「新しいものが生まれる余白」、ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈・小野田龍之介(上) | アイデアニュース

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「新しいものが生まれる余白」、ミュージカル『ピーター・パン』山﨑玲奈・小野田龍之介(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2024年7月16日

青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が、2024年7月24日(水)から8月2日(金)まで、東京国際フォーラム ホールCで、8月11日(日)と8月12日(月・祝)に御園座で、8月17日(土)と8月18日(日)に広島文化学園HBGホールで、8月24日(土)と8月25日(日)に、新川文化ホール 大ホールで、そして8月31日(土)に梅田芸術劇場メインホールで上演されます。いつまでも子どものままでいたいピーター・パンと、ネバーランドの冒険で成長する子どもたちの、楽しくて、ちょっぴり切ない物語。心に残る美しい音楽、躍動感あふれるダンス、大迫力のアクション、そしてピーターが客席上空に飛んでくるビッグフライングなど、子どもから大人まで楽しめる、見どころ満載のミュージカルです。

アイデアニュースでは、昨年に続きピーター・パンを演じる山﨑玲奈さん、フック船長とダーリング氏を演じる小野田龍之介さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、昨年に続き同じ役を演じるにあたってのそれぞれの思い、稽古のこと、「小野田さんのフック船長のざわざわ感」などについてのお話を紹介します。「下」では、演出のブラッシュアップのこと、キャストの変化がもたらす刺激、『ピーター・パン』の世界観の魅力、「芝居をするときは、外の空気感を大切にしたい」という小野田さんのお話、アナログな見せ方だからこその魅力などについてのお話と、読者の方へのメッセージを紹介します。

山﨑玲奈さん(左)と小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織
山﨑玲奈さん(左)と小野田龍之介さん=撮影・伊藤華織

ーー2年目で、コンビ感バッチリだと思いますけれど。

小野田:いやいや、溝が深まるばかりです(笑)。

山﨑:(笑)!

ーーミュージカル 『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』が、最初の共演ですか?

小野田:そうだと思っていたんですが、言われて思い出したのが、ホリプロがコロナ禍で企画したミュージカル・クリエイター・プロジェクトのリーディング作品でも一緒だったんです。

山﨑:新作ミュージカル『PARTY』です!

小野田:みんな同じブースにいたんですが、全く覚えてなくて。YouTuberの役だったの覚えてる? イエーイ!みたいな感じの役で。

山﨑:結構陽気な役だったなという記憶はあります。

小野田:作曲が、ジェイソン(・ハウランド)だった?

山﨑:そうです。

小野田:「龍之介は、コーラスも自分でやったらいい」って言われて、自分の曲を1人で全部歌ったんですよ。

ーー初対面の時は、陽気なキャラクターだったんですね。

小野田:でも僕は、ミュージカル『アニー』の印象がありましたから。

ーーご覧になっていたんですね。何年前ですか?

山﨑:2019年度なので、もう5年前です。

小野田:そんな最近の話なのか。意外に大人だったんだね。

山﨑:当時、中一だったので、アニーにしては大きかったですね。

ーー今、『ピーター・パン』の稽古は、新鮮な感じですか? それとも昨年を思い出すような感じなのでしょうか?

山﨑:私は音楽が流れるだけで勝手に体が動いたりします。変わったところもあるので、そこに慣れるのに今、時間がかかっています。去年は、結構時間をかけて作り上げていて、それがやはり体に染み付いているので、ちょっと変えるだけでもすごく違和感があったりと、まだ体に馴染んでいないなと思います。

小野田:僕は、去年の公演が終わってからずっと稽古して、1人で来年のピーター・パンに向けて……

山﨑:ウソ!(笑)

小野田:いつでも本番をやれるような体制になってます。いつでもフックになれますね。一年後にすぐ再演を同じ役でやれるというのは、本当に貴重なことじゃないですか。覚えているからこそ、「前回はこうやっていたけれど、今回はどうなんだろうね?」と、やったからこそわかる疑問や違和感、アイデアみたいなものがいっぱい出てきて楽しいですね。

例えば、あえてセリフのテンポをめちゃくちゃ速くしようとか、「ぎゃー!」って言っていたところをちょっと落としてやってみようとか。そういうことにトライしながら、パイレーツたちとのコミュニケーションなど、いろいろなものを作っています。覚えてるからこそ、全部入ってるからこそできる遊びというか、アイデアみたいなものを出しながらの稽古は楽しいです。

ーー演出の長谷川寧さんとは、昨年を経てのブラッシュアップについて、どのようなお話をされていますか?

山﨑:長谷川さんは、キャストさんもかなり変わっているので、新しいことにもチャレンジしたいとおっしゃっていて、私も去年のものをスパッと忘れて、今年の新しいピーター・パンをもう1回作り直したいという気持ちがあります。去年のすごく良かった部分は踏襲しつつ、また新しい感性だったり、ピーター・パンの引き出しを、寧さんと一緒に試行錯誤中というか。去年をなぞるんじゃなくて、新しいピーター・パンの魅力を皆さんに発信できるように、どうやったらできるのかと話し合っています。

ーーそれは、ピーター・パンの内面的なところですか? それとも表現や見せ方的なところですか?

