィッド・フォスターのような方なので、私の音楽を「いいね!」っておっしゃってくださったんじゃないかな。

――木住野さんの音楽と通ずるところがあった、ということなんでしょうか?

そうなんですよね。GRPはビッグバンドを持っていたり、チック・コリア、リー・リトナー、ジョージ・ベンソンといった名だたるアーティストもたくさんいらっしゃる、ジャズの人気ナンバーワンレーベルだったんですよね。だからよく私も、GRPのオールスターズが来日してコンサートするときは必ず見に行っていたんです。もう、本当に大好きで……。そのレーベルから「CDを出してあげる」と言われたわけですから、まさに夢のようなデビューでした。

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

木住野佳子さん=撮影・橋本正人

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大阪での「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」(2015年10月19日)の情報はこちら
→ http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=9633&shop=2

大阪以外のツアーやアルバムの情報は、「木住野佳子オフィシャルサイト」をごらんください
→ http://www.kishino.net/html/all.html

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<プレゼント>

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木住野佳子さんサイン色紙=撮影・橋本正人

木住野佳子さんサイン色紙=撮影・橋本正人

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※ここからは、アイデアニュース有料会員(月額300円)限定コンテンツです。「20年間で特に思い出に残っている」という、プラハでのレコーディングなどについてのお話を紹介しています。なお、インタビューの「下」は、10月2日(金)に掲載する予定です。

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――いろんなことがあったと思いますが、その中で特に思い出に残っていることはなんですか?

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<筆者プロフィール>堀内優美(ほりうち・ゆみ) フリーライター。兵庫県出身。行政の広報・番組制作に携わった後、フリーアナウンサーに。女性ならではの繊細な感性で描くコラム、医療・教育・エンタテインメント分野の執筆・取材を得意とし、新聞・雑誌・WEBにて連載中。司会者、ナレーター、講師としても活動している。 ⇒堀内優美さんの記事一覧はこちら

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