世界デビュー20周年、ジャズピアニスト・木住野佳子ライブルポ | アイデアニュース

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世界デビュー20周年、ジャズピアニスト・木住野佳子ライブルポ

筆者: 堀内優美 更新日: 2015年11月3日

ジャズピアニストの木住野佳子さんのデビュー20周年記念ライブ「Anthology-20th anniversary tour」が、10月19日、ビルボードライブ大阪で行われました。木住野さんは1995年にアメリカの名門レーベルGRPレコード初の日本人アーティストとして世界デビューを果たし、今年20周年を迎えました。8月にはファン投票によって選ばれた曲を再録音したセルフカバーアルバム「Anthology」をリリース。大阪公演では、収録に参加した早川哲也さん(b)、加納樹麻さん(ds)とのトリオ編成で懐かしい曲をたっぷり聴かせてくれました。その様子をリポートします。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

ファン投票オリジナル曲部門1位の「Manhattan Daylight」から

ブラウンのドレスを身にまとった木住野さんがステージに登場すると、あたたかい拍手が会場を包みました。オープニング曲は「Manhattan Daylight」。この曲は彼女の作った曲の中でも一番古くから演奏している曲で、ファン投票のオリジナル曲部門では堂々1位。思いを込めてしっとり優しく演奏する様子に、この曲への愛情が伝わってくるようでした。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

ところどころスタンディングで力強く鍵盤を

続いてはオリジナル曲でも上位を占めている曲として、アルバム「photograph 」(96年)からは「Desert Island」、「Rendez-Vous」(97年)からは「Jenga」を演奏。「Jenga」はゲームの「積み木崩し」のタイトルで、ボサノヴァの美しいメロディでありながらも快活な曲。ベースとドラムの迫力あるリズムに挑むかのようなピアノは迫力、ところどころスタンディングで力強く鍵盤を弾く姿が印象的でした。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

そして、デビューアルバムのタイトル曲「Fairy Tale」。サックス奏者の故・マイケル・ブレッカーがアドリブを入れて仕上がった曲を大胆なトリオで演奏。メロディラインを大切にするかのように、丁寧に鍵盤に指を這わせる様がとても美しかったです。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

ファン投票スタンダード部門1位は「Waltz For Debby」

ライブ後半は、耳なじみのあるカバー曲を披露。まずは、ファン投票のスタンダード部門で1位に輝いたビル・エヴァンス「Waltz For Debby」。これまで長年、ライブで演奏してきた曲で「 ライブバージョンでCD録音をできたことがすごく楽しかった。また思い出が一つできました」と語っていました。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

続いて、ピアソラの「Libertango」。一度ライブで演奏して以来、多くのファンからリクエストをもらうようになり、今では彼女のライブのレパートリーとして外せなくなったタンゴの名曲。しっとりとした優しいピアノソロで始まったかと思えば、次第にドラムとベースのリズムが重ねられ、重厚感のあるベースのソロも印象的でした。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

ラストナンバーは、ブラジルのアーティスト、ミルトン・ナシメントの「Vera Cruz」。迫力のあるピアノとベースの競演に加え、圧巻のドラムのアドリブソロ。拍手喝采が鳴り止まぬままアンコールへ……。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子の音楽」はまさに「ピアノセラピー」

アンコールは、アイルランド民謡「Danny Boy」をピアノソロで演奏。数多くのジャズメンから愛され演奏されてきたこの曲も、彼女が奏でるとむせび泣くような切なさ、あたたかさがこみ上げてきます。「木住野佳子の音楽」はまさに「ピアノセラピー」、不思議と聴いているだけで優しく幸せな気持ちになってくるんです。それぞれ抱える悩みや悲しみがす~っと消えていくような癒しを感じる夢のような時間でした。

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

「木住野佳子 Anthology 20th Anniversary Tour」より=撮影・橋本正人

ライブ終了後、木住野さんは 「これから寒くなってきますが、みなさんインフルエンザに気をつけて、また来年お会いしたいと思います。今日はほんとにありがとうございました」と一礼。20周年を機に新たなスタートを切る木住野佳子さんにますます期待が高まった、そんな一夜でした。

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<筆者プロフィール>堀内優美(ほりうち・ゆみ) フリーライター。兵庫県出身。行政の広報・番組制作に携わった後、フリーアナウンサーに。女性ならではの繊細な感性で描くコラム、医療・教育・エンタテインメント分野の執筆・取材を得意とし、新聞・雑誌・WEBにて連載中。司会者、ナレーター、講師としても活動している。 ⇒堀内優美さんの記事一覧はこちら

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