山﨑:見せ方の部分でいうと、演出・振付の長谷川寧さんなので、手の表現などの細かい表現も、もっと掘り下げて表現していこうというのも、もちろんあります。中身についても、「ヒーローで明るい」ピーター・パンの部分だけじゃなくて、もっと心の奥の寂しがり屋なところなど、「裏の部分をもうちょっと出せるようにしていくにはどうすればいいだろうね」という話し合いをしています。

ーー小野田さんは、いかがですか?

小野田:僕は昨年、ミュージカル『マチルダ』のトランチブル校長から、そのままスライドしてフック船長でした。なので悪役魂というか、強烈なヴィラン魂にメラメラ火が付きまくって、ブンブンやっていたので、本当に好き勝手やらせていただいたんです。だから、「今回は、それを一回削ぎ落とそう」という話は稽古前からしていました。

これはどのミュージカルもそうなんですが、やっぱり再演となると、スタッフも俳優も、もうわかったつもりになってしまっていて、ある種お客さんに親切じゃない情報の伝え方になってしまうことがあるんです。わかった上での、演出からプラスアルファの肉付けが増えてしまって。

でも特に『ピーター・パン』の世界は、もっとシンプルに届けた方が、お客様にわかりやすいのではという話をしています。だから、足すのではなく、まず引くところから始めて、新しいものが生まれる余白を作ろうと。

「100」の形が前回できていたとしたら、例えば「70」ぐらいまでそぎ落として、その残りの「30」で新しいことが生まれ、見える景色が変わるところを作りたいよねということで、本読みでもう一回きちんと丁寧に取り組んだのですが、「本当は、こんなセリフだったんだ!」とびっくりしました。前回どれだけ僕がアドリブでベラベラ喋っていたんだろうと。

「こんなに、このシーン短かったんだ」とか、自分で自分が疲れることをしていたことがわかったので、今回はもうちょっと大人というか、気品あふれる部分を足したいと思っています。あのままだと、ちょっと「変なおじさん」みたいになっちゃうなと。

ーーコメディ要素が強くなってしまうんですね。

小野田:そうなんです。コメディ要素がOKという状況で足しながら稽古をすると、もうぐちゃぐちゃになるなと思いました。それこそ役の本筋が抜けてしまいそうだったので、一度台本に立ち返って、シンプルに作っています。

ーー小野田さんの前の、森新太郎さん版フック船長は滑稽な感じで作られていたので、観客もその印象が強いかもしれませんね。

小野田:本当はめちゃくちゃ怖いですから。でも、悪役をやるときにいつも思うんですが、愛される悪役でないといけないんです。特にこういうファンタジータッチの、お子様がたくさん観に来てくれる作品は、本当に嫌な奴になると共感してもらえなくなるというか。

出てきただけでちょっと「ん?」となりかねないので、そうならないように、ちょっとその人間ぽい抜けてる部分というか、「この人も人間なんだな」と思ってもらえる喜怒哀楽みたいなものは、どんな悪役でも、まずは持ちたいと思っています。

もちろん作品によっては、ずっとシリアスが望ましい場合ももちろんあるので、演目にもよります。フックは本来、ずっとムスっとしている、本当に怖い役です。パイレーツやスミーといるときはちょっと抜けた部分もありますが、ピーターと対峙するときは、様々な因縁を背負って対峙するわけですから、やっぱりきちんとシリアスに作りたいとも思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、稽古のこと、「小野田さんのフック船長のざわざわ感」についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。7月17日掲載予定のインタビュー「下」では、演出のブラッシュアップのこと、キャストの変化がもたらす刺激、『ピーター・パン』の世界観の魅力、「芝居をするときは、外の空気感を大切にしたい」という小野田さんのお話、アナログな見せ方だからこその魅力などについてのお話や読者の方へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■小野田:ちっちゃいフックが一緒にいる感じ。肩に乗っていて「今日もやろうか」と

■山﨑:俯瞰して新しい発見ができている。ひとつの役を探求している感覚が

■山﨑:ざわざわ感というか… 小野田:近くにいると、ざわざわする役者(笑)

■小野田:親戚の、いい意味でちょっと面倒くさい姪っ子? 山﨑:(笑)

<青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』>
【東京公演】2024年7月24日(水)~8月2日(金) 東京国際フォーラム ホールC
【愛知公演】2024年8月11日(日)~8月12日(月・祝) 御園座
【広島公演】2024年8月17(土)~8月18日(日) 広島文化学園HBGホール
【魚津公演】2024年8月24日(土)~8月25日(日) 新川文化ホール 大ホール
【大阪公演】2024年8月31日(土) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/peterpan/

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山﨑玲奈さん=撮影・伊藤華織
山﨑玲奈さん=撮影・伊藤華織

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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