筆者は、球技は苦手、特にマラソンなどは学生時代からどうやってサボろうと思っていたタイプ。唯一習ったことがあるのがバレエです。子どもの時に憧れていたクラシックバレエを、大人になってからしばらくやってみましたが、楽しかったのはストレッチとバーレッスン。バーから手を放すと、バレエは、途端にものすごくタフで難しくなるのでした。そこで、ストレッチだけをやれるクラスはないかなあと探していたところ、ありました。その名も「ボディメイクストレッチ」 気持ちよく体をのばしながら、筋肉の使い方や姿勢の取り方を教えてもらえるクラスです。
インストラクターは日本ストレッチング協会認定トレーナーの折竹智栄さんと田島章子さん。北摂地域(兵庫県南東部や大阪府北部)を中心にレッスンをしておられます。兵庫県川西市内や宝塚市内のカルチャーセンターでは2週間に1度、大阪府箕面市内の教室なら毎週レッスンがあります。箕面では50分1000円や90分1500円で1回ずつレッスンを受けることもできますし、個人レッスンも可能。
筆者が通い始めた宝塚の教室は、30~60代くらいまで様々な年齢の方がおられますが、年が上の人ほど体が柔らかくて、びっくりするくらい若い筋肉をされているのです。そして、このクラスの最大の特徴は、先生がふたりだということ。前でお手本の動きを見せてくれる人と、参加者の間を回って、間違った動きやポーズをとっているのを正してくれる人。とても贅沢なクラスです。いつもペアで楽しく教えて下さる折竹先生と田島先生のお二人に話をききました。
--おふたりはもともとお知り合いだったのですか?
私たちはママ友なんです。同い年の子どもを持つ母親同士。公園デビューしたくらいの頃に知り合って、今その子どもたちが24歳になりました。でも、すごく親しかったわけではなくて、子どもたちが中学生になって手が離れた頃、〇〇ちゃんのお母さんじゃなくてひとりの女性に戻って何か始めようと思ったとき、「ああ、この人と一緒なら楽しいことが出来そう」とお互いに思ったの。何でも話せたし、興味の方向が似ていたみたいです。
--ずっと運動をされてきたのですか?
私はバレエとかダンスをやっていて、運動は大嫌いでした。何か新しいことをやりたい、体を動かしたいとは思っていたのね。(折竹智栄さん)
私はバスケットやテニスとか、スポーツが好きで、子どもの手が離れてからはずっと何かスポーツをやってきました。でも、そういうスポーツは体を均等に使わないので、膝を痛めたり、腰が片一方痛くなったりしたので、もっとバランスのいい体の使い方はないかなあと探していたんです。(田島章子さん)
--そんなおふたりがなぜストレッチのクラスを?
「ストレッチ無料体験レッスン」のお知らせが、フリーペーパーに載っていて、「見た?行ってみる?」っていうことになったんです。そこでストレッチなどを教えて下さった方が、私たちよりもかなり年齢が上の先生なのに、すごくパワフルで、ひとりで何レッスンもこなされていて、しかも癌を経験されているんです。幾つになっても動ける体つくりをしたい、年を取っても好きなスポーツやダンスを何かひとつはずっと楽しみたいと思っていた私たちのニーズに合ったレッスンでした。そのうち、先生の補助をしたり、公民館で教えさせてもらったりしてきたんです。今ではそこから独立して教えるようになりました。
--ずっとふたりで教えてこられたのですか?
誰かがお手本を見せても、見たまま、その通りに動ける人は少ないです。勘のいい、上手な人だけが出来る感じ。10人いたら2人くらいです。正しい方向で正しくやらないと筋肉はちゃんと伸びない。ひとりひとり可動域が違うから、きいているかどうか確認していかないとだめ。(折竹智栄さん)
せっかく1時間半、レッスンで動いてもらうんだから、効果があるように動いてほしい。だから、やっぱりふたりでやるのが正解かなあと思っています。(田島章子さん)
レッスンしていて、自分がリードをとってない時の方が生徒さんのことがよく分かりますね。このスタイルを変えない方が、いいレッスンができるんです。(折竹智栄さん)
--今、教えておられるのはお二人のオリジナルの動きですよね?
