2021年4月8日(木)から4月29日(木・祝)まで東京・日生劇場で、5月7日(金)から5月9日(日)まで名古屋・御園座で上演されるオリジナルミュージカル『ゴヤ -GOYA-』に、ゴヤの親友サパテール役で出演する小西遼生さんのインタビュー、後半です。ゴヤ役の今井翼さんについて、音楽やミュージカルとしての面白さについてのほか、2021年の年明けから出演した『ポーの一族』についても少し伺いました。
――最終的には、ゴヤとサパテール、どちらが先に亡くなるんですか?
この台本は少し史実と違います。今回サパテールは5月3日の市民の粛清の時に、殺されてしまいます。実際は違いますが、それを抜きにしてもサパテールのほうがだいぶ先に死にますね。ゴヤは80歳以上まで生きていますので。
――そこまでの支えになっている人がいなくなってしまうのは、相当な打撃だっただろうなと想像できます。そうしたら黒い絵にもなるのかなと。
ゴヤは本当に大変な時代に生きて、しかも全てを見ようとしてしまう。もちろんサパテールが死ぬとか、周りの大切な人が亡くなっていくのが、物語上の大きな要素になっていきますが、人のおぞましさとか、欲とか、いわゆる心の綺麗なものじゃなくて、むしろ感情が渦巻いている部分を見て描き始めた時から、やっぱりあの黒い絵に向かっていくというか。以前、『戯伝写楽』という舞台をやりましたが、写楽と似ていますよね。今、山路(和弘)さんとご一緒していて、山路さんも『戯伝写楽』に一緒に出ていたんですが、似たようなこと言うんですよ(笑)。
――ちょっとデジャブ感もあるんですね(笑)。
天才って、世の中が求めているものより先に行ってしまうんですよね。現代的には当たり前なんですが、その当時は綺麗なものばかりを見たい世の中に、人が見たくないものを描いてしまう、見えてしまう人。それを利用したり、周りが批判したりする中で、でも自分の欲求というか渇望みたいなものを、むしろ年を取れば取るほどまっすぐに求めていく天才というか。大好物ですね、そういう物語は。それはお客様にとっても、物語として、ひとりの生涯を観るに足るエネルギーがあると思います。
――ミュージカルとしての面白さは、どう感じていますか?
ミュージカルとしてでいうと、やっぱり清塚(信也)さんの音楽は、とても感情が乗る音楽で、お客様を先導していく音楽として、すごく格好いいミュージカルになっているなと、曲だけを聴いても感じます。こういう壮大な物語だからこそ、時代が動いたり、人の感情が動いたりした時の、音楽の力が必要なんだと思います。特にゴヤなんて心の中がいろいろ渦巻くじゃないですか。稽古場で清塚さん本人が弾いてくれたりする日もあるんですが、そういう激しさが、すごく自然に持ち上がっていくような多彩な音楽というか。クラシック系の方ですが、ある種現代音楽を聴いているような、アーティスティックな部分があって。オリジナルミュージカルで、「こういうものが作れたら格好いいな」というものが出来上がる気がします。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ゴヤ役の今井翼さんについてのほか、2021年の年明けから出演した『ポーの一族』についても少し伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■今井翼さんとは同級生。元相棒も同級生だと聞いて、相棒になれるなと(笑)
■フラメンコ的なダンスの話になった時の目のキラキラした感じが、ゴヤっぽいなと
■すごく大人な男性を求められた『ポーの一族』。重圧を抱えつつ、落ち着いて
■『ゴヤ』では青年期から登場し、久し振りに若々しくフレッシュな部分もあります
<ミュージカル『ゴヤ -GOYA-』>
【東京公演】2021年4月8日(木)~4月29日(木・祝) 日生劇場
主催:松竹
【名古屋公演】2021年5月7日(金)~5月9日(日) 御園座
主催:御園座・東海テレビ放送・中日新聞社
公式サイト
https://www.shochiku.co.jp/engekiw/lineup/musical_goya/
<関連リンク>
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ゴヤにドハマりした熱の行き場を求めて、今更ながら記事を読んだ今井翼さんファンです。あの素晴らしい舞台を作り上げるまでの過程を少し知ることができて嬉しいです。