東京・日生劇場で2023年2月7日(火)から2月23日(木・祝)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで3月6日(月)から3月8日(水)まで、愛知・刈谷市総合文化センター大ホールで2023年3月11日(土)と3月12日(日)に上演されるミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』で、イツィックを演じる矢崎広さんのインタビュー後編です。
「下」では、この作品の音楽のこと、作品全体のテーマや、イツィック役のこと、演じる役が変わってきたということなどについて話してくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
――今回の作品の音楽は、向き合ってみていかがですか?
芝居を重視される森新太郎さんが演出ということもあると思いますが、同じ方向性の考えの方なので、歌であっても、「メロディアスに歌うことよりも言葉が聞こえるように。ちゃんと伝わるように」というところで意見が合致しています。僕のトライに、すごく合うのではないかと思っています。
――中東の音楽はまた独特だとも思いますが、芝居の方向や感情を乗せるという意味で、音楽的には今までと変わるところはありますか? 何か難しさなどを感じていらっしゃいますか?
根本は変わらないのですが、メロディーラインには違いがあります。だからこそ今までのミュージカルのルールが通用しないところがあり、自由にできるなと感じています。「今回こういうメロディーだから、こういう挑戦をしています」と言えるなと。
――その挑戦など、今具体的に伺っても大丈夫なことはありますか?
例えば、あえて抑揚をつけずにのっぺり歌ったほうが、歌詞が伝わるとか思いが伝わるというところです。『レ・ミゼラブル』などのミュージカルでしたら、「こう歌い方があってこう伝えて」と、様々な方がある程度やられていますし、多くの成功例もあるので、そこにはめられがちだと思うのですが、今回はいろんな手法があって、どれも正解なので、面白いです。
――作品全体のテーマや、矢崎さんの役についてもお聞かせください。
人それぞれに悩みがあって、悩みの大きさも違います。悩みの捉え方がそもそも違うので、悩みに小さいも大きいもないんですが、ちゃんと信じて、自分の悩みと向き合っていれば、いつか何かひょんなきっかけで希望が見えるし、前に進めますよね。「ああ、もうこれ以上進めないかもしれない。壊れちゃうのかもしれない」と思っていることでも、いつか夜明けが来るというような。希望を持ちにくい世の中だからこそ、このミュージカルを見て、何か感じていただけることがあるんじゃないかなと思いますし、一生懸命生きているけど、人はそれぞれいろんなものを抱えて生きているんだということが詰まっている作品です。
――悩みは、外からは見えませんものね。
昨日喪中だったかもしれない人が、翌朝元気に「おはよー!」ってやっているかもしれませんし、それは外見では分からない。そういう人間の深みってあるなと思っています。だから外見だけを見て判断するのではなく、悲しいことが前面にあってもいいですが、人の深みが出てくるという作品になっているんじゃないかと思うんです。『バンズ・ヴィジット』が評価されたというのも、そういうところではないでしょうか。
<取材協力>
ヘアメイク:松村南奈
スタイリスト:田中トモコ(HIKORA)
衣裳クレジット:
ジャケット 42,350円 パンツ 24,200円/全てFACTOTUM(Sian PR)
シャツ 44,000円/LUFON(Sian PR)
シューズ 79,200円/(Paraboot 青山店)
お問い合わせ先
Sian PR:03-6662-5525
Paraboot 青山店:03-5766-6688
※金額は税込価格です。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、イツィック役のこと、演じる役が変わってきたということについて話してくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■イツィックは、「夫婦あるある」みたいなことがすごく詰まっている役どころ
■こんなにがっつり所帯を持っている役は今までなかったかも。挑戦していかなきゃ
■俺らの世代は若い。えっ、そこもっくん!? 加藤和樹はそこにいるのか!? みたいな
■ハートフルで入りやすい作品。いろんな悩みを抱えてしまいがちな世の中だからこそ
<ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』>
【東京公演】2023年2月7日(火)〜2月23日(木・祝) 日生劇場
【大阪公演】2023年3月6日(月)~3月8日(水) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【愛知公演】2023年3月11日(土)~3月12日(日) 刈谷市総合文化センター大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/bandsvisit2023/
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岩村美佳さんによる
矢崎広さんの記事、読み応えがあり、矢崎広さんがバンズヴィジットにどんな姿勢で望んでいるかが分かり、より一層作品への理解が深まりました。イツィック夫妻がお互いに想い合っているのに、すれ違う感じが夫婦あるあるで、切なくて、抱き合う2人には涙が出ました。
矢崎広さんの写真も素晴らしく、どの写真も神でした。
ありがとうございました。