そうです。オリジナルです。ダンスの動きとかバレエとか、いろいろ取り入れています。やっぱり教えているうちに、ここをもっとこう動かすにはどうしたらいいんだろう、肩甲骨をもっと効率よく動かすにはどうしたらいいかと、いつも考えてアレンジしています。(田島章子さん)
50代になったので、身体を毎日動かしているとよく分かることがあります。「ここが動かし方が足りない、こんな風にしたらよく動いた、筋肉痛になった、だからこの運動を取り入れてみよう」とかね。だから部活の先輩の気分で、生徒さんに伝えています。(折竹智栄さん)
--バレエやダンス風の動きが多いなと感じるのですが?
ジャズダンス界の巨匠と言われたルイジ・ファチュートの流れをくむ、体に負担をかけないルイジ・テクニックを教えられる先生に教わることが出来たのが大きかったですね。事故で半身不随になったルイジがカムバックできたのは、ダンスを使ったリハビリをしたからだそうです。ダンスを使って体の調子を整えることが出来るんです。
--他のクラスも生徒さんの年齢構成は同じような感じですか?どんな生徒さんが多いのでしょう?
年齢は同じような感じですね。40代から50代が中心で、今までの最高齢は77歳の方でした。若い間は筋肉がしっかりしているので、スポーツをやって、体の片側に負担がかかっても、あんまり感じないで済んでしまう。でも、やっぱりある程度年齢を重ねてくると、ダメージが大きいの。ゴルフとかテニスとか、長いことやっている方も生徒さんにおられますが、なんだかだんだん調子が悪くなってきたと言うのね。スポーツをずっと続けたいなら、調整しないといけない年齢になってきたということかな。(折竹智栄さん)
若い人も一緒ですけど、スポーツを続けて行こうと思ったら、やっぱりこういうストレッチを挟んで、体のゆがみをもどして、またスポーツをするっていう風にしないと、不調がどんどん続いてしまいますね。(田島章子さん)
自分で気が付いて、体をもどしたい、スポーツ障害を治したいと思って来られる方もいますよ。うちに来て、ゴルフでホールインワンをした人いました。「出ました、ホールインワン、先生っ!」なんて喜んでいましたね。(折竹智栄さん)
折竹先生も田島先生も、口をそろえておっしゃるのは、「40代、50代で気が付いてほしい」ということでした。それくらいで体をメンテナンスする必要性に気が付いて体の動かし方をちゃんと学んでいけば、自分の身体年齢を10歳から20歳若く保つことが出来る。そうしたら、年を取ってから膝を痛めるとか腰が曲がるとか、体が動かなくなる確率はすごく低くなるはずだということでした。お二人のレッスンの生徒さんは、みなさん長く通っておられます。それだけ、実際に自分の体で効果を感じているということだと思うのです。筆者などまだ「新参者」ですが、私より年上の生徒さんたちが、きれいな姿勢を保つ体力があって、柔らかい筋肉をされているのを見ると、「続けることが大事なんだな」と感じます。早く気が付いて、2週間に1回でいいから、ボディメイクストレッチクラスに通う。それはいつか必ずやってくる70代、80代という平均寿命の最後まで、しっかりと自分の体を使うための大切なメンテナンスの時間です。
「このクラスで痩せますか?と聞かれることがあるけど、痩せませんと答えます。体重なんか気にしなくていいですよ。このクラスで体を動かせば体型は明らかに変わるから。お腹はひっこみ、背中はまっすぐで、首が長くなって、ふくらはぎの筋肉がついて、膝周りはすっきりする、お尻はきゅっと上向き。体重なんか関係ないでしょ」 というお二人の言葉は、下の写真が証明しています。
お二人のレッスンに興味がある方は、ボディメイクストレッチのホームページを参照なさってください。大阪府箕面市内や兵庫県川西市内、宝塚市内の各教室のスケジュールや連絡先が載っています。→ http://beep-up-stretch.jimdo.com/
<アイデアニュース有料会員向け【おまけ的小文】>
このレッスンで学んだことで、毎日とても役に立っていることがあります (松中みどり)
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